【2024年(令和6年)度改定】放課後等デイサービスの報酬改定まとめ

この記事は、厚生労働省の以下の公表されている資料に基づき、放課後等デイサービスの2024年度障害福祉サービス等報酬改定に関する情報をまとめています。

  • 「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」

最新の情報が公表される可能性がありますので、ご了承の上、お読みください。 (作成日:2024年(令和6年)2月15日)

関連記事:児童発達支援の2024年度障害福祉サービス等報酬改定に関する情報は、
【2024年(令和6年)度改定】児童発達支援の報酬改定まとめ
をご覧ください。

関連セミナーはこちらから: 2024年放課後等デイサービスの報酬改定を解説!

目次

2024年度障害福祉サービス等報酬改定の施行日

障害福祉サービス等報酬改定については、2024年4月1日に施行されます。 ただし、新たに一本化される福祉・介護職員等処遇改善加算については2024年6月1日に施行されます。

➀経営実態等を踏まえた基本報酬の見直し

各サービスの経営の実態等を踏まえつつ、基本報酬を見直す。

➁福祉・介護職員等の処遇改善

  • 福祉・介護職員等の確保に向けて、福祉・介護職員等の処遇改善のための措置をできるだけ多くの事業所に活用されるよう推進する観点から、福祉・介護職員処遇改善加算、福祉・介護職員等特定処遇改善加算、福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算について、現行の各加算・各区分の要件及び加算率を組み合わせた4段階の「福祉・介護職員等処遇改善加算」に一本化するととに、今般新たに追加措置する処遇改善分を活用し、加算率を引き上げる。(経過措置区分として、令和6年度末まで現行の3加算の取得状況に基づく加算率を維持した上で、今般の改定による加算率の引き上げを行う。)
  • 新加算においては、加算・賃金改善額の職種間配分ルールを統一する。(福祉・介護職員への配分を基本とし、特に経験・技能のある職員に重点的に配分することとするが、事業所内で柔軟な配分を認める。)
  • 月額賃金の改善に関する要件を見直し、新加算Ⅳの加算額の1/2以上を月額賃金に充てることとする。
  • 令和7年度に、職場環境等要件の見直しを行う。
  • 福祉・介護職員以外の職員の処遇改善にもつながるよう、基本報酬を見直す。

③状態が悪化した強度行動障害を有する児者への集中的支援

状態が悪化した強度行動障害を有する児者に対し、高度な専門性により地域を支援する広域的支援人材が、事業所等を集中的に訪問等(情報通信機器を用いた地域外からの指導助言も含む)し、適切なアセスメントと有効な支援方法の整理をともに行い、環境調整を進めることを評価する加算を創設する。
≪集中的支援加算【新設】≫
集中的支援加算 1,000単位/回
強度行動障害を有する児者の状態が悪化した場合に、広域的支援人材が指定障害者支援施設、共同生活援助事業所等を訪問し、集中的な支援を行った場合、3月以内の期間に限り1月に4回を限度として所定単位数を加算する。

④意思決定支援の促進

  • 相談支援及び障害福祉サービス事業等の指定基準において、「事業者は、利用者が自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、利用者の意思決定の支援に配慮するよう努めなければならない」旨明記するとともに、障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドラインの内容を相談支援及び障害福祉サービス事業等の指定基準や解釈通知に反映させる。
  • 相談支援及び障害福祉サービス事業等の指定基準において、サービス担当者会議及び個別支援会議について、本人の心身の状況等によりやむを得ない場合を除き障害者本人の参加を原則とし、会議において本人の意向等を確認することとする。

⑤本人の意向を踏まえたサービス提供(同性介助)

各障害福祉サービス事業等の指定基準の解釈通知において、「本人の意思に反する異性介助がなされないよう、サービス管理責任者等がサービス提供に関する本人の意向を把握するとともに、本人の意向を踏まえたサービス提供体制の確保に努めるべき」旨明記する。

⑥障害者虐待防止の推進

  • 令和4年度から義務化された障害者虐待防止措置を未実施の障害福祉サービス事業所等に対して、基本報酬を減算する。
  • 指定基準の解釈通知において、下記を明示する。
    • 虐待防止委員会(身体拘束適正化委員会を含む。)において、外部の第三者や専門家の活用に努めること
    • 障害福祉サービス事業所等の管理者及び虐待防止責任者が、都道府県の実施する虐待防止研修を受講することが望ましいこと
≪虐待防止措置未実施減算【新設】≫
次の基準を満たしていない場合に、所定単位数の1%を減算する。
  • ・虐待防止委員会を定期的に開催するとともに、その結果について従業者に周知徹底を図ること
  • ・従業者に対し、虐待の防止のための研修を定期的に実施すること
  • ・上記措置を適切に実施するための担当者を置くこと

