放課後等デイサービスの運営指導(実地指導)とは?監査や必要書類についても解説

放課後等デイサービス・児童発達支援を運営すると、管轄する行政機関によって定期的に、「法令等を遵守し、適切な事業所運営がされているか」を確認する『運営指導(実地指導)』が実施されます。
これから運営指導を控える方の中には、どのような内容なのか、何を準備すればよいのか知りたい、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、運営指導(実地指導)について、概要や監査との関係、確認される項目・必要書類等について解説します。

目次

運営指導(実地指導)とは?

運営指導(実地指導)とは、行政機関が指定基準等に定められた障害福祉サービスの質や事業所の運営体制、給付費等の請求や加算の算定状況などについて、現地等にて書類等を確認して実施する指導です。
運営指導は、おおむね3年に1回実施されることになっています。
以前は、現地に赴いて指導が行われていたので「実地指導」という名称でしたが、確認する内容によってはオンラインで実施する場合があるため、2024年度に『運営指導』という名称に変更されました。

指定障害福祉サービス事業者等が法令、通知等を遵守し、適正な事業運営を実施しているか否かを個別に明らかにし、適正かつ円滑な事業運営を確保することを目的として行っています。

運営指導と監査の関係性

ここでは、指導監査等の全体の流れについて解説していきます。

まず、指導は「集団指導」と「運営指導」の2種類に分けられます。指導で重大な違反等が疑われる場合、監査に切り替わります。

監査とは、費用等の不正請求や法令・基準違反、行政指導に従わない場合、または従業員による虐待が疑われる場合等に、自治体が必要と認める場合に実施されるものです。
担当者に出頭を要請して質問を行うほか、直接現地に入った上で検査を実施し、違反や不正等の内容に応じて指導や行政処分等が決定し、最悪の場合、指定取り消しとなる可能性もあります。

指定取り消しについての詳細はこちらからご覧いただけます

主な指定取り消しの理由(令和3年度)のグラフ

集団指導と運営指導の違い

集団指導とは、原則として1年に1回、サービスの取り扱いや、給付費の請求についての留意事項、過去の指導事例、制度改正の内容等、必要な指導の内容に応じ集団を選定し、講習会形式で実施するものです。
一方で、運営指導は事業所において、関係書類を閲覧及び関係者からの面談方式となっており、開催形式が異なることが主な違いです。

運営指導の流れ

ここでは実際に運営指導を受けるまでの流れについて、横浜市の内容を解釈したものにて解説いたします。

参考:横浜市 令和6年度集団指導動画スライド資料

1か月前:運営指導の通知

対象の事業所や施設に対して、行政機関より運営指導の実施通知が送られます。
通知に同封されている、「事前提出資料」、「必要書類一覧」などを確認しておきましょう。

約10日前:事前資料の提出

実施通知に添付された「事前提出資料」の一覧表をもとに、資料の準備をし、期日までに提出しましょう。
加えて、当日に向け「必要書類一覧」より必要書類を準備します。

また運営指導を実施する場所や管理者など人員体制や運営、請求事務等について説明ができる職員の予定も併せて確保するようにしましょう。

当日:運営指導

「事前提出資料」および必要書類をもとに、書類確認やヒアリングが実施されます。
行政機関より運営状況での良い点、改善を要する点等をまとめた講評があります。

事後:再度提出を求められた場合、資料等の提出

行政機関より運営指導結果が通知され、通知に指摘事項があった場合、または再度の提出を求められた場合、該当の書類や資料を提出します。

必要書類の種類とよくある指摘事項とは?

