放課後等デイサービスの指定取り消しの事例を紹介!行政処分を受けないための対策とは?
SMS CO.,LTD
放課後等デイサービスの経営者や管理者の皆様は、放課後等デイサービスの指定取り消しのニュースなどを観て、「自分の事業所でも指定取り消しを受ける可能性はあるのだろうか」、「行政処分を受けたら今後の運営はどうなるのだろう」と不安に思われている方も多いでしょう。
この記事では、指定取り消しとは何か、放課後等デイサービスで指定取り消しになる理由や実際にあった事例、指定取り消しを受けないための対策などを解説いたします。
目次
- 行政処分の「指定取り消し」とは?
- 放課後デイサービスで指定取り消しになる理由は?
- 放課後デイサービスで指定取り消しを受ける事業所の数は?
- 放課後デイサービスで指定取り消しを受けた具体的な事例を紹介
- 「指定取り消し」にならないための対策とは?
- 請求ミスや記録の転記ミスを減らすために「カイポケ」を導入しよう!
- まとめ
行政処分の「指定取り消し」とは?
放課後等デイサービスが受ける行政処分の中に「指定取り消し」があります。
ここでは、「指定取り消しとは何か」「指定取り消しを受けたらどうなるか」など基礎的な知識を解説します。
「指定取り消し」とは?
「指定取り消し」とは、放課後等デイサービス事業所として受けた指定が取り消される処分のことを言います。指定取り消し処分を受けた場合、事業を継続することができなくなり、行政処分としては最も重い処分となっています。
指定取り消し処分を受けたらどうなる?
指定取り消しを受けると事業所には以下のような影響があります。
- 事業の継続ができなくなる(報酬を請求できなくなる)
- 指定取り消しから5年間、新たな事業所の指定が受けられなくなる
- 報酬の返還(不正請求が発覚した場合)
- 指定取り消しの旨が都道府県より開示される
一度指定取り消しを受けると現在の事業が継続できないだけでなく、同様の事業を開業することもできなくなります。
指定取り消し処分は監査を経て受ける
指定取り消しは、実地指導から監査を経て不正・違反等が発覚した場合に下される処分の一つです。
※監査は実地指導などを通じて不正請求など疑わしい点が認められた場合、その事実関係を確認するため実施されます。
放課後デイサービスで指定取り消しになる理由は?
指定取り消しの主な理由は以下の通りです。
この中で「不正請求」が最も多い指定取り消しの理由となっています。
- 不正請求
障害児通所給付費等の請求に関して不正があった。 - 不正又は著しく不当な行為
障害児通所支援に関し不正又は著しく不当な行為をした。 - 人員基準違反
人員基準を満たしていない。 - 虚偽報告
帳簿書類の提出命令等に従わず、又は虚偽の報告をした。 - 虚偽申請
不正の手段により指定を受けた。 - 虚偽答弁
質問に対し虚偽の答弁をし、又は検査を拒み、妨げた。 - 法令違反
法令に違反したと認められる。 - 運営基準違反
設備及び運営の基準を満たしていない。 - 人格尊重義務違反
児童の人格を尊重する義務に違反した。
※参考:障害保健福祉関係主管課長会議資料(令和5年3月)
放課後デイサービスで指定取り消しを受ける事業所の数は?
