障害福祉のサービス提供記録とは?書き方や注意点をご紹介
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障害福祉事業の現場で働かれている皆様の中には、サービス提供記録に何を書いたらいいかよくわからない、記入を簡略化したい、という方もいらっしゃると思います。 この記事では、障害福祉におけるサービス提供記録について、必要な理由や書き方、作成時の注意点について解説します。 ぜひ最後までお読みください。
目次
- 障害福祉のサービス提供記録とは?
- 障害福祉のサービス提供記録はなぜ必要?
- 障害福祉のサービス提供記録の書き方
- 障害福祉のサービス提供記録の注意点
- 障害福祉のサービス提供記録を効率化するには?
- 記録を効率化したいなら『カイポケ』がオススメ!
- まとめ
障害福祉のサービス提供記録とは?
サービス提供記録の概要
サービス提供記録とは、提供したサービスの具体的な内容を記録する書類のことです。 利用者ごとに作成する必要があり、健康状態や食事、実際に提供した療育の内容などを記録します。 事業所によっては「療育記録」「支援記録」などと呼ばれることもあります。 報酬請求時に適正なサービスを提供したことを証明する書類でもあり、職員間の情報共有にも役立つので、必ず作成しましょう。
サービス提供実績記録票との違い
サービス提供記録とサービス提供実績記録票は、名前が似ているため混同されやすいですが別の書類です。 サービス提供実績記録票は、サービス提供の実績(サービス提供の状況、提供形態、開始時間、終了時間、算定時間数、加算の算定回数等)を記載し、月ごとに作成を行います。 令和6年の法改正により、算定時間数の欄が新たに設けられています。 サービス提供実績記録票の最新の様式はこちらからダウンロードいただけます。
障害福祉のサービス提供記録はなぜ必要?
ここではサービス提供記録が必要な理由を4つご紹介します。
運営指導で必要
サービス提供記録は運営指導の際に確認される書類の一つです。 そのため、もし書類自体がなかったり、記録に不備があったりすると運営指導で指摘され、場合によっては報酬の返還を求められる可能性があります。 必ず不備なく記録するようにしましょう。
療育の質の向上につながる
サービス提供記録の内容を充実させることで、日々の利用者の反応や様子の振り返りや、サービス計画に沿った支援ができているかの確認、計画で掲げた目標が達成可能かの判断ができるので、療育の質の向上につながります。 また、職員自らの行動の振り返りにもなります。
職員の情報共有の促進
サービス提供記録を通して利用者の支援に関する情報共有を行うことができるので、職員間のコミュニケーション活性化につながります。 引継ぎの際もサービス提供記録を見ながら行ったり、あとで見返したりすることで、情報共有のミスや漏れが減り、スムーズに進めることができます。
保護者との連携強化に
サービス提供記録は、利用者やその家族に支援内容を説明する際にも利用可能です。 利用者の状況や課題について共通理解を持つこともできるので、利用者家族との信頼関係向上にもつながります。
障害福祉のサービス提供記録の書き方
書き方の基本
誰が読んでもわかりやすく書く
他の職員や利用者の家族が見てもわかりやすいように、事実(客観的情報)と職員が思ったこと・感じたこと(主観的情報)を分けて書くことが重要です。 冗長な表現にならないように簡潔に記載し、誤字脱字にも気を付けましょう。 書き終わった記録は一度ほかの職員に目を通してもらい、わかりやすいか確認してもらうのも有効な手段です。
具体的に書く
なるべくあいまいな表現は使わずに具体的に書くようにしましょう。 例えば「教室に慣れてきた」ではなく「活動の初めから終わりまで参加できた」といった表現にするとより具体的でわかりやすくなります。 また、利用者がいつもと変わりない様子だった場合でも、「特変なし」ではなく何がどう変化がなかったか書いておきましょう。 「食事量がいつもと同じくこれぐらいで、体調も特に所見はなかった」など、具体的に書くようにすることが大切です。
「だ・である」調で書く
サービス提供記録は公的な文書なので、原則として「だ・である」調で書きます。 職員間で表記が異なるとわかりにくくなってしまうので、統一しておくことが大切です。
表現に気を付ける
サービス提供記録は利用者・その家族も見るので、表現には気を付けましょう。 専門用語は利用者やその家族には伝わりにくいので、説明を添えるか別の表現を使用するのが望ましいです。 また、下記のような差別用語や差別と見なされる可能性がある用語は使わず、適切な言葉に言い換えましょう。
気を付けたい用語 | 言い換え |
---|---|
父兄 | 保護者 |
奥さん・ご主人 | 妻・夫・パートナー・~さんのお母さん・~さんのお父さん |
片親 | 母子家庭・父子家庭 |
帰国子女 | 帰国生 |
ハーフ | ダブル・ミックス |
色盲 | 色覚多様性・色覚特性 |
がちゃ目・寄り目 | 斜視 |
どもり | 吃音・言語障がい |
