【開業】介護事業所の場所と物件の決め方
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介護保険に基づくサービスを提供する事業所には、「設備基準」が定められているため、設備基準を満たす物件を手配する必要があります。
これから開業を考えている方の中には、「どうやって設備基準を満たす物件を探せばいいの?」や「物件選びから契約までの流れがわからない」といった疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
この記事では、在宅サービスの介護事業を開業する際の場所や物件の選び方について説明していますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
介護事業所の場所・立地の選び方
場所・立地を決める際は立地評価を行いましょう。
立地評価とは、事業所運営に影響を及ぼすあらゆる空間情報を包括的に捉えることです。
単に物件を外面的状態で評価するのではなく、運営へ影響を与える良い面も悪い面も加味して評価します。
立地評価は、「面・線・点」のうち、一番大きな「面」をおさえ、次に「線」、最後に「点」に到達する流れで進めます。
面は商圏評価、線は動線評価、点は物件評価となりますので、詳しく見ていきましょう。
「面」で評価する(商圏としての評価)
商圏とは、ご利用者が居住する地域の特性を指します。
商圏の評価は以下のようなポイントについて、商圏の範囲を設定し、在宅サービスの介護事業の経営に適した基盤のあるエリアかどうか判断します。
- 地域の高齢化の状況、高齢者数の推移と今後の推計
- 地域の要介護者の推移と今後の推計
- 地域の中で競合となる事業所の事業所数、利用者数、定員数
「線」で評価する(動線としての評価)
動線は、事業所へのアクセスなどを指します。
動線の評価は以下のようなポイントについて、事業所の運営に適した立地かどうかを判断します。
- 公共交通機関でのアクセス(従業員の通勤)
- 車両でのアクセス(渋滞、道幅、一方通行など)
「点」で評価する(地点としての評価)
地点としての評価は、物件本体の評価を指します。
物件の評価は以下のようなポイントについて、事業所の運営に適した物件かどうかを判断します。
- 設備基準を満たす物件かどうか(面積、区画、設備など)
- 賃料(近隣物件との比較)
- 駐車場や乗降スペース
介護事業所の物件選定の流れ
介護事業所を立ち上げする際の物件選びの手順について解説します。
スケジュールは、大きく3つの段階に分けることができます。
①物件情報の収集
物件の情報収集は、インターネットを利用することが一般的になっています。
不動産検索サイト・アプリなどを利用して物件の情報を集めます。
また、気になった物件があった場合は、不動産仲介会社に連絡し、物件本体と周りの状況などを実際に見に行きましょう。
②物件の選定
いくつかの候補物件が決まったら、上記の立地等の評価の項目で比較し、条件の良い物件を選びます。
比較するためには、条件を「必須の条件」、「優先度の高い条件」、「優先度の低い条件」などに分けて比較するのが良いでしょう。
③契約条件の交渉、決定
最終候補の物件を契約する前に、以下のような点について確認し、交渉してから契約を行いましょう。
- 賃料、保証金、敷金の金額
- 賃料の発生日
- 契約解除時のリフォームに関する条件
まとめ
物件選びは、これからの事業所運営を左右する重要なポイントの一つ。しかし、開業準備に追われて十分に物件調査ができないまま物件を決めてしまうケースもあるようです。
皆様が理想とする事業所を開業できるように、物件選びでは情報を収集し、条件を満たすか確認し、そして他の物件と比較して契約しましょう。
ここでご紹介した内容が、皆様の事業所運営のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。