訪問介護でAIを使うと何ができる?シフト作成・記録業務での活用例や注意点を解説

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「シフト作成に時間がかかりすぎている」「記録業務が多すぎてヘルパーがケアに集中できていない」
訪問介護事業所の経営者・管理者の方からこのようなお悩みをよく伺います。
こうした課題の解決策として、近年注目されているのがAIの活用です。

本記事では、訪問介護の現場でAIを活用してできることや、導入のメリット・デメリット、注意点まで、わかりやすく解説します。

目次

訪問介護における課題

訪問介護事業所が直面している大きな課題として、「ヘルパーの人材不足と高齢化」と「管理者の業務過多」の2つが挙げられます。

管理者の業務は、シフト管理・請求・労務管理など事務業務が非常に多く、人手不足の場合は現場に入ることもあるので、多忙となっている方も多いでしょう。
また、ヘルパーも、「訪問後に記録を入力するのに時間がかかる」など、日々の記録業務に負担を感じていることが多いでしょう。

こうした課題の解決策として、近年、AI(人工知能)の活用が注目されています。

訪問介護でAIを使うとできること

訪問介護でAIを活用すると、シフト作成、訪問記録、会議の議事録、マニュアル作成などの事務業務を大幅に効率化することができます。

シフト作成の自動化・最適化

AIにヘルパーの勤務時間や希望休、担当エリア、訪問時間など様々な条件を入力することで、最適な組み合わせのシフト案を自動で生成することができます。
修正や調整も、AIに再指示するだけで、短時間で再出力できます。
これまで手作業だと数日かかっていたシフト作成業務が、AIを活用すると数時間で完了させることができます。

訪問記録の音声入力・自動生成

AIに訪問記録の録音データを取り込むことで、録音データをテキスト化・要約して、記録の様式に合わせた文章を自動生成することができます。
訪問記録の記入・入力作業が不要になり、スマホやタブレットに話すだけで、訪問記録のたたき台を作成することができます。

会議の議事録

AIに会議の録音データを取り込むことで、録音データをテキスト化・要約して、議事録を自動生成することができます。
会議が終わってすぐに議事録を共有できるので、情報共有のスピードが上がります。

その他(申し送り事項やマニュアルの作成)

その他にも、AIは箇条書きの文章や長文の資料を要約し、指示したフォーマットに当てはめて文章を作成することに長けているので、申し送り事項の整理やマニュアルの作成にも役立ちます。

訪問介護にAIを導入するメリット

訪問介護にAIを導入することで、以下のようなメリットがあります。

管理者の業務負担を軽減

シフト作成・記録の確認・議事録など、管理業務にかかる時間を削減できるので、管理者の負担軽減に繋がります。
また、管理者の心理的な負担が軽減されることで、突発的なトラブルが起こっても心に余裕を持って対応できるようになるでしょう。

シフトの公平性・精度が向上する

手作業でシフトを組んでいると、どうしても希望休などの反映漏れや偏りが発生します。
AIがシフトを作成すると、指示された条件を網羅的に考慮するので、偏見が入りにくく、ヘルパーからの不満が出にくいシフトを作成することができます。
管理者の個人的な判断や感覚に依存しない「客観的なシフト」が作れるので、管理者の心理的な負担も軽減されます。

人材定着・離職防止に繋がる

記録やシフト管理などの事務負担が原因で、離職に繋がるケースもあります。
AIの活用により、管理者やヘルパーの業務負担が減ることで、全体の働きやすさの向上にも繋がります。
離職率が下がると、事業所の安定した運営にも繋がります。

訪問介護にAIを導入するデメリット

訪問介護にAIを導入する大きなメリットがある一方で、以下のようなデメリットにも注意が必要です。

導入コストやランニングコストがかかる

無料で使える汎用的な生成AIではなく、訪問介護に特化した機能を持つAIを導入する場合は、多くの場合でツールの導入や設定のための初期費用や、月額費用が発生します。
予算と費用対効果をよく見極めて導入を検討するとよいでしょう。
無料トライアルや補助金・助成金などの活用もおすすめです。

