訪問介護事業所開設に必要な人員基準について
SMS CO.,LTD
訪問介護をはじめ、介護事業を開設・経営していくには、指定基準を満たしている必要があります。
今回の記事では、指定基準の1つ、人員基準に焦点を当て、訪問介護におけるサービス提供責任者の人員基準や人員基準を満たす際の注意点などを解説していきます。
開業に必要なことは、カイポケにお任せください
開業までの数ヶ月は、やる事が盛りだくさん。特にはじめての場合は、
「何から始めれば良いの?」「どんな順番でやれば良いの?」と、不安もいっぱい。
そんな中、会計事務所やコンサル会社にサポートを依頼すると、
莫大な費用がかかり、せっかく貯めた開業資金がもったいない・・・
そんな不安を解消するために、カイポケは開業までに必要なことを、お手伝いします!
無料・有料オプションサービスを含め 幅広いサービスをご用意しております ので、
この機会に、ぜひお問合せくださいね。
専門スタッフが疑問にお答えします
開業について詳しく聞く目次
訪問介護の人員基準
訪問介護では、次の3職種の人員配置を行う必要があります。
① 訪問介護員
② サービス提供責任者
③ 常勤管理者
① 訪問介護員
常勤換算で2.5人以上(サービス提供責任者を含む)配置します。
訪問介護員の資格要件は次のいずれかの要件を満たすことが必要です。
- 介護福祉士
- 実務者研修修了者
- 初任者研修修了者
- 旧介護職員基礎研修過程修了者
- 旧ホームヘルパー1級課程修了者
- 旧ホームヘルパー2級課程修了者
- 看護師・准看護師
※常勤換算で2.5以上とは
「従業者の勤務延べ時間数h」「常勤従事者の勤務時間数h」=常勤換算数
この常勤換算数が2.5以上でないといけません。
② サービス提供責任者について
サービス提供責任者を常勤職員で専ら訪問介護業務に従事する者のうち、1人以上のサービス提供責任者を配置します。
サービス提供責任者の資格要件は次のいずれかの要件を満たすことが必要です。
- 介護福祉士
- 実務者研修修了者
- 旧介護職員基礎研修課程修了者
- 旧ホームヘルパー1級課程修了者
- 実務経験3年以上の介護職員初任者研修修了者(旧ホームヘルパー2級課程修了者)
※実務経験3年以上の介護職員初任者研修修了者またはホームヘルパー2級課程修了者が責任者となった場合は減算になります。
ただし、利用者の人数(前3か月間の平均値)が40人(1単位)を超えるごとに1人以上追加、配置する必要があります。
新規の事業所の場合は推定の利用者数です。
③ 常勤管理者について
訪問介護事業所の責任者で、専ら管理の職務に従事する常勤1人必要です。
ただし、職務上支障がない場合は、同一事業所内の他の職務、または同一敷地内の他の事業所の職務との兼務が認められます。
例えば、管理者とサービス提供責任者は兼務することができ、管理者は訪問介護事業所と居宅介護支援事業所と兼務することもできます。
千葉県柏市のサービス提供責任者の配置基準について
ここでは、千葉県柏市の人員基準を例に挙げて説明していきます。
1. 常勤換算で計算しない場合
サービス提供責任者は利用者の数が40または、その端数を増すごとに1人以上の常勤者の配置が必要です。
利用者数 | 常勤換算しないときの必要人員 |
---|---|
40人以下 | 常勤1人 |
41人~80人 | 常勤2人 |
81人~120人 | 常勤3人 |
121人~160人 | 常勤4人 |
161人~200人 | 常勤5人 |
201人~240人 | 常勤6人 |
2. 常勤換算で計算する場合は利用者の数が40人を超える場合のみ
- 常勤換算方法 利用者数 40(少数第1位に切り上げ)以上配置する
- 利用者の数が40人超200人以下の場合は計算した数より1引いた数以上の人員が必要
- 利用者の数が200人以上の場合、計算した数の3分の2以上の人員が必要
利用者数 | 必要常勤数 | 必要常勤換算数 |
---|---|---|
70人 | 1人 | 1.8 |
110人 | 2人 | 2.8 |
150人 | 3人 | 3.8 |
190人 | 4人 | 4.8 |
230人 | 4人 | 5.8 |
270人 | 5人 | 6.8 |
3. 2015年(平成27年)から次のように特例として変更が加えられました。
次のすべての要件を満たした事業所は、サービス提供責任者の員数を50または端数を増すごとに1人人員が必要とされました。
- 常勤のサービス提供責任者を3人以上配置すること
- サービス提供責任者の業務に主として従事する者を一人以上配置していること
(訪問介護員として行ったサービス提供時間が月30時間以内であること) - サービス提供責任者が行う業務が効率的に行われていること
利用者数 | 必要数 | 常勤換算方法を使用する場合の必要サービス提供責任者 |
---|---|---|
50人以下 | 常勤3人以上 | 常勤3人以上 |
51人~100人 | 常勤3人以上 | 常勤3人以上 |
101人~150人 | 常勤3人以上 | 常勤3人以上 |
151人~200人 | 常勤4人以上 | 常勤3人以上 |
200人~250人 | 常勤5人以上 | 常勤4人以上 |
250人~300人 | 常勤6人以上 | 常勤5人以上 |
※必要常勤換算数は、利用者数50(少数第1位切り上げ)で計算する。非常勤者は常勤換算で0,5以上勤務時間があるものとする。
訪問介護の人員基準を満たす際の注意点
① サービス提供責任者の人員基準が複雑
サービス提供責任者の数を40人、またはその端数が増すごとに責任者が1人増やす場合や利用者の数に応じて、常勤換算で常勤職員の時間数を出して職員を配置する方法など複雑です。
平成27年の改正で新たに特例が認められたため人員基準が分かりにくくなっていますので注意しましょう。
② 人員基準を満たさず実地指導が入った場合
人員基準を満たすためには、稼働できる訪問介護員が2.5人以上常にいないといけません。
基準を満たしていない状態で実地指導が入った場合は指定を取り消されることがあります。
人員の配置が不足する場合は自治体に相談してください。
③ 各都道府県で基準が異なる場合がある
自治体によって、訪問介護員やサービス提供責任者の資格要件が違う場合があります。
詳しくは各都道府県や市町村のサイトを確認するか、直接お尋ねください。
まとめ
訪問介護事業所を開設する場合の人員基準は、常勤換算2.5以上の訪問介護員、サービス提供責任者、常勤管理者を置く必要があります。
サービス提供責任者の人員基準は複雑で自治体によっても異なる場合があるので注意しましょう。
訪問介護事業所の人員基準について開設の参考にしてください。
※さらに詳細な資料をご覧になりたい方は、こちらからダウンロードできます