⑦身体拘束等の適正化の推進

訪問・通所系サービスについて、減算額を見直す。
≪身体拘束廃止未実施減算の見直し≫
[現行]
基準を満たしていない場合に、1日につき5単位を所定単位数から減算する。

[見直し後]
基準を満たしていない場合に、所定単位数の1%を減算する。

⑧個別支援計画の共有

指定基準において、各サービスの個別支援計画について、指定特定(障害児)相談支援事業所にも交付しなければならないこととする。

⑨人員基準における両立支援への配慮等

障害福祉の現場において、治療と仕事の両立を進め、職員の定着促進を図る観点から、各サービスの人員配置基準や報酬算定における「常勤」要件及び「常勤換算」要件について、以下の見直しを行う。
  • 「常勤」の計算に当たり、職員が育児・介護休業法等による育児・介護等の短時間勤務制度を利用する場合に加えて、「治療と仕事の両立ガイドライン」に沿って事業者が設ける短時間勤務制度等を利用する場合にも、週30時間以上の勤務で「常勤」として扱うことを認める。
  • 「常勤換算方法」の計算に当たり、職員が「治療と仕事の両立ガイドライン」に沿って事業者が設ける短時間勤務制度等を利用する場合、週30時間以上の勤務で常勤換算での計算上も1(常勤)と扱うことを認める。

⑩障害福祉現場の業務効率化等を図るためのICTの活用等

  • 管理者の責務について、利用者へのサービス提供の場面等で生じる事象を適時かつ適切に把握しながら、職員及び業務の一元的な管理・指揮命令を行うことである旨を明確化した上で、管理者は、その責務を果たせる場合であって、事故発生時等の緊急時の対応について、あらかじめ対応の流れを定め、必要に応じて管理者自身が速やかに出勤できる場合にあっては、同一敷地内等に限らず、同一の事業者によって設置される他の事業所等(介護サービス事業所等の他分野のサービス事業所を含む。)の管理者又は従業者と兼務できることとする。
  • 管理者について、介護分野における取扱いに準じ、以下のような措置を講じた上で、管理上支障が生じない範囲内において、テレワークにより管理業務を行うことが可能であることを示す。
    • 利用者及び従業者と管理者の間で適切に連絡が取れる体制を確保していること。
    • 事故発生時、利用者の状態の急変時、災害の発生時等、緊急時の対応について、あらかじめ対応の流れを定めておくとともに、必要に応じて管理者自身が速やかに出勤できるようにしていること。
    • また、人員配置基準等で具体的な必要数を定めて配置を求めている管理者以外の職種又は業務のテレワークに関して、個人情報を適切に管理していること、利用者の処遇に支障が生じないこと等を前提に、具体的な考え方を示す。
  • 障害福祉サービス等事業者が障害者総合支援法等の規定に基づいて地方公共団体に対して提出する指定申請関連文書、報酬請求関連文書等について、令和5年度中に標準様式及び標準添付書類を作成する。

⑪業務継続に向けた感染症や災害への対応力の取組の強化

感染症や災害が発生した場合であっても、必要な障害福祉サービス等を継続的に提供できる体制を構築するため、業務継続に向けた計画の策定の徹底を求める観点から、感染症又は非常災害のいずれか又は両方の業務継続計画が未策定の場合、基本報酬を減算する。その際、一定程度の取組を行っている事業所に対し経過措置を設けることとする。
≪業務継続計画未策定減算【新設】≫
以下の基準に適応していない場合、所定単位数の1%を減算する。
  • ・感染症や非常災害の発生時において、利用者に対するサービスの提供を継続的に実施するための、及び非常時の体制で早期の業務再開を図るための計画(業務継続計画)を策定すること
  • ・当該業務継続計画に従い必要な措置を講ずること
※令和7年3月31日までの間、「感染症の予防及びまん延防止のための指針の整備」及び「非常災害に関する具体的計画」の策定を行っている場合には、減算を適用しない。

⑫情報公表未報告の事業所への対応

  • 利用者への情報公表、災害発生時の迅速な情報共有、財務状況の見える化の推進を図る観点から、障害福祉サービス等情報公表システム上、未報告となっている事業所に対する「情報公表未報告減算」を新設する。
  • また、施行規則において、都道府県知事は指定障害福祉サービス事業者等の指定の更新に係る申請があった際に、情報公表に係る報告がされていることを確認することとする。
≪情報公表未報告減算【新設】≫
障害者総合支援法第76条の3の規定に基づく情報公表に係る報告がされていない場合、所定単位数の5%を減算する。

