【2024年(令和6年)度】介護報酬改定情報まとめ
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介護に関する報酬改定について
令和6年度(2024年度)報酬改定特設サイトが公開!
本サイトでは令和6年度医療・介護・障害等報酬改定の内容や、カイポケシステム対応予定および、カイポケシステム改修の進捗状況を更新しています。
この記事は、厚生労働省の以下の公表されている資料に基づき、2024年度介護報酬改定に関する情報をまとめています。 - 「第239回社会保障審議会介護給付費分科会資料」
議論・審議が進み、最新の情報が公表される可能性がありますので、ご了承の上、お読みください。
(更新日:作成日:2024年(令和6年)2月15日)
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目次
- 2024年度介護報酬改定の改定率
- 2024年度介護報酬改定の施行日
- 介護報酬改定のポイント①地域包括ケアシステムの深化・推進
- 介護報酬改定のポイント②自立支援・重度化防止に向けた対応
- 介護報酬改定のポイント③良質な介護サービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくり
- 介護報酬改定のポイント④制度の安定性・持続可能性の確保
- 介護報酬改定のポイント⑤その他
- 最後に
2024年度介護報酬改定の改定率
2024年(令和6年)度の介護報酬改定の改定率は、『+ 1.59%』になることが公表されました。
内訳としては、介護職員の処遇改善分が「+ 0.98%」、その他の改定率が「+ 0.61%」となっています。
また、改定率の外枠として、処遇改善加算の一本化による賃上げ効果や、光熱水費の基準費用額の増額による介護施設の増収効果として「+ 0.45%」が見込まれ、合計で『+ 2.04%』相当の改定になるようです。
2024年(令和6年)度は、診療報酬、障害福祉サービス等報酬も改定となるタイミングであり、診療報酬の改定率は「+ 0.88%」、障害福祉サービス等報酬の改定率は「+ 1.12%(外枠の処遇改善等の一本化の効果を合計すると+ 1.5%)」となっています。
2024年度介護報酬改定の施行日
厚生労働省の実施した「第236回介護給付費分科会」において、介護報酬改定の施行日がサービス種別によって、2024年4月と2024年6月に別れることが示されました。
診療報酬改定の施行に合わせる形で、2024年6月に施行されるのは、「訪問看護」、「訪問リハビリテーション」、「通所リハビリテーション」、「居宅療養管理指導」の4つのサービス種別となっています。
それ以外のサービス種別は、2024年4月に施行されることになります。
2024年6月に施行される介護サービス種別
- 訪問看護
- 訪問リハビリテーション
- 通所リハビリテーション
- 居宅療養管理指導
2024年4月に施行される介護サービス種別
- 訪問介護
- 訪問入浴介護
- 通所介護
- 短期入所生活介護
- 短期入所療養介護
- 特定施設入居者生活介護
- 福祉用具貸与
- 居宅介護支援
- 介護老人福祉施設
- 介護老人保健施設
- 介護医療院
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
- 夜間対応型訪問介護
- 地域密着型通所介護
- 認知症対応型通所介護
- 小規模多機能型居宅介護
- 認知症対応型共同生活介護
- 地域密着型特定施設入居者生活介護
- 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
- 看護小規模多機能型居宅介護
介護報酬改定のポイント①地域包括ケアシステムの深化・推進
※改定のポイントについては、重複して資料に掲載されている項目は省略しております。
「地域包括ケアシステムの深化・推進」では、以下のような視点で改定の議論が行われました。
- 認知症の方や単身 高齢者、医療ニーズが高い中重度の高齢者を含め、それぞれの住み慣れた地域 において利用者の尊厳を保持しつつ、質の高い公正中立なケアマネジメントや 必要なサービスが切れ目なく提供されるよう地域の実情に応じた柔軟かつ効率 的な取組を推進すること
