効率的なデイケア(通所リハビリテーション)の送迎管理方法



デイケアにおいて、送迎サービスを提供されている事業者の皆様、これからデイケア事業を立ち上げ、送迎サービスも行う予定の事業者の皆様のために、効率的な送迎管理の方法について記載しました。
どうぞ今後の事業運営にお役立てください。

通所リハビリテーションのイラスト

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目次

 

デイケアにおける送迎車両の管理方法

送迎サービスにおいて何を管理するのか?

① 送迎ルート

送迎のルートを組む際には、効率的なスケジュールが組めるよう、通常はデイケアからの方角や方面ごとに送迎車が割り当てられます。

気を付けなければならないのは、デイサービスの送迎においてもそうですが、特にデイケアでは車椅子で通所される利用者の方が複数いらっしゃることです。

そのまま車椅子ごと乗車しなければならない方、車椅子から座席へ自分で移れる方、介護者が全介助で座席に移さなければならない方など、その方の状態により対応が異なります。

全介助で座席に移乗の場合には、介助スタッフが安全に配慮して動けるよう、車内のスペースに余裕が必要となるので、乗車の順番も考慮しなければなりません。

また、折り畳んだ車椅子を乗せるスペースも必要となるので、複数の車両がある場合、リフト付きの車両など、どの車両に何台の車椅子利用者の対応が可能かを調整しながらスケジュールを組みます。

② 送迎時間

利用者の送迎時間は、だいたいの時間を指定されることがあります。 主な介護者であるご家族が仕事に出なければならないので早めに迎えに来てほしい、あるいは、利用者の朝の準備に時間がかかるので、遅めに迎えに来てほしいといった要望があった際には、できるだけ要望に沿えるよう対応します。

玄関までの送迎が基本ですが、利用者の状況により、ベッドに横になるまで介助して欲しいといった要望もあり、その場で対応すると、どうしてもスケジュールが遅れがちになります。 そのため、事前にどこまでやるのかを決めておいて、プランに盛り込み、これにかかる時間も考慮します。 また、場合によっては、送り出しや受け入れのホームヘルプサービスが使えるよう、ご家族やケアマネジャーと相談することもあります。

利用者の中には、デイケアに行くことを楽しみにして、早くから玄関で待っておられる方もいます。 午前の迎えの時間は、早いほど道が混雑していることが多いので、利用者やご家族が不安にならないよう、交通事情で少し遅れる場合があることを、事前によく説明しておきます。

通所リハビリテーションの請求は、デイケアに到着してから、終了時にデイケアを出発するまでの時間になるため、開始時間より遅れて到着すると、ケースによっては、時間数を減らして請求することになります。それを防ぐためにも、特に迎えの際には、時間にゆとりをもったスケジュールにします。

③ 担当ドライバーと添乗スタッフ

デイケアの送迎は、利用者の安全が確保できる場合は運転手の一人で行いますが、ドライバーの他に添乗のスタッフが同乗することが一般的です。

ドライバーが利用者宅前に停車し、車内で待機している間、添乗スタッフは玄関まで迎えに行きます。 添乗スタッフは利用者が送迎車に安全に乗り降りできるよう、見守りや介助を行います。 また、シートベルトの確認も行います。

介助の内容によっては、有資格者の介護スタッフの添乗が必要になります。 また、パートタイムで勤務するスタッフがいる場合には、曜日や勤務時間など、シフトが適切か確認します。

 

管理する際のポイント

① 管理の仕方が複雑にならないか

上記のように、ルートを組むにあたって配慮する点が多いです。また、ドライバーの他に、介護スタッフの添乗も必要です。 誰と誰が組んで、どの車両でどのルートを送迎するのか、添乗は1人で足りるのか、あるいは2人必要か、これは曜日によって変わるので、混乱しないよう、送迎表を作って管理します。

送迎時には、「ベッドまで」といった要望を出されることもあります。 介護福祉士などの有資格者か、3年以上の介護施設での経験者しか許可されていないので、資格を持つスタッフが添乗することになります。 これらの要素をすべて踏まえた送迎表になりますが、できれば1枚に簡潔に記載できることが望ましいです。

また、居宅内介助は1日30分以内のみ利用時間に含めることができることも注意しましょう。

② ドライバーとの共有が簡単にできるか

ドライバーは、細い路地や、一方通行などもあり、ルートを頭に入れておくことと、安全運転に細心の注意を払う必要があります。

特に、その地域を普段から運転していないと、特有の道路事情などを把握するのに時間がかかることもあります。 その中で、迎えの出発前や途中で、利用者がお休みする連絡が入ることもあり、臨機応変にルートを組み直すことも求められます。

また、利用者ごとのその日のピックアップタイムを確認しておくことも大切です。 ホームヘルプサービスと連携している場合には、特に時間厳守が求められます。

 

送迎車両の管理で想定されるリスク

予定を立てて確認していても、実際の送迎バスの運行で、トラブルやミスが起こることがあります。

ここでは、どのようなトラブルが起こる可能性があるのかご説明します。

搭乗者管理ができておらず、利用者の方を乗せ損ねてしまった。

送迎のスケジュールは、しっかり組まれていても、ルートの変更や新規の利用者があった場合に、ドライバーへの連絡がうまくいっていないと、利用者を乗せ損ねてしまうこともあります。

慌てて迎えに戻るも、デイケアへの到着が遅れてしまうと、同乗の利用者全員の利用時間を減らして申請しなければならなくなります。 また、特に新規の利用者の場合、不信感を持たれてしまうかもしれません。

送迎ルートや必要台数をうまく管理できず、1回の送迎に時間がかかったり、車両ごとのルートの所要時間に大きな差ができてしまう。

送迎の範囲が広い場合、うまくルートを組まないと、効率悪く時間がかかったり、車両ごとにデイケアに戻ってくる時間に大きな差がでることがあります。

近距離ならば、1台で2便運行させるなど、できるだけ人員と時間が無駄にならないようにします。

 

まとめ

デイケアの送迎ルートを組むうえで、車椅子の台数、添乗スタッフの資格やシフト、利用者のニーズに合った送迎時間など、多様な要素を考慮しながら、なおかつ効率的にルートを組むのは実際とても大変です。

できるだけ簡単簡潔に送迎ルートが組めるようになれば、担当スタッフの負担も軽減できるのではないでしょうか。

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