≪都道府県等による確認【新設】≫
都道府県知事等は、指定障害福祉サービス事業者等の指定の更新に係る申請があったときは、当該申請に係る事業者から障害者総合支援法第76条の3の規定に基づく情報公表に係る報告がされていることを確認するものとする。

⑬地域区分の見直し

地域区分について、令和3年度報酬改定と同様に、類似制度である介護報酬における地域区分との均衡を考慮し、原則、公務員の地域手当の設定に準拠している介護報酬の地域区分の考え方に合わせることとする。

また、平成30年度報酬改定の際に設けられた経過措置(平成30年以前の見直し前の上乗せ割合から見直し後の最終的な上乗せ割合の範囲において設定可能とするもの)を適用している自治体において、当該自治体の意向により、当該経過措置を令和9年3月31日まで延長することを認める。

さらに、平成30年度報酬改定時以降に、介護報酬と同じ区分に変更した自治体について、当該自治体の意向により、現行の区分と従前の区分の範囲内で設定することを認める(令和8年度末までの適用)。

⑭地域の障害児支援の中核機能の評価

児童発達支援センターが未設置の地域等において、センター以外の事業所が中核的な役割を担う場合に、評価を行う。
≪中核機能強化事業所加算【新設】≫
中核機能強化事業所加算
【障害児】区分に応じて75単位~187単位/日
【重症心身障害児】区分に応じて125単位~374単位/日
※市町村が地域の障害児支援の中核拠点として位置付ける事業所において、専門人材を配置して、自治体や地域の障害児支援事業所・保育所等を含む関係機関等との連携体制を確保しながら、こどもと家族に対する専門的な支援・包括的な支援の提供に取り組んだ場合

⑮総合的な支援の推進

適切なアセスメントの実施とこどもの特性を踏まえた支援を確保する観点から、運営基準において、事業所に対して、支援において、5領域(※)を全て含めた総合的な支援を提供することを基本とし、支援内容について、事業所の個別支援計画等において5領域とのつながりを明確化した上で提供することを求める。 (※)「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」
≪運営基準【新設・一部改正】≫
  • ・指定児童発達支援事業者は、障害児の適性、障害の特性その他の事情を踏まえた指定児童発達支援の確保並びに指定児童発達支援の質の評価及びその改善の適切な実施の観点から、指定児童発達支援の提供に当たっては、心身の健康等に関する領域を含む総合的な支援を行わなければならない。
  • ・児童発達支援管理責任者は、(中略)心身の健康等に関する領域との関連性(中略)を踏まえた指定児童発達支援の具体的内容、指定児童発達支援を提供する上での留意事項その他必要な事項を記載した児童発達支援計画の原案を作成しなければならない。

⑯事業所の支援プログラムの作成・公表

総合的な支援と支援内容の見える化を進める観点から、運営基準において、事業所に対して、5領域とのつながりを明確化した事業所全体の支援内容を示すプログラム(支援プログラム)の作成・公表を求めるとともに、未実施の場合の報酬の減算を設ける。なお、1年の経過措置期間を設ける。
≪運営基準【新設】≫
  • ・指定児童発達支援事業者は、指定児童発達支援事業所ごとに指定児童発達支援プログラム(心身の健康等に関する領域との関連性を明確にした指定児童発達支援の実施に関する計画をいう。)を策定し、インターネットの利用その他の方法により公表しなければならない。※1年の経過措置期間を設ける
≪支援プログラム未公表減算【新設】≫
支援プログラム未公表減算:所定単位数の85%を算定
※放課後等デイサービスに義務付けられている支援プログラムの作成・公表が未実施の場合(令和7年4月1日から適用)

⑰児童指導員等加配加算の見直し

児童指導員等加配加算について、専門職による支援の評価は専門的支援加算により行うこととし、経験ある人材の活用・評価を推進する観点から、配置形態(常勤・非常勤等)や経験年数に応じた評価を行う。
≪児童指導員等加配加算の見直し≫
[現行]
児童指導員等加配加算
【障害児】
  • ・理学療法士等を配置:区分に応じて75~187単位/日
  • ・児童指導員等を配置:区分に応じて49~123単位/日
  • ・その他の従業者を配置:区分に応じて11~30単位/日
【重症心身障害児】
  • ・理学療法士等を配置:区分に応じて125~374単位/日
  • ・児童指導員等を配置:区分に応じて82~247単位/日
  • ・その他の従業者を配置:区分に応じて60~180単位/日


