有料老人ホームの業務改善・業務効率化を進める方法とは?
有料老人ホームの経営者・管理者の皆様は、「人件費が上がっているので職員を増やせない」、「働いている職員の負担が大きい」といった課題を解決するために、『業務改善』や『業務効率化』に取り組もうと思っているのではないでしょうか。
この記事では、有料老人ホームにおける業務改善・業務効率化の進め方、具体的な方法、活用できるツールなどを解説していますので、ぜひ、最後までお読みください。
目次
業務効率化と業務改善の違いとは?
業務効率化とは、これまで行ってきた業務の「時間や費用をより削減する」ことを言います。
一方、業務改善は、生産性の向上ととらえることができ、「業務時間に対しての成果の割合を向上させる」ことを言います。
有料老人ホームの業務改善・業務効率化の進め方
有料老人ホームの業務改善・業務効率化は以下のような流れで進めます。
- 業務改善・業務効率化のプロジェクトチームを立ち上げる
- 現状の業務を把握し、課題を可視化する
- 普段の業務における改善が可能なポイントを洗い出す
- 業務改善・業務効率化の取組内容に優先順位をつける
- 優先順位の高い業務改善・業務効率化の取り組みを実施する
- 結果を評価し、分析に基づいて計画を修正する
1.業務改善・業務効率化のプロジェクトチームを立ち上げる
業務改善・業務効率化を完遂するために、まずはプロジェクトチームを立ち上げます。
現場の施設長や中核人物を中心に、業務改善・業務効率化に前向きに取り組むことができる職員を選抜し、それぞれの役割分担を明確に定めます。
そして、施設一丸となって業務改善・業務効率化に取り組むためにも、プロジェクトの発足を職員全体に宣言し、目的や目指す姿を共有しましょう。
職員数が少ない場合は、まずは職員で集まり、次のステップ「2.現状の業務を把握し、課題を可視化する」ことから始めましょう。
2.現状の業務を把握し、課題を可視化する
次に、現状の業務の状況を把握します。
具体的には、以下のようなことを行います。
- 課題を書き出す
- 因果関係図を作成する、課題を分類する
- 業務時間を洗い出す(タイムスタディ)
このような様々な方法を用いて現状を分析し可視化することで、業務の課題を明確化し、業務改善・業務効率化の準備を進めることができます。
3.普段の業務における改善が可能なポイントを洗い出す
課題を可視化できたら、普段の業務における改善可能なポイントを洗い出します。
改善するために必要なツール、実施する改善活動、改善の効果などをまとめると良いでしょう。
ワークショップや研修など職員が集まるタイミングを活用し、職員全体で考えると実現の可能性が高い案を作成できるでしょう。
4.業務改善・業務効率化の取組内容に優先順位をつける
業務改善・業務効率化の取り組みの中で優先的に進める項目を決めます。
「取り組みやすい」「発生する頻度が高い」「影響が大きい」など、取り組んだ際に効果を感じやすいものから優先的に進めていくのが良いでしょう。
5.優先順位の高い業務改善・業務効率化の取り組みを実施する
優先順位の設定ができたら、業務改善・業務効率化の取り組みを実施します。
そして、いざ実行してみると、調整が必要なことに後から気が付くことは多々あります。
そのため、「とにかくまずはやってみる」という姿勢でスタートし、実施しながら試行錯誤を続けていくことが大切です。
また、小さなことでも改善事例として積極的に周知することで、職員の取り組みに対する心理的ハードルが下がり、新たなアイデアや工夫に繋がります。
6.結果を評価する
業務改善・業務効率化の取り組みを実施したら、ある程度の期限を設けて取り組みの結果を評価します。
まずは、取り組みの前後で、業務にかかる時間や残業時間などの成果指標がどのように変わったのかを計測し、評価します。
また、定性的な効果を測るために職員にアンケートを実施するのも良いでしょう。
次に、取り組みの実施状況を振り返り、うまくいった点・いかなかった点を分析することで、新たな課題や改善ポイントを検討します。
有料老人ホームの業務改善・業務効率化の具体的な方法