運営指導で準備が必要となる書類やよくある指摘事項について、それぞれ種類ごとに分類し、解説していきます。
ここでは例として、愛知県の例に基づき、解釈した内容をご紹介します。
用意すべき書類は、自治体や指導によって異なりますので、該当の自治体に確認しておくようにしましょう。

参考:愛知県 障害福祉サービス事業者等運営指導事前提出資料

人員配置関係

人員配置関係で必要な書類として下記が挙げられます。

人員配置関係の書類でよく指摘されやすい事項として下記が挙げられます。

≪よく指摘されやすい事項≫
・サービス提供時間を通じて人員基準を満たしていない(休憩時間も含む)
・勤務状況が確認できる書類(出勤簿など)が整備されていない
・常勤者が常勤勤務していない
・雇用契約や労働条件通知書が実際の勤務と異なっている

運営管理関係

運営管理関係で必要な書類として下記が挙げられます。

運営管理関係の書類でよく指摘されやすい事項として下記が挙げられます。

≪よく指摘されやすい事項≫
・運営規程と重要事項説明書の内容が一致しない
・契約書の契約日、契約期間等が記載されていない
・非常災害に関する具体的な計画や避難訓練等の記録が不足している

サービス提供関係

サービス提供関係で必要な書類として下記が挙げられます。

サービス提供関係の書類でよく指摘されやすい事項として下記が挙げられます。

≪よく指摘されやすい事項≫
・支援計画の原案やアセスメントシートが不足している
・支援計画に児童発達支援管理責任者の氏名や日付、期間が記載されていない
・サービス担当者会議の記録がない
・支援計画について、保護者に対する説明が口頭のみで、同意の記載がない
・計画書の交付がされていない

報酬請求関係

報酬請求関係で必要な書類として下記が挙げられます。

報酬請求関係の書類でよく指摘されやすい事項として下記が挙げられます。

≪よく指摘されやすい事項≫
・法定代理受領した給付費の額を保護者に通知していなかった
・利用者から費用の支払いを受けた際に領収書を発行していなかった

その他

その他で必要な書類として下記が挙げられます。

またその他の書類において、よく指摘されやすい事項として下記が挙げられます。

≪よく指摘されやすい事項≫
・管理者や児童発達支援管理責任者の変更届が未提出であった
・運営規程を変更したが未届けであった
・数か月前の変更届を提出していた

運営指導対策のポイント

運営指導への対策は、通知が来て慌てて準備するのではなく、普段からしっかりと準備しておくことが大事です。
ここからは普段から取り組んでおくべき、運営指導対策のポイントを3つ紹介いたします。

スタッフとの共有

管理者や児童発達支援管理責任者、経理のスタッフなどと事業所の現状の課題について確認するようにしましょう。個別支援計画書が作成できていない、領収書を揃えて管理していないなど、運営指導にて確認されやすい事項は特に意識して整理するようにしましょう。

集団指導などの資料から必要書類を洗い出す

自己点検シートやチェックリストを資料として公開している自治体も多いため、そちらをダウンロードし、運営指導にて必要となりそうな資料をあらかじめ把握しておくようにしましょう。

役割分担をし、書類を準備

事業所の課題や必要な書類を洗い出したら、役割分担を行い、今後準備が必要な書類を確定しましょう。
新しく書類を準備する場合や印刷していない場合、時間がかかってしまうためスタッフごとに役割を分担することで効率的に準備を進めることができます。

一例として、下記のように役割分担を行うことでスムーズに準備を進めることができます。

≪役割分担の一例≫
経営者:役割分担や指示、士業との連絡・調整、雇用契約書等の準備
管理者・児発管:個別支援計画の確認や印鑑や署名の確認
指導員・スタッフ:会議記録等の確認や個別支援計画のダブルチェック、保護者の方との連絡

まとめ

ここまで、放課後等デイサービス・児童発達支援における運営指導の概要や流れなどについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
本記事にてご紹介した内容が、皆様のお役に立てば幸いです。

また運営指導対策の1つとして、記録・請求ソフトの活用がオススメです。
記録や請求データにおける抜け漏れなどのミスを防ぐことができ、利用者様の情報や計画書、業務日誌等の書類をデータで保管し、好きな時に確認できるため、書類等を探す手間を省くことができます。
ぜひそれらに課題を感じている方は、「カイポケ」を無料体験していただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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