【令和6年度】放デイ・児発で活用できる助成金・補助金は?申請の種類や条件、立ち上げに必要な資金についても解説しました!
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放課後等デイサービスや児童発達支援の開業や運営に使える助成金や補助金があればぜひ検討したいとお考えの方は多いのではないでしょうか。助成金や補助金を活用することで、人材確保や職場環境の向上、システムの導入による業務効率化などを行い、療育の質の向上につなげることが可能です。
この記事では放課後等デイサービス、児童発達支援にて活用できる助成金・補助金制度について詳しく解説します。
目次
- 助成金・補助金制度について
- 助成金と補助金の違い
- 放課後等デイサービス、児童発達支援にて申請できる3つの「助成金」
- 放課後等デイサービス・児童発達支援にて申請できる3つの「補助金」
- 放課後等デイサービスの開業・立ち上げに必要な資金
- まとめ
助成金・補助金制度について
助成金や補助金とは、政府それに係る団体、自治体が進める政策を促進するにあたり、その政策に関連する事業を行う企業や団体に対して資金を提供する制度です。
この資金は返済不要ですが、申請要件を満たす必要があり、助成金・補助金の種類によっては審査が行われることもあります。
放課後デイサービス・児童発達支援の開業や運営をしていくうえで「助成金」や「補助金」は「原則返済の必要がない資金」となるため、事業運営に大きなメリットとなります。
助成金と補助金制度の違い
助成金と補助金はそれぞれ管轄や目的、必要な条件などが異なり、違いについての詳細は下記の通りです。
助成金
「管轄」:主に厚生労働省が管轄しています。
「支給目的」:主に雇用確保、労働環境の改善を目的としています。
「財源」:財源は雇用保険料となっているため受給しやすくなっています。
「受給金」:受給金額は制度ごとに一定の金額が定められています。
「審査」:審査はなく一定の要件を満たせば受給可能です。
「返済」:返済の必要は原則ありません。
補助金
「管轄」:主に経済産業省が管轄しています。
「支給目的」:主に創業支援、設備投資関連の支援を目的としています。
「財源」:財源が税金であるため、申請数の枠が限られている場合があります。
このため助成金と比較すると受給するための難易度は高くなっています。
「受給金」:事業に対する費用の一部が支給されます。
「審査」:要件を満たし、さらに審査に通ることが必要です。
「返済」:返済の必要は原則ありません。
放課後等デイサービス、児童発達支援にて申請できる3つの「助成金」
①キャリアアップ助成金(正社員化コース)
「キャリアアップ助成金」とは、パートタイム契約の労働者や有期雇用労働者、派遣労働者などの非正規労働者のキャリアアップを促進するため、正社員になるよう取り組みを実施した事業主に対して助成する制度です。
助成金額
助成額は会社の規模によって異なり、「労働者1人につき30万円〜80万円」となっています。また追加要件を満たす場合には「最大40万円」の加算額が助成されます。
有期雇用⇒正社員 | 無期雇用⇒正社員 | |
---|---|---|
中小企業 | 80万円 | 40万円 |
大企業 | 60万円 | 30万円 |
申請に必要となる条件
- キャリアアップ計画の作成、提出
- 就業規則の改定(正社員への転換規定がない場合)
- 就業規則等に基づく正社員化
- 正社員化後6ヶ月以上継続して雇用し、正社員化前6ヶ月間の賃金より3%以上増額した賃金の支払いを行う
詳細は厚生労働省「キャリアアップ助成金」よりご確認ください。
キャリアアップ助成金|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
②働き方改革推進支援助成金
「働き方改革推進支援助成金」とは、生産性を上げて残業時間を削減し、有給休暇消化の促進に向け職場の環境整備に取り組む中小企業に対して助成金を支給する制度です。
放課後等デイサービス、児童発達支援では、「労働時間短縮・年休促進支援コース」を利用可能です。
助成金額
「労務管理担当者に対する研修」など7つの助成対象となる取組が設定されており、このうち1つ以上を実施すること、下記に示す「成果目標」のうち1つ以上を選択し、達成することが必要となります。
助成額は設定した成果目標とその達成状況により異なり、内容に応じて最大730万円支給される場合もあります。
申請に必要となる条件
支給対象となる事業主は、下記の全てに該当する中小企業となります。
- 労働者災害補償保険(労災保険)の適応事業主であること
- 年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること
- 交付申請時点で、以下の「成果目標」の設定に向けた条件を満たしていること。
- 36協定で時間外・休日労働時間数を縮減し、月60時間以下、又は月60時間を超え月80時間以下に上限を設定し、所轄労働基準監督署長に届け出ること
- 年次有給休暇の計画的付与制度を新たに導入すること
- 時間単位の有給休暇制度を新たに導入し、さらに、特別休暇(病気休暇・教育訓練休暇・ボランティア休暇・不妊治療のための休暇・時間単位の特別休暇)のいずれか1つ以上を新たに導入すること
詳細は厚生労働省「働き方改革推進支援助成金」よりご確認ください。
働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース) |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
③特定求職者雇用開発助成金
「特定求職者雇用開発助成金」とは、高齢の方や障害のある方など「就職困難者」をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成金が支給される制度です。
また令和5年12月1日より当分の間、対象労働者が拡充され、「補完的対象保護者」も助成対象となっています。(「補完的対象保護者」とは、ウクライナ、アフガニスタン・シリアから紛争によって避難した方々で、補完的対象保護者として認定された方を指します。)
助成金額
対象労働者の類型と企業規模に応じて1人当たりにより助成金額が異なります。
- 高年齢者(60歳以上)、母子家庭の母等、補完的対象保護者の場合は1年間で「60万円」の助成金が支給されます。
- 身体・知的障害者(重度障害者等を除く)の場合は2年間で「120万円」の助成金が支給されます。
- 重度障害者等の場合は3年間で「240万円」の助成金が支給されます。
