75歳のヘルパーもスマホ記録を活用!ICT化で様々な業務が効率化
-
課題
- 通所も訪問介護も手書きで記録しているためにチェックや転記に時間がかかる
- 請求に使っていたソフトは記録機能がオプション扱いで予算外
-
導入の
ポイント- タブレットやスマホ記録、請求機能を含めた月額定額制
- 乗り換えの検討を始めたタイミングがICT導入補助金の申請期間に重なった
- 予想より簡単な操作で、ヘルパーにスマホ記録が2週間で浸透
-
効果
-
通所介護‐タブレットの活用で20人分の記録が約30分で完結、 利用者との関り増
-
訪問介護‐75歳のヘルパーもスマホ記録を活用、指示・連絡のやり取りが効率化、特定事業所加算の算定条件をクリア
-
事務員‐ICT化でシフト調整、記録確認、請求業務が効率化
-
社会福祉法人ワゲン福祉会様は、神奈川県相模原市の相場台ホームの通所介護と訪問介護事業にカイポケをご導入いただいています。どちらの事業でも紙で記録を作成していた状態から、カイポケの活用によりどの様に業務効率化が進んだのか、施設長様、通所介護生活相談員様、訪問介護管理者様・サービス提供責任者様、事務員様の5名のお話をご紹介します。
カイポケなら、記録の負担が減らせると施設長に相談しました
カイポケ導入のきっかけを教えてください
通所生活相談員菊池様:私が相場台ホームに入職した当時は、通所介護と訪問介護のどちらも紙で記録を作成していました。以前勤めていたデイサービスでカイポケを利用していて、記録をタブレットで作成していたので、その時と比較すると記録業務がとても大変だと感じました。利用者さんを見る余裕も無い状態だったので、これはまずいと思い、施設長に「カイポケを導入すれば改善できます」と相談したんです。
事務員斎藤様:以前のソフトでは請求機能しか利用していませんでした。オプションで記録機能を追加することも過去に検討したのですが、見積もりをとったところ、5年契約かつ高額になってしまい、「とても払える金額ではない」と断念したんです。菊池さんからカイポケがよいという話を聞いたのが、ICT導入補助金の申請タイミングとも重なったので、無料体験について問い合わせをしました。
写真左から、訪問介護サービス提供責任者小玉様、訪問介護管理者兼サービス提供責任者鈴木様、施設長常盤様、事務員斎藤様、通所介護生活相談員菊池様
ICT化で記録、情報共有、シフト調整、実績確認など様々な業務が効率化
通所介護の記録が紙からタブレットになったことで、どのような変化がありましたか?
通所生活相談員菊池様:一番の変化は記録にかかる手間と時間です。手書きの記録では、バイタルや食事量などを記録用紙、業務日誌、連絡帳と利用者様毎に3回は同じ内容を書かなければならず、1日を通してずっと記録をしているような状態でした。記録しているだけで午前中が終わってしまい、午後も書ききれなかった記録を書き続けていました。 カイポケ導入後は午前も午後もそれぞれ30分程度で記録が終わっています。記録内容についても、例えば食事の内容を主食と副菜に分けて入力するなど、手書きの時より詳細な記録が簡単にできるようになりました。利用者さんに関わる時間も増え、アプリを使って撮影した写真を連絡帳に載せたり、施設内に皆さんが行事やレクリエーションを楽しんでいる様子が掲示できるようになり嬉しいです。
訪問介護でのカイポケ導入後の変化を教えてください
管理者兼サ責鈴木様:訪問介護では、紙記録からスマートフォンでの記録に変わったことに伴い、記録の手間とヘルパーへの情報共有の方法が大きく変わりました。今までは訪問内容の記録に加えて、情報共有用の記録と給与計算用の記録と1回の訪問で3枚の用紙を書いていました。それが1度の入力で完結するので、ヘルパーは負担が減りました。また、ヘルパー同士も他の人がどの様に記録を書いているのかを確認することで情報共有ができています。 私とヘルパーとの連絡はメールでのやり取りが多く、以前は指示も担当のヘルパーにそれぞれ送っていました。カイポケを導入してからは、指示内容を登録しておけば、ヘルパーが各自で指示を確認してくれるようになっています。ヘルパーにとっても、過去のメールを遡って確認する手間が減りました。また、訪問の終了報告も紙に記録したうえで、メールでも貰っていましたが、カイポケでは記録がリアルタイムで確認できるため不要になりました。このように、メールでのやり取りはかなり減らすことができました。
訪問介護サ責小玉様:スマホから利用者様の住所や他のヘルパーが作成した記録が見られる点も便利になりました。わざわざ事務所に行ってメールや記録を確認しなくても、現場で知りたい情報が確認できます。以前は地図や多数の記録用紙をまとめた重いファイルを鞄に入れて訪問していたんですが、不要になったので荷物もストレスも減りました。極端な話スマホさえ持っていれば、そんなに困らないですね。
スマホ記録をどのようにヘルパーに浸透させましたか?
