介護ソフトの月額料金の相場は『5,000円~5万円』。介護保険請求ソフト・システムの料金体系と費用、価格だけで選ぶ時の注意点を解説

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厚生労働省が介護現場のICT化を推進していることも後押しとなって、介護ソフトの導入・乗り換えを検討している介護事業者の方々も多いのではないでしょうか。

介護ソフト(介護システム)を選ぶにあたって、「介護ソフトっていくらかかるの?」「導入にはどのような費用がかかるの?」「介護保険請求ソフトの料金体系ってどうなっているの?」といった疑問が浮かぶかもしれません。

株式会社三菱総合研究所の調査結果によると、月額払いの介護ソフトを導入している事業所の利用料金は、『5,000円~5万円』の価格帯が多いことが示されています。

この記事では、介護ソフト(介護保険請求ソフト・システム)の料金体系や価格の相場、費用の内訳、導入費用に活用できる補助金、値段の安い介護ソフトを選ぶ際の注意点などについてご紹介していきます。適正価格で介護ソフトを選びたいと思っている介護事業者の皆様は、ぜひ最後までご覧ください。

なお、料金以外の比較ポイントや介護ソフトのシェアランキングについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

介護ソフト(介護保険請求ソフト・システム)の購入方法・料金の支払方法

介護ソフトの導入では、ソフト自体を購入する場合とソフトの利用料を定期的に支払う場合があります。

インストール型(パッケージ型)のソフトを購入する場合は、購入時に一括で料金を支払い、購入したソフトをPCやサーバーへインストールする仕組みとなっています。

一方、ソフトの利用料を支払う場合は、月額や年額で料金を支払い、クラウド型のソフト等を利用する仕組みになっています。

クラウド型とパッケージ型のソフトの違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

使用権とは?

ソフトの使用権とは、使用許諾契約(ライセンス契約)を交わすことで得るソフトを利用するための権利です。使用許諾契約には、ソフトを利用できる地域、期間、使用範囲等が定められ、その範囲でソフトを利用することができます。

介護ソフトでは、インストール型のソフトで使用権が用いられることがあり、使用期間は5~6年となっていることが多いようです。

リースとは?

リースとは、ソフトの購入費用を一括で支払うのではなく、リース会社が代わりに購入し、リース会社に対して毎月(または年に数回)のリース料を支払う形でソフトを利用する契約です。

介護ソフトでは、インストール型のソフトで初期費用が高額になる場合に、初期費用の負担を無くし、月々の支払いを一定にするために利用されています。

ただし、リース会社に手数料を支払う契約となっているため、最終的な支払総額は、一括購入する場合よりも高額になります。

クラウド型の介護ソフト・システムの料金体系

クラウド型の介護ソフトの料金体系は、

に分けられます。

基本料金のみで利用できるソフトもあれば、基本料金にプラスしてオプション料金や保守料金が必要なものもあるので、導入する前に確認しておきましょう。

介護ソフトの基本料金。定額制と従量課金制とは?

クラウド型の介護ソフトの基本料金は、定額制と従量課金制に分けられます。

定額制はシンプルで、月額や年額でいくら払うかが決まっている料金体系です。

従量課金制は、アカウント数や利用者数等に応じて利用料金が変動する料金体系です。

従量課金制の介護ソフトは、アカウント数や利用者数等が少ない創業期には費用負担を抑えて利用することができますが、事業の規模が大きくなってくると費用負担が大きくなってしまうことがありますので、注意しましょう。

オプション料金とは?

オプション料金とは、介護ソフトの基本料金で使用できる機能以外の機能を追加して利用する場合に発生する費用です。

例えば、計画書作成、記録入力、請求などの機能が基本料金で利用できる介護ソフトで、「個別機能訓練加算に係る計画書の作成・管理を行う機能」や「栄養ケアに係る計画書の作成・管理を行う機能」などがオプションとして用意され、これらの機能を使うためには追加料金が必要になるといった料金体系があります。

保守料金とは?

介護ソフトの基本料金とは別に、保守に係る料金を設定している介護ソフトもあります。

保守料金は、介護ソフトを正常な状態で利用できるようにメンテナンスをする費用です。インストール型のソフトの場合、ソフトウェアの保守料金とソフトをインストールしているPC・サーバーの保守料金が必要になる場合があります。

初期費用とは?

クラウド型の介護ソフトでも、初期費用が必要なものと、初期費用がかからないものがあります。

初期費用は、介護ソフトの利用を開始する際に支払う費用です。アカウントの開設や初期設定、操作説明(導入研修)、他の介護ソフトからのデータ移行などに費用がかかることがあります。

法改正対応費用とは?

法改正対応費用は、介護報酬改定や制度改正にあわせて、介護ソフトの計算方法や帳票を更新するための費用です。クラウド型の介護ソフトでも、この費用がかかる場合があります。

介護報酬は定期的に改定されるため、改定のたびに追加費用が発生するのか、法改正対応費用が月額料金に含まれているのかを確認しておくと良いでしょう。

解約金とは?

