福祉用具貸与をフランチャイズで開業するメリット・デメリットとは?
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目次
- 福祉用具貸与(レンタル)とは?
- フランチャイズ(FC)とは?
- 福祉用具貸与のフランチャイズ(FC)での開業の流れ
- フランチャイズ(FC)で福祉用具貸与を開業するメリットとは?
- フランチャイズ(FC)で福祉用具貸与を開業するデメリットとは?
- 福祉用具貸与のフランチャイズ加盟時の費用を比較
- フランチャイズ(FC)以外の開業サポートを受ける方法
- まとめ
福祉用具貸与(レンタル)とは?
福祉用具貸与とは、要介護状態となった高齢者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、心身の状況、希望およびその生活環境等をふまえ、適切な福祉用具を選ぶための援助、福祉用具の取り付け・調整などを行う事業です。
福祉用具貸与の対象種目は、以下のように定められています。
【福祉用具貸与の対象種目】
- 車いす(付属品含む)
- 特殊寝台(付属品含む)
- 床ずれ防止用具
- 体位変換器
- 手すり
- スロープ
- 歩行器
- 歩行補助つえ
- 認知症老人徘徊感知機器
- 移動用リフト(つり具の部分を除く)
- 自動排泄処理装置
要支援および要介護1の方は以下の種目について介護保険の利用が認められていませんが、身体の状態等によっては、要介護認定における基本調査結果に基づく判断や市町村への申請により、給付の対象となる場合もあります。
【要支援および要介護1の方が利用できない種目】
- 車いす(付属品含む)
- 特殊寝台(付属品含む)
- 床ずれ防止用具
- 体位変換器
- 認知症老人徘徊感知機器
- 移動用リフト(つり具の部分を除く)
- 自動排泄処理装置
フランチャイズ(FC)とは?
フランチャイズ(FC)とは、新しく事業を開業したい個人・事業者が加盟店としてフランチャイズ企業と契約を結び、加盟金やロイヤリティを支払うことで、本部が培ってきた事業の運営ノウハウや特定の商標を使用する権利などを得られる仕組みです。
フランチャイズに加盟すると、開業までの準備をサポートしてくれるだけでなく、開業後も利用者獲得など運営をサポートしてくれるため、スムーズに、かつ効率的にノウハウを活かした運営を行うことができます。一方で、対価として加盟金やロイヤリティ支払いが必要となるため、対価に見合ったメリットがあるのかどうか見極めることが大切になります。
フランチャイズ(FC)の特徴①加盟金
加盟金は、フランチャイズに加盟する際に支払う手数料です。 経営ノウハウや開業前のサポート、商標を利用すること等への対価として支払います。支払い後は、フランチャイズから脱退する場合でも返還されないことが多く、企業により加盟金の金額は異なりますが、福祉用具貸与における加盟金の相場は、おおよそ0円〜150万円となっています。
フランチャイズ(FC)の特徴②ロイヤリティ
ロイヤリティは、フランチャイズ加盟店が開業後に継続的に本部に支払う手数料です。
経営ノウハウや商標、ソフトウェア、研修プログラムなどを利用することの対価として支払います。ロイヤリティは、売上に対し一定の割合を掛けて計算した金額を支払う場合が多く、相場は売上のおおよそ3%~10%となっています。
福祉用具貸与のフランチャイズ(FC)での開業の流れ
ここでは、フランチャイズに加盟して開業する場合の流れをステップごとにご説明します。
①説明会への参加・資料請求
まずは、自身の希望に合ったフランチャイズ企業を探すため、説明会への参加や資料請求を行い、情報収集をします。説明会は、オンラインで行っているフランチャイズ企業もあるので、できるだけ多くの情報を集めましょう。
集めた情報から、加盟金・ロイヤリティの金額、加盟店に対してのサポート体制、収益性、違約金の有無等の観点から、比較検討をしましょう。
②加盟申込・審査
比較検討を行い、加盟したいフランチャイズ企業が決まったら加盟申込を行います。 申込をすると、フランチャイズ企業側で「経営者としての姿勢」や「本部の経営理念や経営方針に対する理解や共感度」などを基に、加盟の可否が審査されます。申し込みをすれば必ず加盟できるわけではないので、留意しておきましょう。
③物件選び
一般的にはフランチャイズ本部から立地・物件の調査などのサポートを受けながら、自分で選んだ物件を契約することになります。福祉用具貸与では、設備基準に定められる区画、設備を満たす物件であることを前提に、立地や広さ、賃料などを比較して物件を選ぶことになります。
④資金調達
物件の契約に係る費用や改装費用、設備・備品の購入費用、人件費、開業後の運転資金に加え、フランチャイズの加盟金などの開業に必要な資金を調達しなくてはなりません。
自己資金だけでは不足する場合、銀行等の金融機関から融資を受けて資金を調達することになります。
⑤契約
事業計画や資金計画を策定して、開業資金の調達の目途が立ったら、フランチャイズ加盟の契約を結びます。フランチャイズ企業と契約を結ぶ際には、加盟金やロイヤリティの金額や算定方法、契約期間や中途解約の条件、将来近隣に同一フランチャイズの店舗が開店することがあり得るのか等、契約条項を確認しましょう。
フランチャイズ(FC)で福祉用具貸与を開業するメリットとは?
