「カイポケを導入していることが職場選びの条件でした」型破りなケアマネジャーが社内外でICT化を促進
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課題
- 無駄な作業に時間を割きたくない
- 効率よく仕事を進め、担当件数をたくさん持ちたい
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効果
- タブレットを活用した効率的な働き方が事業所全体に広まりつつある
- 効率的に働き、担当件数を増やそうとする意識の醸成を目指すことができている
就職の際、職場選びの条件に「カイポケを導入していること」を挙げていたというケアプランぞうさん柏の管理責任者・松本悠暉様。松本様の働き方は事業所のメンバーにも影響を与え、今では事業所の全員にタブレットを使っていただいているそうです。さらにご自身は、居宅介護支援事業所のリーダーとしての業務だけでなく、ケアマネジャーのコミュニティ運営や人材育成などの取組みもされていらっしゃいます。
カイポケの活用法やそれを通じたケアマネジャーの働き方についてお話を伺いました。
ケアプランぞうさん柏の管理責任者として働いている松本悠暉様。ICTを駆使した働き方を実践し、会社の枠を越えて精力的に活動。
「『カイポケを使っていること』が職場選びの条件でした」
松本様は現事業所の管理責任者にご就任される前からカイポケをご利用いただいているのでしょうか。
はい、以前勤めていた会社で記録・請求用のソフトをカイポケに乗り換えた時から気に入っています。使い慣れたソフトを替えるのには抵抗感がありましたが、実際に使ってみたらとても使いやすかったので。
当社には2023年4月に転職したのですが、就職先選びの条件の一つに「カイポケを導入していること」を挙げていたくらいです。
ありがとうございます。カイポケを支持いただいている理由を教えてください。
業務効率化を進めるために必要不可欠な機能が詰まっていることです。
まず、現場でモニタリングの記録を入力するためにタブレットが使えるのは絶対条件です。
モニタリングの記録では、訪問先から帰ってきてパソコンから入力するというパターンが多いけれど、これを移動時間などに済ませばぐっと時間が短縮できるし、ペーパーレスにもつながります。この点、前の会社で使っていたソフト以外にも2、3社クラウド型のものを試してみましたが、カイポケはタブレットの操作がしやすく、使い勝手が1番よかったです。すぐにモニタリング記録に移れるよう、タブレットにショートカットを自分で登録できるので、それが大きなメリットです。
それから音声入力の精度が高いところも良いですね。
音声入力はパソコンでもできますが、うまく反応しなかったり変換できなかったりといった不具合がよく起きます。僕の場合はタブレットにワイヤレスイヤホンを繋げ、話すだけで記録ができるようにしています。20代や30代前半くらいの世代だと日常的にワイヤレスイヤホンを使っている人は多いと思うので、まだ業務で使ってない方はぜひ使ってみて欲しいです。
小さな成功体験を共有して組織の効率化を推進
カイポケやICTを駆使して効率的な働き方を実現されていらっしゃるのですね。同僚のケアマネジャーともそうしたノウハウを共有されているのでしょうか?
前提として、僕は自分のスタイルを周囲に強要するつもりはありませんし、働き方や考え方は人それぞれだと思っています。でも、カイポケなどの便利なツールを工夫して使うことで、他にできることや自分の時間が増えれば、確実にプラスになりますよね。
僕は実際にそうして社外でも活動していますし、「働き方を変えていきたい」と思っている人がいるのなら、ぜひ力になりたいと思っています。
例えば、配属された当初、当社ではカイポケを導入しているにもかかわらずタブレットを使っていませんでした。その中で僕は自分のタブレットを使わせてもらっていたのです。すると、それを見て興味を持ち「ちょっと使ってみようかな」という人が現れました。
試しにレンタルしてみるとやっぱり「いいね」という感想がでました。今では事業所のスタッフのうち、タブレットを使用できる人間が増えてきています。最初の頃はすごい白い目で見られていましたけれど(笑)。
だから、ICTの活用を組織に落とし込めるかどうかは、個人の成功体験をどれだけ深められるかで分かれると思っています。僕は部屋の間取りを記録したりジェノグラムを書いたりするのにもそれぞれツールを使っていますが、全員がいきなり全てを導入しなくても構いません。一つ一つ興味を持ってくれる人がいたらアウトプットしていきたいし、そうして具体的な業務効率化に取り組む人が増えてくれば、「自分も変わっていかなければ」という気持ちになる人も出てくるでしょう。
居宅介護支援事業所のICT導入を進めてケアマネジャーの担当件数を増やそうという施策が2024年度改定でも強化されます。ICTの導入によって、より効率的な働き方を進めることは実際に可能なのでしょうか。
できると思います。最新のケアマネの平均担当件数を見ると44件(令和5年度介護事業経営実態調査)ですよね。当事業所もそうですが、登録上の管理者は利用者さんをほとんど持たないという運用をすることもあるし、実際には20~30件ぐらいしか担当していないケアマネジャーも多いです。ただ、記録業務の時間が減ったからといって「担当件数を増やそう」と思うケアマネジャーばかりではないでしょう。
僕は個人の活動として、ケアマネジャーの資格試験のための対策講座やフォローアップ講座を運営していて、その教育の時点で「ICTを使って効率よく働くのは当たり前だ」という考え方を持ってもらうようにしています。ICTを活用して効率的な働き方を模索することを当たり前だと考えられる層ができていかないと、ケアマネジャーは成り立たなくなってしまうと思っています。
また、サービス事業所にとっても記録や情報共有においてツールの活用が当たり前になれば、連携のしやすさでケアマネジャーが選ばれるようになるでしょう。
管理責任者として、規模を大きくすることや先進的なシステムを取り入れて業務効率化を図るという部分的な改善を先導するだけでなく、その先の目標として「この地域で、この事業所だったら安心して相談できるよね」という存在になることを目指しています。