厚生労働省が発表する『障害保健福祉関係主管課長会議資料(令和5年3月)』によると、令和3年度に放課後等デイサービスで指定取り消しを受けた事業所の数は33件でした。
障害福祉のサービス別にみると、放課後等デイサービスの指定取り消し数が最も多いことがわかります。
放課後デイサービスで指定取り消しを受けた具体的な事例を紹介
放課後等デイサービスで実際あった指定取り消しの事例を2つご紹介します。
指定取り消しの事例①
ひとつめは、令和2年東京都で指定取り消しを受けた事例です。
同法人内で合計5事業所が指定を取り消されました。
【指定取り消し理由】
- 不正の手段による指定申請(法第21条の5の24第1項第8号該当)
- 児童発達支援管理責任者を配置できる見込みがないことを認識していたが、人員基準を満たす旨の指定申請を行い不正の手段の指定を受けた。
- 不正請求(法第21条の5の24第1項第5号該当)
- 下記減算の算定をせず、不正に障害児通所給付費を請求し、受領した。
- ◦児童発達支援管理責任者欠如減算
- ◦サービス提供職員欠如減算
- 下記報酬・加算の要件を満たしていないにも関わらず、不正に障害児通所給付費を請求し、受領した。
- ◦児童発達支援管理責任者専任加算
- ◦報酬算定区分1
- ◦児童指導員等加配加算
- 下記減算の算定をせず、不正に障害児通所給付費を請求し、受領した。
- 不正又は著しく不当な行為(法第21条の5の24第1項第10号該当)
- 法人本部に勤務する従業者の氏名を利用して虚偽の児童発達支援管理責任者経歴書を作成し、児童発達支援管理責任者の人員基準を満たす旨の書類を都に提出した。
- 児童指導員等の要件を満たさない従業者について、虚偽の雇用契約書や実務経験証明書を作成し、人員基準を満たす旨の書類を複数回にわたり都に提出した。
- 報酬算定区分に関する虚偽の届出書を複数回にわたり都に提出した。
【返還予定金額(発表時点)】
約2億2,734万円
※5事業所分の合計額
参考:東京都「指定障害児通所支援事業者の行政処分について」
指定取り消しの事例②
ふたつめは、令和5年に愛知県で指定取り消しを受けた事例です。
不正請求と不正請求に関して虚偽の報告をしたことが指定取り消しの理由となっています。
【指定取り消し理由】
不正請求(法第21条の5の24第1項第5号)
利用実績がない日について虚偽の支援記録を作成し、サービス提供を行ったものとして報酬の請求を行った。
児童発達支援管理責任者の常勤性が欠如していることを認識しながら、所定の減算を算定することなく報酬請求を行った。
人員基準を満たしていない状況にありながら、人員基準を満たしていることが算定の要件である児童指導員等加配加算を算定していた。虚偽報告(法第21条の5の24第1項第6号)
架空請求を行った日を一覧として提出するよう求めた際、明らかに過小な報告を行った。
【返還予定金額(発表時点)】
616万7,954円
参考:愛知県「指定障害児通所支援事業所への行政処分について」
「指定取り消し」にならないための対策とは?
指定取り消しを受けないためにはどうしたら良いのでしょうか?
対策としては、不正・違反行為をしないことはもちろん、以下の点に気を付けましょう。
指定基準(人員基準・設備基準・運営基準)をしっかり把握し遵守する
人員基準を満たせない場合、速やかに指定権者に相談・報告する
日々の記録に不備がないように、管理・チェックを行う
請求ミスが起こらないように、ダブルチェック等の体制を構築する
請求に不備が見つかったら、すぐに取下げ等の対応をする
行政からの指摘、指示を受け止め、改善に努める
日頃から事業所の運営体制を整え、実地指導で指摘されない正しい運営を心掛けることが大切です。
請求ミスや記録の転記ミスを減らすために「カイポケ」を導入しよう!
請求にミスがあった場合やサービス提供の証明である支援記録にミスがあった場合、「指定取り消し処分」までにはならなくとも、報酬の返還や再請求などが必要となり、資金面で事業所の経営にダメージがあります。
このようなミスを予防するには、『カイポケ』のような記録の入力から請求業務までを一気通貫で実施できるソフトを導入することをおススメします!
「請求業務で何度も同じ内容を入力しなくてはいけない。」
「手書きの記録が読みづらい。転記するのが大変。」
「チェックしなければならない書類が多いので大変。」
など、請求業務や記録作成・管理でお困りの方は、是非カイポケの導入をご検討ください!
まとめ
放課後等デイサービスの指定取り消しの基礎知識や、実際にあった事例などをお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか。
放課後等デイサービスでは、療育の提供に加え、日々の記録・書類作成や請求、給与計算、人材採用など、運営するために多岐にわたる業務を行わなくてはいけません。
『カイポケ』は、利用児童の情報管理、日々の記録作成から国保連請求・利用者負担額の請求、給与計算、人材採用まで、放課後等デイサービスの経営をサポートする機能が付いているクラウド型のソフトです。
業務を効率化させたい、記録や請求のミスを減らしたい、という方は是非『カイポケ』の導入をご検討ください。