デイサービスの個別機能訓練計画書の書き方と記入例を紹介【ひな型無料ダウンロード】
デイサービスの経営者・管理者の中には「個別機能訓練計画書の作成方法がわからない」「個別機能訓練計画書の様式はどこでダウンロードできるの?」と悩まれてる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、個別機能訓練計画書の作成の流れや、個別機能訓練計画書の書き方と記入例、作成のポイントを解説します。
ぜひ、最後までお読みください。
目次
- 個別機能訓練計画書とは
- デイサービス(通所介護)の個別機能訓練計画書を作成する流れ
- デイサービス(通所介護)の個別機能訓練計画書の書き方と記入例
- デイサービス(通所介護)の個別機能訓練計画書の作成のポイント
- デイサービス(通所介護)の個別機能訓練計画書の様式(ひな型)を無料ダウンロード
- まとめ
個別機能訓練計画書とは?
個別機能訓練計画書とは、利用者様一人ひとりの心身の状態や希望、機能訓練の目標、具体的な訓練の内容とその結果などを記載する書類です。
通所介護・地域密着型通所介護においては、個別機能訓練加算を算定する際に作成しなければならない書類となっています。
個別機能訓練加算について詳しい内容は下記の記事をご覧ください。
【2024年度改定対応】通所介護(デイサービス)の個別機能訓練加算とは?
デイサービス(通所介護)の個別機能訓練計画書を作成する流れ
デイサービスの個別機能訓練計画書は次の流れで作成します。
- 利用者様のニーズ・日常生活や社会生活等における役割や課題の把握及び心身の状態の確認を行います。
- 機能訓練指導員等が多職種と協働し、個別機能訓練計画を作成します。
- 利用者様またはそのご家族に説明を行い、同意を得ます。その際に個別機能訓練計画を交付します。
- 機能訓練指導員が、個別機能訓練計画に基づき、機能訓練を実施します。
- 定期的に利用者様の状態等の変化を評価・記録し、個別機能訓練計画書の見直しを行います。
デイサービス(通所介護)の個別機能訓練計画書を作成するタイミングは?
一般的に個別機能訓練計画書は、利用者様サービスの利用を開始する前に作成します。
デイサービス(通所介護)の個別機能訓練計画書を更新しなければいけないタイミングは?
個別機能訓練計画書は、3ヶ月に1回以上の頻度で見直しを行います。
個別機能訓練の実施状況や効果等を踏まえ、利用者様又はそのご家族の意向を確認の上、目標の見直しや訓練項目の変更を行います。
また、3ヶ月が経過していない場合でも、利用者の心身の状態に大きな変化が見られた場合など、計画を見直す必要があると判断された際には、随時更新をします。
デイサービス(通所介護)の個別機能訓練計画書の書き方と記入例
ここでは、デイサービスにおける個別機能訓練計画書の書き方と記入例を解説します。
作成日・利用者情報・作成者など
作成日や氏名・性別・生年月日・要介護認定度などの利用者情報、計画書の作成者とその職種を記載します。
利用者の基本情報
利用者本人の希望
利用者ご本人の希望を記載します。
記入例
- 近所(スーパーマーケット)に買い物に行きたい。
家族の希望
ご家族からの希望を記載します。
記入例
- 以前のように元気に過ごしてほしい。家事などがまたできるようになるとよい。
利用者本人の社会参加の状況
家庭や、地域行事、ボランティア、趣味活動などの社会参加について、利用者の現在の参加状況と過去の参加状況を記入します。
記入例
- 自宅で簡単な調理の手伝い。元々家事や買い物等を積極的におこなっていた。
利用者の居宅の環境(環境因子)
利用者の居宅での生活環境や、独立してできること、介助が必要なことなどを記載します。
記入例
- 娘夫婦との3人暮らし。自宅内では伝い歩き。入浴は介助を要すが、トイレは自立。屋外歩行は見守りが必要。
病名
病名を記載します。
記入例
- アルツハイマー型認知症
支援経過(手術がある場合は手術日・術式等)
病気の支援経過や手術の状況を記載します。
記入例
- 昨年末から物忘れの症状が出現し、○年1月にアルツハイマー型認知症と診断された。現在、内服加療中。最近、外に出る機会が乏しく、家に閉じこもりがちになってきている。
合併症
合併症の状況を記載します。
該当の合併症があれば、✓で印をつけます。
機能訓練実施上の留意事項(開始前・訓練中の留意事項、運動強度・負荷量等)
機能訓練を実施する上で留意事項があれば記載します。
記入例
- 血圧上昇時には運動を控えること。
