【令和7年度 賃上げ・処遇改善の補助金】介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業について解説
この記事は、厚生労働省から通知された介護保険最新情報Vol.1454「令和7年度介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業」の内容をまとめています。
新たな情報が介護保険最新情報にて通知される可能性もありますので、ご了承の上、お読みください。
作成日:2025年12月26日
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目次
- 令和7年度介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業(処遇改善の補助金)とは?
- 令和7年度 賃上げ・処遇改善の補助金の金額
- 令和7年度 賃上げ・処遇改善の補助金の対象事業所
- 令和7年度 賃上げ・処遇改善の補助金の要件
- 令和7年度 賃上げ・処遇改善の補助金の対象経費
- 令和7年度 賃上げ・処遇改善の補助金の申請の流れ
- 令和7年度 賃上げ・処遇改善の補助金の留意点
- 最後に
令和7年度介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業(処遇改善の補助金)とは?
令和7年度に実施される介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業とは、介護職員等の人材不足が厳しい状況にあることから、「令和8年度介護報酬改定の時期を待たず、人材流出を防ぐための緊急的対応として、賃上げ・職場環境改善の支援を行うこと」を目的として実施される事業です。
令和7年度 賃上げ・処遇改善の補助金の金額
【計算式】:被保険者ごとの補助額 = 基準月の介護総報酬 × 交付率
※被保険者ごとの補助額は、1円未満の端数は切り捨て
『基準月の介護総報酬』とは?
基準月は、原則令和7年12月となります。
介護報酬総報酬とは、介護報酬総単位数(基本報酬サービス費に各種加算減算を加えた単位数)に、1単位の単価を乗じた金額を指します。
補助金の交付率
【在宅サービス】処遇改善加算対象のサービス種別
| サービス区分 | ①+②+③の交付率(うち賃金改善経費分) | ①+③の交付率(うち賃金改善経費分) | ①の交付率(うち賃金改善経費分) |
|---|---|---|---|
| 訪問介護 | 26.4%(21.6%) | 20.4%(15.6%) | 15.6%(15.6%) |
| 夜間対応型訪問介護 | 20.4%(17.4%) | 16.2%(13.2%) | 13.2%(13.2%) |
| 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | 20.4%(17.4%) | 16.2%(13.2%) | 13.2%(13.2%) |
| (介護予防)訪問入浴介護 | 20.4%(17.4%) | 16.2%(13.2%) | 13.2%(13.2%) |
| 通所介護 | 19.2%(16.2%) | 15.6%(12.6%) | 12.6%(12.6%) |
| 地域密着型通所介護 | 24.6%(21.0%) | 20.4%(16.8%) | 16.8%(16.8%) |
| (介護予防)通所リハビリテーション | 16.8%(14.4%) | 13.8%(11.4%) | 11.4%(11.4%) |
| (介護予防)認知症対応型通所介護 | 34.8%(28.8%) | 27.6%(21.6%) | 21.6%(21.6%) |
①は処遇改善加算を算定している事業所
②生産性向上や協働化に係る取組を行っている事業所(ケアプランデータ連携システムの加入・見込み、または社会福祉連携推進法人に所属)
③職場環境改善等の取組の実施・計画を行っている事業所(現場の課題の見える化、業務改善活動の体制構築、業務内容の明確化と職員間の適切な役割分担の取組、のいずれか)
【在宅サービス】処遇改善加算対象外のサービス種別
| サービス区分 | 交付率(うち賃金改善経費分) |
|---|---|
| (介護予防)訪問看護 | 13.2%(13.2%) |
| (介護予防)訪問リハビリテーション | 10.8%(10.8%) |
| 居宅介護支援、介護予防支援 | 15.0%(15.0%) |
令和7年度 賃上げ・処遇改善の補助金の対象事業所
対象のサービス区分
- 訪問介護
- 夜間対応型訪問介護
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
- (介護予防)訪問入浴介護
- 通所介護
- 地域密着型通所介護
- (介護予防)通所リハビリテーション
- (介護予防)認知症対応型通所介護
- (介護予防)特定施設入居者生活介護
- 地域密着型特定施設入居者生活介護
- (介護予防)小規模多機能型居宅介護
- 看護小規模多機能型居宅介護
- (介護予防)認知症対応型共同生活介護
