訪問看護ステーションの運営基準とは?

訪問看護では、介護保険サービスを提供するために遵守しなくてはいけない基準が設けられています。この基準には、『人員に関する基準』、『設備に関する基準』、そして『運営に関する基準(運営基準)』があり、運営基準では、サービスの提供時に満たさなくてはいけない項目や事業所として適切なサービスを提供するための体制構築などについて定められています。
それでは、訪問看護の運営基準と実地指導において運営基準に係る指導事例を見ていきましょう。

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目次

訪問看護の運営基準とは?

訪問看護の運営基準は、『指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について』の第63条から第73条(準用を除く)までに定められています。
それでは具体的に、その内容について見ていきましょう。

内容及び手続きの説明及び同意

事業者がサービスの提供開始にあたり、あらかじめ利用者・家族に対して運営規程やサービスを選択するための重要事項について文書を用いて説明し、同意を得なくてはいけないことなどが定められています。
また、文書の交付を電磁的方法にて行うことができること、その際に説明などについても定められています。

提供拒否の禁止

正当な理由なく、サービスの提供を拒んではいけないことが定められています。

サービス提供困難時の対応

事業者が利用者の病状やサービス実施地域などの理由から適切なサービスの提供が難しいと判断した場合には、主治医や居宅介護支援事業者へ連絡し、他の事業者の紹介などを行わなければいけないことが定められています。

受給資格等の確認

サービスを提供する前に、利用者の被保険者証にて、被保険者資格、要介護認定の有無、要介護認定の有効期間を確認しなくてはいけないことが定められています。
また、被保険者証に認定審査会意見の記載がある場合は、それを考慮したサービスの提供を行うことが定められています。

要介護認定の申請に係る援助

要介護認定を受けていない利用者について、要介護認定の申請をしたかどうかを確認し、申請していない場合には、申請に必要な援助を行なければならないことが定められています。

心身の状況等の把握

サービスの提供にあたって、居宅介護支援事業者が開催するサービス担当者会議等を通じて、利用者の心身の状況や環境、他のサービスの利用状況等を把握するように努めることとされています。

居宅介護支援事業者等との連携

事業者は、サービスの提供にあたり、居宅介護支援事業者や保健医療サービス、福祉サービスを提供する者と連携しなければいけないことが定められています。
また、サービス提供終了時に、利用者・家族に対して適切な指導を行うこと、主治医・居宅介護支援事業者に対して情報提供を行うことについても定められています。

法定代理受領サービスの提供を受けるための援助

利用者に対して法定代理受領サービスについての説明を行うこと、法定代理受領サービスに必要な援助を行うことが定められています。

居宅サービス計画に沿ったサービスの提供

居宅サービス計画(ケアプラン)に沿ったサービスの提供をしなければいけないことが定められています。

居宅サービス計画等の変更の援助

利用者が居宅サービス計画の変更を希望する場合に、居宅介護支援事業者への連絡などの援助を行わなければいけないことが定められています。

身分を証する書類の携行

事業者は、従業者に身分を証する書類を携行させ、利用者・家族から提示を求められた際に提示するように指導しなければならないことが定められています。

サービスの提供の記録

サービスの提供にあたり、サービス提供日、サービスの提供内容、居宅介護サービス費の額等を、居宅サービス計画書に記載しなければいけないことが定められています。
また、利用者から申し出があった場合には、その情報を文書などにより提供しなければいけないことも定められています。

利用料等の受領

法定代理受領サービスに該当するサービスを提供した場合は、利用者から利用料(利用者負担)を受領することが定められています。
また、法定代理受領サービスに該当しないサービスを提供した場合や通常の事業の実施地域以外の地域におけるサービス提供に係る交通費の支払いについて定められています。

保険給付の請求のための証明書の交付

法定代理受領サービスに該当しないサービスの利用料を受領した場合には、サービスの提供内容、費用の額等を記載したサービス提供証明書を利用者に交付しなければいけないことが定められています。

