【2021年度改定対応】放課後等デイサービスにおける医療連携体制加算とは?【障害福祉サービス】
放課後等デイサービスにおける医療連携体制加算とは、医療機関等から看護職員が放課後等デイサービスに訪問し、看護の提供や認定特定行為業務従事者に対して喀痰吸引等の指導を行う取り組みを評価する加算です。
2021年度の障害福祉サービス報酬改定では、医療連携体制加算の区分が見直され、単位数や看護を提供する時間・対象の児童数による区分の分け方などに変更がありました。
この記事では、医療連携体制加算の単位数や算定要件についてまとめていますので、ぜひ最後までお読みください。
放課後等デイサービスにおける医療連携体制加算の算定要件
医療連携体制加算は、2021年度の報酬改定において(Ⅰ)~(Ⅶ)の7種類の区分になっています。
医療連携体制加算(Ⅰ)の算定要件
- 医療機関等と連携し看護職員が放課後等デイサービスに訪問すること。
- 就学児に対し、1時間未満の看護を行うこと。
医療連携体制加算(Ⅱ)の算定要件
- 医療機関等と連携し看護職員が放課後等デイサービスに訪問すること。
- 就学児に対し、1時間以上2時間未満の看護を行うこと。
- 医療的ケア区分1~3、重症心身障害児に対する基本報酬の区分を算定していないこと。
医療連携体制加算(Ⅲ)の算定要件
- 医療機関等と連携し看護職員が放課後等デイサービスに訪問すること。
- 就学児に対し、2時間以上の看護を行うこと。
- 医療的ケア区分1~3、重症心身障害児に対する基本報酬の区分を算定していないこと。
医療連携体制加算(Ⅳ)の算定要件
- 医療機関等と連携し看護職員が放課後等デイサービスに訪問すること。
- スコア表の項目の欄に規定するいずれかの医療行為を必要とする状態である就学児に対し、4時間未満の看護を行うこと。
- 医療連携体制加算(Ⅰ)・(Ⅱ)・(Ⅲ)を算定していないこと。
- 医療的ケア区分1~3、重症心身障害児に対する基本報酬の区分を算定していないこと。
医療連携体制加算(Ⅴ)の算定要件
- 医療機関等と連携し看護職員が放課後等デイサービスに訪問すること。
- スコア表の項目の欄に規定するいずれかの医療行為を必要とする状態である就学児に対し、4時間以上の看護を行うこと。
- 医療連携体制加算(Ⅲ)を算定していないこと。
- 医療的ケア区分1~3、重症心身障害児に対する基本報酬の区分を算定していないこと。
医療連携体制加算(Ⅵ)の算定要件
- 医療機関等と連携し看護職員が放課後等デイサービスに訪問すること。
- 看護職員が認定特定行為業務従事者に対し、喀痰吸引等の指導を行うこと。
- 医療的ケア区分1~3、重症心身障害児に対する基本報酬の区分を算定していないこと。
医療連携体制加算(Ⅶ)の算定要件
- 認定特定行為業務従事者が、喀痰吸引等が必要な就学児に対して、医療機関等と連携し、喀痰吸引等を実施すること。
- 医療連携体制加算(Ⅰ)・(Ⅱ)・(Ⅲ)・(Ⅳ)・(Ⅴ)を算定していないこと。
- 医療的ケア区分1~3、重症心身障害児に対する基本報酬の区分を算定していないこと。
医療的ケア区分1~3、重症心身障害児に対する基本報酬の区分とは?
医療的ケア区分1~3、重症心身障害児に対する基本報酬の区分とは、以下のいずれかに該当する区分です。
イ.障害児(重症心身障害児を除く)に対し授業の終了後に指定放課後等デイサービスを行う場合
(1)区分1 提供時間が3時間以上 |
(一)医療的ケア区分3
(二)医療的ケア区分2 (三)医療的ケア区分1 |
イ.障害児(重症心身障害児を除く)に対し授業の終了後に指定放課後等デイサービスを行う場合
(2)区分2 提供時間が3時間未満 |
(一)医療的ケア区分3
(二)医療的ケア区分2 (三)医療的ケア区分1 |
ロ.障害児(重症心身障害児を除く)に対し休業日に指定放課後等デイサービスを行う場合 |
(1)医療的ケア区分3
(2)医療的ケア区分2 (3)医療的ケア区分1 |
ハ.重症心身障害児に対し指定放課後等デイサービスを行う場合 |
スコア表の項目の欄に規定するいずれかの医療行為を必要とする状態である就学児とは?
