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【加算減算】介護職員等特定処遇改善加算とは?

介護職員等特定処遇改善加算とは?

介護職員の処遇改善に対する取り組み

全産業を対象としている賃金調査において、介護職員の賃金が全産業の平均と比較し、低いという調査結果が出ています。これまでも介護職員の職場定着のための取り組みとして、介護職員処遇改善加算等の取り組みが行われていました。さらに定着率の向上を目指し、特に現場でリーダー的な役割を担う介護職員の賃金を全産業の平均年収440万円へ引き上げるための取り組みとして、介護職員特定処遇改善加算が設けられることとなりました。

長く勤めること、キャリアアップすることで、それに見合った賃金を得ることでき、給与面での不安から離職することを防ぐことが目的となっています。

 支給の対象者

「経験・技能がある介護福祉士」を基本として「その他の介護職員」「その他の職種」が支給の対象となります。この「経験・技能がある介護福祉士」とは、勤続10年以上の介護職員を基本としながらも、現場での業務を勘案して、事業所の裁量で設定することになります。

 支給のルール

「経験・技能がある介護福祉士」が支給対象の基本となりますが、一定のルールにのっとり、「その他の介護職員」「その他の職種」への柔軟な配分が可能です。

介護職員等特定処遇改善加算の算定単位数


特定処遇改善加算(Ⅰ) 特定処遇改善加算(Ⅱ)
訪問介護 6.3% 4.2%
訪問入浴介護※ 2.1% 1.5%
通所介護 1.2% 1.0%
通所リハビリテーション※ 2.0% 1.7%
短期入所生活介護※ 2.7% 2.3%
短期入所療養介護(老健)※ 2.1% 1.7%
短期入所療養介護(病院等)※ 1.5% 1.1%
短期入所療養介護(医療院)※ 1.5% 1.1%
特定施設入居者生活介護※ 1.8% 1.2%
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 6.3% 4.2%
夜間対応型訪問介護 6.3% 4.2%
地域密着型通所介護 1.2% 1.0%
認知症対応型通所介護 3.1% 2.4%
小規模多機能型居宅介護※ 1.5% 1.2%
認知症対応型共同生活介護※ 3.1% 2.3%
地域密着型特定施設入居者生活介護 1.8% 1.2%
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 2.7% 2.3%
複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護) 1.5% 1.2%
介護老人福祉施設 2.7% 2.3%
介護老人保健施設 2.1% 1.7%
介護療養型医療施設 1.5% 1.1%
介護医療院 1.5% 1.1%

※は予防介護を含む。
社保審-介護給付費分科会第168回(H31.2.13)資料より

介護職員等特定処遇改善加算の算定要件とは?

基準で定められた算定要件は以下のようになります。

算定要件の概要

①介護職員処遇改善加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)のいずれかを算定していること
②職場環境等要件について、「資質の向上」「労働環境・処遇の改善」「その他」の区分でそれぞれ1つ以上の取り組みを⾏っていること
③介護職員処遇改善加算に基づく取り組みについて、ホームページへの掲載等を通じて「⾒える化」を⾏っていること
④サービス種別により定められた、サービス提供体制強化加算、特定事業所加算、⽇常⽣活継続⽀援加算、⼊居継続⽀援加算等を算定していること


処遇改善加算を算定するためのキャリアパス要件

(キャリアパス要件Ⅰ)
①②③の全てを満たすこと。
①介護職員の職位、職責、職務内容等に応じた任用等の要件を定めていること。
②介護職員の職位、職責、職務内容等に応じた賃金体系(臨時的に支払われるものを除く)について定めていること。
③任用等の要件、賃金体系の内容について就業規則等の明確な根拠規定を整備し、全ての介護職員に周知していること。


(キャリアパス要件Ⅱ)
①②の全てを満たすこと。
①介護職員の職務内容、意見交換等を踏まえ、資質向上の目標に向けた具体的な計画を策定し、計画に沿った研修の実施、研修の機会を確保していること。
②研修の実施や研修の機会の確保について全ての介護職員に周知していること。


(キャリアパス要件Ⅲ)
①②の全てを満たすこと。
①介護職員について、経験や資格等に応じて昇給する仕組み、一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けていること。
要件を満たす仕組みとは、以下のようになります。

