【2024年度改定対応】児童発達支援における家族支援加算とは?
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家族支援加算は、児童の家族等に対して、個別又はグループにより相談援助を行った場合に算定できる加算です。
令和6年度の障害福祉サービス等報酬改定において、家庭連携加算と事業所内相談支援加算が統合され「家族支援加算」が創設されました。
この記事では、家族支援加算の単位数や算定要件についてまとめていますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
家族支援加算の単位数
家族支援加算 |
単位数 |
||
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家族支援加算(Ⅰ) |
(1)児童の居宅を訪問 |
(一)1時間以上の場合 |
300単位 |
(二)1時間未満の場合 |
200単位 |
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(2)事業所等で対面 |
100単位 |
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(3)テレビ電話装置等を活用 |
80単位 |
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家族支援加算(Ⅱ) |
(1)対面により(他の児童・家族と合わせて) |
80単位 |
|
(2)テレビ電話装置等を活用(他の児童・家族と合わせて) |
60単位 |
家族支援加算の算定要件
家族支援加算(Ⅰ)の算定要件
家族支援加算(Ⅰ)は「個別の相談援助」を行った場合に算定できます。
家族支援加算(Ⅰ)の(1)の算定要件
- あらかじめ保護者の同意を得て、通所支援計画に位置づけた上で、計画的に、障害のある児童の子育てや障害のある児童との生活等に関しての相談援助を行うこと。
- 従業者が「児童の家族等の居宅を訪問し」児童及びその家族等に対して、「個別で」必要な相談援助を行うこと。
- 児童及びその家族等が相談しやすいよう周囲の環境等に十分配慮すること。
- 相談援助を行った日時及び相談内容の要点に関する記録を行うこと。
家族支援加算(Ⅰ)の(2)の算定要件
- あらかじめ保護者の同意を得て、通所支援計画に位置づけた上で、計画的に、障害のある児童の子育てや障害のある児童との生活等に関しての相談援助を行うこと。
- 従業者が「事業所において対面により」児童及びその家族等に対して、「個別で」必要な相談援助を行うこと。
- 児童及びその家族等が相談しやすいよう周囲の環境等に十分配慮すること。
- 相談援助を行った日時及び相談内容の要点に関する記録を行うこと。
家族支援加算(Ⅰ)の(3)の算定要件
- あらかじめ保護者の同意を得て、通所支援計画に位置づけた上で、計画的に、障害のある児童の子育てや障害のある児童との生活等に関しての相談援助を行うこと。
- 従業者が「テレビ電話装置等を活用して」児童及びその家族等に対して、「個別で」必要な相談援助を行うこと。
- 使用する機器等については特に定めはないが、原則、児童や家族の表情等、相談援助中の様子が把握できる状況で実施すること。
- 通信料等の負担が著しく発生する等、児童やその家族等に不利益が生じないよう十分に配慮すること。
- 児童及びその家族等が相談しやすいよう周囲の環境等に十分配慮すること。
- 相談援助を行った日時及び相談内容の要点に関する記録を行うこと。
家族支援加算(Ⅰ)の留意点
- (1)から(3)全体として1日につき1回および1月につき4回を限度として、算定するものであること。
- 支援を提供した日以外の日に相談援助を行った場合においても算定できる。
- 当該児童に支援を提供しない月においては算定することはできない。
- 相談援助が30分に満たない場合は算定できない。ただし、(1)において家族等の状況や事情により30分未満となる場合はこの限りではない。
- 家族等への相談援助は、児童が同席していない場合でも算定できる。ただし、相談援助の内容に応じて、児童の状態等の確認が必要な場合には同席の下で行うなど、相談の対象や内容に応じて、効果的な相談援助となるよう努める。
- 事業所以外の場において対面で個別に相談援助を行った場合は、家族支援加算(Ⅰ)の(2)を算定する。なお、保育所等において児童が長時間所在する場所において支援を行うことが効果的であると認められる場合については、保護者の同意を得た上で保育所等を訪問し、相談援助等の支援を行った場合についても加算を算定して差し支えない。
- 家族支援加算は、通所支援計画に位置付けた上で計画的に相談援助を行った場合に算定するものであり、突発的に生じる相談援助(例えば、家族等からの電話に対応する場合)は対象とならない。
- 家族支援加算(Ⅰ)と(Ⅱ)は同一の日に実施した場合であっても、それぞれ算定できる。
- 指定児童発達支援と指定放課後等デイサービス、指定居宅訪問型児童発達支援又は指定保育所等訪問支援を一体的に行う多機能型事業所であって、同一の児童に係る家族等への相談援助について、各サービスに係る家族支援加算の算定回数は通算するものとし、その合計回数は月4回を限度とする。