医療的ケア(診療の補助行為) | 基本スコア | 見守りスコア |
---|---|---|
1.人工呼吸器(鼻マスク式補助換気法、ハイフローセラピー、間歇的陽圧吸入法、排痰補助装置、高頻度胸壁振動装置を含む)の管理
注)人工呼吸器及び括弧内の装置等のうち、いずれか一つに該当する場合にカウントする。 |
10点 |
高:2点
中:1点 低:0点 |
2.気管切開の管理
注)人工呼吸器と気管切開の両方を持つ場合は、気管切開の見守りスコアを加点しない。(人工呼吸器10点+人工呼吸器見守り0~2点+気管切開8点) |
8点 |
高・中:2点
低:0点 |
3. 鼻咽頭エアウェイの管理 | 5点 |
高・中:1点
低:0点 |
4.酸素療法 | 8点 |
高・中:1点
低:0点 |
5.吸引(口鼻腔・気管内吸引) | 8点 |
高・中:1点
低:0点 |
6.ネブライザーの管理 | 3点 | 該当なし |
7.経管栄養
(1)経鼻胃管、胃瘻、経鼻腸管、経胃瘻腸管、腸瘻、食道瘻 |
8点 |
高・中:2点
低:0点 |
7.経管栄養
(2)持続経管注入ポンプ使用 |
3点 |
高・中:1点
低:0点 |
8.中心静脈カテーテルの管理(中心静脈栄養、肺高血圧症治療薬、麻薬など) | 8点 |
高・中:2点
低:0点 |
9.皮下注射
(1) 皮下注射(インスリン、麻薬など) |
5点 |
高・中:1点
低:0点 |
9.皮下注射
(2)持続皮下注射ポンプ使用 |
3点 |
高・中:1点
低:0点 |
10.血糖測定(持続血糖測定器による血糖測定を含む)
注) インスリン持続皮下注射ポンプと持続血糖測定器とが連動している場合は、血糖測定の項目を加点しない。 |
3点 |
高・中:1点
低:0点 |
11.継続的な透析(血液透析、腹膜透析を含む) | 8点 |
高・中:2点
低:0点 |
12.導尿
(1)利用時間中の間欠的導尿 |
5点 | 該当なし |
12.導尿
(2)持続的導尿(尿道留置カテ-テル、膀胱瘻、腎瘻、尿路ストーマ) |
3点 |
高・中:1点
低:0点 |
13.排便管理
(1)消化管ストーマ |
5点 |
高・中:1点
低:0点 |
13.排便管理
(2)摘便、洗腸 |
5点 | 該当なし |
13.排便管理
(3)浣腸 |
3点 | 該当なし |
14.痙攣時の 坐剤挿入、吸引、酸素投与、迷走神経刺激装置の作動等の処置
注)医師から発作時の対応として上記処置の指示があり、過去概ね1年以内に発作の既往がある場合 |
3点 |
高・中:2点
低:0点 |
※基本スコアは日中・夜間でチェックをしますが、障害児通所支援では日中の基本スコア+見守りスコアが、医療的ケアの判定スコアとなります。
放課後等デイサービスにおける医療連携体制加算の単位数
加算の種類 | 単位数 |
---|---|
医療連携体制加算(Ⅰ) | 32単位/日 |
医療連携体制加算(Ⅱ) | 63単位/日 |
医療連携体制加算(Ⅲ) | 125単位/日 |
医療連携体制加算(Ⅳ) |
看護を受けた就学児が1人:800単位/日
看護を受けた就学児が2人:500単位/日 看護を受けた就学児が3~8人:400単位/日 |
医療連携体制加算(Ⅴ) |
看護を受けた就学児が1人:1600単位/日
看護を受けた就学児が2人:960単位/日 看護を受けた就学児が3~8人:800単位/日 |
医療連携体制加算(Ⅵ) | 500単位/日 |
医療連携体制加算(Ⅶ) | 100単位/日 |
留意事項
- 医療連携体制加算(Ⅰ)・(Ⅱ)・(Ⅲ)は、看護職員の1回の訪問につき、8人の就学児を限度として加算を算定することができます。
- 医療連携体制加算(Ⅳ)・(Ⅴ)は、看護職員の1回の訪問につき、8人の就学児を限度として加算を算定することができます。
- 医療連携体制加算(Ⅰ)・(Ⅱ)・(Ⅲ)の児童数と医療連携体制加算(Ⅳ)・(Ⅴ)の児童数は、合算する必要はなく、それぞれについて8人を限度として算定可能です。
- 医療連携体制加算(Ⅳ)・(Ⅴ)において、『スコア表の項目の欄に規定するいずれかの医療行為を必要とする状態である就学児』が3人以上利用している事業所では、『医療的ケア区分1~3に対する基本報酬の区分』を算定することが原則となっています。
- 医療連携体制加算(Ⅳ)・(Ⅴ)において、看護職員の訪問時間を看護の提供時間として取り扱います。
- 看護職員の訪問時間は、連続した時間ではなく、1日の訪問した時間を合算した時間で判断します。
最後に
この記事は、作成時点の最新資料・情報を基に作成しています。具体的な解釈や申請等については、その都度、最新情報をご確認いただき、自治体等へ申請・お問い合わせいただきますようお願い致します。
2019年4月スタートの「自己評価結果等未公表減算」への対応はお済みですか?
減算を受けないための概要説明資料と必要な様式をセットにして配布中です。
ご希望の方は
「放デイ&児発用:資料+様式ダウンロード」
よりどうぞ。
※さらに、詳細な資料をご覧になりたい方は、こちらからお申し込みください