通所リハビリテーション(デイケア)で活用できる補助金・助成金をご紹介!

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通所リハビリテーションを運営している経営者・管理者の皆様の中には、「通所リハビリテーション事業所が活用できる助成金はないの?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、通所リハビリテーション(デイケア)で活用できる補助金・助成金をご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

なお、こちらでご紹介する補助金・助成金の支給要件や金額などは、2025年10月時点の情報を掲載しています。最新情報や詳細は各補助金・助成金の募集要項をご確認ください。

目次

補助金・助成金とは?

補助金・助成金とは、国や公共機関から支給される返済の必要がない資金のことを指します。
補助金と助成金には、次のような違いがあります。
補助金は、一定の期間だけ募集が行われ、施策に対しての予算が決まっていることから、申請しても交付を受けられないことがありますが、助成金は、長期間にわたり募集が行われているため、支給条件を満たせば交付を受けられる可能性が高いです。
また、支給金額は、助成金よりも補助金の方が大きい傾向にあります。

通所リハビリテーション(デイケア)で活用できる補助金・助成金

通所リハビリテーションで活用できる補助金・助成金は、具体的には以下のようなものが挙げられます。

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)とは、職業経験の不足などから就職が困難な求職者等を、無期雇用契約へ移行することを前提に、一定期間試行雇用(トライアル雇用)を行った場合に支給される助成金です。

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)の助成額

支給対象者1人につき月額4万円(※)。
※対象労働者が母子家庭の母等または父子家庭の父の場合は5万円

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)の主な要件

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)は、労働者・雇入れの条件のいずれにも当てはまる場合、助成金が支給されます(このほかにも支給要件あり)。

【労働者の条件】
次の1から4のいずれにも該当する。

  1. 1週間の所定労働時間が30時間以上の無期雇用による雇入れを希望していて、トライアル雇用制度を理解した上で、トライアル雇用による雇入れについても希望している
  2. ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等(以下「ハローワーク等」という。)に求職申込をしている
  3. ハローワーク等の職業紹介の日(以下「紹介日」という。)において、次の①~④のいずれにも該当しない者であること
    • ①安定した職業に就いている
    • ②自ら事業を営んでいる者又は役員等に就いていて、1週間当たりの実働時間が30時間以上
    • ③学校に在籍している
    • ④トライアル雇用期間中のトライアル雇用労働者
  4. 次の①~⑤のいずれかに該当する
    • ①紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している
    • ②紹介日の前日時点で、離職している期間が1年を超えている
    • ③妊娠、出産・育児を理由に離職し、紹介日の前日時点で、安定した職業に就いていない期間が1年を超えている
    • ④生年月日が1968(昭和43)年4月2日以降で、かつ安定した職業に就いておらず、ハローワーク等において担当者制による個別支援を受けている
    • ⑤就職の援助を行うに当たって、特別な配慮を要する(生活保護受給者、母子家庭の母等)

【雇入れの条件】

  1. ハローワーク等の紹介により雇い入れる
  2. 原則3か月のトライアル雇用をする
  3. 1週間の所定労働時間が、通常の労働者の1週間の所定労働時間(30時間以上)と同じ

特定求職者雇用開発助成金

特定求職者雇用開発助成金とは、高年齢者や障害者等の就職困難者、生活保護受給者、就職氷河期世代などを、ハローワーク等の紹介により正規雇用労働者として雇い入れた場合に支給される助成金です。
特定求職者雇用開発助成金は、以下の5つのコースに分かれており、それぞれ助成金額や給付条件が異なります。

例として、令和7年4月に新設された中高年層安定雇用支援コースの支給金額と申請要件を見ていきましょう。

特定求職者雇用開発助成金(中高年層安定雇用支援コース)の助成額

中高年層安定雇用支援コースの助成金は、対象期間を6か月ごとに区分し、一定額が支給されます。
支給額は企業規模に応じて1人あたり以下の表の通りです。

企業規模 支給対象期間 支給額(第1期) 支給額(第2期) 支給総額
大企業 1年 25万円 25万円 50万円
中小企業 1年 30万円 30万円 60万円

特定求職者雇用開発助成金(中高年層安定雇用支援コース)の主な要件

中高年層安定雇用支援コースは、雇入れ日において以下のいずれにも当てはまる方を、ハローワークまたは民間の職業紹介事業者などの紹介により正規雇用労働者として新たに雇用した場合に助成金が支給されます(このほかにも支給要件あり)。

