障害福祉サービスの請求の流れを解説!国保連請求で注意すべきポイントとは?
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障害福祉サービスの経営者・管理者の皆様の中には、「請求業務の流れや期限がよくわからない」「請求業務でいつもトラブルやミスが起きてしまう」と悩まれている方もいるでしょう。請求業務では帳票の入力漏れや入力ミスが起きる傾向があるので、注意が必要です。
この記事では、障害福祉サービスにおける報酬の請求の流れや、請求業務でミスが起きやすい点とその対応方法などを解説していきます。
目次
- 障害福祉サービスにおける報酬請求の仕組み
- 請求業務の流れを5つのステップで解説
- 請求業務でつまづきやすい2つのポイントと対策を紹介
- 1. 返戻処理
- 2. 他事業所とのやり取り
- 児発・放デイの請求業務には『カイポケ』の導入がおすすめ!
- まとめ
障害福祉サービスにおける報酬請求の仕組み
障害福祉サービス事業所は、利用者に対してサービス提供を行い、その対価として介護給付費や訓練等給付費等の9割を国保連合会を通じて市町村に請求し、審査及び支払いを受けます。利用者負担がある場合は、残りの1割を利用者に対して請求します。原則、利用者負担額は費用に対して1割負担ですが、世帯の収入によって負担上限額が設定されていますので、負担上限額を確認し、請求することになります。
上限額管理とは
利用者には、世帯の年収に応じて月ごとに負担上限額が設定されています。複数のサービス事業所を利用し、負担上限額を超える可能性がある利用者には、上限額管理事業所が決められます。自身の事業所が上限額管理事業所になった場合には、上限額の管理業務を行うことになります。
請求業務の流れを5つのステップで解説
障害福祉サービスの請求業務の流れを、5つのステップに分けて説明します。
請求業務の全体の流れを把握しましょう。
STEP1.当月末日に利用実績を確定
サービスを提供した当月1日から末日までの利用実績を、サービス提供実績記録票に基づいて簡易入力システムや請求ソフトに入力し、確定します。
STEP2.利用者負担額一覧表を受け取り、または提出
上限額管理が必要となる利用者がいる場合には、上限額管理業務を行います。 上限額管理事業所が自身の事業所もしくは他事業所かによって業務が変わります。
自事業所が上限額管理事業所の場合
翌月3日までを目安に、他事業所から提出される利用者負担額一覧表を受け取ります。
他事業所が上限額管理事業所の場合
翌月3日までを目安に、利用者負担額一覧表を作成し、上限額管理事業所へ提出します。
STEP3.利用者負担上限額管理結果票を提出、または受け取り
自事業所が上限額管理事業所の場合
当該利用者の利用者負担額が上限額を超えないよう調整し、翌月6日までを目安に、利用者負担上限額管理結果票を作成し、他事業所へ提出します。
他事業所が上限額管理事業所の場合
翌月6日までを目安に、上限額管理事業所から提出される利用者負担上限額管理結果票を受け取ります。
STEP4.翌月10日までに国保連に請求データを送信
簡易入力システムや請求ソフトを使用して請求に必要な書類(請求データ)を作成します。
具体的には下記の3つです。
- サービス提供実績記録票
- (上限額管理事業所の場合)利用者負担上限額管理結果票
- 介護給付費・訓練等給付費等請求書・明細書
請求データの作成が完了したら、国保連の電子請求受付システムにインターネット経由で送信します。
STEP5.利用者へ利用料を請求
利用者の自己負担額が記載された請求書を発行し、利用者に渡します。利用料の支払い方法として、現金での集金、口座振込、口座振替などがありますが、未払いや延滞のリスクが少ない口座振替がオススメです。
請求業務でつまづきやすい2つのポイントと対策を紹介
障害福祉サービスの請求業務を行う上で、つまずきやすいポイントやよくある悩みについて主に2点紹介します。またその対策方法についても解説します。
1. 返戻処理
返戻とは、国保連へ請求後、請求の内容に不備があった場合に差し戻されることをいいます。返戻が起きた場合、なぜエラーになったのか1件ずつ内容の確認と修正を行い、翌月10日までに再度請求を行う必要があります。
よくある返戻の原因
よくある返戻の原因として下記が挙げられます。
- 受給者証番号等の情報が誤っていた
- 上限額管理結果が誤っていた
- 同日利用できない2つ以上の事業所から同一日の利用の請求をしていた
- 利用者が1か月の決められている支給日数を超えて利用し、そのまま国保連に請求していた
返戻を防ぐにはどうすればよい?
返戻を防ぐために事業所ができる工夫を3点解説します。
①ダブルチェックを行う
請求業務を1人で行うとミスが発生してしまう可能性があります。
複数の担当者で誤りがないかチェックする体制を整えましょう。
②マニュアルを作成する
請求手順や実際に起きた返戻事例等を記載したマニュアルを作成しておきましょう。
請求担当者が退職した場合でも請求業務をスムーズに進めることができ、返戻を防ぐことに繋がります。
③請求ソフトを活用する
記録から実績を自動で転記する機能や入力ミス等をチェックしてくれる請求ソフトを導入することで、返戻を防ぐことができます。
自社の事業規模や目的に合った請求ソフトを検討しましょう。
2. 他事業所とのやり取り
上限額管理が必要な場合には、利用者負担額一覧表や利用者負担上限額管理結果票を他の事業所と送り合うなど、他事業所とのやり取りが発生します。期日までにスムーズに進めば問題ありませんが、実際には書類が届かなかったり、内容に誤りがあったりすることも少なくありません。確認の電話をしたり、書類の提出を催促したりといった手間のかかる作業が発生し、悩みの種になることがあります。
他事業所とスムーズにやり取りするコツ
他事業所とのやり取りでは、電話とFAXを活用してリマインドすることが重要です。
例えば、他事業所で上限額管理を行う場合です。
- 上限額管理事業所にまずは電話で連絡します。「翌月3日までに利用者負担額一覧表をFAXで送ること」を伝えます。そのうえで、「翌月6日までに利用者負担上限額管理結果票の送付をしてもらうこと」を依頼しましょう。
- 電話で伝えた内容と連絡先、事業所番号、FAX番号を明記し、FAXでリマインドします。
このように電話とFAXを活用してリマインドすることで他事業所とのやり取りがスムーズになり、書類の提出の遅れを防ぐことができます。
児発・放デイの請求業務には『カイポケ』の導入がおすすめ!
児童発達支援や放課後等デイサービスの請求業務は多岐にわたりるため、ミスが起きてしまいがちです。
このようなミスを予防するためには、『カイポケ』のような記録の入力から請求業務までを一気通貫で実施できるソフトを導入することをオススメします!
- タブレットに入力した記録が、自動で実績に連動するため転記ミスが少ない
- 報酬の自動算定や返戻の防止に繋がるエラーチェック機能
- 上限額管理の自動計算機能
- 国保連請求に必要な各種様式等の出力
など、カイポケでは請求業務を効率化・サポートする機能を備えています。
請求業務でお困りの方は、是非カイポケの導入をご検討ください!
まとめ
ここまで、障害福祉サービスの請求の流れや、請求業務でつまづきやすい点とその対応方法などについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
本記事にてご紹介した内容が、皆様のお役に立てば幸いです。
請求業務に手間がかかっている、返戻を減らしたいなどとお悩みの方はぜひカイポケにご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。