看護小規模多機能型居宅介護の2018年度介護報酬改定



看護小規模多機能型居宅介護事業所を運営されているみなさま。2018年度の介護報酬改定について情報収集はお済みでしょうか?
この記事では、看護小規模多機能型居宅介護の2018年度の介護報酬改定についてまとめています。
ぜひご一読いただき、これからの事業運営にお役立てください。

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医療ニーズへの対応の推進

看護小規模多機能型居宅介護事業所は、医療ニーズの高いご利用者に対応する事業所です。今回の改定では、在宅生活を送る中重度の要介護者に対する、適切な医療・介護サービスの提供体制を整備する一環として、看護体制強化加算に新区分を設けることとなりました。従来の看護体制強化加算は、看護体制強化加算(Ⅱ)として区分され、より医療ニーズに対応する体制を整えている事業所を評価する看護体制強化加算(Ⅰ)が創設されました。看護体制強化加算(Ⅰ)の算定要件は、従来の算定要件に加え、ターミナルケア加算の算定実績や、登録特定行為事業者または登録喀痰等事業者の届出をしていることが求められます。
また、医療ニーズへの対応を推進する観点から、緊急時訪問看護加算の単位数が上がりました。


現行 改定後
看護体制強化加算(Ⅰ)
(1月あたり)
なし 3000単位
看護体制強化加算(Ⅱ)
(1月あたり)
2500単位 2500単位
緊急時訪問看護加算
(1月あたり)
570単位 574単位

ターミナルケアの充実

看護小規模多機能型居宅介護事業所の大切な役割の一つに、在宅におけるターミナルケアの推進が挙げられます。
ターミナルケアとは、病気などで余命がわずかになった方へ住み慣れた自宅等において、ご本人の希望に沿った最終段階の生活を支援するケアです。
ターミナルケアを実施するにあたり、「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」の活用が求められています。
今回の改定にて、ターミナルケア加算の算定要件に「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」に沿った取り組みを明確にすることが求められます。ご利用者の意思決定をもとに話し合った内容等を医療・介護関係者と共有し、連携した対応をすることとなります。

訪問(介護)サービスの推進

看護小規模多機能型居宅介護事業所における訪問(介護)サービスの提供状況について、事業所によって提供回数のばらつきがあることが指摘されていました。在宅生活を支援する上で、訪問(介護)サービスは欠かすことが出来ません。
このような背景から今回の改定では、訪問(介護)サービスを積極的に提供する体制に対して評価する訪問体制強化加算が創設されています。算定には、訪問(介護)サービスを提供する常勤の従事者を2名以上配置していることや1ヵ月あたりの延べ訪問回数が一定以上であることが求められます。
なお訪問体制強化加算は、訪問介護サービスに対する加算であり看護師、理学療法士等が行う訪問看護サービスは含まれませんので注意しましょう。


現行 改定後
訪問体制強化加算
(1月あたり)
なし 1000単位

若年性認知症ご利用者受入加算の創設

認知症の方の増加は、非常に大きな社会問題になっています。今回の改定において小規模多機能型居宅介護と同様に、若年性認知症のご利用者の受け入れについて評価する若年性認知症利用者受入加算が創設されています。


現行 改定後
若年性認知症利用者受入加算
(1月あたり)
なし 800単位

栄養改善の取組の推進

こちらも小規模多機能型居宅介護と同様に、看護小規模多機能型居宅介護の従業者がご利用者の栄養状態を確認し、情報共有することを評価する栄養スクリーニング加算が創設されています。
栄養スクリーニング加算を算定するには、利用開始日及び利用期間半年ごとに下記の栄養状態に関する項目を確認し、スクリーニングで得た情報を担当する介護支援専門員に 文書で情報提供することが求められます。

  • BMIの値
  • 半年間の間の体重減少率または、「地域支援事業の実施について(厚労省通知)」に規定する基本チェックリストのNo11の項目
  • 血清アルブミンの値
  • 食事摂取量

なお栄養スクリーニング加算は、同じご利用者に対して複数の事業所で算定することが出来ません。複数の事業所を利用している方については、介護支援専門員がサービス担当者会議にて当該加算を算定する事業所を決定し、その事業所が原則として継続的に栄養スクリーニング加算を算定します。


