【2026年改定対応】居宅介護支援の介護職員等処遇改善加算とは?
介護職員等処遇改善加算とは、介護職員等の安定的な処遇改善を図るための環境整備と賃金改善を目的として創設された加算です。
2026年度の介護報酬臨時改定において、介護分野の人手不足解消に向けて他職種と遜色ない処遇改善に向けて、『単位数(加算率)の引き上げ』と『対象範囲の拡大』が行われています。
居宅介護支援は、2026年6月から新たに介護職員等処遇改善加算の対象サービスになりました。
目次
- 【居宅介護支援】介護職員等処遇改善加算の単位数(加算率)
- 【居宅介護支援】介護職員等処遇改善加算の算定要件
- 【居宅介護支援】介護職員等処遇改善加算の申請期限と実績報告の期限
- 介護職員等処遇改善加算のQ&A(一部抜粋)
- 最後に
【居宅介護支援】介護職員等処遇改善加算の単位数(加算率)
居宅介護支援の介護職員等処遇改善加算の加算率は、『2.1%』です。
単位数は、基本サービス費に各種加算減算を加減した1月当たりの総単位数に、加算率を乗じて算出します。
【居宅介護支援】介護職員等処遇改善加算の算定要件
- 体制等状況一覧表等、処遇改善計画書、実績報告書等を期日までに都道府県等へ提出すること
- 労働保険に加入し、労働保険料を適正に納付していること
- 労働基準法他の労働に関する法令に違反し、罰金以上の刑に処せられていないこと
- 処遇改善加算の算定額に相当する職員の賃金改善を実施すること
- 『令和8年度特例要件』または『処遇改善加算Ⅳの取得に準ずる要件』のいずれかを満たすこと
令和8年度特例要件とは?
- 生産性向上や協働化に係る取組として以下のいずれかの取組を行っていること
- ケアプランデータ連携システム(厚生労働省がケアプランデータ連携システムと同等の機能とセキュリティを有するシステムとして認めたものを含む。)を利用していること
- 介護サービス事業所等が所属する法人が、社会福祉法第128条第1号イに規定する社会福祉連携推進法人に所属していること
処遇改善加算の申請時点において、ケアプランデータ連携システムを利用していない場合であっても、ケアプランデータ連携システムへ加入し、利用することを誓約した場合は、処遇改善加算の申請時点から本要件を満たしているものとして取り扱う。
当該誓約をした場合は、令和9年3月末までに、ケアプランデータ連携システムを利用した上で、実績報告書においてケアプランデータ連携システムの利用実績について報告する。
処遇改善加算Ⅳの取得に準ずる要件とは?
- 処遇改善加算Ⅳの取得に準ずる要件として、以下の要件を全て満たしていること
| 要件 | 詳細 |
|---|---|
| キャリアパス要件Ⅰ | ●次の1.から3.までを全て満たすこと。
1. 職員の任用の際における職位、職責、職務内容等に応じた任用等の要件(職員の賃金に関するものを含む。)を定めていること 2. 1.に掲げる職位、職責、職務内容等に応じた賃金体系(一時金等の臨時的に支払われるものを除く。)について定めていること 3. 1.及び2.の内容について就業規則等の明確な根拠規程を書面で整備し、全ての職員に周知していること |
| キャリアパス要件Ⅱ | ●次の1.及び2.を満たすこと。
1. 職員の職務内容等を踏まえ、職員と意見を交換しながら、資質向上の目標及びa.又はb.に掲げる事項に関する具体的な計画を策定し、当該計画に係る研修の実施又は研修の機会を確保していること a.資質向上のための計画に沿って、研修機会の提供又は技術指導等(OJT、OFF-JT等)を実施するとともに、職員の能力評価を行うこと b.資格取得のための支援(研修受講のための勤務シフトの調整、休暇の付与、費用(交通費、受講料等)の援助等)を実施すること 2. 1.について、全ての職員に周知していること |
| 職場環境等要件 | ●「入職促進に向けた取組」、「資質の向上やキャリアアップに向けた支援」、「両立支援・多様な働き方の推進」、「腰痛を含む心身の健康管理」、「やりがい・働きがいの醸成」の区分について、「区分ごとに1以上」の取り組みを実施すること
