サービス担当者会議の記録の記載例と様式の無料ダウンロード
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居宅介護支援事業所の運営基準第十三条九号にて、「介護支援専門員はサービス担当者会議の開催により、利用者の状況等に関する情報を担当者と共有するとともに、当該居宅サービス計画の原案の内容について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。」と定められています。これにより、居宅介護支援事業所のケアマネジャーは、ケアマネジメントを行うにあたり、『必ず、サービス担当者会議を開催しなくてはいけない』ということになります。
また、行政の実地指導においても、サービス担当者会議の開催が確認できる記録、会議の内容を確認されますので、作成にあたって注意が必要になります。
この記事では、サービス担当者会議の記録用紙の書き方についてまとめていますので、ぜひご一読いただき、今後の実務においてお役立てください。
目次
1.サービス担当者会議とは?
2.サービス担当者会議の記録の書き方・記載例
3.まとめ
4.サービス担当者会議の記録用紙の雛形無料ダウンロード
1.サービス担当者会議とは?
サービス担当者会議とは、居宅サービス計画(ケアプラン)の確定に向けて、「情報共有」、「利用者・家族の意向の確認」、「それぞれのサービスの課題の解決」等を目的として、ケアマネジャーが開催し、利用者・家族と実際に介護サービス等を提供する介護事業所の担当者が参加する会議です。
サービス担当者会議は、利用者の自宅や居宅介護支援事業所等で開催することが多いですが、利用者が入院している場合は病院等で行うこともあります。また、管轄の市町村等によっては、原則としての開催場所を自宅に指定していることがありますので、確認しておきましょう。
サービス担当者会議で使用する書類
サービス担当者会議では、ケアマネジャーが準備する以下のような書類を基に、情報の共有やサービスの実施にあたっての検討が行われます。
- フェースシート(利用者の基本情報)
- アセスメントシート(利用者・家族へのアセスメントの結果)
- ケアプランの原案(長期目標・短期目標、サービスの利用予定)
- 議題(議題やサービス担当者会議の流れ)
- 主治医意見書(医学的観点からの留意事項等)
サービス担当者会議の参加者・構成員
サービス担当者会議の参加者・構成員は、以下のようになっています。
- 居宅介護支援事業所のケアマネジャー
- 利用者
- 利用者の家族
- 介護サービス事業所の担当者
- 医療機関の担当者(必要に応じて)
- 行政機関等の関係者
- インフォーマルサービス等の担当者
また、日程調整を行ったにもかかわらず介護サービス事業所の担当者の参加が難しい場合は、介護サービス事業所の担当者へ文書の照会によって、情報を共有することが認められています。
2.サービス担当者会議の記録の書き方・記載例
サービス担当者会議は一般的に、「サービス担当者会議の要点」という様式を使用して記録します。それではサービス担当者会議の要点について、項目とその書き方・記載例について見ていきましょう。
サービス担当者会議の要点の項目と書き方
作成年月日
書類の作成年月日を記載します。
利用者名
利用者の氏名を記載します。
居宅サービス計画作成者氏名
居宅サービス計画を作成するケアマネジャーの氏名を記載します。
開催日、開催場所、開催時間、開催回数
サービス担当者会議を開催した年月日、開催場所、開催時間、開催回数を記載します。
会議出席者の所属・職種、氏名
サービス担当者会議に出席した人の所属や職種、氏名を記載します。
会議欠席者の所属・職種、氏名、出席できない理由
サービス担当者会議に出席予定であったが、出席できなかった人の所属や職種、氏名、出席できない理由を記載します。
検討した項目、検討内容
サービス担当者会議で検討した項目と検討した具体的な内容を記載します。また、会議に出席できない担当者がいる場合は、照会した年月日や内容、回答を記載します。
結論
サービス担当者会議での各担当者からの意見等を踏まえて、結論を記載します。
残された課題、次回の開催
サービス担当者会議での議論において課題が残った場合、課題を記載し、次回の開催予定についても記載します。
サービス担当者会議の要点の記載例
それでは、サービス担当者会議の要点の記載例を見ていきましょう。
検討した項目
居宅サービス計画の原案について。
【全体の援助方針】
腰や膝の痛みと身体機能の低下により、自宅浴槽を跨ぐ事が難しくなってはいるが、定期的な保清の機会の確保を図りたい。
何かに掴まりながら歩行することはできてはいるが、掴み損ねによる転倒があり、安全な移動手段の確保について検討したい。
【サービスの内容】
①デイサービスの必要性について
腰痛や膝痛が続いており、転倒しそうになることが多くなっている。転倒の不安から閉じこもり傾向であり、活動の不活性が伺え、身体機能低下に繋がる危険性があるので、活動の機会としてデイサービスの利用を検討する。
また、入浴中の転倒のリスクが高いので、デイサービスで介助を受けながら入浴することについても検討する。
②福祉用具の必要性について
腰痛や膝痛と併せて、下肢筋力低下とすり足歩行により、移動時に転倒するリスクがあるので、移動時の痛みおよび安全の観点から移動手段を確保する必要がある。本人の負担軽減と安全な移動のために歩行器導入について検討する。
【サービス実施時の留意点】
腰部脊柱管狭窄症と両変形性膝関節症による移動時での疼痛があり、荷重負荷は回避することが望ましく、室内用は前腕支持型歩行器により荷重負荷の軽減を図る。外出用は、介助者による移動や車両への積み込みのしやすさを含め、軽量型歩行器により歩行面の安全確保と活動範囲の維持を図る。
検討内容
- ケアプラン原案に対して本人・家族の意向確認
- デイサービスの必要性について
- 福祉用具の必要性について
- 各事業所の役割分担の確認
- ケアプラン内容の確認(支援内容等)
結論
①原案通りのサービス提供を行い、本人の状態変化や介護者の状況等に変化があった場合、必要に応じてケアプラン内容の見直しを行う。
②居宅サービス計画書の内容について、それぞれの役割分担やサービス実施上の留意点などについて全員で再確認した。
③サービス事業所に対しケアプラン内容について口頭および文章にて説明を行い、合意を得て署名・捺印をいただいた後に交付する。
残された課題
デイサービスを週1回の利用回数で開始とするが、心身の状態と活動の状況を踏まえ、デイサービスの利用回数の増加については再検討していく。
サービス担当者会議の要点に記載する際の留意点
サービス担当者会議を開催し、その内容を「サービス担当者会議の要点」に記載する時には、以下のようなポイントに気をつけると良いでしょう。
- 口頭の意見も可能な限り記載する。
- 話し言葉のまま記載し、必要に応じて補足を記載する。
- サービス担当者会議が終わった後、速やかに要点をまとめる。
3.まとめ
この記事を参考でご紹介した内容が、皆様が開催するサービス担当者会議のお役に立てば幸いです。
充実したサービス担当者会議の実施は、より良いケアプランの作成につながり、そして事業所の評判や利用者の増加につながるでしょう。
4.サービス担当者会議の記録用紙の雛形無料ダウンロード
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