フランチャイズに加盟して開業するとどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、フランチャイズに加盟して福祉用具貸与を開業するメリットをご紹介します。
メリット①開業・運営のノウハウを教えてもらえる
介護事業を開業するためには、法人の登記をはじめ、指定申請や人材確保、利用者獲得などやるべきことが多く、とても大変です。
フランチャイズに加盟した場合、開業までの手続きについてサポートを受けることができ、人材確保、利用者獲得のためのノウハウなども教えてもらえるため、介護事業を初めて開業する人でも、スムーズに開設することができます。
ただし、こうした開業前・開業後のサポート体制は加盟するフランチャイズ企業によって違いがあるため、どのようなサポートがあるのかをしっかりと確認しましょう。
メリット②ブランド名を使用することができる
フランチャイズに加盟することで、ブランド名など特定の商標等を使用する権利を得ることができます。
つまり、既に知名度やブランド力のあるブランド名を利用して開業することができるため、利用者やご家族、ケアマネジャー等に安心感を持ってもらいやすくなります。
フランチャイズ(FC)で福祉用具貸与を経営するデメリットとは?
一方で、フランチャイズのデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、フランチャイズに加盟して福祉用具貸与を開業するデメリットをご紹介します。
デメリット①加盟金・ロイヤリティ・違約金の負担が大きい
フランチャイズで開業して事業所を運営するためには、加盟金とロイヤリティを本部に支払わなければなりません。
そのため費用の負担が大きいことがデメリットとして挙げられます。
また、開業後に事業所運営がうまくいかず、フランチャイズ契約を解約したい場合に違約金が発生する場合もありますので留意しましょう。
デメリット②事業所の独自性を出しにくい
フランチャイズに加盟すると、本部の定めるルールや方針に従う必要があります。
本部によって統一されたルールや方針は、独自の理念や想いを持って事業所作りを行いたいと考えている方にとってはデメリットとなるかもしれません。
デメリット③本部のブランドイメージの影響を受けてしまう
メリットで挙げた本部のブランドを使用することができる点は、場合によってはデメリットにもなり得るでしょう。
例えば、ブランドイメージが損なわれるようなことが起きた場合、皆様の事業所では適正な運営を行っていたとしても、そのブランドの悪いイメージが伝わってしまい、利用者や家族、関係機関等からの印象が悪くなってしまう可能性もあります。
デメリット④助成金を利用できない場合がある
公共団体等による助成金や補助金の種類・申請条件によって、フランチャイズに加盟していると対象外となってしまう場合があります。
もし、助成金・補助金を活用して開業することを考えている場合は、申請要件にフランチャイズに加盟するケースの記載がないかを確認しましょう。
福祉用具貸与のフランチャイズ加盟時の費用を比較
福祉用具貸与のフランチャイズ企業2社の費用を比較しましたので、見ていきましょう。
項目 | A社 | B社 |
---|---|---|
加盟金 | 150万円 | 50万円 |
ロイヤリティ | レンタル商品の売上の5% 販売商品その他売上の3% |
売上の10% (下限5万円、上限20万円) |
フランチャイズ(FC)以外の開業サポートを受ける方法
ここではフランチャイズに加盟する以外の開業サポートとして、税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士など専門家の開業サポートについてご紹介します。
それぞれの専門家が法人の設立、資金調達、許認可の取得、収支計画の作成などを専門的な立場から支援を行っています。また、顧問契約を結ぶことで、開業後も継続的にサポートを受けることが可能です。
まとめ
福祉用具貸与をフランチャイズで開業するメリットやデメリット、フランチャイズ以外の開業サポートなどをお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
フランチャイズは、それぞれの企業に特徴があるため、コストや開業サポートの内容などを比較し、ご自身のニーズに合ったフランチャイズを探しましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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