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指定申請の運営基準

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介護事業所の運営基準とは、事業を開始するうえで運営上求められるルールのことをいいます。

利用者との契約の際には、利用者本人やその家族に対して運営規程の概要、サービスなどに関係する重要事項を文書で説明・交付し、同意を得ることが必要になります。

以下にて、開業支援でよくいただく質問を記載します。

①損害賠償責任保険の加入

サービス提供にあたって、損害を賠償するべき事故が発生した場合に備えて損害賠償責任保険に加入しておきましょう。多くの指定権者では指定申請の書類提出時に損害賠償責任保険の加入証明書(付保証明書)の提出が求められます。仮に当該事故が発生した際に損害賠償を履行出来なかった場合には民事上の履行責任が問われるだけでなく、介護保険・障害者総合支援法上の運営基準に抵触することがあります。

②契約書の作成

運営基準では、事業所の運営規定や利用料などの重要事項を利用者や家族に文書で説明し、同意を得ることが義務付けられています。さらにこの重要事項説明書に加えて、サービスの提供に関し利用者との間で契約書を取り交わす必要があります。

重要事項説明書や契約書の雛形もありますので、ご希望の場合はカイポケ開業支援担当者までお声掛けください。多くの方は雛形や現職の事業所でお使いいただいている実際の重要事項説明書や契約書をもとにご自身の開業事業所の状況にカスタマイズし作成されていますが、行政書士などによる作成代行をご希望の場合はご案内可能な場合もありますので、カイポケ開業支援担当者までご連絡ください。

③運営規定の作成

運営はを満たすために作成する書類の一つが運営規定です。一般に運営基準で定められていることは運営規定などでの明文化が必要です。指定権者によってはサービス種類毎に運営規定に記載が必要な項目が定められている場合もあるため、必ず担当の指定権者に確認してください。

以下にて東京都福祉保健局が提示している運営規定の例を紹介します。

▼参考:東京都福祉局が提示している運営規定

運営に関する基準 記載内容/記載例
1. 事業の目的 法人名・事業所名の記載が必須(例:第1条△△法人△△が開設する○○○○○サービスセンターが行う指定○○介護の事業)また、事業所の従事者がどのような介護を提供するか目的を示す必要があります。
2. 運営の方針 運営を行う中でどのようなサービスを行うか記載する必要がある。また、関係市区町村、地域包括支援センター、近隣の他の保健・医療又は福祉サービスを提供する者などとの密接な連携を行う方針の記載の必要があります。
3. 事業の名称及び所在地 事業所の名称と所在地を記載する必要があります。
4. 職員の職種、員数及び職務内容 職員の職種、人員数および職務内容を記載する必要があります。
5. 営業日及び営業時間 事業所の営業日及び営業時間を記載する必要があります。
6. 指定サービスの提供方法、内容
※内容はサービス種類によって異なります
指定○○介護の内容は○○サービス計画に基づいてサービスを行うものとする。ただし、緊急を要する場合にあっては、○○サービス計画の作成前であってもサービスを利用出来るものとし、次に掲げるサービスから利用者に必要なサービスを提供する。
7. 指定サービスの提供方法
※内容はサービス種類によって異なります
提供方法・サービス内容・利用料・定員などを記載します。
8. 通常の事業の実施地域 通常の事業の実施地域を記載する。(例:〇〇区、××区、△市とする。ただし、△市はXX町、○○町のみとする。)
9. 相談・苦情対応 利用者からの相談、苦情などに対する窓口を設置し、指定○○介護サービスなどに関する利用者の要望、苦情などに対し迅速に対応する。また、苦情の内容などについて記録し、当該利用者の契約終了の日から2年間保存することの記載。
10. 事故処理 サービス提供に際し、利用者に事故が発生した場合には、速やかに指定権者、介護支援専門員、利用者の家族などに連絡を行うとともに、必要な措置を講じる必要がある。また、利用者に賠償すべき事故が発生した場合には損害賠償を速やかに行う。
11. その他運営についての留意事項 一般的に下記のような記載をする必要がある。
  • 指定○○介護事業所は従業員の資質向上を図るため、研修の機会を次のとおり設けるものとし、また業務体制を整備する。
  • 従業者は業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を保持する。
  • 従業者であった者に、業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を保持させるため、従業者でなくなった後においてもこれらの秘密を保持するべき旨を、従業者との雇用契約の内容とする。
  • この規程に定める事項のほか、運営に関する重要事項は△△法人△△と事業所の管理者との協議に基づいて定めるものとする。

※ 東京都福祉保健局が提示している「運営規定」より一部抜粋をして作成。また、サービス種類での違いに加えて、同じサービス種類のサービス利用にあたっての留意事項・非常災害対策などの記載など細かな違いが指定権者毎にある可能性があります。



運営基準については、上記以外にも細かな規定があります。以下に埼玉県で公開されている一覧を記載しますので、ご確認ください。

運営基準のポイント抜粋
  • 管理者は事業所を一元的に管理し、従業者に基準を遵守させること
  • 運営や利用料などの重要事項を記載した文書を交付して説明し、同意を得ること
  • 原則として、利用申込みに対して応じなければならないこと
  • サービス提供困難時には、他事業者の紹介など必要な措置をとること
  • 受給資格などを確認し、認定審査会の意見に配慮すること
  • 要介護(要支援)認定の申請(更新)などを援助すること
  • 居宅介護支援事業者などのサービス提供事業者との密接な連携に努めること
  • 居宅サービス計画の作成や変更の援助をすること
  • サービス提供、従業者、設備、会計などに関する記録を整備し、保存すること
  • 法定代理受領サービスとなる場合とそれ以外の場合で、又は医療保険による事業との間で、利用料に不合理な差を設けないこと
  • 利用者の選定により通常の事業の実施地域を越えて行う事業に要する交通費について、利用者から実費相当額を徴収出来ること(予め利用者又はその家族に対し説明し、原則として文書により同意を得ること)
  • 利用者の希望・心身の状況や主治医の指示を踏まえて介護計画を作成すること
  • 計画の目標、内容などを利用者や家族に説明し、同意を得ること、また交付すること
  • 同居の家族をサービス提供の対象としないこと
  • 不正又は故意に要介護(要支援)状態を生じさせたなどと認められた者について、市町村に通知すること
  • 利用者に緊急事態が生じた場合、必要な措置を講じること
  • 事業内容や利用料などの重要事項を運営規程に定めること
  • 事業の適切な実施に必要な勤務体制、研修の機会など確保すること
  • 衛生管理などに努めること
  • 運営規程の概要、勤務体制などの重要事項を事業所に掲示すること
  • 従業者や従業者であった者は利用者や家族の秘密を保持し、同意なく提供しないこと
  • 虚偽又は誇大な広告を行わないこと
  • 居宅介護支援事業者に利益供与を行わないこと
  • 苦情処理体制を整えて、苦情に迅速かつ適切に対応すること
  • 利用者の苦情に関して市町村が実施する介護相談員事業などに協力するよう努めること
  • 事故発生時には、家族などへの連絡、損害賠償などの措置を速やかに講じること
  • 事業所ごとに経理を区分し、他事業と会計を区分すること
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