【開業】介護施設のリフォーム
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介護施設やデイサービスの開業を検討している皆様の中には、「介護施設をリフォームするのにはどのくらい費用がかかるんだろう?」や「リフォームを検討しているけど、内装工事会社はどうやって選べばいいの?」などといった疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、介護施設・デイサービスを開業する際のリフォームにかかる費用や、内装工事会社選びのポイント、介護施設に必要な設備・備品、リフォーム費用を安く抑えるためのポイントなどについてご紹介していきます。
目次
介護施設・デイサービスを開業する際のリフォームの重要性
事業を始める場合には、拠点となる物件を見つける必要があります。そして、介護施設・事業所は、運営するために必要な区画、設備について定められた「設備基準」を満たした物件を手配できなければ、開業することができません。
特にデイサービスなどの「要介護高齢者が滞在する場所」である事業所を、テナントや中古物件で手配する場合は、バリアフリー構造にする、トイレを増やす、手洗い設備を設置する、フロアを滑りにくい素材に変更するといったリフォームが必要となります。また、清潔感を出すために壁紙を張り替える、設備を付けるために電気工事を行うなどのリフォームを行うことがあります。
このように、リフォームは、「介護施設・事業所を開業するために必要なこと」であり、「利用者様や職員から選ばれるために必要なこと」となっています。
介護施設・事業所で開業時に設置する必要がある設備・備品
介護施設・事業所を開業する際に必ず設置しなければならない設備や備品については、設備基準に定められています。
指定申請時には、設備基準を満たしている物件であることを証明するための書類を提出するので、指定申請の書類提出日に間に合うように、設備・備品の手配を進めていく必要があります。
介護事業所の設備基準について、
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
ここからは、デイサービス(通所介護)を例に、開業時に整備する必要がある設備・備品の具体例を見ていきましょう。
デイサービスで開業時に整備する必要がある設備・備品
デイサービスの設備基準は 「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」という厚生労働省令に定められています。しかし、実際に必要な設備・備品については各指定権者(都道府県・市)が細かく定めている場合もありますので、不明点がある場合は事業所の開業予定地の指定権者にお問い合わせください。
食堂及び機能訓練室
食堂及び機能訓練室は、それぞれ必要な面積を有するものとされており、その合計した面積は「利用定員×3.0㎡」以上である必要があります。
リフォームでは、食堂及び機能訓練室の広さを確保するために、壁を取り壊して2つの部屋を1つにするといった工事をすることがあります。
相談室
相談室は、パーテーション等の遮へい物を設置することで、利用者様やご家族の相談の内容が漏えいしないよう配慮されている必要があります。
リフォームでは、相談室としての区画を確保するために壁を設置するといった工事をすることがあります。
消火設備その他の非常災害に際して必要な設備
消火器や自動火災報知機設備などの消火設備その他の非常災害に際して必要な設備は、消防法やその他の法令等に規定された設備を準備する必要があります。
その他通所介護の提供に必要な設備及び備品等
その他通所介護の提供に必要な設備及び備品等は、洗面台、トイレ、厨房、入浴設備、送迎車両、静養室などが挙げられます。
リフォームでは、洗面台やトイレの増設、入浴設備の入れ替え、静養室としての区画を確保するために壁を設置するといった工事をすることがあります。
介護施設を開業する際のリフォーム・内装工事にかかる費用
介護施設を開業する際のリフォーム・内装工事にかかる費用は、事業所の規模や物件の状態によって大きな差があります。トイレの交換や浴室の交換といったピンポイントの改装のみで済む場合は、一般家庭のリフォームと変わらない20万円〜100万円ほどで済むでしょう。一方、リフォームが広範囲に及ぶ場合などは、数百万円〜一千万円を超えてしまうケースもあります。
デイサービスを開業する際のリフォーム・内装工事にかかる費用
ここでは、定員が15人の地域密着型通所介護(デイサービス)を開業する場合を例に、リフォームにかかる具体的な費用の目安をご紹介していきます。
リフォーム内容の例 | 費用の目安 |
---|---|
浴室(浴槽交換、手すり取り付け、タイルの交換等) | 約80~120万円 |
トイレ(トイレの交換、クロス貼り、タイルの交換等) | 約35~50万円 |
床暖房 | 約90万円~150万円 |
手すりの設置 | 一箇所あたり約3~10万円 |
内装(床・壁のクロス張り替え、フローリング重ね貼り、スイッチ・コンセントの取り換え等) | 約100万円~300万円 |
壁の撤去 | 約10~20万円 |
介護施設・デイサービスのリフォーム・内装工事費用を抑えるには
これまで見てきたように、介護施設のリフォーム費用は高額になります。ここでは、リフォーム・内装工事費用をできるだけ抑えるためのポイントをご紹介していきます。
数社から見積りをとる
リフォームにかかる費用は、リフォーム会社によって差があります。
ですから、必ず数社から見積もりを取り、工事の内容と金額を比較しましょう。また、その際は、価格と合わせて工事で使用する設備のグレード・機能などの違いを比較して、依頼する会社を決定しましょう。
物件を選ぶ際はリフォーム費用も合わせて総額で比較する
一般的に、築年数が経っている建物は取得価格が安くなりますが、リフォームしなければならない箇所が多くなります。
「この物件は安いから物件取得費用を抑えることができた」と思っていても、リフォーム費用が高額になり、総額で見ると他の物件よりも高くなってしまう可能性もあります。
ですから、物件を選ぶ際は、リフォーム費用と物件取得費用を合わせた総額で比較するようにしましょう。
物件取得費用 | リフォーム費用 | 総額 | 最終的な費用の安さ |
---|---|---|---|
3,500万円 | 1,000万円 | 4,500万円 | △ |
4,000万円 | 100万円 | 4,100万円 | 〇 |
3,700万円 | 300万円 | 4,000万円 | ◎ |
介護施設やデイサービスのリフォーム・内装工事会社の選び方
介護施設やデイサービスのリフォームを行う際、注意していただきたいのがリフォーム会社の選び方です。
介護施設のリフォームを行うなら、
- 介護施設のリフォームの施工経験がある会社
- 介護施設の設備基準を十分に理解している会社
- 納期を守ってくれる会社
を選ぶようにしましょう。その他、会社によっては福祉住環境コーディネーターが在籍している会社もありますので、こうしたリフォーム会社を選ぶのもオススメです。
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介護事業所を開業する際には、物件を取得してリフォームを進めながらも、事業計画書の作成や法人の設立、指定申請書類の作成など、事業者がやらなくてはならないことはたくさんあります。
そのような中で、開業への不安や疑問がある方は、『カイポケ開業支援』のサポート担当者が一緒に法人設立から事業開始までサポートいたしますので、
こちらからお気軽にお問い合わせください。
まとめ
ここまで、介護施設・事業所を開業する際に必要になる設備・備品、リフォームにかかる費用、リフォーム費用を安く抑えるためのポイントなどについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
介護施設・事業所のリフォームは、金額が高額になることから、工事内容や価格、リフォーム会社の実績や信頼などを比較し、依頼先を決めることが大切です。
ここでご紹介した内容が、皆様の介護施設・事業所の開業準備のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。