介護保険外サービスで起業するには?立ち上げのポイントや混合介護について解説します
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介護保険サービスは、サービスの内容が限られています。高齢化が進み、様々なニーズが顕在化している中で、介護保険サービスではカバーできない範囲を支援する、保険外サービスに注目している方も多いでしょう。
この記事では、保険外サービスの概要や、事業のメリット・デメリット、開業の手順について紹介します。
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目次
- 介護保険サービスとは?
- 保険外サービスとは?
- 混合介護とは?
- 混合介護(介護保険サービスと保険外サービスの両方)を提供するメリットとデメリット
- 介護保険サービスで起業するまでの流れ
- 介護保険外サービスで起業するまでの流れ
- まとめ
介護保険サービスとは?
介護保険サービスは、要支援・要介護認定を受けた介護保険の被保険者が利用できるサービスです。
介護保険サービスは介護保険を使って利用できるサービスなので、利用した時にかかる費用は、利用者の所得に応じて1~3割を利用者が負担し、7~9割を税と保険料で負担する形で運用されています。
介護保険サービスは大きく分けて「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」、「居宅介護支援」の4つに分かれています。
【介護保険サービス】
居宅サービス
訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護、特定施設入居者生活介護、福祉用具貸与
施設サービス
介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院
地域密着型サービス
定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
居宅介護支援
居宅介護支援
保険外サービスとは?
保険外サービスとは、介護保険が適用にならない介護サービス全般を指します。介護保険サービスでは、年齢や要介護認定の有無によって利用できるかどうかが決まりますが、保険外サービスは、基本的に誰でも利用できます。また、保険外サービスは、介護保険が適用にならないため、利用料は事業者が決めることができ、全額利用者が負担することも介護保険サービスと保険外サービスとの違いとなっています。
保険外サービスの一例は以下の通りです。
【保険外サービスの例】
- 配食サービス
- 家事代行サービス
- お泊りデイサービス
- 外出・旅行の支援サービス
- 訪問理美容サービス
混合介護とは?
混合介護とは、介護保険サービスと保険外サービスを合わせたサービスを指します。
例えば、介護保険サービスである通所介護を日中帯に提供し、その後に介護保険外サービスであるお泊りデイサービスなどを提供するのが混合介護となります。
混合介護(介護保険サービスと保険外サービスの両方)を提供するメリットとデメリット
事業所が介護保険サービスだけでなく、保険外サービスも提供すると、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
メリット
保険外サービスを提供することで、収益の増加がメリットとなります。特に、事業所の設備・備品・車両などの空き時間や人的リソースを活用することで、コストを抑えつつ、収益の増加を目指すことができます。
また、利用者やその家族の困りごとを解決することにもつながっているので、事業所の継続利用にもメリットがあるでしょう。
デメリット
介護保険サービスと保険外サービスが混在し、事業所を運営することになるため、それぞれの線引きやその管理が煩雑になることがデメリットになります。また、保険外サービスを提供することで、現場の業務量の増加が見込まれるため、従業員の負担が増加する可能性もあります。
介護保険サービスで起業するまでの流れ
一般的に介護保険サービスを提供する介護事業所を起業する場合、下記のような流れで準備を行います。
- 法人設立
- 事業計画書の作成
- 開業資金の調達
- 物件探し・契約
- 従業員の採用
- 備品等の調達
- 指定申請
介護事業の開業について詳しく知りたい方は、こちらのページをご確認ください。
介護保険外サービスで起業するまでの流れ
それでは、保険外サービスで起業する場合の流れについて説明していきます。
ニーズの把握
まず最初は、市場にどのようなニーズがあるのかを把握する必要があります。
保険外サービスは、サービスの内容が多岐にわたるため、ニーズがないサービス内容では申込みが来ないでしょう。そのため事前に利用者が何に困っているのか、どのようなサービスが足りないのかを調査しましょう。
提供サービスの検討
次に、集めた情報をもとに、提供するサービスの具体的な内容を決定します。また、サービスを提供するために必要となる人数、資格・スキル、設備等を把握しておきましょう。
事業計画立案
保険外サービスを提供する事業として、事業計画書を作成します。
保険外サービスの料金設定やコスト、利益、事業規模の推移などを予測し、事業として成り立つのかを確認しながら調整していくことになります。
開業準備
人材の確保や設備の契約、必要な手続き等、保険外サービスの開業に向けた準備を進めます。また、事業を運営するために必要となる運転資金の調達も行います。
営業・プロモーション
開業してすぐにサービスの提供ができるように広報活動を行います。
開業予定の地域の居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)や地域包括支援センター、老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、地域住民など広く広報活動を行い、認知を拡大しましょう。
まとめ
ここまで、保険外サービスの内容や保険外サービスを事業として立ち上げるまでの流れなどについてご紹介してきました。
既存で介護事業所を運営し、保険外サービスを立ち上げることは、収益を拡大するために有効な上、利用者・家族の生活を深く支援することにもつながっています。
一方で、管理の煩雑さや従業員の負担増などのデメリットもありますので注意しましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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