介護給付費明細書(第二様式)の記載例とエクセルの無料ダウンロード【令和3年対応】



介護報酬(介護給付費)の請求において、適正な請求を行うことはとても重要です。
介護事業所では、サービスを提供して、その対価として介護報酬等を請求します。介護報酬の請求では、介護給付費請求書や介護給付費明細書といった定められる様式に必要な事項を記入し、審査機関である国民健康保険団体連合会へ送信します。
そのため、介護報酬の請求業務において、介護給付費明細書は必ず作成する書類であり、その内容に誤りがないかチェックしなくてはいけない書類となっています。
この記事では、介護給付費明細書の項目や記載例を紹介していますので、ぜひともご一読いただき、ご活用ください。

目次

1.介護報酬(介護給付費)の請求の流れ
2.介護給付費明細書とは?
3.介護給付費明細書(様式第二)の記載例
4.まとめ
5.介護給付費明細書(様式第二)のエクセルの無料ダウンロード

1.介護報酬(介護給付費)の請求の流れ

介護報酬(介護給付費)の請求の流れ

介護報酬(介護給付費)は、事業所が提供した介護サービスの内容に応じて定められる単位数と事業所が所在する地域の区分に応じた単価を掛けて計算します。
そして、利用者の収入等の状況によって決定を受けている自己負担割合に応じて、7割~9割を「国保連(国民健康保険団体連合会)」に、1割~3割を「利用者本人」に請求します。
国保連への請求は、月初日から月末日までの1ヵ月分の利用者ごとの介護報酬を計算して、サービス提供月の翌月10日までに、インターネットを経由して伝送します。そして国保連が審査等を行い、誤りや不備がなければ、請求された金額がサービス提供月の翌々月に入金されます。
利用者への請求は、食費や居住費、その他のサービス費用などの介護報酬以外の請求額を計算し、請求書を作成します。口座引落や現金回収など事業所が採用している方法で入金されることになります。

2.介護給付費明細書とは?

介護給付費明細書とは、介護サービスを提供した実績から利用者ごとの介護給付費を計算し、保険請求額や利用者負担額、公費請求額等の金額を算出するための様式です。
介護給付費を算定するための根拠となる基本情報や提供したサービスの内容、その他の必要な情報を記載し、上から下に段階的に計算を進めることで、介護給付費と請求の内訳をわかりやすく表すことができます。

介護給付費明細書の種類とは?

介護給付費明細書は、サービス種別等によって作成する様式の種類が異なります。それぞれのサービス種別によって作成する様式の種類を確認しておきましょう。

様式の種類 様式名 対象サービス
様式第二 居宅サービス・地域密着型サービス介護給付費明細書 訪問介護
訪問入浴介護
訪問看護
訪問リハビリテーション
居宅療養管理指導
通所介護
通所リハビリテーション
福祉用具貸与
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
夜間対応型訪問介護
地域密着型通所介護
認知症対応型通所介護
小規模多機能型居宅介護
看護小規模多機能型居宅介護
様式第二の二 介護予防サービス・地域密着型介護予防サービス介護給付費明細書 介護予防訪問入浴介護
介護予防訪問看護
介護予防訪問リハビリテーション
介護予防居宅療養管理指導
介護予防通所リハビリテーション
介護予防福祉用具貸与
介護予防認知症対応型通所介護
介護予防小規模多機能型居宅介護
様式第二の三 介護予防・日常生活支援総合事業費明細書 訪問型サービス費
通所型サービス費
その他の生活支援サービス費
様式第三 居宅サービス介護給付費明細書 短期入所生活介護
様式第三の二 介護予防サービス介護給付費明細書 介護予防短期入所生活介護
様式第四 居宅サービス介護給付費明細書 短期入所療養介護(老健)
様式第四の二 介護予防サービス介護給付費明細書 介護予防短期入所療養介護(老健)
様式第四の三 居宅サービス介護給付費明細書 短期入所療養介護(介護医療院)
様式第四の四 介護予防サービス介護給付費明細書 介護予防短期入所療養介護(介護医療院)
様式第五 居宅サービス介護給付費明細書 短期入所療養介護(病院・診療所)
様式第五の二 介護予防サービス介護給付費明細書 介護予防短期入所療養介護(病院・診療所)
様式第六 地域密着型サービス介護給付費明細書 認知症対応型共同生活介護(短期利用以外)
様式第六の二 地域密着型介護予防サービス介護給付費明細書 介護予防認知症対応型共同生活介護(短期利用以外)
様式第六の三 居宅サービス・地域密着型サービス介護給付費明細書 特定施設入居者生活介護(短期利用以外)
地域密着型特定施設入居者生活介護(短期利用以外)
様式第六の四 介護予防サービス介護給付費明細書 介護予防特定施設入居者生活介護
様式第六の五 地域密着型サービス介護給付費明細書 認知症対応型共同生活介護(短期利用)
様式第六の六 地域密着型介護予防サービス介護給付費明細書 介護予防認知症対応型共同生活介護(短期利用)
様式第六の七 居宅サービス・地域密着型サービス介護給付費明細書 特定施設入居者生活介護(短期利用)
地域密着型特定施設入居者生活介護(短期利用)
様式第七 居宅介護支援介護給付費明細書 居宅介護支援
様式第七の二 介護予防支援介護給付費明細書 介護予防支援
様式第七の三 介護予防・日常生活支援総合事業費明細書 介護予防ケアマネジメント
様式第八 施設サービス等・地域密着型サービス介護給付費明細書 介護福祉施設
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
様式第九 施設サービス等介護給付費明細書 介護保健施設
様式第九の二 施設サービス等介護給付費明細書 介護医療院
様式第十 施設サービス等介護給付費明細書 介護療養型医療施設