  1. 雇入れの日において35歳から60歳未満の方
  2. 雇入れの日の前日から起算して過去5年間に正規雇用労働者として雇用された期間を通算した期間が1年以下の方
  3. 雇入れの日の前日から起算して過去1年間に正規雇用労働者等として雇用されたことがない方
  4. ハローワークなどの紹介の時点で安定した職業に就いていない方でかつ、ハローワークなどにおいて、個別支援等の就労に向けた支援を受けている方
  5. 正規雇用労働者として雇用されることを希望している方

人材確保等支援助成金

人材確保等支援助成金とは、人材の確保・定着を目的とし、魅力ある職場づくりのために労働環境の向上等を図る事業主や事業協同組合等に対して支給される助成金です。
人材確保等支援助成金は、雇用管理制度・雇用環境整備助成コース、外国人労働者就労環境整備助成コースなどの7つのコースに分かれています。

ここでは例として、雇用管理制度・雇用環境整備助成コースの概要と支給金額、申請要件を見ていきましょう。

人材確保等支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備助成コース)の概要

雇用管理制度・雇用環境整備助成コースは、雇用管理制度(賃金規定制度、諸手当等制度、人事評価制度、職場活性化制度、健康づくり制度)又は業務負担軽減機器等(従業員の直接的な作業負担を軽減する機器・設備等)の導入による雇用管理改善を行い、離職率の低下に取り組んだ場合に助成対象となります。

人材確保等支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備助成コース)の助成額

雇用管理制度等区分 助成額 上限額
A 雇用管理制度 a 賃金規定制度 40万円
(50万円)
80万円
(100万円)
b 諸手当等制度
c 人事評価制度
d 職場活性化制度 20万円
(25万円)
e 健康づくり制度
B 雇用環境整備 対象経費の1/2
(62.5/100)
150万円
(187.5万円)

※上限額は、複数の雇用管理制度又は業務負担軽減機器等を導入した際の助成上限
※括弧内の金額は、賃金要件を満たした場合の支給額

人材確保等支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備助成コース)の主な要件

事業主が、以下の措置を実施することが必要です。

  1. 雇用管理制度等整備計画の認定:次の①~⑤の雇用管理制度又は業務負担軽減機器等の導入を内容とする雇用管理制度等整備計画を作成し、管轄の労働局の認定を受ける
    • ①賃金規定制度
    • ②諸手当等制度
    • ③人事評価制度
    • ④職場活性化制度(メンター制度、従業員調査(エンゲージメントサーベイ)、1on1ミーティング)
    • ⑤健康づくり制度
  2. 雇用管理制度又は業務負担軽減機器等の導入:1.の雇用管理制度等整備計画に基づき、当該雇用管理制度等整備計画の実施期間内に、雇用管理制度又は業務負担軽減機器等を導入する
  3. 離職率の低下目標の達成:1.2.の実施の結果、雇用管理制度等整備計画の期間の終了から1年経過するまでの期間の離職率を、雇用管理制度等整備計画を提出する前1年間の離職率よりも、1%ポイント以上に低下させる(このほかにも支給要件あり)

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金とは、有期雇用労働者等(有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者)の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した場合に支給される助成金です。
以下の6つのコースに分かれており、それぞれ助成金額や給付条件が異なります。

例として、正社員化コースの支給金額を見ていきましょう。

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の助成額

有期雇用労働者等を正社員化した場合に、1人当たり以下の金額が支給されます。
以下は中小企業の場合の支給金額です。

区分 重点支援対象者(※) 左記以外
①有期 → 正規 80万円 40万円
②無期 → 正規 40万円 20万円

(※)以下1から3のいずれかに該当する者

  1. 雇入れから3年以上の有期雇用労働者
  2. 雇入れから3年未満で、次の①②いずれにも該当する有期雇用労働者
    • ①過去5年間に正規雇用労働者であった期間が1年以下
    • ②過去1年間に正規雇用労働者として雇用されていない
  3. 派遣労働者、母子家庭の母等、人材開発支援助成金の特定訓練修了者