- 介護福祉施設サービス
- 地域密着型介護老人福祉施設
- (介護予防)短期入所生活介護
- 介護保健施設サービス
- (介護予防)短期入所療養介護(老健)
- 介護医療院サービス
- (介護予防)短期入所療養介護(病院等・医療院)
- (介護予防)訪問看護
- (介護予防)訪問リハビリテーション
- 居宅介護支援、介護予防支援
対象外のサービス区分
- (介護予防)福祉用具貸与
- 特定(介護予防)福祉用具販売
- (介護予防)居宅療養管理指導
令和7年度 賃上げ・処遇改善の補助金の要件
処遇改善加算対象の在宅系のサービス事業所
訪問介護、夜間対応型訪問介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、(介護予防)訪問入浴介護、通所介護、地域密着型通所介護、(介護予防)通所リハビリテーション、(介護予防)認知症対応型通所介護の算定要件は以下のようになっています。
また、①の要件に加えて、②及び③の要件を満たす事業所、③の要件を満たす事業所は、それぞれの要件に応じて設定されている交付率が適用されます。
①基準月において、処遇改善加算を算定していること。ただし、基準月において処遇改善加算を取得していない場合であっても、申請時に処遇改善加算を算定している又は処遇改善加算の算定を誓約した場合は、本補助金の申請要件の審査に当たっては、基準月から処遇改善加算を算定しているものとして取り扱う。なお、処遇改善加算の算定を誓約した場合は、介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業実績報告書(以下「実績報告書」という。)において処遇改善加算の算定について報告することとする。
②基準月において、生産性向上や協働化に係る取組として以下のいずれかの取組を行っていること。
(ア)ケアプランデータ連携システム(厚生労働省がケアプランデータ連携システムと同等の機能とセキュリティを有するシステムとして認めたものを含む。以下同じ。)に加入していること。ただし、基準月において、ケアプランデータ連携システムに加入していない場合であっても、申請時にケアプランデータ連携システムに加入している又はケアプランデータ連携システムの加入を誓約した場合は、本補助金の申請要件の審査に当たっては、基準月からケアプランデータ連携システム加入しているものとして取り扱うこととする。なお、ケアプランデータ連携システムの加入を誓約した場合は、実績報告書においてケアプランデータ連携システムの加入について報告することとする。
(イ)介護サービス事業所等が所属する法人が、社会福祉法(昭和26年法律第45号)第128条第1号イに規定する社会福祉連携推進法人(以下単に「社会福祉連携推進法人」という。)に所属していること。
③職場環境改善等に向けて、以下の(ア)~(ウ)のいずれかの取組の実施を計画又は既に実施していること。ただし、②の要件を満たしている場合は、③の要件を満たしているものとして取り扱うこととする。また、令和6年度介護人材確保・職場環境改善等事業による補助金の交付を受けている介護サービス事業所等については、職場環境改善等に向けた取組を既に実施していることとみなし、当該要件を満たしているものとして取り扱うこととする。
(ア)介護職員等の業務の洗い出しや棚卸しなど、現場の課題の見える化
(イ)業務改善活動の体制構築(委員会やプロジェクトチームの立ち上げ又は外部の研修会の活動等)
(ウ)業務内容の明確化と職員間の適切な役割分担の取組
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訪問看護、訪問リハ、居宅介護支援
(介護予防)訪問看護、(介護予防)訪問リハビリテーション、居宅介護支援、介護予防支援の算定要件は以下のようになっています。
以下の①又は②のいずれかを満たす介護サービス事業所等であること。
①基準月において、生産性向上や協働化に係る取組として以下のいずれかの取組を行っていること。
(ア)ケアプランデータ連携システムに加入していること。ただし、基準月において、ケアプランデータ連携システムに加入していない場合であっても、申請時にケアプランデータ連携システムに加入している又はケアプランデータ連携システムの加入を誓約した場合は、本補助金の申請要件の審査に当たっては、基準月からケアプランデータ連携システム加入しているものとして取り扱うこととする。なお、ケアプランデータ連携システムの加入を誓約した場合は、実績報告書においてケアプランデータ連携システムの加入について報告することとする。
(イ)介護サービス事業所等が所属する法人が、社会福祉連携推進法人に所属していること。
②基準月において、処遇改善加算Ⅳの算定に準ずる(ア)から(ウ)までの要件を全て満たすこと。
(ア)任用要件・賃金体系の整備等
次の一から三までを全て満たすこと。
一 職員の任用の際における職位、職責、職務内容等に応じた任用等の要件(職員の賃金に関するものを含む。)を定めていること。
二 一に掲げる職位、職責、職務内容等に応じた賃金体系(一時金等の臨時的に支払われるものを除く。)について定めていること。