介護給付費明細書に誤りがあった場合は?

介護報酬には、介護サービスの提供にあたって、専門職や有資格者を配置したり、サービスの質の向上に資する取り組みを実施することで、通常の介護報酬に加えて所定の単位数を算定することができる『加算』という仕組みがあります。
この『加算』には、サービス種類ごとに様々な種類の加算が設けられていて、介護報酬請求を複雑にしています。
介護報酬の請求において介護給付費明細書に誤りがあった場合は、その誤りの内容によって「国民健康保険団体連合会の審査で返戻となるケース」と「国民健康保険団体連合会の審査を通り、入金されるケース」があります。
「国民健康保険団体連合会の審査で返戻となるケース」では、入金がされず、再請求する必要があります。基本情報を含め、計算に不備がないかを確認し、再度、介護給付費明細書を作成することになります。
「国民健康保険団体連合会の審査を通り、入金されるケース」では、加算の算定要件を実際には満たしていないにも関わらず請求していることなどが理由として挙げられますが、定期的な自己点検や自治体等による実地指導・監査などで誤りを発見する(される)ことになります。このケースでは、既に入金されている介護報酬の返還を行い、再請求、自治体等への報告を行うことになります。また、介護報酬請求において、不正や著しい不当が疑われる場合は、介護報酬の返還と事業所の指定取消等が行われる場合があります。
ですから、「介護給付費明細書を適正に作成し、介護報酬の請求を行うこと」は、事業所の運営・経営にとってとても重要なことになっています。

介護給付費明細書の保存期間は?

介護給付費明細書の保存期間は、一般的に「5年間」とされています。
これは、介護報酬に誤り等があった場合、最大で5年間遡って返還等を行うことがあるため、その際に必要な書類として5年間の保存が求められています。ただし、自治体によって別の保存期間を定めていることがあるため、事業所の所在する自治体のホームページ等で確認しておくのが良いでしょう。

3.介護給付費明細書(様式第二)の記載例

介護給付費明細書(様式第二)の記載例

①公費負担者番号、公費受給者番号、被保険者の情報

利用者が公費受給の対象者だった場合、受給者証等に記載されている公費負担者番号および公費受給者番号を記載します。また、介護保険被保険者証から、利用者の被保険者番号、氏名・フリガナ、生年月日、性別、要介護状態区分、認定有効期間を確認して記載します。

