訪問リハビリテーションで人材採用をする方法や媒体別のコスト



訪問リハビリテーションの立ち上げを考えている皆様は、「訪問リハビリテーションを開業する際には、何人の職員を採用しないといけないの?」や「採用活動を行う場合はどのくらい費用や手間がかかるんだろう?」などと疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、訪問リハビリテーションを立ち上げる際に必要な職種や人数、職員を採用する流れや採用方法・媒体別のコストなどについてご紹介していきます。

紺色の服を着た女性ヘルパーの写真

目次

訪問リハの開業時に満たす必要がある人員基準とは

人員基準とは、訪問リハビリテーションのサービスを提供するために必要な職員の員数や資格等が定められている厚生労働省令で、専任の常勤医師が1人以上、理学療法士、作業療法士または言語聴覚士を適当数置かなければならないとされています。

職種 配置基準 兼務
医師 常勤・専従で1人 病院または診療所、介護老人保健施設、介護医療院では、当該病院等の常勤医師との兼務で差し支えない。
理学療法士、作業療法士または言語聴覚士 適当数を配置 病院または診療所、介護老人保健施設、介護医療院の理学療法士、作業療法士または言語聴覚士との兼務も可能。

訪問リハビリテーションの人員基準について、詳しくはこちらの記事をご覧ください

訪問リハビリテーションは開業時の採用活動は必要?

訪問リハビリテーションの人員基準で配置が必要とされている医師や理学療法士等については、訪問リハビリテーションの実施主体である病院または診療所、介護老人保健施設、介護医療院との兼務で差し支えないとされています。ですから、兼務によって医師や理学療法士等を確保できる場合は、採用活動を行わなくても開業することができます。
ただし、利用者様の数が増えるにしたがって理学療法士等の人数が足りなくなる可能性がある場合は、追加で採用をすることが多いようです。

医師や理学療法士等の有効求人倍率の推移

厚生労働省の職業安定業務統計によると、医師や理学療法士等の有効求人倍率は全職種と比較すると上回って推移しています。
2022年の医師等の有効求人倍率は1.88倍、医療技術者は2.65倍と、求人に対して応募が不足した状態となっています。

職業別有効求人倍率(パートタイムを含む常用) (厚生労働省 「職業安定業務統計」より作成)

訪問リハビリテーションにおける人材採用の手順・流れ

訪問リハビリテーションにおける人材採用は、以下のような手順で進めます。

【採用活動の流れ】

  1. 採用計画を策定
  2. 人材募集
  3. 採用選考
  4. 内定・入社手続き

採用活動の流れ①採用計画を策定

まずは、「いつまでに」「どの職種(どの資格の有資格者)を」「何人」「どのような雇用形態で」などといった観点から採用計画を策定します。
訪問リハビリテーション単独で必要な人数等を計画するわけではなく、本体の医療機関や施設と合わせて採用する人数や職種などを計画しましょう。

採用活動の流れ②人材募集

採用計画が決まったら、募集要項を作成し、実際に人材募集を始めることになります。人材募集の方法は、ハローワークや求人広告、自社ホームページ、SNSなど様々な手段がありますので、後ほど詳しくご紹介していきます。

採用活動の流れ③採用選考

求職者からの応募があったら、採用選考を行います。一般的には書類選考や面接などを行い、応募者の中から内定者を選んでいくことになります。
選考の際には、応募者の業務の経験やスキル、人柄、事業所の理念や方針への共感などが判断の基準になります。

採用活動の流れ④内定・入社手続き

選考を通して応募者の中から内定者を決定したら、採用通知を行います。採用通知をしたあとに内定を辞退されてしまう可能性もあるため、内定者の疑問や不安を解消する場を設けるなど、内定後のフォローは適切に行う必要があります。

訪問リハビリテーションの募集要項に記載する内容

訪問リハビリテーションで職員を採用するためには、募集要項を作成し、求人広告などに掲載する必要があります。募集要項に記載する内容は以下の項目が挙げられます。

【訪問リハビリテーションの求人・募集要項に記載する内容】
業務内容
契約期間
試用期間
就業場所
就業時間
休憩時間
休日
時間外労働
賃金・賞与
加入保険
募集者の氏名または名称
雇用形態
福利厚生・待遇
必要な資格
など

訪問リハビリテーションの募集要項を作成する際のルール

労働者の募集等に関するルールについては「職業安定法」で定められており、2022(令和4)年の改正では求人情報や自社に関する情報の的確な表示が義務付けられました。 職業安定法の改正について、詳しくは厚生労働省のホームページにまとめられておりますので、そちらをご覧ください

