介護予防サービス支援計画表の文例と様式無料ダウンロード



高齢者人口の増加に伴い、日常生活で介護や支援を必要とする高齢者の人数も増え続けています。そのような中で、介護保険制度を安定的に継続して運営していくために、それぞれの高齢者の介護が必要な状態に応じて適切なサービスの利用が図られています。
介護保険制度に基づく介護サービス・介護予防サービスは、市町村から要支援1・2、要介護1~5の認定を受け、介護サービス計画・介護予防サービス計画に基づいて利用する流れになっています。
今回は、要支援1・2の方が介護予防サービスを利用するにあたり必要となる『介護予防サービス計画(介護予防サービス・支援計画表)』について、書き方などをご紹介しています。ぜひ、ご一読ください。

目次

1.介護予防サービス・支援計画表とは?

介護予防サービス・支援計画表とは、要支援1・2の方が介護予防サービスを利用する際に作成される支援の計画(ケアプラン)です。
計画作成者が、利用者の状態や希望等を確認し、「どのような介護保険サービス(介護予防サービス)を、どれくらい利用するのか」を調整します。
介護予防サービスは、要介護状態になることを予防し、本人・家族・地域の協力などを含めて生活環境を調整し、「生活機能を維持・向上をさせること」を目的として実施されています。
ですから、介護予防サービスをどのように利用するのかを記載する『介護予防サービス・支援計画表』を作成する際は、可能な限り、生活機能の維持・向上を目指すものとなるよう心掛けなくてはいけません。

2.介護予防サービス支援計画表の記入例

介護予防サービス・支援計画書

介護予防サービス・支援計画表に記載する内容は以下のようになっています。

利用者名

利用者名を記入します。

認定年月日、認定の有効期間

要支援の認定年月日と認定の有効期間を記入します。

初回・紹介・継続

利用者の介護予防ケアマネジメント、予防給付の利用状況に応じて丸を付けます。
初めて介護予防ケアマネジメントや予防給付を受ける場合は『初回』に丸を付けます。
予防給付と介護予防ケアマネジメントを行き来する場合は『紹介』に丸を付けます。
予防給付と介護予防ケアマネジメントの行き来がなく、予防給付または介護予防ケアマネジメントを継続する場合は『継続』に丸を付けます。

認定済・申請中

要支援認定について、認定の有効期間中であり変更・更新申請などを行っていない場合は『認定済』に丸を付けます。
新規申請中、区分変更申請中、更新申請中であって前回の認定有効期間を超えている場合は『申請中』に丸を付けます。
要支援認定を受けていない場合は丸を付けません。

要支援区分

要支援認定済の場合は、要支援1または要支援2に丸を付けます。

地域支援事業

総合事業における介護予防ケアマネジメントを利用する場合は丸を付けます。

計画作成者氏名

計画作成者の氏名を記入します。

委託の場合:計画作成者事業者・事業所名及び所在地(連絡先)

委託を受けて介護予防ケアマネジメントを行う場合、その事業者名、事業所名、所在地等を記入します。

計画作成(変更)日・初回作成日

計画作成日を記入します。初回ではない場合、初回作成日も記入します。

担当地域包括支援センター

担当の地域包括支援センター名を記入します。

目標とする生活(1日/1年)

利用者の希望する生活を聴き取り、目標として記入します。
利用者の生活機能の状態や利用者が楽しい・得意だと思っていることなどを参考に目標を言語化し、利用者と目標を共有しましょう。

アセスメント領域と現在の状況

『運動・移動』、『日常生活(家庭生活)』、『社会参加、対人関係・コミュニケーション』、『健康管理』について、利用者の現在の状況等を記入します。

運動・移動 自宅や屋外の歩行状況や交通機関を使って移動することについての状況等を記入します。
日常生活(家庭生活) 買い物、調理、掃除、洗濯等の日常の家事等についての状況を記入します。
社会参加、対人関係・コミュニケーション 家族、近隣、友人との交流状況、家庭や地域での参加状況、趣味や楽しみの有無とその内容について記入します。
健康管理 食事や運動、入浴、整容、服薬、受診等の状況を記入します。

本人・家族の意欲・意向

『運動・移動』、『日常生活(家庭生活)』、『社会参加、対人関係・コミュニケーション』、『健康管理』の項目について、本人・家族の意向等を記入します。 「〇〇をやりたい」や「〇〇をやりたくない」と誰の意向なのかがわかるように記入しましょう。

領域における課題(背景・原因)

生活上の課題の有無を確認してチェックを記入します。
『有』の場合、現在の生活上の課題とその背景・原因を整理して、面談や書類などから得た情報にも考慮して課題とその背景や原因を記入します。

総合的課題

利用者の全体像を理解した上で、総合的な課題について記入します。
複数の領域に課題があった場合、その課題の背景や原因に共通点がないかを判断します。また、総合的な課題が複数あると判断した場合は、利用者にとって優先順位の高い順に課題を挙げます。

課題に対する目標と具体策の提案

総合的課題に対する目標と具体策を記入します。
目標には、評価可能で具体的な提案を記入し、具体策には、介護保険サービスだけではなく生活機能低下を予防するためのセルフケアや家族の支援、地域のインフォーマルサポートなども含めた提案内容を記入します。

具体策についての意向本人・家族

『課題に対する目標と具体策の提案』の記載について、本人や家族に意向を確認して、記入します。また、合意が得られなかった場合、意向の違いについて、その根拠や理由を確認して記入します。

目標

先ほどの本人や家族の意向を踏まえ、計画作成者と本人、家族で合意した目標を記入します。

目標についての支援のポイント

安全管理上のポイントやインフォーマルサービスの役割分担など、計画作成者が、目標の達成に向けた具体的な支援を考える上での留意点を記入します。

本人等のセルフケアや家族の支援、インフォーマルサービス

本人が自ら取り組むこと、家族が支援すること、地域のボランティア、近隣住民の協力、生活支援サービスなども含め、誰が何をするのかを記入します。

介護保険サービスまたは地域支援事業、サービス種別、事業所、期間

介護保険サービス、地域支援事業の具体的な支援の内容、サービス種別、事業所名、目標を達成する期間を記入します。

主治医意見書、健診結果、観察結果等を踏まえた留意点

健康状態について、主治医意見書、健診結果、観察結果等を踏まえた留意点がある場合、記入します。

妥当な支援の実施に向けた方針

本来行うべき支援が実施できない場合、支援の実施に向けた方針等を記入します。
本人や家族の合意が得られない場合は、本人、家族に働きかける手順や方針などを記入し、必要な社会資源が地域にない場合は、資源の創設の必要性などを記入します。

総合的な方針:生活不活発病の改善予防のポイント

利用者や家族、サービス担当者が生活不活発病の改善、予防に向けて取り組むポイントを記入します。

地域包括支援センター

介護予防サービス・支援計画表について地域包括支援センターの担当者が意見を記載する欄です。

計画に関する同意

介護予防サービス・支援計画表について、利用者、家族に説明し、同意を得た時に署名等をいただく欄です。

3.まとめ

介護予防サービス・支援計画表は、要支援1・2の方がどのような目標があり、どのような介護予防サービスを利用するかを記載する書類です。
作成にあたり、書類から得た情報と面談等を通じて得た情報を合わせて、利用者のニーズや課題、その背景などを把握し、適切なサービスの利用へと繋げることが求められています。 ここでご紹介した内容が、皆様の介護予防サービス・支援計画表の作成に役立てば幸いです。
参考になった方は、ぜひシェアをお願いいたします。

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