●「生産性向上」のうち「2以上」の取り組みを実施すること ●1法人あたり1の施設又は事業所のみを運営するような法人等の小規模事業者は、㉔の取組を実施していれば、「生産性向上のための取組」の要件を満たす |
職場環境等要件の詳細
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 入職促進に向けた取組 | ①法人や事業所の経営理念やケア方針・人材育成方針、その実現のための施策・仕組みなどの明確化
②事業者の共同による採用・人事ローテーション・研修のための制度構築 ③他産業からの転職者、主婦層、中高年齢者等、経験者・有資格者等にこだわらない幅広い採用の仕組みの構築(採用の実績でも可) ④職業体験の受入れや地域行事への参加や主催等による職業魅力度向上の取組の実施 |
| 資質の向上やキャリアアップに向けた支援 | ⑤働きながら介護福祉士取得を目指す者に対する実務者研修受講支援や、より専門性の高い介護技術を取得しようとする者に対するユニットリーダー研修、ファーストステップ研修、喀痰吸引、認知症ケア、サービス提供責任者研修、中堅職員に対するマネジメント研修の受講支援等
⑥研修の受講やキャリア段位制度と人事考課との連動 ⑦エルダー・メンター(仕事やメンタル面のサポート等をする担当者)制度等導入 ⑧上位者・担当者等によるキャリア面談など、キャリアアップ・働き方等に関する定期的な相談の機会の確保 |
| 両立支援・多様な働き方の推進 | ⑨子育てや家族等の介護等と仕事の両立を目指す者のための休業制度等の充実、事業所内託児施設の整備
⑩職員の事情等の状況に応じた勤務シフトや短時間正規職員制度の導入、職員の希望に即した非正規職員から正規職員への転換の制度等の整備 ⑪有給休暇を取得しやすい雰囲気・意識作りのため、具体的な取得目標を定めた上で、取得状況を定期的に確認し、身近な上司等からの積極的な声かけを行っている ⑫有給休暇の取得促進のため、情報共有や複数担当制等により、業務の属人化の解消、業務配分の偏りの解消を行っている |
| 腰痛を含む心身の健康管理 | ⑬業務や福利厚生制度、メンタルヘルス等の職員相談窓口の設置等相談体制の充実
⑭短時間勤務労働者等も受診可能な健康診断・ストレスチェックや、従業員のための休憩室の設置等健康管理対策の実施 ⑮介護職員の身体の負担軽減のための介護技術の修得支援、職員に対する腰痛対策の研修、管理者に対する雇用管理改善の研修等の実施 ⑯事故・トラブルへの対応マニュアル等の作成等の体制の整備 |
| 生産性向上(業務改善及び働く環境改善)のための取組 | ⑰厚生労働省が示している「生産性向上ガイドライン」に基づき、業務改善活動の体制構築を行っている
⑱現場の課題の見える化(課題の抽出、課題の構造化、業務時間調査の実施等)を実施している ⑲5S活動(業務管理の手法の1つ。整理・整頓・清掃・清潔・躾の頭文字をとったもの)等の実践による職場環境の整備を行っている ⑳業務手順書の作成や、記録・報告様式の工夫等による情報共有や作業負担の軽減を行っている ㉑介護ソフト(記録、情報共有、請求業務転記が不要なもの。)、情報端末(タブレット端末、スマートフォン端末等)の導入 ㉒介護ロボット(見守り支援、移乗支援、移動支援、排泄支援、入浴支援、介護業務支援等)又はインカム等の職員間の連絡調整の迅速化に資するICT機器(ビジネスチャットツール含む)の導入 ㉓業務内容の明確化と役割分担を行い、介護職員がケアに集中できる環境を整備。特に、間接業務(食事等の準備や片付け、清掃、ベッドメイク、ゴミ捨て等)がある場合は、いわゆる介護助手等の活用や外注等で担うなど、役割の見直しやシフトの組み換え等を行う ㉔各種委員会の共同設置、各種指針・計画の共同策定、物品の共同購入等の事務処理部門の集約、共同で行うICTインフラの整備、人事管理システムや福利厚生システム等の共通化等、協働化を通じた職場環境の改善に向けた取組の実施 |
| やりがい・働きがいの醸成 | ㉕ミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化による個々の介護職員の気づきを踏まえた勤務環境やケア内容の改善