[見直し後]
児童指導員等加配加算
【障害児】
児童指導員等を配置
  • ・常勤専従・経験5年以上:区分に応じて75~187単位/日
  • ・常勤専従・経験5年未満:区分に応じて59~152単位/日
  • ・常勤換算・経験5年以上:区分に応じて49~123単位/日
  • ・常勤換算・経験5年未満:区分に応じて43~107単位/日
  • ・その他の従業者を配置:36~90単位/日
【重症心身障害児】
児童指導員等を配置
  • ・常勤専従・経験5年以上:区分に応じて125~374単位/日
  • ・常勤専従・経験5年未満:区分に応じて98~305単位/日
  • ・常勤換算・経験5年以上:区分に応じて82~247単位/日
  • ・常勤換算・経験5年未満:区分に応じて71~214単位/日
  • ・その他の従業者を配置:60~180単位/日
※「経験」は児童福祉事業等に従事した経験年数

⑱専門的支援加算・特別支援加算の見直し

専門的支援加算及び特別支援加算について、専門人材の活用とニーズを踏まえた計画的な専門的支援の実施を進める観点から、両加算を統合し、専門的な支援を提供する体制と、専門人材による個別・集中的な支援の計画的な実施について、2段階で評価を行う。
≪専門的支援加算・特別支援加算の見直し≫
[現行]
専門的支援加算
【障害児】区分に応じて75~187単位/日
【重症心身障害児】区分に応じて125~374単位/日
※専門的な支援の強化を図るため、基準の人員に加えて理学療法士等を配置している場合

特別支援加算 54単位/回
※理学療法士等を配置して、専門的支援を計画的に行った場合(専門的支援加算を算定している場合は算定できない)

[見直し後]
専門的支援体制加算…①
【障害児】区分に応じて49~123単位/日
【重症心身障害児】区分に応じて82~247単位/日

専門的支援実施加算 150単位/回(原則月2回を限度)…②
※①専門的な支援の強化を図るため、基準の人員に加えて理学療法士等を配置している場合
②理学療法士等により、個別・集中的な専門的支援を計画的に行った場合(専門的支援体制加算との併算定可能。利用日数等に応じて月2回から最大月6回を限度とする)

⑲基本報酬におけるきめ細かい評価(支援時間の下限の設定・時間区分の創設)

  • 基本報酬について、発達支援に対するきめ細かい評価とする観点から、個別支援計画に定めた個々の利用者の支援時間に応じた評価が可能となるよう、支援時間による区分を設ける。
  • 支援時間による区分は、「30分以上1時間30分以下」、「1時間30分超3時間以下」、「3時間超5時間以下」の3区分とし、「3時間超5時間以下」の区分は学校休業日のみ算定可能とする。平日に3時間、学校休業日に5時間を超える長時間の支援については、延長支援加算を見直し、預かりニーズに対応した延長支援として、同加算により評価を行う。
  • なお、時間区分は個別支援計画に定めた支援時間で判定することを基本としつつ、事業所の都合で支援時間が短くなった場合は、実支援時間で判定することとし、欠席時対応加算(Ⅱ)については廃止する。

⑳自己評価・保護者評価の充実

自己評価・保護者評価について、運用の標準化と徹底を図る観点から、運営基準等において、実施方法を明確化する。
≪運営基準【一部改正】≫
  • ・指定児童発達支援事業者は、支援の質の評価及び改善を行うに当たっては、次に掲げる事項について、指定児童発達支援事業所の従事者による評価を受けた上で、自ら評価(自己評価)を行うとともに、当該事業所を利用する障害児の保護者による評価(保護者評価)を受けて、その改善を図らなければならない。
  • ・指定児童発達支援事業者は、おおむね1年に1回以上、自己評価及び保護者評価並びに改善の内容を、保護者に示すとともに、インターネットの利用その他の方法により公表しなければならない。

㉑関係機関との連携の強化(関係機関連携加算の見直し)

こどもと家族に対する包括的な支援を進める観点から、関係機関連携加算について、対象となる関係機関に医療機関や児童相談所等を含めるとともに、個別支援計画作成時以外に情報連携を行った場合の評価を行う。
≪関係機関連携加算の見直し≫
[現行]
関係機関連携加算(Ⅰ)200単位/回(月1回を限度)…①
関係機関連携加算(Ⅱ)200単位/回(1回を限度)…②
※①保育所や学校等との個別支援計画に関する会議を開催し、連携して個別支援計画を作成等した場合
②就学先の小学校や就職先の企業等との連絡調整を行った場合