契約期間の途中で解約する場合の解約金を設定している介護ソフトもあります。

契約期間の縛りがあるか、途中で解約した場合にいくらかかるかを確認しておきましょう。

介護ソフトの料金体系・項目とチェックポイント

介護ソフトの料金体系・費用の項目とチェックポイントは次のとおりです。

費用の項目 内容 チェックポイント
初期費用 利用開始時の設定、導入研修、データ移行など 費用の有無、データ移行が含まれるか
基本料金 ソフトの利用料(定額制・従量課金制) 料金の単位(事業所・アカウント・利用者など)
オプション料金 基本料金に含まれない機能の追加費用 必要な機能が基本料金に含まれているか
保守・サポート料金 メンテナンスや問い合わせ対応の費用 月額料金に含まれているか
法改正対応費用 介護報酬改定・制度改正への対応費用 改定のたびに追加費用が発生するか
解約金 途中解約時の費用 契約期間の縛りや解約条件

月額制の介護ソフト・システムの料金相場は『5,000円~5万円』

介護ソフトは提供する会社によって機能やサービスに違いがある上に、事業所の規模やサービス種別によって料金が異なります。

株式会社三菱総合研究所の「介護分野の生産性向上に向けたICTの更なる活用に関する調査研究」では料金体系別の支払金額の調査結果が示されています。

一括購入型の利用料金

一括購入型の場合、『100万円~500万円未満』が31%と最多で、次いで『10万円~50万円未満』の22.4%、『500万円以上』の11.9%となっています。

購入時一括支払い方式円グラフ

出典:令和2年度老人保健健康増進等事業「介護分野の生産性向上に向けたICTの更なる活用に関する調査研究」

月額制の利用料金

月額制の場合、『2万円〜5万円未満』が35.1%と最多で、次いで『1万円〜2万円未満』の22.7%、『5,000円〜1万円未満』の15.1%となっています。

月額制の利用料金は『5,000円~5万円』が『72.9%』を占めているということになります。

月額払方式・利用料金円グラフ

出典:令和2年度老人保健健康増進等事業「介護分野の生産性向上に向けたICTの更なる活用に関する調査研究」

年額制の利用料金

年額制の場合、『1万円〜10万円未満』が41.3%と最多で、次いで『10万円〜50万円未満』の39.7%、『50万円〜100万円未満』と『100万円〜500万円未満』がそれぞれ6.6%となっています。

年額支払方式・利用料金円グラフ

出典:令和2年度老人保健健康増進等事業「介護分野の生産性向上に向けたICTの更なる活用に関する調査研究」

介護ソフトを導入する時に必要な機器のおおよその料金

介護ソフトを導入する際には、ソフトを使うためのパソコンやタブレット、Wi-Fi環境の構築のための備品が必要になります。ここでは、介護ソフトを導入する際に必要となる機器のおおよその購入費用をご紹介します。

機器名 おおよその料金
パソコン(1台) (レンタル)月額2,000円~1万2,000円
(購入)5万円~30万円
タブレット(1台) (レンタル)月額0円~8,000円
(購入)10万円~20万円
スマートフォン(1台) (レンタル)月額1,300円~1万1,000円
(購入)5,000円~20万円
Wi-Fi環境 (レンタル)月額3,000円~5,000円
(購入)1万円~5万円

介護ソフト・システムの料金・価格を比較する方法

介護ソフトの料金体系は、一括購入型、年額制、月額制など様々であるため、一見して比較することが難しいです。ここでは、料金体系の異なる介護ソフトの料金・価格を比較する方法について、以下の3つの観点からご紹介していきます。

①5年間の料金の総額で比較をする

料金体系が異なるソフトの料金を比較する際には、5年間の料金の総額を計算してみましょう。例えば、以下の2種類のソフトを比較するとします(金額は説明のための仮の数値です)。

A社 B社
料金体系 一括購入型 月額制
ソフトの使用料金 200万円(5年間) 2万5,000円(月額)
年間保守費用 3万円 なし

この表を見ただけだと、どちらのソフトの料金がどのくらい安くなるかなどは分かりづらいです。そこで、この2社を5年間使用した場合の料金の総額を計算すると、

となり、料金の比較がしやすくなります。

②介護ソフトを導入する時に必要な機器の料金も考慮する

介護ソフトを活用するためには、ソフトだけでなくタブレットやスマートフォンなどにも料金を支払う必要がでてきますから、ソフトの使用料金に加えてタブレット等の機器の料金もあらかじめ把握しておきましょう。

例えば、ソフトの使用料金(5年間の総額)に、タブレット等の機器の使用料金または購入費用を加えることで、介護ソフトにかかるコストを正確に比較することができます。

③職員数・利用者数が増えたときの料金で比較する

従量課金制の介護ソフトは、アカウント数や利用者数などに応じて料金が変動します。導入時点の料金だけで比較すると、事業所の規模が大きくなったときに、想定よりも費用がかさむことがあります。

