【居宅介護支援】ケアマネジャーの個別研修計画の作成方法
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居宅介護支援事業所が遵守しなくてはいけない運営基準には、実施しなければならない研修の項目が定められているので、その項目についての研修を1年間を通して計画的に実施していくことになります。また、それ以外にも加算の算定要件の一部として個別研修計画を作成しなければならないケースもあり、『研修計画』の作成に苦労している管理者の方は多いのではないでしょうか?
この記事では、居宅介護支援事業所の研修計画の作成方法をご紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
居宅介護支援の法定研修とは?
居宅介護支援事業所が実施しなくてはいけない研修は、運営基準に定められています。
この運営基準によって事業者に研修等の実施が義務付けられている研修は「法定研修」と呼ばれています。
具体的には、第19条に「介護支援専門員の資質の向上のために、その研修の機会を確保しなければならない」、第19条の2に「介護支援専門員に対し、業務継続計画について周知するとともに、必要な研修及び訓練を定期的に実施しなければならない」、第21条の2に「介護支援専門員に対し、感染症の予防及びまん延の防止のための研修及び訓練を定期的に実施すること」といった記載があります。
これらの研修を実施しているかどうかは、運営指導で確認されるポイントになっているので、忘れずに研修を実施するように注意しましょう。
居宅介護支援の法定研修の具体例
ここでは、運営基準に定められている研修について、介護支援専門員の資質向上のために必要となる研修を加えて、具体例としてご紹介しますので、参考情報としてご覧ください。
- ケアマネジメントプロセスの研修
- 認知症や認知症ケアのための研修
- プライバシーの保護のための研修
- 倫理および法令遵守のための研修
- ハラスメント対策のための研修
- 感染症の予防およびまん延防止のための研修
- 高齢者虐待防止のための研修
- 業務継続計画(BCP)に基づく研修
居宅介護支援の年間研修計画の作成のポイント
年間研修計画の項目
居宅介護支援事業所の年間研修計画には決められたフォーマットがありませんが、一般的に以下のような項目を記載して作成します。
- 研修予定月
- 研修内容
- 受講対象者
- 研修担当者
- 外部研修予定月
- 外部研修の研修内容
- 外部研修の受講対象者
年間研修計画の作成のポイント
- 年間研修計画は、その年度が始まる前までに作成する。
- 社内研修と外部研修を合わせて、1ヵ月に1〜2回のペースで実施・参加を予定する。
- 介護支援専門員の通常業務に支障が出ないようにスケジュールを調整する。
- 事業所の現状を考え、必要な研修科目を設定する。
- 研修科目に対して対象者と担当する講師を決めておく。
居宅介護支援の個別研修計画の作成方法
個別研修計画書は、特定事業所加算を算定する際に必要となる書類です。
特定事業所加算の算定要件
居宅介護支援の特定事業所加算とは、地域のケアマネジメントの質の向上に寄与することを目的に、中重度者や支援困難ケースへの積極的な対応や、専門性の高い人材の確保、質の高いケアマネジメントを実施している事業所を評価する加算です。
特定事業所加算の算定要件のひとつとして、「介護支援専門員に対し、計画的に研修を実施すること」という要件があります。
また、「計画的に研修を実施すること」とは、「当該事業所における介護支援専門員の資質向上のための研修体系と当該研修実施のための勤務体制の確保について定めるとともに、介護支援専門員について個別具体的な研修の目標、内容、研修期間、実施時期等について、次年度が始まる前に次年度の計画を定めなければならない」とされています。
研修計画を作成する際に決めること
特定事業所加算の算定要件を満たすためには、ケアマネジャーの現在の知識・能力・希望等を把握しましょう。
- ケアマネジャーとして身についている能力
- ケアマネジメント業務における知識
- ケアマネジャーとしての経験
- キャリアについてのビジョンや高めたい能力など本人の希望
そのうえで、以下の2点を決めるのが良いでしょう。
管理者としてケアマネジャーに身につけてほしい知識・能力等
本人から聞き取った情報を参考にしながら、事業所の管理者としてその従業員に身につけてほしい知識や能力などを決めます。
その際、どのようなスキルを、どのレベルまで向上してほしいのか、を明確にすることが大事です。
当該年度に受講する研修の目標、内容、実施時期
当該年度に受講する研修の目標、内容、研修期間、実施時期等を決めます。
管理者は、個別研修計画に関する目標の達成状況を適宜確認し、必要に応じて改善しなければなりません。そのため、目標を決める際は、明確かつ客観的に評価できる指標等を設定します。
また、研修の内容として、事業所や職種の基本理念や業務における基礎的な内容、社会人として一般的なマナーを身につけるものなどは、通常の研修として行うべきものであり、「専門性の高い人材を確保し、質の高いサービスを提供する体制を確保する」という特定事業所加算の目的を達成できるような研修とは認められないケースがありますので、研修の項目は適切に設定しましょう。
まとめ
居宅介護支援事業所の年間研修計画と個別研修計画についてご紹介してきました。
適切な事業所運営をするためにも、実施しなくてはいけない研修を把握し、年間研修計画と個別研修計画を作成し、計画的に研修を実施しましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。