介護保険制度2015年の改正【お泊りデイの届出・公表制導入】
はじめに ー お泊りデイとは?
「お泊りデイ(サービス)」という言葉を聞いたことがありますか?
これは、日中の通所介護事業(通称デイサービス)を行う事業者が、夜間に介護保険適用外で利用者に提供している宿泊サービスのこと。
デイサービスを利用した要介護者が、夜もそのままそこに泊まるイメージです。
お泊りデイをサービス提供しているのは定員10名以下の小規模型事業所が多いと言われており、一泊の価格は数百円から数千円とそれほど高くはないところが多くなっています。
お泊りデイ増加の背景
お泊りデイはここ数年で急激に増えています。
その背景には、要介護の高齢者が宿泊できる施設が慢性的に不足していることにあります。介護保険制度の中で高齢者が宿泊できるサービスとしては、「ショートステイ」や「小規模多機能型事業所」などが一般的です。
しかし、どちらも予約が埋まっていたり、数が足りなかったりして、いつでも利用できるとは限りません。その点、お泊りデイがあることで、地域に「宿泊可能」な資源が増え、家族介護者のレスパイト(休息)という点でも注目される存在になったわけです。
お泊りデイのメリット・デメリット
お泊りデイの良い点は、要介護者を在宅でケアしている家族の負担を軽減できるところです。
しかしながら、介護保険適用外のサービスということは、もともとは想定されていなかった事業形態であるということ。
そのため、これまでは国が定めた十分な基準がありませんでした。
東京都や大阪府など、独自の基準を設けている自治体もありますが、それも強制力は限られています。
そのせいで、事業者によっては狭い部屋に高齢者を大勢詰め込み安全とプライバシーが確保できない、スタッフの数が足りないなど劣悪な環境で運営していることもあり、問題点が指摘されていました。
届出・公表制の導入
こうした問題を受けて、厚労省は省令により、平成27年4月1日より「お泊りデイサービス」を行なう場合に、指定権者(都道府県もしくは市町村)への届出、および事故があった場合の市町村や家族に連絡を義務づけるとしました。
また、都道府県は、届出の内容を介護サービス情報公表制度にもとづいて公表することも定めています。さらに、厚生労働省が新たに「お泊りデイ」に関するガイドラインを策定するとしました。ガイドラインでは、利用定員や一人当たりの床面積、緊急時対応などの指針が定められています。
今まで国の基準がなかったことが不思議なほど、数が増えているお泊りデイ。今回の介護保険の制度改正を機に、利用者にとってより使いやすく適切な制度になることが期待されています。
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