通所リハビリテーション(デイケア)の運営基準とは?
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通所リハビリテーション(デイケア)の開設を考えている方々の中には、「運営基準にはどのような項目が定められているの?」や「運営基準を満たせなかった場合はどうなるの?」と疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、通所リハビリテーション(デイケア)の運営基準の項目と運営基準を満たせなかった場合にどうなるか、そして運営基準で気を付けるべき項目についてご紹介します。
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目次
通所リハビリテーションの運営基準とは?
通所リハビリテーションの運営基準とは、介護保険に基づく事業を運営する事業者が遵守しなければならない厚生労働省が定めるルールです。
運営基準には、通所リハビリテーションの事業者が介護事業所・施設を運営するにあたって取り組まなければならないことや、利用者やその家族に対して実施しなくてはならないこと、作成しなければならない書類などが定められています。
通所リハビリテーションの運営基準の項目の一覧
- 内容及び手続の説明及び同意
- 提供拒否の禁止
- サービス提供困難時の対応
- 受給資格等の確認
- 要介護認定の申請に係る援助
- 心身の状況等の把握
- 居宅介護支援事業者等との連携
- 法定代理受領サービスの提供を受けるための援助
- 居宅サービス計画に沿ったサービスの提供
- 居宅サービス計画等の変更の援助
- サービスの提供の記録
- 利用料等の受領
- 保険給付の請求のための証明書の交付
- 指定通所リハビリテーションの基本取扱方針
- 指定通所リハビリテーションの具体的取扱方針
- 通所リハビリテーション計画の作成
- 利用者に関する市町村への通知
- 緊急時等の対応
- 管理者等の責務
- 運営規程
- 勤務体制の確保等
- 業務継続計画の策定等
- 定員の遵守
- 非常災害対策
- 衛生管理等
- 掲示
- 秘密保持等
- 広告
- 居宅介護支援事業者に対する利益供与の禁止
- 苦情処理
- 地域との連携等
- 事故発生時の対応
- 虐待の防止
- 会計の区分
- 記録の整備
運営基準を満たしていないとどうなるの?
運営基準を満たしていない場合は、満たしていない内容・程度に応じた『ペナルティ』が課されます。
ペナルティは、介護報酬が減額されるケースや介護報酬が請求できなくなるケース、行政から改善のための指導等を受けるケース、許可(指定)を取り消されるケースなど様々です。
運営基準は、『介護保険に基づく事業を行う際、遵守しなくてはならないルール』なので、内容を把握して、遵守するための準備をし、遵守し続けるための体制を構築しましょう!
通所リハビリテーションの運営基準で気を付けるべき内容とは?
ここでは運営基準に違反していると判断されないために、特に気を付けるべき内容をご紹介します。
内容及び手続の説明及び同意
第8条の準用
指定通所リハビリテーション事業者は、指定通所リハビリテーションの提供の開始に際し、あらかじめ、利用申込者又はその家族に対し、第117条に規定する運営規程の概要、通所リハビリテーション従業者の勤務の体制その他の利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を記した文書を交付して説明を行い、当該提供の開始について利用申込者の同意を得なければならない。 |
定められている内容に対して、「サービス提供を開始する前に、契約書・重要事項説明書の説明を行っていない」、「重要事項説明書の内容に不備がある」といった指摘を受けることがあるようです。
運営規程
第117条
指定通所リハビリテーション事業者は、指定通所リハビリテーション事業所ごとに、次に掲げる事業の運営についての重要事項に関する規程(以下この章において「運営規程」という。)を定めておかなければならない。 1.事業の目的及び運営の方針 2.従業者の職種、員数及び職務の内容 3.営業日及び営業時間 4.指定通所リハビリテーションの利用定員 5.指定通所リハビリテーションの内容及び利用料その他の費用の額 6.通常の事業の実施地域 7.サービス利用に当たっての留意事項 8.非常災害対策 9.虐待の防止のための措置に関する事項 10.その他運営に関する重要事項 |
定められている内容に対して、「一部の項目について記載がない(記載漏れ)」といった指摘を受けることがあるようです。
事故発生時の対応
第37条
指定通所リハビリテーション事業者は、利用者に対する指定通所リハビリテーションの提供により事故が発生した場合は、市町村、当該利用者の家族、当該利用者に係る居宅介護支援事業者等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならない。 2 指定通所リハビリテーション事業者は、前項の事故の状況及び事故に際して採った処置について記録しなければならない。 3 指定通所リハビリテーション事業者は、利用者に対する指定通所リハビリテーションの提供により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならない。 |
定められている内容に対して、「報告すべき事故が発生していたが、所轄官庁へ報告をしていない」といった指摘を受けることがあるようです。
まとめ
運営基準は、介護保険に基づく通所リハビリテーション事業を運営する事業者が遵守しなければならない厚生労働省が定めるルールです。
運営基準を遵守できていない場合(遵守できていないと判断された場合)は、報酬の減額や行政からの指導などのペナルティが課せられます。
開業時には、「運営基準に何が定められているのか?」、「開業時、そして開業後も運営基準を遵守するために何を準備しておかないといけないのか?」を把握しましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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