②サービス提供年月、保険者番号

介護サービスを提供した年月と保険者となる市町村等の保険者番号を記載します。

③請求事業所の情報

事業所の事業所番号、事業所名称、所在地、電話番号を記載します。

④居宅介護サービス計画

居宅サービス計画の作成が、居宅介護支援事業所の場合と、小規模多機能型居宅介護または看護小規模多機能型居宅介護を利用している場合(短期利用におけるセルフプランの場合を除く。)は「居宅介護支援事業所作成」に丸を付け、その事業所番号と名称を記載します。
居宅サービス計画の作成がセルフプランの場合は、「被保険者自己作成」に丸を付けます。

⑤開始年月日、中止年月日

開始年月日には、利用者に最初のサービス提供を行った年月日を記載します。前月以前から継続している場合は記載しないこととされていますが、小規模多機能型居宅介護と看護小規模多機能型居宅介護(短期利用を除く。)では、前月以前から継続している場合も、前月以前のサービス提供開始日を記載することとされています。
中止年月日には、月の途中にサービスの提供を中止した場合に、最後にサービスを提供した年月日を記載します。そのため、翌月以降サービスを継続している場合は記載しないことになります。
また、中止した場合は、中止の理由から該当するものに丸を付けます。

⑥介護給付費明細欄

利用者に提供したサービスの内容、サービスコード、単位数、回数、サービス単位数(単位数回数)、公費分回数、公費対象単位数を記載します。
サービスコードは、介護給付費単位数サービスコード表で確認することができます。

⑦住所地特例対象者 介護給付費明細欄

利用者が住所地特例で特定地域密着型サービス等を利用した場合に、サービスの内容、サービスコード、単位数、回数、サービス単位数(単位数回数)、公費分回数、公費対象単位数、施設の所在地の保険者番号を記載します。

⑧請求額計算欄

サービスコード

提供したサービスのサービス種類のコード(2桁)を記載します。

サービス実日数

サービスを提供した実日数を記載します。

計画単位数

サービス提供票別表に記載された当該サービス種類における区分支給限度基準内単位数を記載します。

限度額管理対象単位数

当該サービス種類のうち、支給限度額管理対象のサービス単位数を記載します。

限度額管理対象外単位数

当該サービス種類のうち、支給限度額管理対象外のサービス単位数を記載します。

給付単位数

計画単位数と限度額管理対象単位数のいずれか少ない方の単位数に、限度額管理対象外単位数を加えた単位数を記載します。
記載例:計画単位数「3,000単位」、限度額管理対象単位数が「2,000単位」、限度額管理対象外単位数「1,000単位」の場合、2,000単位+1,000単位となり、「3,000単位」を記載します。

公費分単位数

当該サービス種類の公費対象単位数の合計と給付単位数のいずれか少ない方の単位数を記載します。

単位数単価

事業所の所在地に定められる単位数単価を記載します。

保険請求額

給付単位数単位数単価保険給付率で計算した金額を記載します。

利用者負担額

(給付単位数単位数単価)-保険請求額-公費請求額-公費分本人負担で計算した金額を記載します。

公費請求額

(公費分単位数単位数単価)(公費給付率-保険給付率)-公費分本人負担で計算した金額を記載します。
ただし、公費の給付率が100/100で、保険給付対象単位数と公費対象単位数が等しく、利用者負担額(公費の本人負担額を除く。)が発生しない場合は、給付単位数単位数単価-保険請求額-公費本人負担で計算した金額を記載します。

公費分本人負担

公費負担医療や生活保護受給者で本人負担額がある場合、その金額を記載します。

合計

保険請求額、利用者負担額、公費請求額、公費分本人負担のそれぞれの合計額を記載します。

⑨社会福祉法人等による軽減欄

事業所を社会福祉法人が運営し、利用者負担軽減の申出を行っている場合、軽減率、本来受領する利用者負担の総額、軽減額、軽減後の利用者負担額を記載します。

4.まとめ

介護給付費明細書について説明してきましたが、いかがでしたか?
介護給付費明細書は、介護報酬の請求業務において重要な役割を持つ書類であり、作成にあたって誤りがないようにしっかりとチェックする体制が必要になります。
しかし、介護報酬の請求業務に人手を割くことが難しい事業所も多いのではないでしょうか。
介護報酬請求業務を効率化し、誤りやミスを減らすために、多くの事業所で「介護請求ソフト」を導入しています。まだ、導入されていないようでしたら、この機会に介護請求以外にも多様な機能が充実している『カイポケ』の導入をご検討ください。

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