上記の金額は事業主が「中小企業」であり、対象の労働者が「短時間労働者以外」の場合に支給される金額です。事業主が「中小企業以外」で「短時間労働者」を雇用した時の助成金額は、上記より低くなります。
申請に必要となる条件
- ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れること
- 雇用保険一般保険者、または高年齢被保険者として雇い入れ、継続しての雇用が確実であると認められること。
詳細は厚生労働省の「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)」よりご確認ください。
特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース) |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
放課後等デイサービス・児童発達支援にて申請できる3つの「補助金」
①IT導入補助金 *2024年度の募集は終了しました
「IT導入補助金」はITツール導入による業務の効率化を目的としており、中小企業、小規模事業者等を対象事業者とし、クラウドサービス利用費(2年間分)、ソフトウェア製品等の導入経費を補助する制度です。
補助金額
支給額はITツール導入費用の1/2までの補助とされ、支給額の「下限は5万円」、「上限は450万円」となっています。
申請に必要となる条件
- IT導入補助金への理解・事前準備
- ITツールの選択
- 交付申請
- ITツールの発注・契約・支払い
- 事業実績報告
- 事業実施効果報告
IT導入補助金には、申し込みの期限が段階的に設けられています。
詳細については「事業スケジュール IT導入補助金2024」よりご確認ください。
事業スケジュール | IT導入補助金2024 (smrj.go.jp)
また、IT導入補助金の概要と詳細は「IT導入補助金2024」よりご確認ください。
トップページ | IT導入補助金2024 (smrj.go.jp)
②事業再構築補助金
「事業再構築補助金」は新型コロナウイルス感染症で経営にダメージを負った、中小企業の事業再構築を支援する補助金です。新分野展開、業種転換等思い切った事業再構築に挑戦する中小企業の支援を目的としています。
また補助対象経費は、建築費から広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載等)まで幅広い経費が対象となります。
補助金額
申請する事業者の業種、業態、取り組みに応じた枠が設定され、枠により補助上限額は「500万円」から「1億円」となっています。
今後の状況次第で、補助金の内容等が変更されることが考えられますので、最新情報は「事業再構築補助金」公式ページにてご確認ください。
トップページ | 事業再構築補助金 (jigyou-saikouchiku.go.jp)
申請に必要となる条件
全枠共通して必須な条件は下記の三つです。
- 事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること
- 事業計画については認定経営革新等支援機関や金融機関等の確認を受けること
- 補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3~5%(申請枠により異なる)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額に年率平均3~5%(申請枠により異なる)以上の増加の達成
また、この三つの必須条件を満たしたうえで、各申請枠に応じた要件を満たすことが必要となります。
各申請枠に応じた詳細な要件は経済産業省、中小企業庁公式の「事業再構築補助金リーフレット」にてご確認ください。
事業再構築補助金リーフレット (jigyou-saikouchiku.go.jp)
③障害福祉分野のICT導入モデル事業補助金
「障害福祉分野のICT導入モデル事業補助金」は、障害福祉サービス事業所等が情報端末やソフトウェア等を導入・活用することにより、事業所等の業務効率化及び職員の業務負担軽減の推進並びにICTの活用モデルを構築することを目的としています。
対象となる施設
障害福祉サービス事業者、障害児通所支援、障害児入所施設、相談支援事業
補助金額
支給額は1事業所あたり上限100万円となっています。
補助対象
- 情報端末(タブレット端末、スマートフォン等ハードウェア、インカム)
- ソフトウェア(開発の際の開発基盤のみは対象外)
- 通信環境機器等(Wi-Fiルーターなど)
- 保守経費等(クラウドサービス、保守・サポート費、導入設定、導入研修、セキュリティ対策など)
留意事項
- ICT導入に係る研修会(自治体により実施)に参加すること
- ICT導入効果を測定・検証のうえ国に報告すること
本事業の実施要項及びスケジュール等は実施している自治体により異なることがございますので、詳細については各自治体にご確認ください。
放課後等デイサービスの開業・立ち上げに必要な資金
放課後等デイサービスの開業には、一般的に『1,500万円〜1,800万円』ほどの開業資金が必要になると言われています。
しかし、そのすべてをご自身の貯蓄等から捻出できる人は少ないでしょう。
そのため、開業資金を調達するために、ご自身で用意された自己資金に加えて、金融機関から融資や助成金・補助金を検討する方が多いです。
助成金・補助金は、国が実施しているものもありますし、都道府県や市町村が実施しているものもありますので、事業所を開業する地域で活用できる補助金・助成金がないかを確認しましょう。
また、放課後等デイサービスの開業では、融資を受ける金融機関として政府系金融機関である日本政策金融公庫が選ばれています。
放課後等デイサービスの開業資金や融資について 詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
まとめ
放課後等デイサービスや児童発達支援で申請できる助成金や補助金制度について説明してきました。
業務効率化、働き方改革や職場環境の改善を検討している方は、ぜひ活用でき助成金・補助金の制度がないかを調べましょう。
また、国が実施している助成金・補助金制度以外にも、自治体ごとにさまざまな助成金・補助金制度があります。事業所の所在する自治体のホームページも忘れずにチェックしましょう。
放課後等デイサービス・児童発達支援のICT化推進に向けた請求ソフト・システム導入を検討中の方は、ぜひ契約前にIT導入補助金についてカイポケまでお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。