めくら | 目の不自由な人・視覚障がい者 |
つんぼ | 聴覚に障がいのある人・聴覚障がい者 |
その他、「~させた」などの指示語は利用者さんのご家族に不快感を与えてしまう恐れがあるので、極力避けることをおすすめします。
記載する項目
サービス提供記録には以下の事項を記載する必要があります。
- サービスの提供日及び提供時間
- 利用者名及び記録者名
- 提供した具体的なサービス内容 ※1
- 利用者の心身の状況 ※2
- その他利用者へ伝達すべき必要事項
※1 具体的なサービス内容が記録されていたとしても、個別支援計画に基づいたサービスではなく、適正なサービスを提供したと確認ができない場合は、報酬の返還対象となる可能性があります。
※2 心身の状況、置かれている環境、他の保健医療サービスまたは福祉サービスの利用状況等の把握に努めていることがわかる記録を残す必要があります。
障害福祉のサービス提供記録の注意点
ここでは障害者福祉事業のサービス提供記録の注意点を6点ご紹介します。
記入は油性ボールペンが望ましい
サービス提供記録は公的な文書なので、手書きで記録を残す場合には、消えるボールペンやシャープペンシルなどは避け、消えにくい油性ボールペンで記入するのが望ましいです。 また、色は基本的には黒を用いるようにしましょう。
修正する際は二重線と訂正印
記載を間違えてしまった際は修正テープなどで修正せず、二重線と訂正印を使いましょう。 これは記録の改ざんを防ぐためにも重要で、訂正前の文書と訂正後の文書を残しておくことができます。
サービス提供時間内に作成する
サービス提供記録はあとでまとめて書くのではなく、サービス提供時間内に書くようにする必要があります。 とはいえ時間がなかなか取れないことも多いと思うので、定型文を場面別に作っておいたり、記録ソフトを使ったりすると効率的に記入することができます。 効率的に記入できる仕組みを整えて、サービス提供時間内に記録が作成できるようにしておきましょう。
事実と推測を混同しない
基本的には客観的事実のみを書くようにしましょう。 推測を事実のように書いてしまうと、誤認を生んでしまう可能性があり、トラブルの元になったり、支援の質の低下につながったりする可能性があります。 記録をする際は客観的に見て事実なのか、自分の主観と事実を混同していないか立ち止まって考えてみるのが重要です。 あいまいな表現は避け、明確にわかりやすい表現をするように意識しましょう。
記録の保存は基本5年間
障害福祉サービスの記録書類の保存は、「完結の日(サービス終了日)から5年」とされています。5年分の書類を保存するには保管場所の確保やファイリング、印刷のコストなどが必要になり、紛失リスクもあるので、記録ソフトを使うのもおすすめです。記録ソフトなら記録業務自体も効率化できる上、記録した内容は電子化されているため、保管場所の確保やファイリング・印刷コストは不要になります。
都度確認の署名を受ける
サービス提供記録に確認欄を設けている場合は、利用者またはその家族から都度押印やサインなど、確認の履歴がわかるものを受けるようにしましょう。後日まとめて押印・サインをもらうのは不適切とされています。 近年は押印の取得方法も多様化しており、アプリやシステム上でサインを取得する場合もあります。確認方法は運用しやすい方法で問題ありませんが、利用者またはその家族に都度確認をもらうというのは徹底しましょう。
障害福祉のサービス提供記録を効率化するには?
日々の業務の限られた時間の中で、サービス提供記録を丁寧に書くことは重要ですが、その分時間も取られてしまい、時間をかけすぎると他の業務に支障が出ることもあると思います。 より効率的に記録の作成を行いつつ、丁寧な内容を残すには、システムやソフトの利用がおすすめです。記録作成の効率化を図りましょう。 事務作業の効率化は、利用者の方と向き合う時間を増やすことにもつながり、質の高いケアを提供する土台になります。
記録を効率化したいなら『カイポケ』がオススメ!
カイポケは、サービス提供記録を始めとした様々な記録や国保連請求まで一気通貫で行うことができるクラウド型の記録・請求システムです。
直感的にわかりやすい操作画面で、慣れない職員の方でも簡単に記録の作成ができます。
さらに、記録・請求業務だけでなく、開業支援や財務支援など、児童発達支援や放課後等デイサービス事業の経営を支援する様々な機能があります。
記録用のタブレットが1台無料でついてくるので、療育の合間に記録することも可能です。
カイポケの詳細については、 こちらから詳しい資料を見ることができますので、ぜひご参考にしてください。>
まとめ
ここまで、サービス提供記録の概要や必要な理由、書き方や注意点などをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。 サービス提供記録は請求に必要なだけでなく、間接的に療育の質向上につながるため、書き方や注意点を守ってしっかり記入するようにしましょう。 最後までお読みいただきありがとうございました。