㉖地域包括ケアの一員としてのモチベーション向上に資する、地域の児童・生徒や住民との交流の実施 ㉗利用者本位のケア方針など介護保険や法人の理念等を定期的に学ぶ機会の提供 ㉘ケアの好事例や、利用者やその家族からの謝意等の情報を共有する機会の提供 |
【居宅介護支援】介護職員等処遇改善加算の申請期限と実績報告の期限
令和8年度の計画書の提出期限は、多くの自治体で『令和8年6月15日』となっています。
ただし、訪問介護や通所介護等を併設している場合は、『令和8年4月15日』が期限になっていることがあり、また、原則の日付を提出期限としている自治体もありますので、自治体のホームページにて提出期限を確認しましょう。
体制等状況一覧表の提出期限
算定を開始する月の前月15日まで
処遇改善計画書の提出期限
当該事業年度において初めて処遇改善加算を算定する月の前々月の末日まで
実績報告書の提出期限
各事業年度における最終の加算の支払があった月の翌々月の末日まで
介護職員等処遇改善加算のQ&A(一部抜粋)
ここでは、居宅介護支援に関わる重要なQ&Aを抜粋してご紹介しています。
賃金改善方法や対象経費、対象者、キャリアパス要件、職場環境等要件などQ&Aについて詳しくは、「介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第1版)」をご覧ください。
| 介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第1版) 問2-9 |
|---|
| Q.
代表取締役等の役員等が、その事業所の職員として介護サービスを提供している介護サービス事業所等(例えば、職員が一人であり、ケアプラン作成業務を代表取締役等の役員等が行っている指定居宅介護支援事業所など)について、当該役員等を処遇改善加算による賃金改善の対象に含めることができるか。 |
| A.
処遇改善加算の算定対象となるサービス事業所等における業務を行っていると判断できる場合には、処遇改善加算による賃金改善の対象に含めることができる。 そのため、職員が一人であり、ケアプラン作成業務を代表取締役等の役員等が行っている居宅介護支援事業所などについても、処遇改善加算を算定し、当該役員等を処遇改善加算による賃金改善の対象に含めて差し支えない。 |
| 介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第1版) 問8-2 |
|---|
| Q.
令和8年度特例要件を満たすに当たっては、ケアプランデータ連携システムに加入することのみで良いのか。 |
| A.
令和8年度特例要件を満たすに当たっては、ケアプランデータ連携システムへの加入だけではなく、利用することが必要であり、実績報告書において、利用実績について記載することとする。 |
| 介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第1版) 問8-2 |
|---|
| Q.
令和8年度特例要件の審査に当たって、計画書での誓約や実績報告書での対応の報告以外に別の資料の添付や確認等を求めるのか。 |
| A.
令和8年度特例要件に係る取組各の対応状況について、一律に資料を提出することは求めないこととする。 ただし、各介護サービス事業所等においては、例えば以下のような根拠資料を用意し、指定等権者の求めがあった場合には、速やかに提出することとする。なお、根拠資料の保存期間は2年間とする。 【要件】ケアプランデータ連携システムに加入し、利用していること 【根拠資料の例】使用画面のスクリーンショット(データの送信又は受信の記録がわかるよう撮影されたものに限る。) 【要件】介護サービス事業所等が所属する法人が、社会福祉連携推進法人に所属していること 【根拠資料の例】社会福祉連携推進認定を受けるに当たって提出し、受理された社会福祉連携推進認定申請書 |
最後に
この記事は、作成時点の最新資料・情報を基に作成しています。具体的な解釈や申請等については、その都度、最新情報をご確認いただき、自治体等へ申請・お問い合わせいただきますようお願い致します。
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