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の主な要件

【事業主(全コース共通)の要件】

  1. 雇用保険適用事業所の事業主
  2. 雇用保険適用事業所ごとに、キャリアアップ管理者(※複数の事業所および労働者代表との兼任は不可)を置いている事業主
  3. 雇用保険適用事業所ごとに、対象労働者に係るキャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長に提出した事業主
  4. 実施するコースの対象労働者の労働条件、勤務状況および賃金の支払い状況等を明らかにする書類を整備し、賃金の算出方法を明らかにすることができる事業主
  5. キャリアアップ計画期間内に計画に記載した正社員化・処遇改善に取り組んだ事業主(支給申請時点で各コースに定めるすべての支給要件を満たしている事業主)

この他にも、対象となる労働者の要件や、正社員化の実施要件などが詳細に定められています。

働き方改革推進支援助成金

働き方改革推進支援助成金は、中小企業における労働時間の設定の改善の促進を目的として、生産性を高めながら労働時間の縮減等に取り組む中小企業・小規模事業者や、傘下企業を支援する事業主団体に対して支給される助成金です。
以下の4つのコースに分かれており、それぞれ助成金額や給付条件が異なります。

例として、労働時間短縮・年休促進支援コースの支給金額を見ていきましょう。

働き方改革推進支援助成金 (労働時間短縮・年休促進支援コース)の概要

このコースでは、時間外労働の削減や、年次有給休暇の取得促進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主が対象となります。
対象となる事業主は、以下のいずれにも該当する中小企業事業主です。

  1. 労働者災害補償保険の適用事業主であること
  2. 交付申請時点で、選択する「成果目標」に設定されている要件を満たしていること
  3. 全ての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること

働き方改革推進支援助成金 (労働時間短縮・年休促進支援コース)の助成額

取り組みの実施に要した経費の一部が、成果目標の達成状況に応じて支給されます。

以下のいずれか低い方の額

  1. 成果目標1から3の上限額および賃金加算額の合計額
  2. 対象経費の合計額×補助率3/4(常時使用する労働者数が30人以下かつ、支給対象の取組で6から9を実施する場合で、その所要額が30万円を超える場合の補助率は4/5)

なお、成果目標1~3の達成状況に基づき、以下の上限額が設定されています。

働き方改革推進支援助成金 (労働時間短縮・年休促進支援コース)の要件

「支給対象となる取組」のいずれか1つ以上を実施し、「成果目標」1~3のうち1つ以上を選択し、その達成を目指して実施する必要があります。

【支給対象となる取組】
いずれかを1つ以上実施すること

  1. 労務管理担当者に対する研修
  2. 労働者に対する研修、周知・啓発
  3. 外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など) によるコンサルティング
  4. 就業規則・労使協定等の作成・変更
  5. 人材確保に向けた取組
  6. 労務管理用ソフトウェアの導入・更新
  7. 労務管理用機器の導入・更新
  8. デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
  9. 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)

【成果目標】
全ての指定対象事業場において、いずれかを1つ以上実施すること

※上記の成果目標に加えて、指定対象事業場で指定する労働者の時間当たりの賃金額を引上げることを成果目標に加えることができます。

IT導入補助金

IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入した場合に経費の一部が支給される補助金です。
IT導入補助金は、「通常枠」、「インボイス枠のインボイス対応類型」、「セキュリティ対策推進枠」などの申請枠が設けられています。
IT導入補助金についてはこちらの記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

まとめ

ここまで、通所リハビリテーションで活用できる補助金・助成金をご紹介してきましたが、いかがでしたか?
通所リハビリテーションでは、職員の採用や育成、設備導入の際に活用できる補助金・助成金があります。
採用や人事制度の変更、職場環境の改善、設備導入を行う際は、活用できる補助金・助成金がないかを調べましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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