家族支援加算(Ⅱ)の算定要件
家族支援加算(Ⅱ)は「グループの相談援助」を行った場合に算定できます。
家族支援加算(Ⅱ)の(1)の算定要件
- あらかじめ保護者の同意を得て、通所支援計画に位置づけた上で、計画的に、障害のある児童の子育てや障害のある児童との生活等に関しての相談援助を行うこと。
- 従業者が「事業所において対面により」児童及びその家族等に対して、「グループで」必要な相談援助を行うこと。
- 相談援助を行う対象者は、2人から8人までを1組として行うこと。(同一世帯から複数人参加する場合は、1として数えるものとする。)
- 相談援助を行った日時及び相談内容の要点に関する記録を行うこと。
家族支援加算(Ⅱ)の(2)の算定要件
- あらかじめ保護者の同意を得て、通所支援計画に位置づけた上で、計画的に、障害のある児童の子育てや障害のある児童との生活等に関しての相談援助を行うこと。
- 従業者が「テレビ電話装置等を活用して」児童及びその家族等に対して、「グループで」必要な相談援助を行うこと。
- 相談援助を行う対象者は、2人から8人までを1組として行うこと。(同一世帯から複数人参加する場合は、1として数えるものとする。)
- 使用する機器等については特に定めはないが、原則、児童や家族の表情等、相談援助中の様子が把握できる状況で実施すること。
- 通信料等の負担が著しく発生する等、児童やその家族等に不利益が生じないよう十分に配慮すること。
- 相談援助を行った日時及び相談内容の要点に関する記録を行うこと。
家族支援加算(Ⅱ)の留意点
- (1)及び(2)全体として1日につき1回および1月につき4回を限度として、算定するものであること。
- 支援を提供した日以外の日に相談援助を行った場合においても算定できる。
- 当該児童に支援を提供しない月においては算定することはできない。
- グループの相談援助は、ペアレントトレーニングや保護者同士のピアの取組の実施によることが想定される。このため、当該トレーニングの知識や、家族への支援等に関する一定の経験を有する職員の下で行うことが望ましい。
- 相談援助が30分に満たない場合は算定できない。
- 家族等への相談援助は、児童が同席していない場合でも算定できる。ただし、相談援助の内容に応じて、児童の状態等の確認が必要な場合には同席の下で行うなど、相談の対象や内容に応じて、効果的な相談援助となるよう努める。
- 家族支援加算(Ⅰ)と(Ⅱ)は同一の日に実施した場合であっても、それぞれ算定できる。
- 指定児童発達支援と指定放課後等デイサービス、指定居宅訪問型児童発達支援又は指定保育所等訪問支援を一体的に行う多機能型事業所であって、同一の児童に係る家族等への相談援助について、各サービスに係る家族支援加算の算定回数は通算するものとし、その合計回数は月4回を限度とする。
家族支援加算のQ&A
令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関するQ&A VOL.1 (令和6年3月29日) 問28 |
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Q. 居宅を訪問して相談援助等を行う場合について、極めて短時間の場合(例えば10分程度の相談援助)であっても「所要時間1時間未満」として算定することが可能か。 |
A. ●居宅を訪問しての個別の相談援助については、30分以上行うことを基本としつつ、障害児や家族の状況から短時間でも訪問しての相談援助を行う必要がある場合や、利用者の都合により相談援助時間が短くなってしまった場合には、同加算の「所要時間1時間未満」の区分の算定を可能としている。 このため、事前の計画では30分以上の相談援助となるよう設定すること。 なお、事業所において個別の相談援助を行う場合や、グループの相談援助を行う場合は、30分未満の相談援助については本加算の算定は認められないことに留意されたい。 |
令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関するQ&A VOL.1 (令和6年3月29日) 問29 |
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Q. 支援に当たる者は、「指定通所(入所)基準により置くべき従業者」であることが求められるか。 |
A. ●個別、グループ、訪問による場合、事業所内で実施する場合、いずれの場合においても、相談援助に当たる職員は、指定基準により置くべき従業者に限ることを求めるものではないが、適切に家族支援を実施できる従業者によるとともに、基準により置くべき従業者を中心に、事業所としてフォローできる体制をとりながら支援を進めること。 |
令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関するQ&A VOL.1 (令和6年3月29日) 問30 |
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Q. 障害児本人が不在の中、保護者やきょうだいに対して相談援助を行った場合は算定可能か。 |