三 一及び二の内容について就業規則等の明確な根拠規程を書面で整備し、全ての職員に周知していること。
ただし、常時雇用する者の数が10人未満の事業所等など、労働法規上の就業規則の作成義務がない事業所等においては、就業規則の代わりに内規等の整備・周知により上記三の要件を満たすこととしても差し支えない。また、申請時に上記一及び二の定めの整備を行うことを誓約した場合は、本補助金の申請要件の審査に当たっては、基準月から当該要件を満たしたものと取り扱うこととする。当該誓約をした場合は、実績報告書において当該定めの整備を行った旨を報告することとする。
(イ)研修の実施等
次の一及び二を満たすこと。
一 職員の職務内容等を踏まえ、職員と意見を交換しながら、資質向上の目標及びa又はbに掲げる事項に関する具体的な計画を策定し、当該計画に係る研修の実施又は研修の機会の確保をしていること。
a 資質向上のための計画に沿って、研修機会の提供又は技術指導等(OJT、OFFJT等)を実施するとともに、職員の能力評価を行うこと。
b 資格取得のための支援(研修受講のための勤務シフトの調整、休暇の付与、費用(交通費、受講料等)の援助等)を実施すること。
二 一について、全ての職員に周知していること。
ただし、申請時に上記一の計画を策定し、研修の実施又は研修機会の確保を行うことを誓約した場合は、本補助金の申請要件の審査に当たっては、基準月から当該要件を満たしたものと取り扱うこととする。当該誓約をした場合は、実績報告書において、当該計画の策定等を行った旨を報告することとする。
(ウ)職場環境等要件
別紙1表5に掲げる「入職促進に向けた取組」、「資質の向上やキャリアアップに向けた支援」、「両立支援・多様な働き方の推進」、「腰痛を含む心身の健康管理」及び「やりがい・働きがいの醸成」の区分ごとに1以上の取組を実施し、「生産性向上(業務改善及び働く環境改善)のための取組」のうち2以上の取組を実施すること。ただし、1法人あたり1の施設又は事業所のみを運営するような法人等の小規模事業者は、㉔の取組を実施していれば、「生産性向上(業務改善及び働く環境改善)のための取組」の要件を満たすものとする。ただし、申請時に職場環境等要件に係る取組を行うことを誓約した場合は、本補助金の申請要件の審査に当たっては、基準月から当該要件を満たしたものと取り扱うこととする。当該誓約をした場合は、実績報告書において、当該職場環境等要件に係る取組を行った旨を報告することとする。
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令和7年度 賃上げ・処遇改善の補助金の対象経費
令和7年度賃上げ・処遇改善の補助金の対象経費となるのは、『賃金改善経費』と『職場環境改善等経費』となっています。
賃金改善経費は、基本給、手当、賞与等(退職手当を除く。)により賃金改善に充てた金額が対象となります。
職場環境改善等経費は、職場環境を改善するための様々な取組を実施するための研修費、介護助手等の募集経費等として支出した金額が対象となります。
令和7年度 賃上げ・処遇改善の補助金の申請の流れ
具体的なスケジュールは、まだ公表されていませんので、管轄の都道府県から通知をご確認ください。
補助金申請の大まかな流れは以下のようになっています。
- 計画書、記載内容を証明する書類の作成
- 計画書の提出
- 補助金の交付
- 実績報告書、記載内容を証明する書類の作成
- 実績報告書の提出
- 2年間の書類の保管
令和7年度 賃上げ・処遇改善の補助金の留意点
- 補助金の要件を満たしていない場合や虚偽又は不正の手段により補助金を受けた場合は、補助金を返還しなくてはいけなくなります。
- この補助金による賃金改善は、介護報酬における処遇改善加算による賃金改善額には含めないこととなっています。
- 吸収合併、新設合併があった場合、複数の事業所の一括申請を行った事業者において廃止した事業所がある場合、就業規則を改訂(介護従事者の処遇に関する内容に限る。)した場合は、変更届出書の提出が必要になります。
- 事業の継続を図るために、職員の賃金水準を引き下げた上で賃金改善を行う場合には、特別事情届出書の提出が必要になります。
- 職場環境改善等経費として計上する経費は、介護テクノロジー導入・協働化等支援事業の対象経費(介護テクノロジー等の機器購入費用)として計上していないかを確認しましょう。
最後に
この記事は、2025年12月26日時点の資料の情報を基に作成しています。
議論されている介護分野の従事者に対する処遇改善の改定内容は、事業所の経営及び人材採用・育成の方針等にも影響がある事項です。
介護職員等処遇改善加算等の施策を活用するために、継続的に最新情報をキャッチアップし、自事業所の対応を検討しましょう。
参考資料:介護保険最新情報Vol.1454「令和7年度介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業の実施について」
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