【2024年度改定対応】児童発達支援における集中的支援加算とは?
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児童発達支援集中的支援加算は、状態が悪化した強度行動障害を有する児童に対し、広域的支援人材が事業所を訪問し、集中的な支援を行った場合に算定できる加算です。
令和6年度の障害福祉サービス等報酬改定において、集中的支援加算が創設されました。
この記事では、児童発達支援における集中的支援加算の単位数や算定要件についてまとめていますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
対象となる「強度行動障害を有する児童」とは?
集中的支援加算の対象となる「強度行動障害を有する児童」とは、行動障害の区分と行動障害が見られる頻度に応じて、以下の強度行動障害児支援加算確認票によりスコアの合計が『20点以上』であることを市町村が認めた児童を指します。
行動障害の内容 | 1点 | 3点 | 5点 |
---|---|---|---|
ひどく自分の体を叩いたり傷つけたりする等の行為 | 週に1回以上 | 1日に1回以上 | 1日中 |
ひどく叩いたり蹴ったりする等の行為 | 月に1回以上 | 週に1回以上 | 1日に頻回 |
激しいこだわり | 週に1回以上 | 1日に1回以上 | 1日に頻回 |
激しい器物破損 | 月に1回以上 | 週に1回以上 | 1日に頻回 |
睡眠障害 | 月に1回以上 | 週に1回以上 | ほぼ毎日 |
食べられないものを口に入れたり、過食、反すう等の食事に関する行動 | 週に1回以上 | ほぼ毎日 | ほぼ毎食 |
排せつに関する強度の障害 | 月に1回以上 | 週に1回以上 | ほぼ毎日 |
著しい多動 | 月に1回以上 | 週に1回以上 | ほぼ毎日 |
通常と違う声を上げたり、大声を出す等の行動 | ほぼ毎日 | 1日中 | 絶えず |
沈静化が困難なパニック | - | - | あり |
他人に恐怖感を与える程度の粗暴な行為 | - | - | あり |
集中的支援加算の単位数
- 集中的支援加算:1000単位/回
集中的支援加算の算定要件
- 強度の行動障害を有する児童の状態が悪化した場合に、高度な専門性を有する広域的支援人材が事業所の訪問又はオンラインを活用して、対象の児童に対して集中的な支援を行うこと。
- 加算の算定は、対象児童に支援を行う時間帯に、広域的支援人材から訪問又はオンライン等を活用して助言援助等を受けた日に行われること。
- 「集中的支援」は、以下に掲げる取組を行うこと。
- 広域的支援人材が、加算の対象となる児童及び事業所のアセスメントを行うこと。
- 広域的支援人材と事業所の従業者が共同して、児童の状態及び状況の改善に向けた環境調整その他の必要な支援を短期間で集中的に実施するための計画(集中的支援実施計画)を作成すること。なお、集中的支援実施計画については、概ね1月に1回以上の頻度で見直しを行うこと。
- 事業所の従業者が、広域的支援人材の助言援助を受けながら、集中的支援実施計画及び支援計画シート等(強度行動障害児特別支援加算を算定している場合に限る。)に基づき支援を実施すること。
- 事業所が、広域的支援人材の訪問(オンライン等の活用を含む。)を受け、児童への支援が行われる日及び、広域的支援人材から児童の状況や支援内容の確認・助言援助を随時受けること。
- 児童が他の障害児通所支援事業所を利用している場合、当該障害児通所支援事業所と連携すること。
- 児童の状況及び支援内容について記録を行うこと。
- 集中的支援を実施すること及びその内容について、保護者に説明し、同意を得ること。
広域的支援人材とは?
広域的支援人材とは「状態が悪化した強度行動障害を有する児者に対する集中的支援の実施にあたる人材」のことです。 広域的支援人材は下記いずれかに該当する人材から都道府県等によって選定されます。
- 中核的人材養成研修の講師等(ディレクター・トレーナー)である者(研修実施機関の国立のぞみの園より名簿を都道府県等宛に3月25日頃を目途に送付予定)
- 発達障害者支援体制整備事業による発達障害者支援地域支援マネジャーである者
- その他強度行動障害を有する児者への支援に知見を有すると都道府県等が認める者
算定の留意点
- 算定は3ヶ月以内の期間に限り、1月に4回まで算定可能。
- 集中的支援の実施について、支給決定自治体に実施依頼の申請を行う必要がある。
集中的支援加算のQ&A
令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関するQ&A VOL.2 (令和6年4月12日) 問19 |
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Q. 集中的支援加算の算定期間終了後、再度、当該加算を活用して集中的支援を実施することは可能か。 |
A.
●集中的支援加算については、集中的支援を開始した日の属する月から起算して3月以内の期間に限り所定単位数を加算することとしており、この期間内に終了することが必要である。ただし、何らかの事情により、その後も再び集中的支援の必要がある場合には、再度、集中的支援の実施に必要な手続きを踏まえて実施することは可能である。この場合、前回の実施報告書を基に関係者において十分に集中的支援の必要性について検討を行い、改めて集中的支援実施計画を作成の上で取り組むことが必要である。 |
令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関するQ&A VOL.2 (令和6年4月12日) 問20 |
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Q. 広域的支援人材に加算を踏まえた適切な額の費用を支払うこととされているが、加算による額と異なる額とすることは可能か。 |
A.
●基本的には加算による額を広域的支援人材に支払うことを想定している。加えて、個別の状況によって必要な費用等が異なることから、加算による額を上回る額とすることは差し支えない。 |
最後に
この記事は、作成時点の最新資料・情報を基に作成しています。具体的な解釈や申請等については、その都度、最新情報をご確認いただき、自治体等へ申請・お問い合わせいただきますようお願い致します。