  • 経験に応じて昇給する仕組み
  • 勤続年数、経験年数などに応じて昇給する仕組み
  • 資格等に応じて昇給する仕組み
  • 介護福祉士や実務者研修修了者など資格取得に応じて昇給する仕組み(資格取得者が就職した場合にも昇給がある仕組みであること)
  • 一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組み
  • 人事評価などの結果に基づき昇給する仕組み(客観的な評価基準や昇給条件が明文化されていること)

②昇給する仕組み内容について、就業規則等の明確な根拠規定を整備し、全ての介護職員に周知していること。

職場環境等要件

(処遇改善加算(Ⅰ)及び(Ⅱ)の職場環境等要件)
平成27年4月から届出を要する日の属する月の前月までに実施した処遇改善(賃金改善を除く。)の内容を全ての介護職員に周知していること。

(処遇改善加算(Ⅲ)の職場環境等要件)
平成20年10月から届出を要する日の属する月の前月までに実施した処遇改善(賃金改善を除く。)の内容を全ての介護職員に周知していること。

(職場環境要件)

資質の向上
  • 働きながら介護福祉士取得を目指す者に対する実務者研修受講支援や、より専門性の高い介護技術を取得しようとする者に対する喀痰吸引、認知症ケア、サービス提供責任者研修、中堅職員に対するマネジメント研修の受講支援(研修受講時の他の介護職員の負担を軽減するための代替職員確保を含む)
  • 研修の受講やキャリア段位制度と人事考課との連動
  • 小規模事業者の共同による採用・人事ローテーション・研修のための制度構築
  • キャリアパス要件に該当する事項(キャリアパス要件を満たしていない介護事業者に限る)
  • その他
職場環境・処遇の改善
  • 新人介護職員の早期離職防止のためのエルダー・メンター(新人指導担当者)制度等導入
  • 雇用管理改善のための管理者の労働・安全衛生法規、休暇・休職制度に係る研修受講等による雇用管理改善対策の充実
  • ICT活用(ケア内容や申し送り事項の共有(事業所内に加えタブレット端末を活用し訪問先でアクセスを可能にすること等を含む)による介護職員の事務負担軽減、個々の利用者へのサービス履歴・訪問介護員の出勤情報管理によるサービス提供責任者のシフト管理に係る事務負担軽減、利用者情報蓄積による利用者個々の特性に応じたサービス提供等)による業務省力化
  • 介護職員の腰痛対策を含む負担軽減のための介護ロボットやリフト等の介護機器等導入
  • 子育てとの両立を目指す者のための育児休業制度等の充実、事業所内保育施設の整備
  • ミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化による個々の介護職員の気づきを踏まえた勤務環境やケア内容の改善
  • 事故・トラブルへの対応マニュアル等の作成による責任の所在の明確化
  • 健康診断・こころの健康等の健康管理面の強化、職員休憩室・分煙スペース等の整備
  • その他
その他
  •  介護サービス情報公表制度の活用による経営
  •  人材育成理念の見える化
  •  中途採用者(他産業からの転職者、主婦層、中高年齢者等)に特化した人事制度の確立(勤務シフトの配慮、短時間正規職員制度の導入等)
  •  障害を有する者でも働きやすい職場環境構築や勤務シフト配慮
  •  地域の児童・生徒や住民との交流による地域包括ケアの一員としてのモチベーション向上
  •  非正規職員から正規職員への転換
  •  職員の増員による業務負担の軽減
  •  その他

基準の記載内容(通所介護を例に)

別に厚生労働大臣が定める基準に適合している介護職員等の賃金の改善等を実施しているものとして都道府県知事に届け出た指定通所介護事業所が、利用者に対し、指定通所介護を行った場合は、当該基準に掲げる区分に従い、次に掲げる単位数を所定単位数に加算する。ただし、次に掲げるいずれかの加算を算定している場合においては、次に掲げるその他の加算は算定しない。

(1)介護職員等特定処遇改善加算(Ⅰ)
イからニまでにより算定した単位数の1000分の12に相当する単位数

(2)介護職員等特定処遇改善加算(Ⅱ)
イからニまでにより算定した単位数の1000分の10に相当する単位数


サービス種別ごとの算定要件の例

(共通)

