通所介護（デイサービス）の感染症予防のための対策と感染発生時の対応とは？

総則	目的 基本方針 主管部門 全体像
平常時の対応	対応主体
	対応事項	体制構築、整備 感染防止に向けた取り組みの実施 防護具、消毒液等備蓄品の確保 研修、訓練の実施 BCPの検証、見直し
初動対応	対応主体 感染疑い者の発生
	対応事項	第一報 感染疑い者（利用者様）への対応 消毒、清掃などの実施
	検査
休業の検討	対応主体
	対応事項	保健所との連携 濃厚接触者への対応 防護具、消毒液等の確保 情報共有 過重労働、メンタルヘルス対応 情報発信

（厚生労働省感染症ひな形（通所系）を参考に作成）

通所介護（デイサービス）で準備するべき感染対策の備品と消耗品とは？

通所介護事業所で感染対策として用意するべき備品や消耗品をご紹介します。感染が疑われる方への対応などにより使用量が増加した場合に備えて、普段から数日分は備蓄しておきましょう。

• サージカルマスク
• 高性能マスク（N95マスク等）
• フェイスシールド
• 使い捨てエプロン（長袖ガウン）
• 手袋
• ゴーグル
• 靴カバー
• 消毒用エタノール
• ペーパータオル
• ティッシュ
• ビニール袋、感染症廃棄物容器
• 石けん、ハンドソープ
• 次亜塩素酸ナトリウム液

通所介護（デイサービス）で感染症が発生した時の対応とは？

通所介護事業所で感染症が発生した場合は、「発生状況の把握と初期対応」、「感染拡大を防止」、「家族や保健所などへの連絡・連携」、「行政への報告」といった対応を行い、それぞれの段階で記録を残します。

通所介護（デイサービス）で感染症が発生したら？①状況の把握と初期対応

利用者様に感染症や食中毒を疑うような症状があった場合、まずは状況把握と初期対応を行います。

【状況把握・初期対応の例】

• 感染対策マニュアルに従って看護職員と連携して状況を確認し、管理者に報告する。
• 感染症の疑いがある利用者様の医療機関の受診をサポートする。
• 診察結果を確認する。
• 感染症が確認された場合、その利用者様と接触がある利用者様、職員をリストアップする。
• リストアップした利用者様、職員の健康状態を確認する。

通所介護（デイサービス）で感染症が発生したら？②感染拡大を防止

感染症の診断があった場合、感染拡大を防止するために、以下のような行動をとる必要があります。

【感染拡大させないための行動】

• 感染者が触れた可能性のある場所を消毒する。
• 職員を媒介して感染を拡大させないよう、手洗いや嘔吐物、排泄物などの適切な処理を徹底する。
• 利用者様に手洗い・消毒を促す。
• 保健所の指示を仰ぎ、必要に応じて施設全体の消毒を行う。
• すべての利用者様、職員の健康状態を確認する。

など

通所介護（デイサービス）で感染症が発生したら？③家族や保健所などへの連絡・連携

感染症を発症した利用者様がいた場合には、関係機関・関係者へ情報を共有し、連携して対応する必要があります。

【連絡をする関係機関・関係者】

• 保健所
• 協力医療機関
• 市町村の介護保険担当課
• 利用者様のご家族
• 担当のケアマネジャー

など

通所介護（デイサービス）で感染症が発生したら？④行政への報告

感染症が発生した場合、事業者は行政に第一報の報告を行い、その後、終息した際も報告を行うことになります。具体的な報告書の様式・記載内容は市町村によって違いますが、報告する項目の一例をご紹介します。

【感染症の発生時の報告内容の例】

• 初発生日時
• 主な症状
• 患者発生数
• 受診状況
• 事業所の対応状況

など

【感染症の終息時の報告内容の例】

• 疾患名
• 発生年月日
• 終息年月日
• 発生原因
• 保健所等からの指示等
• 患者の状態
• 事業所の対応状況
• 改善策

など

まとめ

デイサービスにおける感染症対策や、感染症が発生した場合の対応について解説してきました。

いつ事業所内で感染症が発生しても適切な対応を行えるように、指針・マニュアルを整備し、職員への継続的な周知・教育を行うことが経営者・管理者の方に求められています。

この記事でご紹介した内容が、皆様の事業所運営のお役に立てば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。