- 医療ニーズが高い方や看取りへの対応を強化する観点から、医療・介護 DX も活用した情報連携の推進や入退院時支援の強化、利用者の状態に応じた専門職の配置など医療と介護の連携をより一層推進すること
- 障害福祉サービスとの連携の強化
- 新型コロナウイルス感染症対応の経験を踏まえながら、感染症や災害への対応力を高めていくこと
- 高齢者虐待防止、安全性の確保等の取組の推進を図ること
- 認知症の方の尊厳を保持しつつ、認知症の対応力向上に向けた取組を進めて行くこと
このような視点に基づいて議論が行われ、以下の改定の内容について審議報告が行われています。
①-1 質の高い公正中立なケアマネジメント
- 居宅介護支援における特定事業所加算の見直し
- 居宅介護支援事業者が市町村から指定を受けて介護予防支援を行う場合の取扱い
- 他のサービス事業所との連携によるモニタリング
①-2 地域の実情に応じた柔軟かつ効率的な取組
- 訪問介護における特定事業所加算の見直し
- 豪雪地帯等において急な気象状況の悪化等があった場合の通所介護費等の所要時間の取扱いの明確化
- 通所リハビリテーションにおける機能訓練事業所の共生型サービス、基準該当サービスの提供の拡充
- 総合マネジメント体制強化加算の見直し
①-3 医療と介護の連携の推進
- 専門性の高い看護師による訪問看護の評価
- 患者の状態に応じた在宅薬学管理の推進
- 総合医学管理加算の見直し
- 療養通所介護における医療ニーズを有する中重度者の短期利用の推進
- 療養通所介護における重度者への安定的なサービス提供体制の評価
- 看護小規模多機能型居宅介護における柔軟なサービス利用の促進
- 円滑な在宅移行に向けた看護師による退院当日訪問の推進
- 医療機関のリハビリテーション計画書の受け取りの義務化
- 退院後早期のリハビリテーション実施に向けた退院時情報連携の推進
- 入院時情報連携加算の見直し
- 通院時情報連携加算の見直し
- 特定施設入居者生活介護等における夜間看護体制の強化
- 特定施設入居者生活介護等における医療的ケアの推進に向けた入居継続支援加算の見直し
- 認知症対応型共同生活介護における医療連携体制加算の見直し
- 配置医師緊急時対応加算の見直し
- 介護老人福祉施設等における給付調整のわかりやすい周知
- 介護老人福祉施設等における透析が必要な者に対する送迎の評価
- 所定疾患施設療養費の見直し
- 協力医療機関との連携体制の構築
- 協力医療機関との定期的な会議の実施
- 入院時等の医療機関への情報提供
- 介護老人福祉施設等における緊急時等の対応方法の定期的な見直し
- 介護老人保健施設における医療機関からの患者受入れの促進
①-4 看取りへの対応強化
- 訪問入浴介護における看取り対応体制の評価
- 訪問看護等におけるターミナルケア加算の見直し
- 情報通信機器を用いた死亡診断の補助に関する評価
- 短期入所生活介護における看取り対応体制の強化
- ターミナルケアマネジメント加算等の見直し
- 介護老人保健施設におけるターミナルケア加算の見直し
- 介護医療院における看取りへの対応の充実
①-5 感染症や災害への対応力向上
- 高齢者施設等における感染症対応力の向上
- 施設内療養を行う高齢者施設等への対応
- 新興感染症発生時等の対応を行う医療機関との連携
- 業務継続計画未策定事業所に対する減算の導入
①-6 高齢者虐待防止の推進
- 高齢者虐待防止の推進
- 身体的拘束等の適正化の推進
①-7 認知症の対応力向上
- 訪問系サービスにおける認知症専門ケア加算の見直し
- 訪問リハビリテーションにおける集中的な認知症リハビリテーションの推進
- 通所介護・地域密着型通所介護における認知症加算の見直し
- (看護)小規模多機能型居宅介護における認知症対応力の強化
- 認知症対応型共同生活介護、介護保険施設における平時からの認知症の行動・心理症状の予防、早期対応の推進
- 介護老人保健施設における認知症短期集中リハビリテーション実施加算の見直し
①-8 福祉用具貸与・特定福祉用具販売の見直し
- 一部の福祉用具に係る貸与と販売の選択制の導入
- モニタリング実施時期の明確化
- モニタリング結果の記録及び介護支援専門員への交付