訪問リハビリテーションの募集要項を差別化する方法

理学療法士等に向けた求人は多くある中で、求職者の目に留まるような募集要項を作成するためには、以下のような工夫をする必要があります。

訪問リハビリテーションの採用方法・媒体別のコスト

訪問リハビリテーションで理学療法士等を採用する方法・媒体は何種類もあり、それぞれの方法を組み合わせて採用活動を行っていくことになります。 厚生労働省が2019年に実施した「医療・介護分野における職業紹介事業に関するアンケート調査」によると、医師やリハビリ専門職の採用人数計に占める採用経路別の採用者割合は以下のようになっています。
医師とリハビリ専門職共に、民間職業紹介業者、直接募集、学校等が採用経路において高い割合を占めていることが分かります。

民間職業紹介業者 直接募集 学校等※ 縁故 公共職業安定所 求人情報サイト 求人情報掲載誌
医師 35% 18.4% 17.2% 7.3% 0% 0.5% 0.1%
リハビリ専門職 13.4% 18.9% 51.5% 3% 9.3% 2.8% 0.1%

※大学、看護学校、専門学校等
(厚生労働省 2019年「医療・介護分野における職業紹介事業に関するアンケート調査」より作成)

それではここからは、訪問リハビリテーションの採用方法・媒体の特徴やコストについて詳しくご紹介していきます。

①民間職業紹介のコスト

民間職業紹介は、人材紹介会社が事業所と求職者をマッチングさせるサービスで、採用が1件決まるごとに人材紹介会社に手数料を支払う仕組みとなっています。厚生労働省は「 医療・介護・保育分野における適正な人材紹介サービス事業者の認定制度」を行っており、人材紹介サービスを利用する際は、適正認定事業者から探すことが推奨されています。 手数料額は高額だと感じている事業者もいますが、

確実に求職者を紹介してもらえる 迅速に求職者を確保することができる 多くの求職者からの応募が期待できる などといった点にメリットを感じて、サービスを利用しているようです。 厚生労働省が2019年に実施した「 医療・介護分野における職業紹介事業に関するアンケート調査」によると、採用1件あたりの職業紹介事業者に支払った手数料額の平均は、職種別で以下のようになります。

医師・・・276.6万円 リハビリ専門職・・・86.2万円

②自社ホームページ・SNSのコスト

自社ホームページやSNSで人材募集を発信することで、求職者からの直接的な応募が期待できます。SNSは無料で始めることができますが、フォロワーを増やしてアカウントの認知を広げるまでに時間がかかります。また、ホームページは皆さん自身で無料で作成することもできますが、業者に依頼すると数万円~数十万円かかります。

③職員等からの紹介(リファラル採用)のコスト

職員からの紹介の場合、無料で人材採用を行うことができますが、『リファラル採用』の制度を設け、紹介をした人が採用された場合に紹介をした職員に報酬を支払う場合もあります。

④ハローワーク(公共職業安定所)のコスト

ハローワーク(公共職業安定所)は厚生労働省が運営する雇用サービス機関で、管轄地域の求人を中心に扱っているため、その地域に特化した採用に強い媒体です。ハローワークへの求人掲載は無料で行うことができます。

⑤求人情報サイトのコスト

求人情報サイトは、WEBサイトに求人を掲載できる媒体です。採用が決まったら費用が発生する場合や、求人を掲載する期間によって費用が発生する場合など、様々な料金体系のサービスがあります。1月あたりの料金を設定している求人情報サイトへの掲載料を例にすると、1月あたり約5万円〜100万円の幅広い料金が設定されています。

⑥求人情報掲載誌のコスト

求人情報掲載誌は地域の求人情報が掲載されているフリーペーパーです。スーパー等の地域のお店に置かれていることが多く、その地域の求職者の目にとまる媒体であることから、エリアを絞った採用に有効な手段となります。 求人情報掲載誌の相場は誌面に掲載する大きさや発行部数にもよりますが、1月あたり約2万円〜40万円となっています。

訪問リハビリテーションの開業をカイポケがお手伝いします!

訪問リハビリテーションを開業する際には、人材採用以外にも、開業後のサービス提供の計画書や記録の作成、請求事務などを考え、準備を進める必要があります。 カイポケ開業支援では、専任の担当者が訪問リハビリテーションの開業をサポートいたしますので、こちらからお気軽にお問い合わせください

まとめ

ここまで、訪問リハビリテーションを立ち上げる際に必要な職種や人数、職員を採用する流れや採用方法・媒体別のコストなどについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
訪問リハビリテーションに必要な医師や理学療法士等は、有効求人倍率が全職種と比較しても高い傾向が続いています。求人が多くある中でご自身の事業所を選んでもらえるように、応募者に求める人材像の明確化や魅力的な募集要項の作成などに力を入れていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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