介護事業者としての指定を受けるためには、まずどの自治体に届出を提出するのか確認する必要があります。一部の市区町村（指定都市や中核市）には都道府県から権限が委譲されているので注意が必要です。

また、2018年度には予防通所介護や予防訪問介護は介護予防・日常生活支援総合事業（以下：総合事業）と名称を変え、その財源と指定・監督を行う権限が市区町村へ完全に移行されたため、申請手続きはさらに複雑になりました。

申請書類とその申請先については開業準備を始める初期段階で確認しておき、その後の手順をスムーズに進められるようにしましょう。

総量規制について 総量規制とは各市区町村単位の施設や居住系サービスの総量に対する規制で、介護サービスに対する指定権者の負担軽減、在宅介護の推奨などを目的としてはじめられました。一般的には特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの施設整備の総量の規制が主だったのですが、近年は地域密着型通所介護、放課後等デイサービス事業所など介護施設だけでなく居宅サービスや障害福祉の分野にも広がっています。

ローカルルールについて 指定基準にはローカルルールがまだ多く残っています。基準省令には詳細が記されていないことも多く、その場合、指定権者によって解釈が異なったり、さらに細かな条件が設定されていることがあります。そのため不明点や疑問点ついては指定権者に問い合わせ、確認しておくことが重要です。

介護保険法に基づく介護事業の指定申請先（指定権者）：

都道府県・政令市・中核市が指定・監督を行うサービス ※1 ※2	市町村が指定・監督を行うサービス
居宅介護サービス： 通所介護 通所リハビリテーション・介護予防通所リハビリテーション 訪問介護 訪問入浴介護・介護予防訪問入浴介護 訪問看護・介護予防訪問看護 訪問リハビリテーション・介護予防訪問リハビリテーション 福祉用具貸与・介護予防福祉用具貸与 特定福祉用具販売・特定介護予防福祉用具販売　など 施設サービス： 介護老人福祉施設 介護老人保健施設 介護医療院　など	地域密着型介護サービス： 定期巡回・臨時対応型訪問介護看護 夜間対応型訪問介護 地域密着型通所介護 認知症対応型通所介護 小規模多機能型居宅介護 認知症対応型共同生活介護（グループホーム）　など 居宅介護支援：介護予防・日常生活支援総合事業 （旧介護予防通所介護・介護予防訪問介護）： 基準緩和型通所介護 介護予防型訪問（独自/定率）　など

※1　指定都市とは地方自治法で「政令で指定する人口50万以上の市」と規定されている都市のことを指します
※2　中核市とは地方自治法で「政令で指定する人口 20万以上の市」と規定されている都市のことを指します

障害者総合支援法に基づく障害福祉事業の指定申請先（指定権者）：

都道府県・政令市・中核市が指定・監督を行うサービス ※1 ※2	市町村が指定・監督を行うサービス
指定障害福祉サービス： 居宅介護 重度訪問介護 行動援護 同行援護 共同生活援助 自立訓練　など 指定障害者支援施設： 施設入所支援 生活介護 自立訓練 就労移行支援　など 指定相談支援事業者： 一般指定相談支援事業者 （地域移行支援、地域定着支援　など）	指定相談支援事業者： 特定相談支援事業者 （サービス等利用計画の作成） 地域生活支援事業（市町村）： 移動支援 日常生活用具給付等事業　など

※1　指定都市とは地方自治法で「政令で指定する人口50万以上の市」と規定されている都市のことを指します
※2　中核市とは地方自治法で「政令で指定する人口 20万以上の市」と規定されている都市のことを指します

児童福祉法に基づく児童福祉事業の指定申請先（指定権者）：

都道府県・政令市・中核市が指定・監督を行うサービス ※1 ※2	市町村が指定・監督を行うサービス
指定障害児通所支援事業者： 児童発達支援 （児童発達支援センター） 児童発達支援 （児童発達支援センター以外） 医療型児童発達支援 放課後等デイサービス 保育所等訪問支援　など 指定障害児入所施設： 福祉型障害児入所施設 医療型障害児入所施設	指定障害児相談支援事業者： 障害児相談支援事業者 （サービス等利用計画の作成）

※1　指定都市とは地方自治法で「政令で指定する人口50万以上の市」と規定されている都市のことを指します
※2　中核市とは地方自治法で「政令で指定する人口 20万以上の市」と規定されている都市のことを指します