- 福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会を踏まえた対応
介護報酬改定のポイント②自立支援・重度化防止に向けた対応
「自立支援・重度化防止に向けた対応」では、以下のような視点で改定の議論が行われました。
- 高齢者の自立支援・重度化防止といった介護保険制度の趣旨に沿い、多職種による連携を通じた取組の推進やアウトカム指標を踏まえた評価の推進に向けたデータの活用等を行うこと
- 様々な角度からの自立支援・重度化防止に係る取組やリハビリテーション・口腔・栄養の一体的取組を一層推進していくこと
- 介護現場において科学的介護の取組が進むよう令和3年度改定より開始されたLIFE を活用した質の高い介護を進めていくこと
このような視点に基づいて議論が行われ、以下の改定の内容について審議報告が行われています。
②-1 リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養の一体的取組等
- 訪問・通所リハビリテーションにおけるリハビリテーション、口腔、栄養の一体的取組の推進
- 介護保険施設におけるリハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養の一体的取組の推進
- リハビリテーション・個別機能訓練、口腔管理、栄養管理に係る一体的計画書の見直し
- 訪問及び通所リハビリテーションのみなし指定の見直し
- 要介護・要支援のリハビリテーションの評価の差別化
- 介護予防サービスにおけるリハビリテーションの質の向上に向けた評価
- 退院直後の診療未実施減算の免除
- 診療未実施減算の経過措置の延長等
- 通所リハビリテーションの事業所規模別基本報酬の見直し
- ケアプラン作成に係る「主治の医師等」の明確化
- 介護老人保健施設における短期集中リハビリテーション実施加算の見直し
- 居宅療養管理指導における管理栄養士及び歯科衛生士等の通所サービス利用者に対する介入の充実
- 訪問系サービス及び短期入所系サービスにおける口腔管理に係る連携の強化
- 居宅療養管理指導におけるがん末期の者に対する歯科衛生士等の介入の充実
- 特定施設入居者生活介護における口腔衛生管理の強化
- 介護保険施設における口腔衛生管理の強化
- 管理栄養士による居宅療養管理指導の算定回数の見直し
- 退所者の栄養管理に関する情報連携の促進
- 再入所時栄養連携加算の対象の見直し
②-2 自立支援・重度化防止に係る取組の推進
- 通所介護等における入浴介助加算の見直し
- 通所リハビリテーションにおける入浴介助加算(Ⅱ)の見直し
- ユニットケア施設管理者研修の努力義務化
- 介護老人保健施設における在宅復帰・在宅療養支援機能の促進
- かかりつけ医連携薬剤調整加算の見直し
②-3 LIFEを活用した質の高い介護
- 科学的介護推進体制加算の見直し
- 自立支援促進加算の見直し
- アウトカム評価の充実のためのADL維持等加算の見直し
- アウトカム評価の充実のための排せつ支援加算の見直し
- アウトカム評価の充実のための褥瘡マネジメント加算等の見直し
介護報酬改定のポイント③良質な介護サービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくり
「良質な介護サービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくり」では、以下のような視点で改定の議論が行われました。
- 介護を担う人材の不足や将来の担い手減少の中で、更なる介護サービスの質の向上を図るため、賃上げ等を通じた介護人材の確保・生産性の向上に対応していくこと
- 全産業における賃上げの動きも踏まえ、介護職員の処遇改善、介護職員のやりがい・定着・キャリアアップにもつながる職場環境の改善に向けた先進的な取組を推進していくこと
- 介護ロボットや ICT 等のテクノロジーやいわゆる介護助手の活用、また、両立支援・休暇取得の促進などにより、サービスの質の向上と業務負担の軽減を図ること
- 経営の協働化・大規模化やテレワークなどの柔軟な働き方などを通じた介護職員の負担軽減や効率的なサービス提供の推進に資する取組により、喫緊の課題である人材確保につながる職場環境づくりを進めること
