福祉におけるコミュニケーション研修とは?支援の質を向上させ現場の悩み解消へ

福祉の現場で働く方の中には、対利用者や、職員間でのコミュニケーションに課題を感じている方もいらっしゃるかと思います。 この記事では、福祉の現場で必要なコミュニケーションスキルや、コミュニケーションスキルを向上するための研修、研修を選ぶポイントについて詳しく解説します。 現場の悩みを解消!福祉コミュニケーション研修で支援の質を向上

目次

福祉の現場でよくあるコミュニケーションの課題とは?

利用者と良好な関係を築けない

日々の業務において、最もやりとりする事業所の利用者。個人差は出ないように接してはいても、人によって性格は異なるためどうしても合う・合わないがあります。立場の違いから、距離感に悩むということもあるのではないでしょうか。

利用者家族と良好な関係を築けない

利用者の家族とは、一緒に過ごす時間が少ない分、なかなかコミュニケーションを取れなかったり、逆に無理なことを頻繁に要求されたりといったトラブルが起こることもあります。

職員間で良好な関係を築けない

同じ職場で働く職員同士で、コミュニケーションがうまくいかないということもあります。職員間で良好な関係を築けていない場合、離職の増加につながりやすく、現場の職員の士気も下がってしまいます。

福祉の現場で必要なコミュニケーションスキルは?

様々なコミュニケーション課題の解決のために、福祉の現場で必要なコミュニケーションスキルは主に下記の6点です。
  1. 傾聴力
  2. 共感力
  3. 説明力
  4. 受容と尊重の姿勢
  5. ストレスマネジメントスキル
  6. アンガーマネジメントスキル
それぞれ詳しく見ていきましょう。

傾聴力

傾聴力とは、相手の話を注意深く、かつ積極的に聴く力のことです。
福祉の現場では言葉で十分に意図を伝えるのが難しい方もいるので、言葉だけでなく、表情や声のトーンにも意識を向け、その奥にある感情や意図を丁寧に汲み取ることが大切です。
信頼関係を築き、利用者に安心感を与えるための土台となります。

共感力

共感力とは、相手の感情や経験を自分のことのように感じ、理解する力のことです。
「相手の気持ちになって考える」というのがまさに共感力です。
共感を示すことで相手は安心し、信頼感を抱きやすくなるので、利用者との良好な関係を築くために必須のスキルと言えます。
福祉の現場では、利用者さんに共感的に理解することで利用者の孤立感を減らし、安心して話せる関係を築くことにつながります。

説明力

説明力とは、複雑な情報や専門的な内容を相手に分かりやすく伝える力のことです。
説明力のある人は、相手の理解度に合わせて言葉や表現を工夫することができます。
福祉の現場では、支援計画、利用できるサービス、手続き、障害に関する情報などを説明する場面が多くありますが、専門用語を避け、例や図を活用し、相手が理解しやすいよう工夫しましょう。
分かりやすく明確な説明をすることは、誤解を防げるためトラブルの減少にもつながります。

受容と尊重の姿勢

受容とは、相手の個性、考え方、価値観、感情などをありのままに受け止めることです。
相手を受容することで、評価や否定をせず、その人らしさを尊重することができます。
福祉の現場では、障害特性の把握や理解ももちろん大切ですが、利用者の人となりを理解し、尊重することも大切です。
「普通はこう」という先入観を持たず、一人ひとりの尊厳を大切にする姿勢が、信頼関係を築き、質の高い支援の基盤となります。

ストレスマネジメントスキル

ストレスマネジメントスキルとは、自身のストレスの原因を理解し、適切な対処法で軽減・コントロールする力です。
福祉の現場で働く人は、多様なニーズに対応する中で、精神的・肉体的な負担を感じることも多いです。
自身のストレスサインに気付き、無理せず休むときは休み、一人でため込まず周囲に相談することで、適切なストレスマネジメントを行いましょう。
自身の心身の健康を保つことは質の高い支援を続けるために不可欠です。

アンガーマネジメントスキル

アンガーマネジメントスキルとは、自身の怒りの感情を理解し、建設的にコントロールする力です。
怒りをなくすことと勘違いされることもありますが、怒りをなくすのではなく、衝動的な行動を防いだり、怒りに対して冷静に対処するのがアンガーマネジメントです。
福祉の現場では、予定通りに物事が進まなかったり、心無い言葉をかけられたりしていら立ちを感じることもあるかもしれません。
感情的になると信頼関係を失ってしまう可能性もあるので、アンガーマネジメントスキルを身に付け、怒りの感情に適切に対処できるようにしましょう。
自身の感情パターンを把握し、対処法を事前に学ぶことが有効です。

福祉に必要なコミュニケーションスキルを身に付けるには?