[見直し後]
関係機関連携加算(Ⅰ)250単位/回(月1回を限度)…①
関係機関連携加算(Ⅱ)200単位/回(月1回を限度)…②
関係機関連携加算(Ⅲ)150位/回(月1回を限度)…③
関係機関連携加算(Ⅳ)200単位/回(1回を限度)…④
※①保育所や学校等との個別支援計画に関する会議を開催し、連携して個別支援計画を作成等した場合
②保育所や学校等との会議等により情報連携を行った場合
③児童相談所、医療機関等との会議等により情報連携を行った場合
④就学先の小学校や就職先の企業等との連絡調整を行った場合

㉒セルフプランの場合の事業所間連携の強化

  • 障害児支援の適切なコーディネートを進める観点から、セルフプランで複数事業所を併用する児について、事業所間で連携し、こどもの状態や支援状況の共有等の情報連携を行った場合の評価を行う。
  • 併せて、セルフプランの場合に、自治体から障害児支援利用計画を障害児支援事業所に共有、また障害児支援事業所から個別支援計画を自治体に共有して活用する仕組みを設ける。
≪事業所間連携加算【新設】≫
事業所間連携加算(Ⅰ)500単位/回(月1回を限度)…①
事業所間連携加算(Ⅱ)150単位/回(月1回を限度)…②
※セルフプランで障害児支援の複数事業所を併用する児について、
①コーディネートの中核となる事業所として、会議を開催する等により事業所間の情報連携を行うとともに、家族への助言援助や自治体との情報連携等を行った場合
②①の会議に参画する等、事業所間の情報連携を行い、その情報を事業所内で共有するとともに、必要に応じて個別支援計画の見直しを行うなどにより支援に反映させた場合

㉓送迎時の自立支援の評価

こどもの自立に向けた支援を促進する観点から、こどもの状態等も踏まえながら、通所や帰宅の機会を利用して自立に向けた支援を計画的に行った場合の評価を行う。
≪通所自立支援加算【新設】≫
通所自立支援加算 60単位/回(算定開始から3月を限度)
※学校・居宅等と事業所間の移動について、自立して通所が可能となるよう、職員が付き添って計画的に支援を行った場合

㉔学校卒業後の生活を見据えた支援の評価

こどもの自立を見据えた支援を促進する観点から、高校生について、学校や地域との連携の下、学校卒業後の生活を見据えた支援を行った場合の評価を行う。
≪自立サポート加算【新設】≫
自立サポート加算 100単位/回(月2回を限度)
※高校生(2年生・3年生に限る)について、学校卒業後の生活に向けて、学校や地域の企業等と連携しながら、相談援助や体験等の支援を計画的に行った場合

㉕認定特定行為業務従事者による支援についての評価の見直し(医療連携体制加算(Ⅶ)の見直し)

医療的ケア児への支援の促進を図る観点から、認定特定行為業務従事者による支援を評価する医療連携体制加算(Ⅶ)について、評価の見直しを行うとともに、主として重症心身障害児に対して支援を行う事業所においても算定を可能とする。
≪医療連携体制加算(Ⅶ)の見直し≫
[現行]
医療連携体制加算(Ⅶ)100単位/日
※喀痰吸引等が必要な障害児に対して、認定特定行為業務従事者が、医療機関等との連携により、喀痰吸引等を行った場合(医療的ケア区分による基本報酬又は主として重症心身障害児に対して支援を行う場合の基本報酬を算定している場合は算定しない)

[見直し後]
医療連携体制加算(Ⅶ)250単位/日
※喀痰吸引等が必要な障害児に対して、認定特定行為業務従事者が、医療機関等との連携により、喀痰吸引等を行った場合(医療的ケア区分による基本報酬を算定している場合は算定しない)

㉖主として重症心身障害児を通わせる事業所の評価の見直し

重症心身障害児への支援を促進する観点から、主として重症心身障害児を通わせる事業所の基本報酬について、定員による区分設定を、1人単位刻みから3人単位刻みとする見直しを行う。なお、主として重症心身障害児を通わせる事業所の基本報酬については、「基本報酬におけるきめ細かい評価(支援時間の下限の設定・時間区分の創設)」の時間区分創設の見直しは行わない。

㉗医療的ケア児等に対する入浴支援の評価

こどもの発達や日常生活、家族を支える観点から、医療的ケア児や重症心身障害児に、発達支援とあわせて入浴支援を行った場合の評価を行う。
≪入浴支援加算【新設】≫
入浴支援加算 70単位/回(月8回を限度)
※医療的ケア児又は重症心身障害児に、発達支援とあわせて入浴支援を行った場合