個別機能訓練の目標・個別機能訓練項目の設定
機能訓練の短期目標(今後3ヶ月)
機能訓練を実施する上での短期的な目標を記載します。
「機能」「活動」「参加」の3つの観点から目標を立てます。
記入例
- 機能
- 下肢筋力・耐久性の向上。認知機能低下に対する対応(メモ等の代償的手段の活用など)。
- 活動
- 屋外歩行が見守りで20分程度実施できる。
- 参加
- 家族と家の周りの散歩を楽しめる。
実施後は「前回作成した短期目標に対する目標達成度」を「達成」「一部」「未達」から選択します。
機能訓練の長期目標
機能訓練を実施する上での長期的な目標を記載します。
「機能」「活動」「参加」の3つの観点から目標を立てます。
記入例
- 機能
- 下肢筋力・耐久性の向上。認知機能低下に対する対応(メモ等の代償的手段の活用など)。
- 活動
- 屋外歩行を見守りで1時間程度実施できる。
- 参加
- スーパーで買い物が出来る。自分で買った食材を使って料理が出来る。
実施後は「前回作成した長期目標に係る目標達成度」を「達成」「一部」「未達」から選択します。
個別機能訓練項目
目標を達成するために実施する機能訓練(プログラム)の内容を記載します。
記入例
プログラム内容(何を目的に(~のために)~する) | 留意点 | 頻度 | 時間 | 主な実施者 | |
---|---|---|---|---|---|
① | 下肢と体幹の筋力増強訓練
(歩行能力向上のため) |
高血圧に留意 | 週2回 | 10分 | 理学療法士(機能訓練指導員) |
② | 歩行訓練(屋内、屋外)
(近所への買い物が出来るようになるため) (歩行補助具もあわせて選定) |
高血圧と転倒に留意 | 週2回 | 10分 | 理学療法士(機能訓練指導員) |
③ | 認知機能低下に対する対応訓練
(買い物や調理をメモを見ながら実施できるように) (買い物リストの作成も) |
自尊心に配慮 | 週2回 | 10分 | 理学療法士(機能訓練指導員) |
④ | 買い物訓練
(模擬的にあるいは実際にスーパーなどへ買い物に行く) |
高血圧と転倒に留意 | 週1回 | 20分 | 理学療法士(機能訓練指導員) |
利用者本人・家族等がサービス利用時間以外に実施すること
利用者様本人やご家族等が、デイサービスのサービス利用時間以外に実施することを記載します。
特記事項
その他、特記事項がある場合に記載します。
個別機能訓練実施後の対応
個別機能訓練の実施による変化
個別機能訓練を実施した結果(変化)を記載します。
記入例
- 前回(初回)計画作成時と比べ、屋外で10分程度見守りで歩行できるようになってきています。メモも少し活用可能。
個別機能訓練実施における課題とその要因
個別機能訓練の実施後の課題とその要因を記載します。
記入例
- 長時間の歩行はまだ難しいです。メモの活用も少しずつ定着してきているが継続が必要。
デイサービス(通所介護)の個別機能訓練計画書の作成のポイント
ここでは、個別機能訓練計画書を作成するための2つのポイントをご紹介します。
目標や訓練は具体的に
個別機能訓練計画書の目標や訓練などは、誰が見ても理解し、対応ができるように具体的に記載しましょう。
具体的に記載することで、個別機能訓練計画書を作成した担当者が不在の場合でも適切な訓練の実施と評価の記録が可能になります。
利用者様本人の「希望」を目標の軸にする
利用者様が叶えたい生活の実現に繋がる目標設定をしましょう。
本人の理想がゴールになることで、モチベーションの向上に繋がります。
例えば、「身体機能を向上」という目標は「近所のスーパーへ買い物に行けるようになりたい」という利用者の希望を叶えるための手段として設定されているとよいでしょう。
デイサービス(通所介護)の個別機能訓練計画書の様式(ひな型)を無料ダウンロード
デイサービスの個別機能訓練計画書の様式(ひな型)を下記より無料でダウンロードいただけます。
まとめ
ここまで、個別機能訓練計画書の作成の流れや、個別機能訓練計画書の書き方と記入例、作成のポイントを解説してきました。
個別機能訓練計画書は、個別機能訓練加算を算定する際には、必ず作成する書類のひとつです。
個別機能訓練計画書の様式は本記事からダウンロードすることも可能なので、ぜひご活用ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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