ケアプランデータ連携システムとは?導入のメリットと料金
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厚生労働省は、居宅介護支援事業所と介護サービス事業所の業務負担を軽減するために、『ケアプランデータ連携システム』の構築を進め、介護保険最新情報Vol.1096やVol.1109にて情報が提供されています。
今回の記事では、現在公表されている情報を基に、『ケアプランデータ連携システム』について詳しく説明していますので、ぜひ最後までお読みください。
ケアプランデータ連携システムとは?
ケアプランデータ連携システムとは、居宅介護支援事業所と介護サービス事業所の間で毎月やり取りされるケアプランの一部(サービス提供票等)について、データを連携させることで、事業所間のデータのやり取りを効率化するためのシステムです。 システムの構築、運用は、介護報酬請求の電子請求受付システム等と同じく「公益社団法人国民健康保険中央会」が行っています。
ケアプランデータ連携システムの運用開始のスケジュールは?
ケアプランデータ連携システムは、2022年12月現在、システムの開発中となっています。 以下のような運用開始のスケジュール案が公表されていますので、本格稼働は『2023年(令和5年)4月』が予定されています。
ケアプランデータ連携システムで連携できる様式は?
『ケアプランデータ連携CSVファイルレイアウト定義書』によると、ケアプランデータ連携システムで連携できる様式は以下のようになっています。
- 居宅サービス計画(第1表)
- 居宅サービス計画(第2表)
- サービス利用票(第6表)
- サービス利用票別表(第7表)
ケアプランデータ連携クライアントソフトとは?
ケアプランデータ連携クライアントソフトとは、国民健康保険中央会のWEBサイトからダウンロードし、パソコンにインストールするソフトです。 ケアプランデータ連携システムにデータを送受信するために必要になります。
ケアプランデータ連携基盤とは?
ケアプランデータ連携基盤とは、国民健康保険中央会が運営するシステムで、それぞれの介護サービス事業所のケアプランデータの送受信先です。
ケアプランデータ連携システムを導入するまでの流れ
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利用申請
ケアプランデータ連携システムの専用WEBサイトで申請します。 -
クライアントソフトのインストール
国保中央会のWEBサイトからクライアントソフトをダウンロードして、事業所のパソコンにインストールします。 -
電子証明書の確認
介護報酬請求の電子請求受付システムを利用しているか(電子証明書があるか)を確認します。 -
電子証明書の申請
電子証明書がない場合、電子請求受付システムのWEBサイトから電子証明書の発行申請をします。 -
電子証明書のダウンロード
電子証明書が発行されたら、電子請求受付システムのWEBサイトから電子証明書をダウンロードします。
ケアプランデータ連携システムを導入するために必要な環境
ケアプランデータ連携システムを導入するために必要な環境は、以下のようになっています。
- パソコン(Windows10以降)
- 厚生労働省のケアプラン標準仕様に準拠した介護ソフト
- ケアプランデータ連携クライアント
ケアプランデータ連携システムを導入するメリットとは?
業務効率化、人件費、印刷費、郵送費、交通費、FAX、転記ミス、負担軽減、コスト削減、csv、 ケアプランデータ連携システムを導入するメリットとして『業務効率化』と『費用効果(コスト削減)』が挙げられます。
導入のメリット①業務効率化
- 記載時間の削減
- データ管理による文章量削減
- 転記誤りの削減
- 返戻のリスクの軽減
- 介護従業者の負担軽減
そして、業務効率化が進むことによって、利用者を支援するための時間を増やすことができ、ケアの質の向上に繋がっていることも相乗効果の例として挙げられています。
導入のメリット②費用効果(コスト削減)
- 人件費の削減
- 印刷費の削減
- 郵送費の削減
- 交通費の削減
- 通信費(FAX)の削減
厚生労働省の調査研究のアンケート結果から試算した見込額は、『人件費削減を考慮した場合、1年間に約81万6千円の削減』、『人件費削減を考慮しない場合でも、1年間に約7万2千円の削減』となっています。 また、コスト削減が実現できることで、人材の確保・定着、職場環境の維持・向上のための費用の割り当て増などが相乗効果の例として挙げられています。
ケアプランデータ連携システムの料金・費用
ケアプランデータ連携システムを導入するためには、『ケアプランデータ連携システムのライセンス料』、『電子証明書発行手数料』、『ケアプラン標準仕様に準拠した介護ソフトの利用料金』が必要になります。
項目 | 料金・費用 |
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ケアプランデータ連携システムのライセンス料 | (1年)21,000円 |
電子証明書発行手数料 | (3年)13,200円 |
ケアプラン標準仕様に準拠した介護ソフトの利用料金 | (月額)5,000~30,000円ほど |
ケアプランのデータを効率的に他の介護事業所と連携するためには?
ケアプランのデータを効率的に他の介護事業所と連携するためには、ケアプランデータ連携システムを導入する方法以外にも、介護ソフトの機能のひとつである『ケアプランのデータを共有・連携する機能』を使うことで実現することができます。
弊社の提供するカイポケでは、居宅介護支援事業所からサービス事業所へケアプラン(提供票)やメッセージをネットで送付できる『カイポケケア連携』と、カイポケ会員同士の居宅介護支援事業所と他のサービス事業所間でケアプラン(提供票)の予定と実績を相互にやり取りできる『カイポケデータ連携』の2つの方法で他の介護事業所と効率的に連携が可能です。
カイポケケア連携とは?
