【2021年度改定対応】通所介護等における延長加算とは?
延長加算とは、通所系サービスにおいて基本報酬の区分に定められる時間を超えて、サービスを提供することを評価する加算です。
通所系サービスのサービス提供時間は、平成30年度の介護報酬改定において実態の調査結果から、1時間単位の基本報酬の区分が設定されることになりました。(療養通所介護を除く)。
それでは、延長加算の単位数や算定要件について見ていきましょう。
延長加算の該当する介護サービス種別
- 通所介護
- 通所リハビリテーション
- 地域密着型通所介護(療養通所介護を除く)
- (介護予防)認知症対応型通所介護
延長加算の種類と単位数
介護サービス種別 | 単位数 |
---|---|
通所介護 |
9時間以上10時間未満:50単位
10時間以上11時間未満:100単位 11時間以上12時間未満:150単位 12時間以上13時間未満:200単位 13時間以上14時間未満:250単位 |
通所リハビリテーション |
8時間以上9時間未満:50単位
9時間以上10時間未満:100単位 10時間以上11時間未満:150単位 11時間以上12時間未満:200単位 12時間以上13時間未満:250単位 13時間以上14時間未満:300単位 |
地域密着型通所介護 |
9時間以上10時間未満:50単位
10時間以上11時間未満:100単位 11時間以上12時間未満:150単位 12時間以上13時間未満:200単位 13時間以上14時間未満:250単位 |
(介護予防)認知症対応型通所介護 |
9時間以上10時間未満:50単位
10時間以上11時間未満:100単位 11時間以上12時間未満:150単位 12時間以上13時間未満:200単位 13時間以上14時間未満:250単位 |
延長加算の算定要件
通所介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護の延長加算の算定要件
- 所要時間8時間以上9時間未満の通所介護の前後に延長サービスを提供していること
- 通所介護の所要時間と延長サービスの所要時間を通算した時間が9時間以上であること
通所リハビリテーションの延長加算の算定要件
- 所要時間7時間以上8時間未満の通所リハビリテーションの前後に延長サービスを提供していること
- 通所リハビリテーションの所要時間と延長サービスの所要時間を通算した時間が8時間以上であること
延長加算の留意点
- 延長加算を算定するためには、適当数の従業者を配置している必要があります。
- 事業所を利用した後に引き続き、その事業所の設備を利用して宿泊する場合や、宿泊した翌日に介護サービスの提供を受ける場合には、延長加算を算定できません。
通所介護の延長加算の時間の計算例
通所介護の場合は9時間(通所リハビリテーションの場合は8時間)を基準として、延長サービスの時間数を計算します。
【通所介護の計算式】
所要時間+延長サービスの時間ー9時間=延長加算の算定時間
【通所介護の計算例】
- 9時間の通所介護の後に連続して2時間の延長サービスを提供した場合 ⇒ 2時間
- 9時間の通所介護の前に1時間、後に1時間の延長サービスを提供した場合 ⇒ 2時間
- 8時間の通所介護の後に連続して2時間の延長サービスを提供した場合 ⇒ 1時間
延長加算のQ&A
平成27年度介護報酬改定に関するQ&A平成27年4月1日 問56 |
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Q.
9時間の通所介護等の前後に送迎を行い、居宅内介助等を実施する場合も延長加算は算定可能か。 |
A.
延長加算については、算定して差し支えない。 |
平成24年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)平成24年3月16日 問60 |
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Q.
サービス提供時間の終了後から延長加算に係るサービスが始まるまでの間はどのような人員配置が必要となるのか。 |
A.
例えば通所介護のサービス提供時間を7時間30分とした場合、延長加算は、7時間以上9時間未満に引き続き、9時間以上から算定可能である。 サービス提供時間終了後に日常生活上の世話をする時間帯(9時間までの1時間30分及び9時間以降)については、サービス提供時間ではないことから、事業所の実情に応じて適当数の人員配置で差し支えないが、安全体制の確保に留意すること。 |
平成24年度介護報酬改定に関すQ&A(Vol.1)平成24年3月16日 問61 |
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Q.
延長加算の所要時間はどのように算定するのか。 |
A.
延長加算は、実際に利用者に対して延長サービスを行うことが可能な事業所において、実際に延長サービスを行ったときに、当該利用者について算定できる。 通所サービスの所要時間と延長サービスの所要時間の通算時間が、例えば通所介護の場合であれば9時間以上となるときに1時間ごとに加算するとしているが、ごく短時間の延長サービスを算定対象とすることは当該加算の趣旨を踏まえれば不適切である。 |
平成24年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)平成24年3月16日 問62
※平成27年度介護報酬改定に伴い修正 |
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Q.
延長加算と延長サービスにかかる利用料はどういう場合に徴収できるのか。 |
A.
通常要する時間を超えた場合にかかる利用料については、例えば通所介護においてはサービス提供時間が9時間未満において行われる延長サービスやサービス提供時間が14時間以上において行われる延長サービスについて徴収できる。また、サービス提供時間が14時間未満において行われる延長サービスについて延長加算にかえて徴収できる。このとき当該延長にかかるサービス提供について届出は必要ない。 ただし、同一時間帯について延長加算に加えて利用料を上乗せして徴収することはできない。 (参考)通所介護における延長加算および利用料の徴収の可否 例①サービス提供時間が9時間で5時間延長の場合(9時間から14時間が延長加算の設定) 例②サービス提供時間が8時間で6時間延長の場合(8時間から9時間の間は利用料、9時間から14時間が延長加算の設定) 例③サービス提供時間が8時間で7時間延長の場合(8時間から9時間及び14時間から13時間の間は利用料、9時間から14時間が延長加算の設定) |
介護保険最新情報vol.151介護報酬に係るQ&A平成15年5月30日 問12 |
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Q.
通所サービスの前後に併設医療機関等を受診した場合の延長加算について |
A.
通所サービスと併設医療機関における受診は別の時間帯に行われる別のサービスであることから、通所サービス後の受診後の時間帯に延長サービスを行った場合も、当該延長サービスは通所サービスに係る延長サービスをみなされず、当該加算を算定できない。 (参考)延長加算の算定の可否 例①は通所サービス後の延長サービスに限り算定できる。 例②は通所サービス前の延長サービスに限り算定できる。 例①延長加算 診察 通所サービス 延長加算○ の順 例②延長加算○ 通所サービス 診察 延長加算 の順 |
介護保険最新情報vol.151介護報酬に係るQ&A平成15年5月30日 問6 |
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Q.
延長加算に係る延長時間帯における人員配置について |
A.
延長サービスにおける日常生活上の世話とは、通常のサービスに含まれるものではなく、いわゆる預かりサービスなどを、事業所の実情に応じて適当数の従業員を置いて行うものである。 よって、延長加算の時間帯は人員基準上の提供時間帯に該当しない。複数の単位の利用者を同一の職員が対応することもできる。 |
介護保険最新情報vol.151介護報酬に係るQ&A平成15年5月30日 問8 |
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Q.
延長加算に係る届出について |
A.
延長加算については、「実際に利用者に対して延長サービスが行うことが可能な場合」に届出できると規定されている。よって、延長サービスに係る従業者の配置状況が分かる書類などを添付する必要はない。 |
最後に
この記事は、作成時点の最新資料・情報を基に作成しています。具体的な解釈や申請等については、その都度、最新情報をご確認いただき、自治体等へ申請・お問い合わせいただきますようお願い致します。
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