㉘医療的ケア児等に対する送迎支援の促進

医療的ケア児や重症心身障害児の送迎について、こどもの医療濃度等も踏まえた評価を行う。
≪送迎加算の見直し≫
[現行]
送迎加算
  • ・障害児:54単位/回
    •  ・医療的ケア児+37単位/回
(※)医療的ケア区分による基本報酬を算定する事業所のみ。看護職員の付き添いが必要。
  • ・重症心身障害児:37単位/回
(※)職員の付き添いが必要

[見直し後]
送迎加算
  • ・障害児:54単位/回
    •  ・一定の条件を満たす場合+40単位/回
    •  ・一定の条件を満たす場合+80単位/回
  • ・重症心身障害児:40単位/回
  • ・医療的ケア児(医療的ケアスコア16点以上の場合):80単位/回
  • ・医療的ケア児(その他の場合):40単位/回
(※)重症心身障害児については、職員の付き添いが必要
(※)医療的ケア児については、医療的ケアが可能な職員の付き添いが必要

㉙共生型サービスにおける医療的ケア児への支援の評価

医療的ケア児の受入れ先の拡充を図る観点から、共生型サービスにおいて、医療的ケア児に対して支援を行った場合の評価を行う。
≪共生型サービス医療的ケア児支援加算【新設】≫
共生型サービス医療的ケア児支援加算 400単位/日
※共生型サービスにおいて、看護職員等(認定特定行為業務従事者を含む)を1以上配置し、地域に貢献する活動を行っているものとして届け出た事業所において、医療的ケア児に対して支援を行った場合

㉚強度行動障害児支援加算の見直し

強度行動障害を有する児への支援を充実させる観点から、強度行動障害児支援加算について、支援スキルのある職員の配置や支援計画の策定等を求めた上で、評価を充実するとともに、専門人材の支援の下、行動障害の状態がより強い児に対して支援を行った場合の評価の見直しを行う。
≪強度行動障害児支援加算の見直し≫
[現行]
強度行動障害児支援加算 155単位/日
※強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)を修了した職員を配置し、強度行動障害を有する児(児基準20点以上)に対して支援を行った場合

[見直し後]
強度行動障害児支援加算(Ⅰ)(児基準20点以上)200単位/日…①
強度行動障害児支援加算(Ⅱ)(児基準30点以上)250単位/日…②
(加算開始から90日以内の期間は、更に+500単位/日)
※①強度行動障害支援者養成研修(実践研修)を修了した職員を配置し、強度行動障害を有する児(児基準20点以上)に対して、支援計画を作成し当該計画に基づき支援を行った場合
②強度行動障害支援者養成研修(中核的人材養成研修)を修了した職員を配置し、強度行動障害を有する児(児基準30点以上)に対して、支援計画を作成し当該計画に基づき支援を行った場合

㉛行動障害の予防的支援と重度障害児への支援の充実(個別サポート加算(Ⅰ)の見直し)

個別サポート加算(Ⅰ)について、行動障害の予防的支援を充実させる観点から、強度行動障害の知識のある職員による支援を行った場合の評価を充実するとともに、重度障害児への支援を充実させる観点から、著しく重度の障害児が利用した場合の評価の見直しを行う。
≪個別サポート加算(Ⅰ)の見直し≫
[現行]
個別サポート加算(Ⅰ)100単位/日
※著しく重度(食事・排せつ・入浴・移動のうち3以上が全介助)又はケアニーズの高い(就学時サポート調査表13点以上)障害児に対して支援を行った場合(主として重症心身障害児が利用する事業所の基本報酬を算定している場合を除く)

[見直し後]
個別サポート加算(Ⅰ)(ケアニーズの高い障害児に対して支援を行った場合) 90単位/日
個別サポート加算(Ⅰ)(著しく重度の障害児に支援を行った場合) 120単位/日

㉜要支援・要保護児童への支援の充実(個別サポート加算(Ⅱ)の見直し)

要支援・要保護児童への支援の充実を図る観点から、個別サポート加算(Ⅱ)について、こども家庭センターやサポートプランに基づく支援との連携を推進しつつ、評価の見直しを行う。
≪個別サポート加算(Ⅱ)の見直し≫
[現行]
個別サポート加算(Ⅱ)125単位/日
※要保護児童・要支援児童に対し、児童相談所等と連携(支援の状況等を年1回以上共有)し支援を行った場合

[見直し後]
個別サポート加算(Ⅱ)150単位/日
※要保護児童・要支援児童に対し、児童相談所やこども家庭センター等と連携(支援の状況等を6月に1回以上共有)し支援を行った場合

