【無料ひな形ダウンロード】有料老人ホームの管理規程とは?記載する項目と書き方を解説!

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有料老人ホームを経営している方の中には、「管理規程には何を記載すればいいの?」「管理規程のひな形はどこで手に入るの?」と疑問に思われている方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、有料老人ホームが作成しなければならない管理規程の基礎知識から具体的な記載項目、書き方まで詳しく解説します。
管理規程のひな形を無料でダウンロードいただけますので、ぜひ最後までお読みください。

目次

有料老人ホームの管理規程とは?

有料老人ホームの管理規程とは、施設の円滑な運営と入居者の快適な生活を守るために、管理や利用に関する基本的なルールを定めた文書のことです。

具体的には、施設の運営方針、居室や共用施設・設備の利用ルール、入居者の定員、サービスの内容とその利用料、介護を行う場合の基準、医療を要する場合の対応などについて記載します。

有料老人ホームは管理規程を作成し、公開する義務がある

「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」に、管理規程の作成と公開の義務が定められています。

8 有料老人ホーム事業の運営
⑴ 管理規程の制定
入居者の定員、利用料、サービスの内容及びその費用負担、介護を行う場合の基準、医療を要する場合の対応などを明示した管理規程を設けること。
なお、上記内容を含み、入居者に対する説明事項を適切に提示している資料であれば、その呼称にかかわらず、管理規程として扱って差し支えない。

9 サービス等
⑴ 設置者は、入居者に対して、契約内容に基づき、次に掲げるサービス等を自ら提供する場合にあっては、それぞれ、その心身の状況に応じた適切なサービスを提供すること。
九 金銭等管理
ロ 設置者が入居者の金銭等を管理する場合にあっては、依頼又は承諾を書面で確認するとともに、金銭等の具体的な管理方法、本人又は身元引受人等への定期的報告等を管理規程等で定めること。

12 契約内容等
⑵ 契約内容
二 介護サービスを提供する場合にあっては、心身の状態等に応じて介護サービスが提供される場所、介護サービスの内容、頻度及び費用負担等を入居契約書又は管理規程上明確にしておくこと。
三 利用料等の改定のルールを入居契約書又は管理規程上明らかにしておくとともに、利用料等の改定に当たっては、その根拠を入居者に明確にすること。
五 要介護状態になった入居者を一時介護室において処遇する場合には、医師の意見を聴いて行うものとし、その際本人の意思を確認するとともに、身元引受人等の意見を聴くことを入居契約書又は管理規程上明らかにしておくこと。
六 一定の要介護状態になった入居者が、一般居室から介護居室若しくは提携ホームに住み替える契約の場合、入居者が一定の要介護状態になったことを理由として契約を解除する契約の場合、又は、介護居室の入居者の心身の状況に著しい変化があり介護居室を変更する契約の場合にあっては、次の手続を含む一連の手続を入居契約書又は管理規程上明らかにしておくこと。

13 情報開示
⑴ 有料老人ホームの運営に関する情報
設置者は、老人福祉法第29条第5項の情報開示の規定を遵守し、入居者又は入居しようとする者に対して、重要事項説明書を書面により交付するとともに、パンフレット、重要事項説明書、入居契約書(特定施設入居者生活介護等の提供に関する契約書を含む。)、管理規程等を公開するものとし、求めに応じ交付すること。

有料老人ホームの管理規程に記載する項目と内容

ここからは、神奈川県が公開している管理規程のひな形を参考に、有料老人ホームの管理規程に記載する項目と内容を一覧でご紹介します。

項目 内容
1.施設の管理運営
  • 目的
  • 入居者
  • 同居者
  • 管理運営組織
  • 管理運営業務
  • 運営懇談会
2.ホーム利用上の留意点
  • ホームの利用について
  • 居室の維持・補修
  • 共用施設・共用設備の利用
  • 防炎・防犯について
3.提供されるサービス
  • 利用できる各種サービス
4.費用の負担
  • 費用および利用料
5.苦情対応
  • 苦情対応
6.その他
  • 管理規程の改定
  • 施行日

