福祉におけるリスクマネジメント研修とは?メリットや内容を解説

福祉におけるリスクマネジメント研修とは?メリットや内容を解説 福祉業界で働いている方の中には、業務の中で発生するミスや事故について、対策が必要だとお考えの方もいらっしゃるかと思います。また、経営や管理をされている方は、リスクマネジメントに課題を感じることもあると思います。 この記事では、福祉におけるリスクマネジメントを実現するための方法や、研修について詳しく解説します。

目次

福祉におけるリスクマネジメントとは?

利用者の方々が安心できるよう、福祉サービスを提供する上で起こりうる様々なリスクを特定・評価し、それらを未然に防いだり、発生した場合に適切に対応したりするための取り組みがリスクマネジメントです。
福祉の現場においては、支援を必要とする方々にサービスが適切に提供されるよう、利用者の生命や権利を守る取り組みを意味します。

リスクマネジメントを怠ると起きうるトラブル

ここでは、福祉の現場でリスクマネジメントを怠ると起きる可能性がある問題を5つご紹介します。

情報漏洩

情報管理に関するリスクマネジメントを怠ると、利用者・職員の個人情報や、経営に関する情報などが漏洩してしまうリスクがあります。 情報漏洩は利用者からの信頼を失うだけでなく、場合によっては損害賠償が発生する可能性もあります。

金銭トラブル

集金を手渡しで行っているなど、事業所で現金の扱いが発生する場合は紛失や盗難などに注意が必要です。利用者に迷惑がかかることはもちろん、回収したはずの利用料を受け取れず、損失が発生する可能性もあります。

緊急時の事業中断

地震や台風などの自然災害や事故などの人的災害が発生した際の対応を定めておかないと、事業を続けられなくなる可能性があります。 緊急時に速やかに復旧し、事業を継続するために、あらかじめ事業継続計画(BCP)を策定しておきましょう。 BCPとは、緊急時に事業への被害を最小限にとどめるために、初動対応から復旧対応までをあらかじめ定めた計画です。 児発・放デイ事業者向けのBCPについては、こちらの資料で詳しく解説しています。

事故の発生

事前に事故が起こるポイントを想定し、予防策を立てておくことも、リスクマネジメントの重要な要素です。例えば職員の配置不足や、危険箇所の把握不足などがある場合、利用者の転倒・転落や薬の誤飲などのリスクが高まります。 日頃から危険をできるだけ取り除くのはもちろん、職員1人が対応できる範囲を見極め、利用者に目が行き届くようにしておきましょう。 また、事故やヒヤリハットが実際に起きてしまった場合に記録し、職員間で共有することもさらなる事故防止に有効です。 記録にはこちらの「事故・ヒヤリハット報告書」テンプレートをご活用ください。

トラブル発生時の初動遅れ

トラブルが発生した際、対応方法を定めておかないと初動が遅れ、さらに被害が拡大し、二次被害が発生する可能性も考えられます。万が一トラブルが発生しても、どのように対処するかをあらかじめ決めておくことで被害を最小限に止められるようにしましょう。

福祉の現場でのリスクマネジメントの方法

ここでは、福祉の現場におけるリスクマネジメントの方法を、ステップごとに解説します。

リスクを見つける

まずは、起こりうる事故やトラブルを洗い出しましょう。 これまで起こったヒヤリハットや事故の事例はもちろん、まだ起こっていないものの、起こる可能性がある事故やトラブルも思いつく限り挙げていきます。 別の事業所で起こった事例を参考にするのもおすすめです。

リスクに対する評価を行う

洗い出したリスクそれぞれについて、どれぐらいの頻度で発生しうるか、発生した場合にどれくらいの範囲までどのような影響があるかを分析しましょう。 分析結果をもとに、リスクの大きさや影響範囲に合わせ、リスクをレベル分けしていきます。

リスクに対応し、対策を立てる

評価結果に基づいて、リスクを未然に防ぐための対策を講じたり、万が一リスクが現実となった場合の対応計画を策定しましょう。 対応計画はマニュアルなどの形でまとめ、職員がいつでも見返せるようにしておきます。

記録と見直し

リスクマネジメントの取り組み状況や、実際に発生した事故・トラブルの内容、その対応などを記録し、定期的に見直しましょう。気づいたことや改善が必要な点はその都度共有し、より効果的なリスクマネジメント体制へと改善していきましょう。

福祉におけるリスクマネジメント研修の種類

トラブルや不慮の事故を避けるためにも、現場にリスクマネジメントを浸透させましょう。 概念の理解や実践を身に付けるうえでは、研修を受けるのがおすすめです。

事故防止に関する研修

福祉専門職としての役割から必要な資質、そして、現場のリスクマネジメントについて学びます。虐待・身体拘束をテーマに、現場でリスクに至る要因や防止策、改善のポイントもお伝えします(約2時間)。

引用元:日本福祉大学社会福祉総合研修センター

リスクマネージャー養成研修

こちらは、3日間で行われる研修で、講義と演習、事例報告を通してリスクマネージャーの養成について学ぶことができる研修です。 1日目はリスクマネジメントの概念やリスクマネージャーの役割といった基礎的な内容の講義が中心です。 2日目は演習も交えながら、リスク要因分析や対策立案、苦情対応など実践的な知識を身に付けます。 3日目はリスクマネジメントのための職場の雰囲気づくりや、リスクマネージャーとしての心構えについての講義を受けたあと、終了テストを受けます。
参考:日本知的障害者福祉協会

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まとめ

ここまで、福祉の現場におけるリスクマネジメントについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。 リスクマネジメントは事業所を運営する上でも、利用者・職員双方にとっても非常に大切なことですので、研修やセミナーを通してしっかり取り組みましょう。 最後までお読みいただきありがとうございました。

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