㉝難聴児への支援の充実

難聴児支援の充実を図る観点から、人工内耳を装用している児に支援を行った場合の評価を行う。
≪人工内耳装用児支援加算の見直し≫
人工内耳装用児支援加算 150単位/日
※眼科・耳鼻咽喉科の医療機関との連携の下、言語聴覚士を配置し、人工内耳を装用している児に対して、専門的な支援を計画的に行った場合

㉞視覚障害児・聴覚障害児等への支援の充実

視覚障害児や重度の聴覚障害児への支援を促進する観点から、意思疎通に関して専門性を有する人材を配置して支援を行った場合の評価を行う。
≪視覚・聴覚・言語機能障害児支援加算【新設】≫
視覚・聴覚・言語機能障害児支援加算 100単位/日
※視覚又は聴覚若しくは言語機能に重度の障害のある児に対して、意思疎通に関して専門性を有する人材を配置して、支援を行った場合

㉟不登校児童への支援の充実

継続的に学校に通学できない児童(不登校児童)への支援の充実を図る観点から、通常の発達支援に加えて、学校との連携を図りながら支援を行った場合の評価を行う。
≪個別サポート加算(Ⅲ)【新設】≫
個別サポート加算(Ⅲ)70単位/日
※不登校の状態にある障害児に対して、学校との連携の下、家族への相談援助等を含め、支援を行った場合

㊱家族支援の充実(家庭連携加算・事業所内相談支援加算の見直し)

  • 家庭連携加算(居宅への訪問による相談援助)について、訪問支援を促進する観点から、評価の見直しを行う。また、事業所内相談支援加算(事業所内での相談援助)について、家族のニーズや状況に応じた支援の提供を促進する観点や、オンラインによる相談援助を推進する観点から、評価の見直しを行う。両加算について統合し、個別とグループでの支援に整理して評価を行う。
  • きょうだいへの支援も促進されるよう、統合後の加算において、きょうだいも相談援助等の対象であることを明確化する。
≪家庭連携加算・事業所内相談支援加算の見直し≫
[現行]
家庭連携加算(月4回を限度)
  • ・児童の家族に対して個別に相談援助等を行った場合
    •  ・居宅を訪問(所要時間1時間以上)280単位/回
    •  ・居宅を訪問(所要時間1時間未満)187単位/回
事業所内相談支援加算
  • ・児童の家族に対して事業所等で相談援助等を行った場合
    •  ・加算(Ⅰ)(個別相談)100単位/回(月1回を限度)
    •  ・加算(Ⅱ)(グループ)80単位/回(月1回を限度)


[見直し後]※両加算を統合
家族支援加算(Ⅰ)(月4回を限度)
  • ・児童の家族(きょうだいを含む)に対して個別に相談援助等を行った場合
    •  ・居宅を訪問(所要時間1時間以上)300単位/回
    •  ・居宅を訪問(所要時間1時間未満)200単位/回
    •  ・事業所等で対面 100単位/回
    •  ・オンライン 80単位/回
家族支援加算(Ⅱ)(月4回を限度)
  • ・児童の家族(きょうだいを含む)に対してグループでの相談援助等を行った場合
    •  ・事業所等で対面 80単位/回
    •  ・オンライン 60単位/回
※多機能型事業所において、同一の児に複数のサービスによる支援を行う場合、家族支援加算は、各サービスを合計して(Ⅰ)及び(Ⅱ)それぞれ月4回を超えて算定することはできないこととする。

㊲支援場面等を通じた家族支援の評価

家族の障害特性への理解と養育力の向上につなげる観点から、家族が支援場面等を通じて、こどもの特性や、特性を踏まえたこどもへの関わり方等を学ぶことができる機会を提供した場合の評価を行う。
≪子育てサポート加算【新設】≫
子育てサポート加算 80単位/回(月4回を限度)
※保護者に支援場面の観察や参加等の機会を提供した上で、こどもの特性や、特性を踏まえたこどもへの関わり方等に関して相談援助等を行った場合

㊳預かりニーズへの対応(延長支援加算の見直し)

  • 基本報酬の評価において、支援時間に応じた区分を設定することとあわせて、延長支援加算を見直し、一定の時間区分を超えた時間帯の支援について、預かりニーズに対応した延長支援として評価を行う。
  • 延長時間帯の職員配置については、安全確保の観点から、2人以上の配置を求めるとともに、児童発達支援管理責任者の対応も認めるなど、運用の見直しを行う。
≪延長支援加算の見直し≫
[現行]
延長支援加算
  • ・延長1時間未満
    •  ・障害児 61単位/日
    •  ・重症心身障害児 128単位/日
  • ・延長1時間以上2時間未満
    •  ・障害児 92単位/日
    •  ・重症心身障害児 192単位/日
  • ・延長2時間以上
    •  ・障害児 123単位/日
    •  ・重症心身障害児 256単位/日
※営業時間が8時間以上であり、営業時間の前後の時間において支援を行った場合(人員基準により置くべき直接支援職員1名以上を配置)

