通所リハビリテーション(デイケア)の人員基準とは?
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今回は、通所リハビリテーション(デイケア)の人員基準についてご紹介します。
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目次
通所リハビリテーション(デイケア)の人員基準とは?
通所リハビリテーションは、医療系の介護サービスであり、介護老人保健施設、介護医療院、病院、診療所などが運営することができる介護事業所となっています。
人員基準とは、介護保険に基づく通所リハビリテーションのサービスを適切に提供するために、最低限必要となる職種と人数が定められている厚生労働省の省令です。
通所リハビリテーションの人員基準では、「医師が常勤で1名以上」、「理学療法士等が、利用者の数が100またはその端数を増すごとに1名以上」、「理学療法士等・看護職員・介護職員が、利用者の数が10人以下の場合は、サービス提供時間を通じて1名以上。利用者の数が10人を超える場合は、サービス提供時間を通じて利用者の数を10で除した数以上」の人員を配置しなくてはならないことが定められています。
医師
常勤1名以上を配置。
ただし、介護老人保健施設または介護医療院でみなし指定を受けている場合は、介護老人保健施設または介護医療院の人員基準を満たすことで、人員基準を満たしているとみなされます。
従業者(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、准看護師、介護職員)
- 利用者の数が10人以下の場合は、サービス提供時間を通じて、 専ら通所リハビリテーションの提供に当たる従事者を1名以上配置。
- 利用者の数が10名を超える場合は、サービス提供時間を通じて、 専ら通所リハビリテーションの提供に当たる従事者を、 利用者の数を10で割った数以上配置。
例えば利用者が30人であれば、30÷10=3で、3人の従事者の配置が必要になります。
また、通所リハビリテーション事業所が診療所である場合は、専ら指定通所リハビリテーションの提供に当たる理学療法士、作業療法士もしくは言語聴覚士、または通所リハビリテーションもしくはこれに類するサービスに1年以上従事した経験を有する看護師を、常勤換算方法で0.1人以上確保しなければならないことが定められています。
理学療法士、作業療法士または言語聴覚士
上記の従業者のうち、専らリハビリテーションの提供に当たる理学療法士、作業療法士または言語聴覚士を、利用者が100人またはその端数を増すごとに1名以上配置。
通所リハビリテーション(デイケア)の人員基準を満たせない場合は?
開業前の指定申請時に人員基準を満たせていない場合は、指定を受けることができません。また、開業後に人員基準を満たせなくなってしまった場合は、「人員基準違反」となってしまいます。
定期的に実施される運営指導(実地指導)の際に人員基準違反が発覚すると、指摘や新規利用者の受け入れ停止、指定取消などの行政処分を受ける場合があります。
人員基準欠如減算とは?
通所リハビリテーションでは、人員基準に定められた従業者(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、准看護師、介護職員)の員数を満たせない場合、人員基準欠如減算として、「基本報酬の70/100」を算定しなければならない(3割の減算になる)ルールがあります。
この減算は、人員基準欠如が生じた翌月または翌々月から、人員基準欠如が解消されるに至った月まで適用されるので、事業所としての収入に大きな影響が出てしまいます。
また、著しい人員基準欠如が継続する場合には、所轄官庁により職員の増員や利用定員の見直し等の指導が行われ、特別な事情がある場合を除き、この指導に従わない場合は、指定の取消し等の行政処分が行われます。
まとめ
通所リハビリテーションを開設するために必要となる人員基準をご紹介してきました。
運営指導(旧 実地指導)では、人員基準に関して、「従業者の勤務日や勤務時間を確認できる書類がない」や「サービス提供時間を通じて定められた人数の従業員を配置できていない」などの指摘を受けることがありますので、人員配置に関する計算を定期的に行い、書類を適切に保管しましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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