指定訪問看護の基本取扱方針

指定訪問看護の提供にあたって、「利用者の要介護状態の軽減や悪化を防止するために、療養上の目標を設定し、計画的に行われなければならないこと」、「事業者は、提供するサービスの質を評価し、改善を図らなくてはいけないこと」などの基本的な方針が定められています。

指定訪問看護の具体的取扱方針

指定訪問看護の提供にあたって、「主治医との密接な連携・訪問看護計画書に基づき、利用者の心身の機能の維持回復のために適切に行うこと」、「利用者・家族に対し、療養上必要な事項について、理解しやすいように指導、説明を懇切丁寧に行うこと」、「医学の進歩に対応し、適切な看護技術をもって行うこと」、「常に利用者の病状や心身の状況、その置かれている環境の把握に努め、利用者・家族に適切な指導を行うこと」、「特殊な看護等については行ってはならないこと」などの具体的な方針が定められています。

主治の医師との関係

訪問看護の管理者は、主治医の指示に基づき適切なサービスが行われるために必要な管理をしなければいけないことが定められています。
また、サービスの提供にあたって主治医の指示を文書で受けること、主治医に訪問看護計画書・訪問看護報告書を提出し、密接な連携を図らなければいけないことなどが定められています。

訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成

看護師等(准看護師を除く。)は、利用者の希望、主治医の指示、心身の状況等を踏まえて、療養上の目標と、その目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した訪問看護計画書を作成しなければいけないことが定められています。
また、既に居宅サービス計画等が作成されている場合は計画の内容に沿った訪問看護計画書を作成すること、計画書の作成にあたり利用者・家族に説明し同意を得ること、作成した計画書は利用者に交付すること、訪問日・提供した看護内容等を記載した訪問看護報告書を作成すること、管理者は訪問看護計画書・訪問看護報告書の作成に関して指導と管理を行うことなども定められています。

同居家族に対する訪問看護の禁止

看護師等が、その同居家族に対するサービスの提供をしてはいけないことが定められています。

利用者に関する市町村への通知

事業者は、「利用者が、正当な理由なく、サービスの利用に関する指示に従わないことによって要介護度が悪化したと判断される場合」や「利用者が、偽りその他不正な行為によって保険給付を受け、又は受けようとした場合」に、速やかに、市町村へ通知しなければいけないことが定められています。

緊急時等の対応

サービスの提供時に利用者に病状の急変等が生じた場合には、必要に応じた臨時の応急処置と、迅速な主治医への連絡等の対応をしなければいけないことが定められています。

管理者の責務

事業所の従業者の管理、サービスの利用申し込みに係る調整、業務の実施状況の把握など管理者の業務について定められています。

運営規程

事業所ごとに、運営の重要な事項を定めた運営規程を作成しなければならないことになっています。

  • 事業の目的及び運営の方針
  • 従業者の職種、員数及び職務の内容
  • 営業日及び営業時間
  • 指定訪問看護の内容及び利用料その他の費用の額
  • 通常の事業の実施地域
  • 緊急時等における対応方法
  • その他運営に関する重要事項

勤務体制の確保等

適切なサービスの提供のため、事業所ごとに従業者の勤務体制を定めなければいけないこと、従業者の資質向上のために、研修の機会を確保しなければいけないことが定められています。
また、職場におけるハラスメント等の防止のための措置を講じなければならないことも定められています。

業務継続計画の策定等

感染症や非常災害の発生時におけるサービスの提供を継続するための「業務継続計画」の策定、看護師等への周知、研修・訓練の実施、必要に応じた見直し等を行わなければいけないことが定められています。

衛生管理等

看護師等の清潔の保持・健康状態について適切な管理を行うこと、また、事業所の設備や備品等の衛生管理に努めることが定められています。

掲示

運営規程の概要、従業者の勤務体制、利用者がサービスの選択をするのに有益となる情報を、事業所の見やすい場所に掲示しなければならないことが定められています。

秘密保持等

従業者は、正当な理由なく、その業務上知り得た利用者・家族の秘密を漏らしてはいけないことが定められています。また、事業者に従業者だった者が正当な理由なく、業務上知り得た利用者・家族の秘密を漏らすことがないように必要な措置を講じなければならないことも定められています。