[見直し後]
延長支援加算
  • ・延長30分以上1時間未満
    •  ・障害児 61単位/日
    •  ・重症心身障害児・医療的ケア児 128単位/日
  • ・延長1時間以上2時間未満
    •  ・障害児 92単位/日
    •  ・重症心身障害児・医療的ケア児 192単位/日
  • ・延長2時間以上
    •  ・障害児 123単位/日
    •  ・重症心身障害児・医療的ケア児 256単位/日
※基本報酬における最長の時間区分に対応した時間(5時間)の発達支援に加えて、当該支援の前後に預かりニーズに対応した支援を計画的に行った場合(職員を2名以上(うち1名は人員基準により置くべき職員(児童発達支援管理責任者を含む)を配置)。なお、延長30分以上1時間未満の単位は、利用者の都合等で延長時間が計画よりも短くなった場合に限り算定可能
※ただし、延長支援加算の算定が可能となる発達支援の支援時間は、平日3時間、学校休業日5時間

㊴インクルージョンに向けた取組の推進

運営基準において、事業所に対し、併行通園や保育所等への移行等、インクルージョン推進の取組を求めるとともに、事業所の個別支援計画において具体的な取組等について記載しその実施を求める。
≪運営基準【新設・一部改正】≫
  • ・指定児童発達支援事業者は、障害児が指定児童発達支援を利用することにより、地域の保育、教育等の支援を受けることができるようにすることで、障害の有無にかかわらず、全ての児童が共に成長できるよう、地域社会への参加・包摂(インクルージョン)の推進に努めなければならない。
  • ・児童発達支援管理責任者は、(中略)インクルージョンの観点を踏まえた指定児童発達支援の具体的内容、指定児童発達支援を提供する上での留意事項その他必要な事項を記載した児童発達支援計画の原案を作成しなければならない。

㊵保育・教育等移行支援加算の見直し

保育所等への移行に向けた取組を推進する観点から、保育・教育等移行支援加算について、保育所等への移行前の移行に向けた取組等についても評価を行う。
≪保育・教育等移行支援加算の見直し≫
[現行]
保育・教育等移行支援加算 500単位/回(1回を限度)
※障害児が地域において保育・教育等を受けられるよう支援を行うことにより、通所支援事業所を退所して保育所等に通うことになった場合(退所後に居宅等を訪問して相談援助を行った場合)

[見直し後]
保育・教育等移行支援加算
  • ・退所前に移行に向けた取組(※)を行った場合 500単位/回(2回を限度)
    (※)移行先への助言援助や関係機関等との移行に向けた協議等
  • ・退所後に居宅等を訪問して相談援助を行った場合 500単位/回(1回を限度)
  • ・退所後に保育所等を訪問して助言・援助を行った場合 500単位/回(1回を限度)

㊶障害児支援におけるこどもの最善の利益の保障

運営基準において、事業所に対し、障害児等の意思の尊重、こどもの最善の利益の優先考慮の下で、個別支援計画の作成、個別支援会議の実施、支援の提供を進めることを求める。
≪運営基準【新設・一部改正】≫
  • ・指定児童発達支援事業者は、障害児が自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、障害児及び通所給付決定保護者の意思をできる限り尊重するための配慮をしなければならない。
  • ・児童発達支援管理責任者は、児童発達支援計画の作成に当たっては、(中略)障害児の年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮され、心身ともに健やかに育成されるよう障害児の発達を支援する上での適切な支援内容の検討をしなければならない。
  • ・児童発達支援管理責任者は、児童発達支援計画の作成に当たっては、障害児の意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮される体制を確保した上で、障害児に対する指定児童発達支援の提供に当たる担当者等を招集して行う会議を開催し、児童発達支援計画の原案について意見を求めるものとする。
  • ・児童発達支援管理責任者は、業務を行うに当たっては、障害児が自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、障害児及びその保護者の意思をできる限り尊重するよう努めなければならない。

最後に

本記事は、作成時点の最新資料(令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要)を基に作成しています。 今後の詳細につきましては、厚生労働省から公開されます最新情報をご確認いただきますようにお願い致します。

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