有料老人ホームの管理規程の各項目の書き方

ここでは、有料老人ホームの管理規程の各項目の書き方をご紹介します。

1.施設の管理運営

目的

管理規程の根拠となる文書(入居契約書等)、有料老人ホームの施設名、管理規程の概要や目的について記載します。

入居者

入居者の定義として、年齢、介護度(自立・要支援・要介護)、2人入居の場合の条件などを具体的に記載します。

同居者

同居者の定義として、同居の目的、人数、期間、利用可能なサービス、費用などの条件を具体的に記載します。

管理運営組織

ホームの居室数、定員数、職員配置(職種・業務内容)について具体的に記載します。

管理運営業務

ホームが行う業務について記載します。

  1. 敷地およびホームの維持、補修、管理、清掃、消毒等に関する業務
  2. 居室等の定期的点検、補修並びに取替え等に関する業務
  3. 入居者に対する各種サービスの提供業務
  4. 帳簿の作成および記録の保存業務
  5. サービス提供等に係る損害賠償に関する業務
  6. 防犯・防災に関する業務
  7. 広報・連絡および渉外に関する業務
  8. 職員の管理と研修
  9. 入居者への業務の報告
  10. 地域との協力

運営懇談会

入居者の方々の意見・要望を伺う場として設置する運営懇談会について、構成や開催、議題、通知方法、記録の作成・保存などの条件を記載します。

2.ホーム利用上の留意点

ホームの利用について

ごみ処理、防音、緊急時の対応等、禁止および制限される行為、居室の修理・造作模様替えなどに関する利用上の留意点を記載します。

居室の維持・補修

修繕項目(壁紙、窓ガラス、カーテン、電球や蛍光灯など)、ホームの費用負担、入居者の費用負担など、居室等に対して行う定期的な検査やメンテナンスの手順や内容を記載します。

共用施設・共用設備の利用

事務室(フロント)、正面玄関、食堂、面談室、緊急通報設備、トイレなどの共用施設・設備とその利用方法について記載します。

防炎・防犯について

非常災害時等の対応方法(地震、火災、防炎計画)、防炎・防犯についての遵守事項を記載します。

3.提供されるサービス

利用できる各種サービス

サービス記録の保存、委託業務の有無や、提供サービスについて、それぞれ以下のような内容を記載します。

サービスの種類 記載項目
介護サービス
  • 介護サービスの提供
  • 介護が提供される場所
  • 居室の住み替え
  • 身体的拘束
食事サービス
  • 食事時間
  • 食事内容
  • 治療食・特別食
  • 居室での食事
  • 欠食時の取り扱い
健康管理サービス
  • 定期健康診断
  • 健康相談
  • 日常医療支援
  • 緊急時対応
生活相談サービス
  • 生活相談・助言
  • フロント
  • 外部事業者の取り扱い(クリーニング等)
  • 金銭管理(具体的な管理方法・定期的な報告方法など)
レクリエーション等
  • レクリエーションの内容
  • 活動予定表
その他の支援サービス
  • 上記以外のサービス提供について

4.費用の負担

費用及び使用料

費用および利用料(家賃相当額、管理費、食費、その他の費用の内訳)、費用に関する規定等(長期不在時の居室の取り扱い、費用の改定、支払方法)などについて具体的に記載します。

5.苦情対応

苦情対応

苦情対応の手順や、相談窓口の担当者と連絡先などを記載します。

6.その他

管理規程の改定

管理規程の改定の手順について記載します。

施行日

管理規程を実施開始する年月日を記載します。

有料老人ホームの管理規程のひな形

有料老人ホームの「管理規程のひな形」は、こちらから無料でダウンロードすることができます。
※こちらのひな形ファイルに関しては、ユーザー様の責任にてご利用ください。

まとめ

ここまで有料老人ホームの管理規程の具体的な記載項目や書き方について解説してきましたが、いかがでしたか?

有料老人ホームには管理規程を作成し公開する義務があり、定期的な更新が求められています。
「実態と管理規程に記載している内容が乖離している」といったことが起こらないように、有料老人ホームの設置運営標準指導指針に沿った管理規程となっているかを定期的に確認しましょう。

ここでご紹介した内容が、管理規程作成の一助となれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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