広告

事業所の広告において、その内容が虚偽・誇大なものであってはならないことが定められています。

居宅介護支援事業者に対する利益供与の禁止

居宅介護支援事業者やその従業者に対し、利用者にサービスを利用させることの対償として金品その他の財産上の利益を供与してはいけないことが定められています。

苦情処理

事業者は、利用者・家族からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置等しなければならないことが定められています。
また、苦情を受け付けた場合には、その内容等を記録し、市町村・国保連合会からの苦情に関する調査への協力等を行うことも定められています。

地域との連携等

事業者は、事業の運営にあたり、市町村が実施する事業に協力するよう努めなくてはいけないことが定められています。
また、事業所と同一建物に居住する利用者にサービスを提供する場合には、その建物に居住する利用者以外の人に対してもサービス提供を行うように努めなくてはいけないことが定められています。

事故発生時の対応

サービスの提供により事故が発生した場合には、市町村、利用者の家族、利用者に係る居宅介護支援事業者等に連絡を行い、必要な対応を行わなければならないことが定められています。
また、その事故の状況や採った処置を記録し、賠償が必要になる場合には、速やかに損害賠償を行うことになります。

虐待の防止

事業者は、虐待の発生、虐待の再発を防止するために、虐待防止対策委員会の定期的な開催と従業員に対する結果の周知、虐待防止のための指針の整備、従業員に対する虐待防止のための研修の実施、虐待防止のための措置を実施するための担当者の配置などに努めることが定められています。

会計の区分

事業者は、事業所ごとに経理を区分し、訪問看護事業の会計とその他の事業の会計を区分しなければいけないことが定められています。

記録の整備

事業者は、従業者、設備、備品、会計に関する諸記録を整備しなければいけないことが定められています。また、サービスの提供に関する以下の記録を整備し、2年間保存しなければいけません。

  • 主治の医師による指示の文書
  • 訪問看護計画書
  • 訪問看護報告書
  • 提供した具体的なサービスの内容等の記録
  • 市町村への通知に係る記録
  • 苦情の内容等の記録
  • 事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録

訪問看護における運営基準の実地指導の指導事例

実地指導では、訪問看護を管轄する都道府県等が、適切に事業所運営が行われているか確認するために事業所を訪問し、書類の確認、ヒアリングなどを行います。その結果、もし指定基準(人員・設備・運営に関する基準)や介護報酬請求に対する違反や間違い等が見つかった場合、その違反や間違いの内容等に応じて指導や行政処分が実行されることになります。
ここでは、自治体が発表している実地指導等における指導事例から、運営基準に関わる指導事例をいくつかご紹介します。

運営基準の項目 指導等の内容
内容及び手続の説明及び同意
  • 介護サービスの提供の開始に際し、重要事項説明書による事業説明が行われておらず、また、提供の開始についての同意を得ていない。
  • 重要事項説明書に実態と異なる記載が見られた。
訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成
  • 訪問看護計画書について、利用者又はその家族に説明し同意を得る必要があるが、予め口頭説明により同意を得ていたものの、書面への記載、押印が遅れていた例が見受けられたので、書面への記載、押印を遅れずに行うこと。
運営規程
  • 従業者の員数が記載されていない。
  • 運営規程に定めるべき事項が不足している。
勤務体制の確保等
  • 勤務表で、兼務関係及びそれぞれの勤務時間について明確にされていなかった。
  • 研修の機会を確保していることが確認できなかった。
  • 管理者及び一部従業者の勤務表が作成されていなかった。
掲示
  • 事業所の見やすい場所に、運営規程の概要・勤務体制、その他利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項の掲示がされていない。
事故発生時の対応
  • サービス提供中に発生した事故について事故報告を行っていなかった。
  • 死亡事故等が発生した場合に、速やかに県に報告していない。

まとめ

訪問看護における運営基準について、その内容と実地指導における指導例をご紹介してきました。訪問看護ステーション等の運営にあたり、遵守しなくてはいけない『運営基準』についての理解は深まりましたか?
ここでご紹介した内容が皆様の訪問看護ステーション等の経営・運営のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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