比較する際は、現在の職員数・利用者数での料金に加えて、今後の事業計画にあわせて、職員や利用者が増えた場合の料金も試算しておきましょう。

定額制の介護ソフトは、職員数や利用者数が増えても料金が変わらないため、将来の費用の見通しを立てやすくなります。

料金・価格の安い介護ソフト・システムを選ぶ際の注意点

介護ソフトを選ぶ際、事業所の経営という視点から「料金が安いこと」は重要です。しかし、「料金が安いから契約したけど、使い勝手が悪い」といったことにならないように注意しなくてはいけません。

一般的には機能が充実しているものほど価格が高く、機能が少ない・シンプルなものほど価格が安い傾向にあります。また、機能が少ない・シンプルなソフトは、機能を拡充させるためにオプション料金が設定されていたり、別のソフトを導入して連携させる必要があったりします。ソフトを運用するために必要な機能を追加することで、トータルの利用料金が高額になってしまうこともありますので、「①必要な機能を明確にすること」、「②必要な機能をすべて利用するために必要な料金で比較すること」に注意して、ソフトの比較をすると良いでしょう。

なお、介護ソフトを導入する際の機能・サポート・口コミなど比較ポイントについて、こちらの記事で詳しく解説しています。

介護ソフトの導入費用に活用できる補助金

介護ソフトの導入費用は、国や都道府県の補助金を活用して抑えられる場合があります。代表的な制度は次の2つです。

制度名 実施主体 主な補助対象
介護テクノロジー導入支援事業 都道府県 介護ソフト、タブレット端末、スマートフォン、インカム、クラウドサービスなど
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金) 国(中小企業庁) 事務局に登録されたITツール(ソフトウェア、サービスなど)

介護テクノロジー導入支援事業(旧:介護ロボット導入支援事業・ICT導入支援事業)

介護テクノロジー導入支援事業は、介護事業者が介護ソフトや見守り機器、インカムなど、介護現場の負担軽減につながる介護ロボットやICT機器などの導入費用を都道府県が補助する制度です。

補助率や補助上限額、募集期間は都道府県によって異なり、「介護テクノロジー定着支援事業」など、都道府県によって事業の名称が異なる場合もあります。

申請のタイミングや対象となる経費の条件も都道府県ごとに定められているため、介護ソフトを契約する前に、事業所が所在する都道府県のホームページで最新の情報を確認しましょう。

介護テクノロジー導入支援事業について、こちらの記事で詳しく解説しています。

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)

デジタル化・AI導入補助金は、中小企業・小規模事業者等が、事務局に登録されたITツール(ソフトウェア、サービス等)を導入する際の経費の一部を補助する国の制度です。介護事業者も、要件を満たせば対象となります。

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)について、こちらの記事で詳しく解説しています。

無料体験期間のある介護ソフト・システムの一覧

介護ソフトの中には、無料体験期間やデモンストレーションの機会を設けているものが多くあります。無料で利用できる期間や条件はソフトによって異なりますので、利用を開始する前に確認しておきましょう。

ここでは、無料で利用できる期間が設けられている介護ソフトを一覧(五十音順)でご紹介します。

※本ページに記載されている無料体験期間の情報は、2026年10月21日時点の各社の公開情報をもとに作成しております。最新の情報と異なる場合がありますので、詳細は各社の公式サイトにてご確認ください。

ソフト名 無料体験期間
介舟ファミリー 3か月
カイポケ 2か月
かんたんヘルパーさん 1か月
ケア樹Free 2か月
ケアマザー 60日
トリケアトプス 3か月
ナーシングネットプラスワン 2か月
まもる君クラウド 60日
楽すけ 6か月

まとめ

ここまで、介護ソフト(介護保険請求ソフト・システム)の料金体系や、それぞれのソフトの価格を比較する方法などについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

介護ソフトの料金体系は、ソフトのタイプによって大きな違いがあります。

比較する際は、初期費用・基本料金・オプション料金・保守料金などを含めた総額で比べるとともに、介護テクノロジー導入支援事業やデジタル化・AI導入補助金などの補助金を活用できるかどうかも確認しましょう。

介護ソフト選びでは、「基本料金が安いから契約したけど、アカウント・機能を追加したら料金がすごく高くなった」や「料金が安いから契約したけど、使い勝手が悪い」と後悔するケースがあるようです。このような後悔をしないためにも、オプション料金や保守料金も含めた価格を比較した上で、無料体験やデモンストレーションで使用感・使い勝手を確かめましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

株式会社エス・エム・エス

カイポケメディア編集部

カイポケメディア編集部には、看護師や社会福祉士をはじめ、介護事業所の運営経験者、介護ソフトの導入サポート経験者など、幅広い知見を持つメンバーが在籍しています。
制度と現場の実務に精通した視点から、介護事業所の開業、日々の業務効率化、経営改善に役立つ情報を発信しています。

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