児童発達支援の設備基準は?内装や必要な間取り、備品について解説!

児童発達支援を開業するためには発達支援室や必要な備品等を設置する必要があります。
この記事では、児童発達支援における設備基準や内装のポイントなどについて解説します。

児童と職員の写真

目次

児童発達支援の設備基準とは?

児童発達支援を開業するためには、事業を運営する上で必要な設備や備品についての基準が定められており、これを設備基準と言います。
「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準」では、
児童発達支援の設備基準として、

を備えなくてはならないことが定められています。
このように抽象的な記載となっているため、それぞれの市町村で、具体的な項目等を明示した設備基準が定められていますので、詳細は各市町村のホームページを確認しましょう。

ここでは例として、東京都が定める設備基準に基づいて解釈した内容をご紹介します。

参考:東京都 児童発達支援・放課後等デイサービス指定申請マニュアル
       設備基準チェックリスト

発達支援室

発達支援室は子どもたちが個別の療育や訓練を受けるためのスペースです。
事業所を利用する子どもの個々のニーズや障害の特性に合わせた機械器具などを備えることが必要です。
発達支援室は、児童発達支援センターの基準では子ども1人当たり2.47㎡以上の床面積が必要とされ、こちらの基準を参考に必要な床面積を設定している自治体が多く、東京都では子ども1人当たり3㎡以上の床面積が必要とされています。床面積の基準は自治体により異なるので確認が必要です。
また、発達支援室内の蛍光灯は飛散防止措置をとり、コンセントにカバーを付ける、カーテン等を設置する場合、防炎のものにするなど、子どもたちの安全面への配慮も行いましょう。

相談室

子ども(利用者)の保護者等と相談や面談をするスペースです。
相談者や相談内容が外部に漏れないよう、プライバシー保護の観点から、壁で仕切られた個別の部屋を設置すると良いでしょう。

事務室

職員が事務作業や書類を保管するスペースです。
適切な書類管理や保管ができるようパソコンや事務用品などの備品をそろえましょう。
個人情報を含む重要な書類を保管するため施錠ができる部屋にしましょう。

トイレ・洗面所

定員に応じた個数のトイレと手指を洗浄する洗面所を用意します。
洗面所には石鹸など衛生管理に必要な備品を設置しましょう。
また子どもの障害状況や程度に合わせて、手すりやスロープの設置等必要な対応を行いましょう。

静養室

子どもが体調の悪い時に休める空間として静養室を設置しましょう。
落ち着いて休息できるよう独立した部屋が良いでしょう。

医務室(児童発達支援センターの場合)

医務室については児童発達支援センターの場合に必要となる設備です。
医務室と静養室を同じ部屋にすることも可能となります。

※事業所において治療を行う場合、医療法に規定する診療所として必要な設備を設けなければなりません。

遊戯室(児童発達支援センターの場合)

遊技場は雨天時でも児童が遊べるスペースとなり、児童発達支援センターでのみ定められています。
東京都では、遊戯室の床面積は児童1人当たり1.65㎡以上が基準とされています。

屋外遊戯場(児童発達支援センターの場合)

児童発達支援センターの場合、屋外でも遊べるスペースの確保が必須となります。
児童発達支援センターの建物と同一敷地内または、建物から近距離の位置に用意しましょう。

調理室(児童発達支援センターの場合)

児童発達支援センターでは、保健所の定める施設基準を満たす調理室が必要です。
給食など外部搬入を行う場合、設置が免除されることもあります。

必要な備品

児童発達支援では、様々な備品を使用します。
備品の具体例は下記の通りです。

児童発達支援の内装のポイント

児童発達支援の内装は、子どもたちが安心して過ごせる環境を提供するために非常に重要です。
以下に、児童発達支援事業所の内装で意識すべきポイントを3つ紹介します。

誰でも使いやすいバリアフリー設計であること

車いすや歩行補助具を使用する子どもでも移動しやすいように、バリアフリー設計であることが望ましいです。
代表的な例として下記が挙げられます。

安全性を確保すること

児童発達支援において、子どもが転倒してしまった、机や棚等の家具にぶつかったなど、室内での事故やケガは少なくありません。子どもたちがケガをするリスクを減らすために、事業所内の安全性を高める内装にすることが必要です。
代表的な例として下記が挙げられます。

分かりやすい間取りや動線設計

子どもたちが事業所内をスムーズに移動できるような動線設計を意識しましょう。指導員がいつでも子どもの姿を確認できるような間取りを意識することも大切です。
代表的な例として下記が挙げられます。

満たすべきは設備基準だけではない!建築基準法と消防法

児童発達支援の開業のためには、設備基準だけではなく建築基準法と消防法の基準を満たしている必要があります。

建築基準法

建築基準法とは、建築物の敷地・設備・構造・用途に関して最低基準を定めることで国民の命や健康、財産を守るための法律です。
児童発達支援で使用する建物についても、この法律に基づき、安全性が確保されている必要があります。

児童発達支援を開業するためには、この建築基準法を満たす必要があります。
建築基準法に適合することを証明する「確認済証」と、確認済証に適合する建築物の工事が完了したことを証明する「検査済証」の写しを自治体に提出しましょう。

詳しくは指定申請を行う自治体へご確認ください。

消防法

消防法とは、火災を予防・警戒し、国民の命や財産を守ることを目的とした法律です。
児童発達支援は消防法上、6項(ハ)に該当し、下記のような消防用設備等の設置が定められています。

消防用設備等 条件
消火器 延べ面積150㎡以上
屋内消火栓設備 延べ面積700㎡以上
スプリンクラー設備 床面積合計6,000㎡以上
自動火災報知設備 延べ面積300㎡以上
消防機関へ通報する火災通報装置 延べ面積500㎡以上
非常警報設備 収容人数50人以上
避難器具 20人以上(下階の用途により10人以上)
誘導灯 すべての施設
カーテン等の防炎措置 すべての施設

建築物の階数や面積、構造等により必要な設備が異なるので、詳細は管轄の消防機関に確認しましょう。

児童発達支援の設備基準で注意すべき3つの点

注意点①:運営指導を想定した運営をすること

運営指導が入った場合にも指摘されることがないように事前に設備を整えておく必要があります。
運営指導でチェックされる、個別支援計画書や記録などの個人情報や、消毒の薬品などの備品が安全に保管できるような鍵付きの棚や収納はあるか、老朽化して危険な箇所はないかなどを定期的に確認するようにしましょう。

また事業者としての指定申請した後に、設備の変更や、事業所の平面図に変更があった場合、つまり内部の間取りなどをリフォームした際には、10日以内に指定を受けた自治体に届け出る必要があるので注意しましょう。

注意点②:専門機材や車いすなどは定期点検を行う

事業所で使う専門機材や車いすなどは購入して終わりではなく、安全で清潔に使えるよう、定期的に点検します。
例えば、車いすはブレーキの利き具合や、フットレストなどのネジのゆるみ、タイヤの空気をチェックし、錆びついていたり、汚れていたら綺麗にします。

開業すると日々のスケジュールをこなすだけで業務時間が終わってしまうこともあり、つい細かい点の確認が甘くなることがあります。
しかし、安全な環境を提供するのは事業者にとって必須事項なので、最低でも年に数回は点検を行いましょう。

注意点③:機能訓練を行うかどうかで基準が異なるので注意が必要

機能訓練を提供する場合は、その種類・内容によって訓練のための器具や設備が必要となるので注意が必要です。

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まとめ

ここまで、児童発達支援における設備基準に関して、内装のポイントや建築基準法や消防法などについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
本記事にてご紹介した内容が、皆様のお役に立てば幸いです。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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