福祉用具貸与(レンタル)の営業戦略の作成方法と営業のコツ



福祉用具貸与事業所の開業を検討しているみなさまは、「開業に向けて利用者獲得のためにどこに営業に行けばいいの?」や「どうやったら福祉用具貸与の利用者様を増やすことができるの?」といった悩みをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、福祉用具貸与事業所の営業戦略と営業の手順、ケアマネジャーへ営業する際のコツなどについてご紹介していきます。

人工芝の上に置かれた杖と車椅子のミニチュアの写真

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目次

福祉用具貸与事業所(レンタル)とは

福祉用具貸与事業所は、要介護状態となった利用者様が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、心身の状況、希望およびその生活環境等をふまえ、適切な福祉用具を選ぶための援助、福祉用具の取り付け・調整などを行うサービスです。
福祉用具を貸与することで利用者様の日常生活上の便宜を図ること、ご家族の介護の負担を軽減することなどを目的として実施されています。

営業戦略とは

営業戦略とは、売上や利用者数の増加といった営業目標を達成するために立てる中長期的な計画・方針のことです。
営業戦略と似た言葉に営業戦術があり混同してしまうかもしれませんが、営業戦略は大局的・長期的な視点で立てる計画であるのに対し、営業戦術は戦略を実現するための具体的な手法のことを言います。

営業戦略

福祉用具貸与(レンタル)の営業における強みの明確化

競合の事業所を分析する

ご自身の事業所の地域における立ち位置を確認するために、競合となりそうな事業所をリストアップしてみましょう。
リストアップした競合の事業所の強みと弱みを把握することで、差別化のポイントを見つけることができます。

自事業所の強み・アピールポイントを把握する

競合の事業所と比較した際に差別化できそうなポイントが事業所の強み・アピールポイントとなりますので、強みを把握して言語化しましょう。
強みを把握することで、営業先のケアマネジャーに「○○という実績があります」、「○○に取り組んでいます」とアピールすることができます。福祉用具貸与事業所のアピールポイントの例は以下のようなものが挙げられます。

【福祉用具貸与のアピールポイントの例】

  • 商品知識が豊富な介護福祉士等の資格を持つ福祉用具専門相談員が在籍しているため、利用者様の状況に合った福祉用具を提案できる。
  • 365日営業しているため、急な依頼にも対応できる。
  • 取り扱っている福祉用具の種類が多いため、利用者様にあった福祉用具を提案できる。
  • 全国平均価格よりも安く提供している。

福祉用具貸与(レンタル)の平均売上と平均実利用者数

福祉用具貸与事業所の営業目標を立てる際には、売上や実利用者数の全国平均も参考になるでしょう。ただし、事業所の規模によって売上規模も異なってくることに留意しましょう。

  • 平均売上・・・686万8,000円
  • 平均延べ利用者数・・・463.8人

(出典:厚生労働省 令和4年度介護事業経営概況調査

福祉用具貸与(レンタル)の営業先一覧

福祉用具貸与事業所の代表的な営業先として、事業所が所在する地域の居宅介護支援事業所、病院、老人保健施設、地域包括支援センター、地域の住民などが挙げられます。
中でも、居宅介護支援事業所のケアマネジャーは、ケアプランを作成する段階で事業所を選び、利用者様に紹介する役割があることから、ケアマネジャーと信頼関係を築くことが最も重要だとされています。

【福祉用具貸与(レンタル)の営業先】

  • 居宅介護支援事業所
  • 病院
  • 老人保健施設
  • 地域包括支援センター
  • 地域の住民(老人クラブ、町内会等)

福祉用具貸与(レンタル)開業時の営業の流れ

ここからは、福祉用具貸与事業所を開業する際の営業の流れをご説明していきます。

①営業先をリストアップする

まずは、ご自身の事業所の近隣の居宅介護支援事業所等の営業先を全て洗い出します。
営業先を調べたら、効率的に営業活動が行えるよう、以下のように事業所名や連絡先などをリストにして、営業を開始した後に担当者名や営業方法を記載できるようにエクセルなどを使って管理するのをおすすめします。

事業所名・団体名 担当者名 連絡先 営業方法 初回営業
A居宅介護支援事業所 Aさん 00-0000 訪問、電話
B居宅介護支援事業所 Bさん 11-1111 電話、FAX
C介護老人保健施設 Cさん(相談員) 22-2222 電話
D病院(医療連携室) Dさん 33-3333 電話
E地域包括支援センター Eさん 44-4444 訪問、電話
○○町老人クラブ Fさん 55-5555 訪問

②営業ツールを準備する

次に、ご自身の事業所の魅力をアピールするためのパンフレットや、効率的に営業先を回るためのマップなどの営業ツールを準備します。営業ツールには以下のようなものが挙げられます。

【福祉用具貸与事業所の営業ツール】

  • パンフレット
  • チラシ
  • 福祉用具のカタログ(紙、デジタル)
  • 福祉用具の価格表
  • 名刺
  • 営業マップ
    など

③初回の訪問を行う

ケアマネジャーに営業する際は、「一度は事業所(現地)を訪問すること」を心がけます。訪問する際は事前に電話でアポを取り、訪問するのが良いでしょう。
そして、訪問した際には、ただ「新しく福祉用具貸与事業所を開業しました」と挨拶するだけではなく、ご自身の事業所のアピールポイントを伝えられるように心がけます。
また、その場で商品の概要や特徴、機能の差などの質問を受けることもありますので、事前に商品知識を深めておくことが大切になってきます。

福祉用具貸与(レンタル)におけるケアマネジャーへの営業のコツ

ここからは、福祉用具貸与事業所の開業時に利用者様を確保するために最も重要となる、ケアマネジャーへ営業をする際のコツをご紹介していきます。
株式会社エス・エム・エスが2017年に行った調査によると、ケアマネジャーが福祉用具貸与事業者を選定する際に最も重視しているのは「スピード」が25.2%と最も多く、続いて「担当者の人柄」が17.6%、「柔軟性」が17.4%、「知識の豊富さ」が16.9%と続いています。
「スピード」を重視する理由としては、がん末期などのターミナル利用者への対応や、急な状態変化など「とにかくすぐに必要になるケースがよく発生するから」というコメントが挙げられています。

福祉用具の貸与価格の上限設定に関する意識調査

(出典:株式会社エス・エム・エス 福祉用具の貸与価格の上限設定に関する意識調査

したがって、ケアマネジャーへ営業する際のコツは、品質のよさや価格の安さだけをアピールするのではなく、スピード感や柔軟性をもった対応や商品に対する知識を深めておくことが大切になることが分かります。

福祉用具貸与(レンタル)は開業予定日のどれくらい前に営業に行く?

福祉用具貸与の営業を本格的に開始するのは、指定通知書が届いて開設予定日が確定してからが良いでしょう。開設予定日が確定する前にケアマネジャーなどに営業をしても、開設できるかどうか分からない状態なので、ケアマネジャー側の行動を期待することは難しいでしょう。
※指定通知書は、指定予定月の前月末日までに送付されることとなっていますが、指定権者によって若干の違いがあります。

まとめ

ここまで、福祉用具貸与事業所の営業戦略の考え方や営業の手順、ケアマネジャーへ営業する際のコツなどについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
福祉用具貸与事業所の営業では、商品に対する知識の深さが大切になってきますから、開業前からカタログを見たり実際の商品を触ったりして学習を進めていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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