ここでは福祉に必要なコミュニケーションスキルを身に付ける方法を3つご紹介します。

研修を受ける

福祉関連のコミュニケーション研修を受講することで、体系的にコミュニケーションに対する理解を深めることができます。
研修は後述のようにオンライン、オフライン、有料、無料など様々なものがあり、誰に対するコミュニケーションスキルを磨きたいかにもよって異なります。
目的に合った研修を選ぶようにしましょう。

書籍や記事を読む

まとまった時間が取れない方や、あとで学んだことを繰り返し見直したい方は福祉におけるコミュニケーションに特化した書籍などから情報を得るのがおすすめです。
具体的な事例が紹介されているものや、コミュニケーションに関する理論が解説されているものがあり、目指したいレベルに合わせて選ぶことができます。

ロールプレイングを行う

より実践的な形でコミュニケーションスキルを身に付けるなら、ロールプレイングという手法もあります。
職員間でロールプレイングを行うことで実践的な対応力を高め、自身の業務に活かすことが可能です。また、実際に職員同士で交流しながらロールプレイングを行うため、事業所内のコミュニケーション活性化につながるというメリットもあります。

福祉におけるコミュニケーションが身に付く研修とは?

研修の形式・種類

研修には、有料・無料、オンライン・オフライン、セミナーなど、様々な形式・種類があります。
自身の要望に合った形式・種類を見定め、参加しやすいものを選びましょう。

研修の内容

対利用者のコミュニケーション研修

利用者とのコミュニケーション研修では、利用者への接し方のコツや気を付けるべきことなどを学ぶことができます。
例えば「今後生き残るために。どういう事業所が求められるか? ~指導員の子どもへの接し方のコツ~」というオンライン無料セミナーでは、児発・放デイ事業の経営者・管理者・児発管の方向けに、利用者の「奇声を上げる」「叩く、蹴る」といった注目惹き行動に対する接し方について解説しています。

対利用者家族のコミュニケーション研修

利用者家族とのコミュニケーション研修では、利用者家族とのコミュニケーションのコツや効率化などを学ぶことができます。
例えば「実際の事例から学ぶ! 保護者とのコミュニケーションの効率化」というオンライン無料セミナーでは、児発・放デイ事業の経営者・管理者の方向けに、利用者さんの保護者とのコミュニケーション効率化の方法やポイントについて解説しています。

職員間のコミュニケーション研修

職員間でのコミュニケーション研修では、自分の考えの伝え方や、スタッフの意識を変えるコミュニケーションのコツなどを学ぶことができます。
部下やスタッフとのコミュニケーションに課題を感じている福祉施設の所長やリーダーの方には「福祉・介護業界向け部下とのコミュニケーション実践研修(半日間)」が、伝達ミスなどによるコミュニケーションが起因のトラブルを防ぎたい方には「【訪問介護向け】コミュニケーションを変えるだけで ミスは減らせる!~間違えた「丁寧」からマインドチェンジ~」という研修・セミナーがおすすめです。 その他、アンガーマネジメントなど先述のスキルを学べる、特定のテーマに特化した研修もあります。

福祉におけるコミュニケーションが身に付く研修を選ぶポイント

ここでは福祉におけるコミュニケーションスキルが身に付く研修を選ぶポイントを4つご紹介します。

課題を解決できるか

現状抱えている課題を解決できるかが、研修を選ぶ上で最も大切なポイントです。
誰とのどんな場面でのコミュニケーションで困っているのか、原因は何なのかを一度洗い出し、適切な研修を選ぶのがおすすめです。

研修レベルが受講者に合っているか

研修のレベルが受講者に合っているかも選ぶ上で重要なポイントです。
例えば基本的なコミュニケーションには問題ないベテランの職員にとっては、コミュニケーションの基礎研修は不要ですが、職歴が浅い職員にとっては必要なので、職員に合わせて受講する研修を変えるのが理想です。

効率よく受講できるか

研修によっては内容を網羅しすぎていて、そこまで必要としていない内容までカリキュラムに入っていることがあります。
また、オフライン研修の場合は会場に赴かないといけないこともあり、移動時間が取られてしまうので、時間をあまりかけたくない場合はオンライン研修にしたり、講師に事業所まで来てもらえる研修にしたりするのがおすすめです。

予算内で受講できるか

研修によっては高額なものもありますが、無料の研修も多く実施されています。
そうした研修をうまく活用しつつ、それだけでは補えない分のみ有料の研修を受けるというのもおすすめです。

スキルアップなら『カイポケ』の無料セミナーをご活用ください!

スキルアップにはどうしても研修費などのお金がかかってしまいがちです。
『カイポケ』ではコミュニケーションスキルの向上につながるセミナーのほか、発達障害や自閉症スペクトラムの理解や支援方法、採用戦略にいたるまで様々なセミナーを無料で公開しています。 ぜひご活用ください。

まとめ

ここまで、福祉の現場におけるコミュニケーションスキルや研修についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
コミュニケーションスキル研修を選ぶときは、現場の課題を解決できるかなどの内容面や、予算内で十分に研修を受けられるかなどの料金面などを確認しておきましょう。
カイポケで公開しているセミナーは無料なので、まずは無料のセミナーを視聴してみて、足りない分を有料研修で補うというのもおすすめです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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