有料老人ホームの業務改善・業務効率化については、具体的に以下のような方法が挙げられます。
- 書類の作成・管理方法を変える
- 業務マニュアルを作成する
- 情報共有の仕組みを整える
- 業務の流れや役割を明確にし、担当者を定める
- 業務のスケジュールを明確化する
書類の作成・管理方法を変える
有料老人ホームでは、入居者様の予定管理やサービス提供の記録などたくさんの書類を作成します。
書類は手書きやパソコンで入力することが多いと思いますが、タブレット・スマホとクラウド型の記録ソフトを導入して書類の作成方法を変えることで、効率的に作成できるようになり、転記作業と書類管理の負担も軽減されます。
また、請求から入金確認、未収金管理まで同じソフトを使用することで、請求業務の手間を減らすことができます。
業務マニュアルを作成する
業務マニュアルがない状態では、業務にムリ・ムダ・ムラが発生しやすくなります。
業務マニュアルに写真やイラスト付きでわかりやすく業務のフロー図を示すことで、業務の手順や内容を問題なく行えているか、各職員が明確に判断できるようになります。
そのため、業務改善・業務効率化の大きな効果が期待できます。
また、ベテラン職員の経験値や知識を共有することにもなるので、業務のムラをなくすだけでなく、サービスの質の向上にも繋がります。
職員全体のレベルが上がることで、業務負担の分散やチームワークの向上も期待できます。
情報共有の仕組みを整える
ICT機器を活用して情報共有の仕組みを整えることは、業務改善・業務効率化の取り組みとして非常に有効です。
紙の記録の場合、書く・整理する・情報を集約する・共有する際に、それぞれ大きな手間が発生します。
クラウド型の記録ソフトを導入することで、入居者様の申し送り事項をすぐに共有できるようになり、情報共有にかけていた時間を減らすことができ、伝達漏れなどのミスも減ります。
業務の流れや役割を明確にし、担当者を定める
業務の進め方が職員によって違いがあり、業務にかける時間やサービスの質にムダやムラが発生している場合があります。
このような場合、業務の流れや各職員の役割を明確にし、適切な担当者を定めることで、施設全体の業務改善・業務効率化が期待できます。
業務のスケジュールを明確化する
業務時間の調査(タイムスタディ)を用いて業務スケジュールを明確にすることで、実態として把握できていない、各職員の隠れた業務内容や時間を見つけ出すことができます。
その業務の必要性や効率性をムリ・ムダ・ムラの観点から再検討することで、業務時間の削減に繋がります。
また、実態に合わせて業務の流れや業務マニュアルを再構築することで、施設全体での業務改善・業務効率化が期待できます。
有料老人ホームの業務改善・業務効率化に活用できるツール
ここからは、有料老人ホームにおける業務改善・業務効率化に役立つICTツールをご紹介します。
| ICTツール | 改善できる業務内容 |
|---|---|
| 記録ソフト |
|
| 請求ソフト | 請求業務の効率化 |
| タブレット端末・スマートフォン |
|
| チャットアプリ | 情報共有の効率化 |
| カレンダーアプリ(Googleカレンダーなど) | 勤務シフト・業務スケジュール共有の効率化 |
| オンライン会議システム・生成AI |
|
まとめ
ここまで、有料老人ホームにおける業務改善・業務効率化の進め方、具体的な方法、活用できるツールなどを解説してきましたが、いかがでしたか?
業務改善・業務効率化を進めるには、現状の業務を見える化したうえで、必要なソフトや機器の導入、業務内容や職員の役割・分担の検討などを行いましょう。
記録・請求ソフトが一体となった「カイポケ住まい」を導入することで記録や請求の業務を効率化することができます。
施設で業務改善・業務効率化に取り組む際は、ぜひ「カイポケ」の導入をご検討ください。
ここでご紹介した内容が、皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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