放課後等デイサービスの請求の流れは5ステップ!国保連請求を3つのポイントでわかりやすく解説

放課後等デイサービスの経営者・管理者の皆様の中には、「請求業務の流れや期限がよくわからない」「請求業務でいつもトラブルやミスが起きてしまう」と悩まれている方もいるでしょう。

放課後等デイサービスの請求業務は、「サービス提供実績記録票」「利用者負担上限額管理結果票」「障害児通所給付費・入所給付費等 請求書・明細書」を作成し、翌月10日までに国保連に請求データを送信、また利用者に請求書を提出することで請求をします。
請求業務においては帳票の入力漏れや入力ミスが起きてしまいがちなので、十分注意が必要です。

この記事では、放課後等デイサービスの請求の流れや、請求業務で作成する帳票のポイント、つまづきやすい点とその対応方法などを解説していきます。

目次

請求業務の流れを5つのステップで解説

放課後等デイサービスの請求業務を、5つのステップに分けて説明します。請求業務の全体の流れを把握しましょう。

STEP1.当月末日に利用実績を確定

その月の1日から末日の間の利用実績を、サービス提供実績記録票に基づいて確定させます。

出典:大阪府事業者様式ライブラリー
https://www.pref.osaka.lg.jp/chiikiseikatsu/syougaijisien/youshiki.html

STEP2.翌月3日までに利用者負担額一覧表を受け取り、または提出

利用者にはそれぞれ1カ所ずつ、上限管理事業所が決められています。複数の事業所を利用している場合は、そのうちの1つが上限管理事務所です。

出典:大阪市:請求等関係書類 (介護給付費及び訓練等給付費の請求について)
https://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/page/0000006933.html

STEP3.翌月6日までに利用者負担上限額管理結果票を提出、または受け取り

利用者負担上限額管理結果票を作成するのは、上限管理事業所です。

出典:大阪市:請求等関係書類 (介護給付費及び訓練等給付費の請求について)
https://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/page/0000006933.html

STEP4.翌月10日までに国保連に請求データを送信

以下の3つのデータを揃えて、国保連(国民健康保険団体連合会)の請求受付システムにインターネット上で送信します。

翌々月の中旬に報酬が支払われるので、代理受領通知書を発行して保護者に渡します。

STEP5.保護者へ利用料を請求

利用者の自己負担額が記載された請求書を発行し、保護者に渡します。現金で徴収している場合、口座振替や口座振込の場合とは違い、通帳などに記録が残りません。支払いの記録として請求書と領収書が重要になるので、厳重に保管しましょう。

請求業務で作成する帳票のポイント

請求業務で必須となる4つの帳票について、詳しく解説します。

1.サービス提供実績記録票のポイント

サービス提供実績記録票の利用実績データが請求業務のベースになるので、間違いがないように作成します。以下に、ミスが発生しやすいポイントを3つあげます。

参照: 厚生労働省 サービス提供実績記録票記載例(案)

2.利用者負担額一覧表のポイント

上限管理事業所が利用者負担上限額管理結果票を作成できるように、事業者間で情報を受け渡しするための書類です。その月の利用総額と利用者負担額が記載されます。
FAXやメールなどで利用者の個人情報をやり取りするので、可能な範囲で利用者の氏名の一部を隠すなどの個人情報保護対策を行うのが望ましいでしょう。

3.利用者負担上限額管理結果票のポイント

上限管理とは、利用者が支払う利用料金の上限金額を設定し、その「上限」を管理することを指します。上限金額は、世帯所得により0円、4600円、37200円の3種類に分けられます。利用者は何回サービスを利用しても、上限金額以上は支払う必要がありません(ただし、おやつ代などの実費は除きます)。

複数の事業所を利用している利用者の自己負担額が、上限金額を上回らないよう管理するのが上限管理です。

利用者負担上限額管理結果票は、毎月利用者1人につき1枚作成します。上限管理事務所は、入力ミスや入力漏れがないよう利用者負担上限額管理結果票を作成し、責任を持って翌月6日までに他事業所へ送信しましょう。利用者負担額一覧表と同じく、可能な範囲で個人情報保護の対策を行います。

参照:厚生労働省 障害者福祉:障害児の利用者負担

4.利用者への請求書の作成のポイント

利用者が実際に支払う額が記載されていますので、金額に間違いがないか入念に確認します。また、実費を計上するのを忘れないように注意します。利用者へ請求書を渡すときは、可能であれば保護者に声をかけて直接知らせると良いでしょう。

請求業務でつまづきやすい3つのポイント

放課後等デイサービスの請求業務を行う上で、事前に知っておくと役立つポイントや、よくある悩みについて解説します。

1.返戻処理

国保連に請求データを送信後、何らかのデータ不備があると返戻が起こる場合があります。返戻とは、エラーにより請求処理がされないデータが発生し、それが差し戻されることです。
返戻が発生すると、エラーになった請求について1件ずつ対応する業務が発生します。返戻理由や対応がわからない場合は、国保連の窓口に電話して問い合わせが必要になるケースもあります。返戻された請求については、エラーを修正して次の請求に含めて再請求しましょう。

2.利用実績データの重複

1人の利用者が1日に利用できる事業所は1カ所で、重複しての利用はできません。同日に利用実績が重複すると返戻になります。

利用実績データが重複してしまう場合でよくあるのは、利用者が予定していた事業所を欠席し、別の事業所を利用するケースです。欠席連絡のときに、保護者が別の事業所を利用すると伝えなかった場合、元々利用予定だった事業所は欠席時対応加算を計上します。その結果、実際に利用した事業所の利用データと重複し、国保連からエラーが返されることになります。

利用実績データの重複を防ぐために、2つの対策を行いましょう。1つ目は、保護者に対して、欠席して別の事業所を利用する場合はその旨を伝えるようお願いすることです。2つ目は、利用者負担額一覧表を他事業所に提出する際に、欠席時対応加算を計上している日付も併せて伝えることです。これらの手間をかけることで、後の返戻処理を防げます。

3.他事業所とのやり取り

請求業務では、利用者負担額一覧表や利用者負担上限額管理結果票を他の事業所と送り合う必要があります。

帳票のやり取りが期日までにスムーズに進めば問題ないですが、実際には帳票が届かなかったり、情報に誤りがあったりする場合が少なくありません。他事業所に電話したり、書類の提出を催促したりといった手間のかかる作業が発生し、悩みの種になることがあります。

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