福祉用具貸与の2018年度介護報酬改定



福祉用具貸与事業所経営者のみなさま。2018年度の介護報酬改定の内容は福祉用具貸与事業所にとって、非常に影響の大きい改定ではないでしょうか。
この記事では、2018年度の福祉用具貸与に関する介護報酬の改定についてまとめています。
ぜひご一読いただき、今後の経営や営業活動に活用してください。

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貸与価格の上限設定等

福祉用具貸与価格は、事業所の裁量によって設定されていましたので同じ福祉用具でも価格設定に差が見られ、中には不当な価格設定と判断されるケースがあり、問題視されていました。そのような背景から今回の改定では、厚生労働省が算出した商品ごとの全国平均の貸与価格及びその商品の貸与価格の上限額を一覧化し、平成30年10月より公表、運用されることとなりました。上限額は「全国平均の貸与価格+1SD(標準偏差)」から算出することとなっています。


※上限値の算定で使用している標準偏差「1SD」とは
標準偏差1SDというのは、データの散らばりを示す単位です。±1SD(標準偏差)内には、正規分布の場合(中心部が多く中心部から離れるほど少なくなる山形のデータ)約68%が該当します。+1SDとは、最高値から16%、中心値から34%の分布地点となります。

福祉用具の貸与価格の上限設定の考え方

出典元:社保審-介護給付費分科会 福祉用具貸与の報酬・基準について(案)

  • 価格設定は貸与商品ごとに行う
    全国平均貸与価格と上限額は、「福祉用具の全国平均貸与価格及び貸与価格の上限一覧」として公表されます。商品ごととは「車いす」のような大きな項目ごとではありません。例えば、商品名「マイチルトコンパクト-3D」は全国平均貸与価格○○円、上限額○○円といった個別の商品ごとに行われます。月100件以上の貸与実績のある、流通している商品が対象となります。
  • 2019年度以降新商品について
    新しく貸与が可能になった商品でも、3ヵ月ごとに全国平均価格を調査し、上限価格が設定されることになります。

機能や価格帯の異なる複数商品の掲示等

今回の改定ではご利用者との契約時に、貸与する商品の全国平均価格を説明すること、価格や機能の異なる複数の商品を紹介すること、ケアマネジャーに福祉用具貸与計画書を渡すことが定められました。

同一商品の全国平均貸与価格を説明

ご利用者に対して貸与価格と合わせて、同じ商品の全国平均価格を説明しなければなりません。
福祉用具の貸与は単なる商品の引き渡しだけではなく、適合やメンテナンスなども価格に含まれていますが、今回の改定ではあくまでも商品の貸与価格に焦点があたっています。

価格や機能の異なる複数の商品を紹介

利用者が適切な商品を選択できる機会を確保するという観点から、ご利用者に対して紹介した商品と同等の商品の価格帯や機能の異なる複数の商品を紹介することが義務付けられました。

ケアマネジャーに福祉用具貸与計画書を渡す

ケアマネジャーとの連携を図るため、福祉用具貸与計画書を担当のケアマネジャーに渡すことが義務化されました。

まとめ

いかがでしたか。
ご利用者の状況に合った適切な福祉用具は、在宅生活を継続する上で重要な役割を担います。今回の改定では、利用者がより適切な福祉用具を選択できる環境を整備する観点から、貸与価格の上限設定や、商品説明等が義務付けられましたが、福祉用具貸与事業所の運営に大きな影響を与える内容となりました。

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