このような視点に基づいて議論が行われ、以下の改定の内容について審議報告が行われています。
③-1 介護職員の処遇改善
- 介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算・介護職員等ベースアップ等支援加算の一本化
③-2 生産性の向上等を通じた働きやすい職場環境づくり
- テレワークの取扱い
- 利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を 検討するための委員会の設置の義務付け
- 介護ロボットや ICT 等のテクノロジーの活用促進
- 生産性向上に先進的に取り組む特定施設における人員配置基準の特例的な柔軟化
- 介護老人保健施設等における見守り機器等を導入した場合の夜間における人員配 置基準の緩和
- 認知症対応型共同生活介護における夜間支援体制加算の見直し
- 人員配置基準における両立支援への配慮
- 外国人介護人材に係る人員配置基準上の取扱いの見直し
③-3 効率的なサービス提供の推進
- 管理者の責務及び兼務範囲の明確化
- いわゆるローカルルールについて
- 訪問看護等における24時間対応体制の充実
- 訪問看護における24時間対応のニーズに対する即応体制の確保
- 退院時共同指導の指導内容の提供方法の柔軟化
- 薬剤師による情報通信機器を用いた服薬指導の評価の見直し
- 通所介護、地域密着型通所介護における個別機能訓練加算の人員配置要件の緩和
- 及び評価の見直し
- ユニット間の勤務体制に係る取扱いの明確化
- 随時対応サービスの集約化できる範囲の見直し
- (看護)小規模多機能型居宅介護における管理者の配置基準の見直し
- 公正中立性の確保のための取組の見直し
- 介護支援専門員1人当たりの取扱件数(報酬)
- 介護支援専門員1人当たりの取扱件数(基準)
- 小規模介護老人福祉施設の配置基準の見直し
介護報酬改定のポイント④制度の安定性・持続可能性の確保
「制度の安定性・持続可能性の確保」では、以下のような視点で改定の議論が行われました。
- 保険料・公費・利用者負担で支えられている介護保険制度の安定性・持続可能性を高めていくことで、若年層から高齢者まで全ての世代にとって安心できる制度としていくこと
- 全世代型社会保障の基本理念に基づき、サービス提供の実態を十分に鑑みながら、利用者負担・保険料負担への影響を踏まえ、評価の適正化・重点化、報酬体系の整理・簡素化を進めていくこと
このような視点に基づいて議論が行われ、以下の改定の内容について審議報告が行われています。
④-1 評価の適正化・重点化
- 訪問介護における同一建物等居住者にサービス提供する場合の報酬の見直し
- 理学療法士等による訪問看護の評価の見直し
- 短期入所生活介護における長期利用の適正化
- 同一建物に居住する利用者へのケアマネジメント
- 多床室の室料負担
④-2 報酬の整理・簡素化
- 運動器機能向上加算の基本報酬への包括化
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護の基本報酬の見直し
- 経過的小規模介護老人福祉施設等の範囲の見直し
- 認知症情報提供加算の廃止
- 地域連携診療計画情報提供加算の廃止
- 長期療養生活移行加算の廃止
介護報酬改定のポイント⑤その他
その他、以下の改定の内容について審議報告が行われています。
- 「書面掲示」規制の見直し
- 特別地域加算、中山間地域等の小規模事業所加算及び中山間地域に居住する者へ のサービス提供加算の対象地域の明確化
- 特別地域加算の対象地域の見直し
- 居宅療養管理指導における高齢者虐待防止措置及び業務継続計画の策定等に係る 経過措置期間の延長
- 通所系サービスにおける送迎に係る取扱いの明確化
- 看護小規模多機能型居宅介護におけるサービス内容の明確化
- 基準費用額(居住費)の見直し
- 地域区分
最後に
本記事は、作成時点の最新資料を基に作成しています。
今後、厚生労働省より通知や資料などが公開されますので、詳細につきましては、最新情報をご確認いただきますようにお願い致します。
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