現行 改定後
栄養スクリーニング加算
(1月あたり)
なし 5単位

中山間地域等に居住する者へのサービス提供の強化

中山間地域(厚生労働大臣が定める地域)に居住する方へ通常の実施地域を超えて提供するサービスについて加算が創設されました。小規模多機能型居宅介護の加算に準じて、看護小規模多機能居宅介護において創設されました。


現行 改定後
中山間地域に居住する方へのサービス提供加算
(1回あたり)
なし 5%

指定に関する基準の緩和

看護小規模多機能型居宅介護事業所の診療所からの参入を進めるように基準が緩和されました。変更点は2点となります。

宿泊室について

看護小規模多機能型居宅介護のご利用者が利用できる宿泊室を1室は常に確保し、基準上必要となる宿泊室として診療所の病床を兼用することで、設備基準を満たすことになりました。

指定を受ける法人の範囲について

今回の改定にて、指定を受ける法人の範囲が変わり病床を有する診療所について看護小規模多機能型居宅介護の指定を受けられることとなりました。看護小規模多機能型居宅介護において必要な設備である宿泊室は、診療所の病床を兼用することが可能となっています。ただしその場合、宿泊サービスを利用している方がその診療所に入院することになった場合は、看護小規模多機能型居宅介護における宿泊サービスから入院へ切り替わる理由や費用負担の変更等について、十分に説明することが必要とされています。

サテライト型事業所の創設

サービスの供給量を増やす観点から、サテライト型看護小規模多機能型居宅介護事業所の創設基準が設けられました。

本体事業所とサテライト型事業所の関係

サテライト型事業所は、原則、本体事業所と同一の日常生活圏域(概ね20分以内の近距離)に設置することとなります。本体事業所は、サテライト型事業所を支援する機能を有する必要があるため、看護小規模多機能型居宅介護事業所であること、適切な看護サービスを提供できる体制があることが求められます。

サテライト型看護小規模多機能型居宅介護の人員

サテライト型小規模多機能型居宅介護の基準に準じる形となり、代表者・管理者・介護支援専門員・夜間の宿直員、緊急時の訪問人員等は、本体事業所と兼務することによりサテライト型事業所に置かないことが認められます。

訪問看護体制減算及びサテライト体制未整備減算について

本体である看護小規模多機能型居宅介護事業所、またはサテライト型看護小規模多機能型居宅介護事業所が、訪問看護体制減算の届け出をしている場合は、サテライト体制未整備減算の対象となります。
訪問看護体制減算は、下記の条件のすべてに該当する場合に対象となります。

①前3月間の主治医の指示に基づく看護サービスを提供したご利用者の割合が30%未満
②前3月間の緊急時訪問看護加算を算定したご利用者数の割合が30%未満
③前3月間の特別管理加算を算定したご利用者数の割合が5%未満


現行 改定後
訪問看護体制減算
(1月あたり)
要介護1~3
925単位減算/月
要介護4
1850単位減算/月
要介護5
2914単位減算/月
変更なし
サテライト体制未整備減算
(1月あたり)
なし 所定単位数の97/100

運営推進会議の開催方法の緩和

こちらも小規模多機能型居宅介護と同様に、運営推進会議の効率化や事業所間のネットワーク形成の促進の観点から、現在認められていない複数事業所の合同開催について下記の条件を満たすことで認められました。

①ご利用者やご家族のプライバシーを守ること
②同一の生活圏域内に所在する事業所であること
③合同で開催する運営推進会議の回数が1年に改正すべき運営推進会議の半数を超えないこと
④外部評価を行う運営推進会議は単独開催とすること

事業開始時支援加算の廃止

看護小規模多機能型居宅介護事業所を開設時に算定できた事業開始時支援加算は、2017年度まで延長されていましたが、予定通り廃止となりました。

代表者交代時の開設者研修の取扱い

こちらも小規模多機能型居宅介護と同様に、看護小規模型居宅介護事業所の代表者は、認知症対応型サービス事業開設者研修を修了していることが必要です。何らかの理由によって交代をする場合、新しく代表者に就任した方が研修を修了していない場合は、6ヵ月以内の研修の受講、もしくは次回の研修まで修了の猶予期間が設けられています。

まとめ

ここまで、看護小規模多機能型居宅介護の2018年度介護報酬の改正についてまとめています。
看護小規模多機能型居宅介護事業所は全国的にまだまだ少ない状況です。ターミナルケアなどの高い医療ニーズに対応できる看護小規模多機能型居宅介護は今後さらに必要とされるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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