事務員斎藤様:テスト期間を設けてスマホ記録を試してもらいました。使い方と、紙の記録と項目や内容が違う点を一度説明して、1週間使ってもらいました。分からないことがあれば、電話や事務所で質問してもらいました。14名のヘルパーがいますが、みなさん大体1、2回スマホ記録を使ってみて慣れてましたね。始めは「抵抗があるから紙の記録を継続したい」というヘルパーもいたので併用していたんですが、だんだん利用者さん側からも紙記録のヘルパーさんに対して、「あなたはスマホにしないの?」と声をかけられるほどになったと聞きました。
管理者兼サ責鈴木様:利用者さんにもスマホでの記録は好印象です。スマホで記録を書いた画面や送信ボタンを押すところを見せると、とても喜んでいただけます。また、うちには最高齢で75歳のヘルパーが2人いるんですが、2人とも変化についてきてくれて、今ではスマホを使いこなせています。
訪問介護サ責小玉様:私は当初スマホ記録に慣れるには1か月くらいはかかるんじゃないかなと思っていたんですが、いざ試してみたら操作画面が分かりやすいので、一日二日ですんなりと慣れてしまい、驚きました。
事務員の業務はどの様な点が効率化されたと感じますか?
事務員斎藤様:記録の確認作業がしやすくなりました。以前は紙の記録を確認していて、拾いきれていない内容もあったかと思いますが、カイポケ導入後はリアルタイムで記録が確認できます。シフトの調整も、「変更希望があればスマホ記録の報告欄に内容を入れてください」とヘルパーにお願いしているので、スムーズに行えます。さらに、提供票の修正も月末にまとめて行う必要が無くなり、間違いも減りました。ちょっとした記録の間違いについても、翌日にはヘルパーに確認して、すぐにこちらで修正できるようになったので、運営指導への対策もしやすくなったと思います。訪問介護で特定事業所加算を算定しているので、情報共有や指示・報告は必須ですが、カイポケのスマホ記録を利用することで加算の要件がクリアできています。 また、要支援の総合事業の請求もとても楽になりました。以前のソフトではマニュアルを見ても分かりにくく、毎回操作に手間がかかっていたんです。カイポケでは相模原市の総合事業コードをワンクリックで読み込むだけで請求に進めるので、「ソフトが違うだけでこんなに楽になるのか!」と驚きました。
新しいものを取り入れながら、利用者様の一人一人に向き合う事業所であり続けたい
現場職員からの提案を起点に業務改善を実践されてきたのですね。最後に、これからの事業所の展望を教えてください。
施設長常盤様:相陽台ホームが大好きで、30年勤務してきましたが、必ずしも今まで通りのやり方にはこだわらず、変わらなければいけないことや、新しいことも取り入れていきたいと思っています。職員それぞれがやりがいやサービスに対する思いを持って働いてくださっているので、カイポケの導入も職員からの「やりたい!」という声を大切にしました。 逆にずっと変わらずにいたいと考えているのは、『利用者さん一人一人の方を大切に、自分の居場所があることを安心して感じていただけるようにすること』です。やはり、利用者さんはできるだけご自宅で過ごしたいと思っています。それでも、全く知らないところではなく、知っている職員がいるからご家族も本人も安心して入所ができます。そのためにはデイサービスや訪問介護、ショートステイと複合的に繋がりをもって提供することが大切です。入所に至っても、「ここに入所できて良かったな」と思っていただけるように、継続して支援していきたいです。
デイサービスでは工作活動や、施設前の農園で取れた野菜を使った調理レク、ボランティアの方によるヴァイオリン演奏会など、様々なレクリエーションを行っている。カイポケの通所介護向けアプリ「デイタブレット」で撮影した写真を事業所内に掲示。