  • 介護職員等特定処遇改善加算(Ⅰ)
    ①介護職員その他の職員の賃金改善について、次に掲げる基準のいずれにも適合し、かつ、賃金改善に要する費用の見込額が介護職員等特定処遇改善加算の算定見込額を上回る賃金改善に関する計画を策定し、当該計画に基づき適切な措置を講じていること。
    ㈠介護福祉士であって、経験及び技能を有する介護職員と認められる者(以下「経験・技能のある介護職員」という。)のうち一人は、賃金改善に要する費用の見込額が月額8万円以上又は賃金改善後の賃金の見込額が年額440万円以上であること。ただし、介護職員等特定処遇改善加算の算定見込額が少額であることその他の理由により、当該賃金改善が困難である場合はこの限りでないこと。
    ㈡当該事業所における経験・技能のある介護職員の賃金改善に要する費用の見込額の平均が、介護職員(経験・技能のある介護職員を除く)の賃金改善に要する費用の見込額の平均の2倍以上であること。
    ㈢介護職員(経験・技能のある介護職員を除く。)の賃金改善に要する費用の見込額の平均が、介護職員以外の職員の賃金改善に要する費用の見込額の平均の2倍以上であること。ただし、介護職員以外の職員の平均賃金額が介護職員(経験・技能のある介護職員を除く。)の平均賃金額を上回らない場合はこの限りでないこと。
    ㈣介護職員以外の職員の賃金改善後の賃金の見込額が年額440万円を上回らないこと。

    ②指定訪問介護事業所において、賃金改善に関する計画、当該計画に係る実施期間及び実施方法その他の当該事業所の職員の処遇改善の計画等を記載した介護職員等特定処遇改善計画書を作成し、全ての職員に周知し、都道府県知事に届け出ていること。

    ③介護職員等特定処遇改善加算の算定額に相当する賃金改善を実施すること。ただし、経営の悪化等により事業の継続が困難な場合、当該事業の継続を図るために当該事業所の職員の賃金水準(本加算による賃金改善分を除く。)を見直すことはやむを得ないが、その内容について都道府県知事に届け出ること。

    ④当該指定訪問介護事業所において、事業年度ごとに事業所の処遇改善に関する実績を都道府県知事に報告すること。

    ⑤○○加算又は○○加算のいずれかを算定していること。

    ⑥介護職員処遇改善加算 (Ⅰ)から (Ⅲ)までのいずれかを算定していること。

    ⑦平成20年10月から②の届出の日の属する月の前月までに実施した職員の処遇改善の内容(賃金改善に関するものを除く。以下この号において同じ。)及び当該職員の処遇改善に要した費用を全ての職員に周知していること。

    ⑧⑦の処遇改善の内容等について、インターネットの利用その他の適切な方法により公表していること。

  • 介護職員等特定処遇改善加算(Ⅱ)
    介護職員等特定処遇改善加算(Ⅰ)の①から④まで及び⑥から⑧までに掲げる基準のいずれにも適合すること。

    (訪問介護)
    ⑤訪問介護費における特定事業所加算(Ⅰ)または (Ⅱ)のいずれかを算定していること。

    (通所介護)
    ⑤通所介護費におけるサービス提供体制強化加算 イ(Ⅰ )を算定していること。

    (介護老人福祉施設)
    ⑤指定施設サービス等介護給付費単位数表の介護福祉施設サービスの注5の日常生活継続支援加算(Ⅰ)若しくは(Ⅱ)又は介護福祉施設サービスにおけるサービス提供体制強化加算(Ⅰ)イのいずれかを算定していること。

介護職員等特定処遇改善加算の留意点

  • 算定要件を満たしている事業所において、勤続10年以上の介護福祉位がいない場合も加算の算定ができます。
  • 職場環境等要件の満たすべき要件は、介護職員処遇改善加算を算定する上で満たしている要件をもって充てることができます。
  • 賃金改善額の計算は現行の介護職員処遇改善加算の改善額とは分けて判断します。
  • 介護職員等特定処遇改善加算の処遇改善後の賃金が440万円以上の判断には、法定福利費等は含めません。
  • 法人単位の取り扱いは、月額8万円の処遇改善、改善後の賃金が440万円以上の対象者の設定や確保、「経験・技能がある介護福祉士」「その他の介護職員」「その他の職種」の設定を共通して取り扱いできます。

まとめ

2019年2月13日時点での、「社会保障審議会介護給付費分科会の資料」を基に作成しています。
具体的な算定要件は次回以降に議論され、決定事項が通知されることになりますので、引き続き情報を更新してお伝えします。

特定処遇改善加算について、PDFにまとめたマニュアルもございます。マニュアルのダウンロードは、こちらよりお進みください。

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