A. ●可能である。なお、相談援助の内容に応じて、障害児の状態等の確認が必要な場合には同席の下で行うなど、相談の対象や内容に応じて、効果的な相談援助となるよう努めること。 |
令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関するQ&A VOL.1 (令和6年3月29日) 問31 |
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Q. グループの支援について、ペアレントトレーニングの一環として、講師を招いて講座を行う場合や、ピアの取組の一環として、保護者会を行う場合に、算定可能か。 |
A. ●支援の一環として、講師を招いた講座の実施や保護者同士の交流を行うことは可能であるが、その場合であっても事業所の従業者がファシリテーターなどとして参画し、相談援助を行うことが必要であり、事業所の従業者が介在しない支援については算定されない。 |
令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関するQ&A VOL.1 (令和6年3月29日) 問32 |
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Q. 同一の児童に係る算定回数は通算し、その合計数は月4回を限度とするとされているが、「同一の児童」とは「サービスを利用している児童」ということでよいか。(サービス利用児童がきょうだいの場合、それぞれに月4回算定可能ということでよいか) |
A. ●きょうだいで利用している場合、家族支援加算はそれぞれのきょうだいにつき月4回ずつ算定可能である。 |
令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関するQ&A VOL.2 (令和6年4月12日) 問2 |
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Q. 個別支援計画作成後のモニタリングにおける保護者との面談についても算定対象となるか。 |
A. ●個別支援計画作成後のモニタリングに当たっての面接については、運営基準において児童発達支援管理責任者に求められている業務であり、当該加算の算定対象にはならない。 |
令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関するQ&A VOL.4 (令和6年5月24日) 問2 |
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Q. 家族支援加算(Ⅰ)について、障害児に対して、通所による支援が行なわれていない日にも算定することができるが、事業所が保護者に対して相談援助を行う日に、相談援助を行う事業所とは別の事業所に障害児が通所した場合(例えば、午前中に保護者がA事業所で相談援助を受け、午後に障害児がB事業所で通所による支援を利用するような場合)も算定は可能か。また、家族支援加算(Ⅱ)についても同様と考えて良いか。 |
A. ●家族支援加算(Ⅰ)、家族支援加算(Ⅱ)いずれも算定可能である。 |
令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関するQ&A VOL.4 (令和6年5月24日) 問3 |
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Q. 同一日に2つ以上の事業所において、家族支援加算(Ⅰ)の算定に係る相談援助を行った場合(例えば、保護者がA事業所において午前中に対面で相談援助を受け、午後はB事業所において対面で相談援助を受けた場合)には、両事業所で相談援助に係る加算を算定できるものと考えて良いか。また、家族支援加算(Ⅱ)についても同様と考えて良いか。 |
A. ●お見込みの通り。 |
令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関するQ&A VOL.4 (令和6年5月24日) 問4 |
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Q. 障害児が支援を受けている時間帯に、基準の人員として配置されている児童指導員又は保育士により、家族支援加算(Ⅰ)又は家族支援加算(Ⅱ)の算定に係る相談援助等を行うことは可能か。 |
A. ●障害児が支援を受けている時間帯に相談援助等を行う場合、相談援助等を行う職員については、支援の単位ごとに必要な児童指導員又は保育士には含まれないものである。 ●そのため、本加算における相談援助等を行う職員については、障害児が支援を受けている時間帯に、基準の人員として配置されている児童指導員又は保育士以外で対応する必要がある。 ●なお、本加算の算定に係る相談援助の実施に当たっては、適切に家族支援を実施できる従業者による対応が望ましいことから、障害児が支援を受けている時間帯に相談援助を行う場合には、児童発達支援管理責任者による相談援助を行う等、必要に応じた対応を検討いただきたい。 |
最後に
この記事は、作成時点の最新資料・情報を基に作成しています。具体的な解釈や申請等については、その都度、最新情報をご確認いただき、自治体等へ申請・お問い合わせいただきますようお願い致します。