カイポケケア連携は、居宅介護支援事業所とサービス事業所間の提供票等のやり取りを効率化するサービスです。カイポケ会員の居宅介護支援事業所は、カイポケ上でボタンをクリックするだけでサービス事業所に提供票等を送ることができます。パスワードでの保護に加えて、氏名の自動黒塗りなど、セキュリティ対策も万全。提供票以外にもメッセージ等のやり取りも可能です。
カイポケ連携で共有できる様式は?
カイポケケア連携では、ケアプラン(提供票)の他にも以下の書類をPDFで居宅介護支援事業所からサービス事業所へ送信できます。
- 申込書
- アセスメント簡易版
- 居宅サービス計画書(1表・2表)
- 週間サービス計画書(3表)
- 担当者会議の要点
- アルバム(写真)
- 提供票
- メッセージ
サービス事業所はデータの受信とメッセージの送受信が可能です。
カイポケケア連携の利用条件は?
カイポケケア連携は、居宅介護支援事業所がカイポケ会員なら、デイサービスや訪問介護などのサービス事業所がカイポケ会員でなくても利用可能です。カイポケ非会員のサービス事業所へは、FAXでデータのダウンロード方法をご連絡します。
カイポケケア連携を利用する流れ
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カイポケ会員の居宅介護支援事業所は、カイポケ上のカイポケケア連携機能から送信したいデータを選択し、サービス事業所へボタン1つで送信できます。カイポケ会員のサービス事業所はカイポケ上の同一画面でデータの受け取りが可能です。非会員のサービス事業所へは送信通知がFAXで届きます。
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居宅介護支援事業所から届いたFAXに記載のユーザーIDとパスワードでカイポケケア連携にログインします。(非会員のサービス事業所) 初回のパスワードは貴社の事業所番号(10桁)です。
※パスワードは後から変更することができます。 -
居宅介護支援事業所から共有された利用者提供票やファイルがダウンロードできます。ファイルの保管期間は90日間です。
※ファイルの保管期間から30日間を過ぎると、共有されたファイルが完全に消去されます。
カイポケケア連携のメリット
ケアプランデータ連携システムと同様に、『業務効率化』と『費用効果(コスト削減)』が可能です。加えて、カイポケケア連携ではカイポケ上でデータ送信が可能なため、居宅介護支援事業所は外部ソフトを介さずにそのままカイポケ上からデータの送信ができます。
カイポケケア連携の料金・費用
カイポケケア連携はカイポケの基本料金に含まれているため、データの送受信件数を問わず追加費用は発生しません。ただし、居宅介護支援事業所がカイポケタブレットからカイポケケア連携を利用しFAXでサービス事業所へデータを送信する場合は、帳票1枚につき5円かかります。
カイポケデータ連携とは?
カイポケデータ連携は居宅介護支援事業所とサービス事業所間の提供票の予定と実績のやり取りを効率化するサービスです。カイポケ上でボタンをクリックするだけで居宅介護支援事業所とサービス事業所はお互いに提供票の内容を送ることができます。
カイポケデータ連携で共有できる様式は?
カイポケデータ連携では、居宅介護支援事業所とサービス事業所が提供票のデータを送受信する事ができます。居宅介護支援事業所は予定の送信と実績の受信、サービス事業所は予定の受信と実績の送信が可能です。
カイポケデータ連携の利用条件は?
カイポケデータ連携は居宅介護支援事業所とサービス事業所のどちらもカイポケ会員である必要があります。サービス事業所がカイポケ非会員の場合は、カイポケケア連携を利用し提供票のデータ送信が可能です。
カイポケデータ連携を利用する流れ
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居宅介護支援事業所はカイポケ上で提供票の予定を登録し、データ連携機能でサービス事業所へ予定を送信します。
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サービス事業所はカイポケ上で居宅介護支援事業所から届いた提供票の予定をデータ受信します。
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サービス事業所はカイポケ上に提供票の実績を登録し、データ連携機能で居宅介護支援事業所へ実績を送信します。
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居宅介護支援事業所はカイポケ上でサービス事業所から届いた提供票の実績データを受信します。
カイポケデータ連携のメリット
月末月初の居宅介護支援事業所とサービス事業所の提供票の送付は膨大な作業量です。提供票を印刷して、FAXや郵送で送信している事業所では、月末月初の数日間はこの作業に追われる事業所も多いのではないでしょうか? カイポケなら、居宅介護支援事業所がサービス事業所へ予定を展開するときと、サービス事業所が居宅介護支援事業所へ実績を展開するときに、カイポケ上からお互いにデータで送受信することができます。 初期設定さえ済んでいれば、カイポケ画面上から、ボタン一つで送受信することが可能で、業務を効率化でき、印刷不要・FAX不要・郵送不要になるので、コスト負担の削減にもつながります。データで送信することができるため、FAXのようにインクで文字が潰れ読みにくくなることもなく、また紙代もかかりません。
カイポケデータ連携の料金・費用
カイポケデータ連携はカイポケの基本料金に含まれているため、データの送受信件数を問わず追加費用は発生しません。
まとめ
厚生労働省が進める『ケアプラン連携システム』についてご紹介してきました。 ケアプランデータ連携システムは、居宅介護支援事業所と介護サービス事業所の業務効率化を進めるためのシステムとして開発、構築、運用される予定です。 毎月必ずやり取りするサービス提供票等は、変更したデータの共有、転記の業務負担、転記ミスなどは、システムを導入し、効率化を図ることがこれからの事業所運営に求められていると言えるでしょう。 文中でご紹介したように、ケアプランのデータ連携は『カイポケ』を導入することで、『ケアプラン連携システム』の本格運用を待たずとも、すぐに導入することができます。 他の介護サービス事業所とデータ連携を進めたいと考えている方は、ぜひカイポケの導入をご検討ください。