AIの運用ルールの設定が大変

AIを事業所全体で使いこなすためには、「誰がどの業務にどう使うのか」のルールを設定する必要があります。
そのため導入初期は、ルールを整備して周知する手間がどうしても発生します。
ルールが曖昧なまま導入すると、職員ごとに使い方が異なり、混乱してしまう可能性もあるため、事前に準備することが大切です。

訪問介護にAIを導入する際の注意点

以上のデメリットを踏まえたうえで、導入する際は以下の点に注意しましょう。

個人情報の取り扱いに注意する

AIに利用者や職員の個人情報を入力する場合は、情報漏えいのリスクに注意する必要があります。
利用するツールのセキュリティ対策や、入力したデータの取り扱いに関する契約条件を事前に確認したうえで活用しましょう。

回答は必ず確認する

AIが生成した文章や提案は、必ずしも正確なものではなく、ハルシネーション(誤情報・不正確な内容)を含む場合があります。
AIが生成するのはあくまで「たたき台」です。
実現不可能な内容になっている場合や、音声入力の精度によっては生成される文章の質が低くなる場合もあります。
必ず内容を確認するように社内ルールを徹底しましょう。

訪問介護向けAIツールの選び方

訪問介護向けのAIツールは、ツールによって対応できる業務・料金・操作性が大きく異なるので、以下のポイントを参考に、自事業所に適したものを選びましょう。

機能(対応している業務範囲)

シフト作成・訪問記録・議事録など、自事業所が解決したい課題に対応しているかを確認します。
まずは、自事業所の課題を解決する機能があるのかどうかでAIを探しましょう。

料金

初期費用・月額費用・ユーザー数による従量課金など、最終的に年間や月間でいくらかかるのか、事業所の規模や予算感と照らし合わせて確認しましょう。

操作性

訪問記録などヘルパーも使うツールの場合、「ITに不慣れでも直感的に使えるか」が重要となります。
無料トライアルなどを活用して、実際にヘルパーに試してもらいましょう。

既存システムとの連携

現在使用している介護ソフトとデータが連携できるかも確認しましょう。
連携できない場合、入力の二度手間が発生し、逆に業務が増えるリスクがあります。

サポート

導入後にエラーが発生した場合や使い方がわからなくなった場合に備え、サポート体制(電話・チャット・オンラインなど)の充実度も確認しましょう。
訪問介護に精通したサポートかどうかも確認しておくと安心です。

シフト作成・記録業務でのAI活用例

シフト表のたたき台の作成

介護ソフトと連携しているスケジュール管理アプリやAIシフト作成機能を備えたシステムを活用すると、様々な条件を考慮した最適なシフト案を短時間で作成することができます。

「生成AIに条件を入力してシフト案を出力させる」という使い方も可能ですが、様式の指定や条件が複雑化しやすいので、AI機能を備えた専用システムの活用がおすすめです。

以下では、汎用的な生成AIを活用したシフト表のたたき台の作成方法をご紹介します。

1.条件を整理する

以下のような条件を、テキストやExcelなどにまとめておきます。

2.AIにシフト表を生成させる

整理した情報を生成AIに貼り付け、シフト表の作成を指示します。
指示する際に、「役割」や「出力形式」などもあわせて指定すると、より精度の高いシフト表を生成できます。
最終的に作成したいシフト表のテンプレートをアップロードして、「シフト表を作成するためのプロンプト(AIへの指示文)」をAI自身に作成させる方法も有効です。

3.担当者が確認・修正する

出力されたシフト表のたたき台は、条件が正しく反映されていなかったり、現実的に対応できない組み合わせになっている場合があるので、必ず担当者が確認しましょう。
修正が必要な箇所は、AIに再指示すれば短時間で修正可能です。

訪問記録の音声入力

ここでは、汎用的な生成AIを活用した訪問記録の作成方法をご紹介します。

1.音声入力アプリで話す

訪問後、スマホの音声入力機能を使って、ケアの内容を話します。
箇条書きにする感覚でよいので、バイタル、食事、実施したケアの内容、利用者の様子、次回の申し送り事項など、記録に記載したい内容を録音します。

2.AIに記録を作成させる

録音データまたは録音データがテキスト化された内容を生成AIに取り込み、記録の作成を指示します。
Excelの様式などをアップロードして、様式に沿った出力形式を指定すると、より精度の高い記録内容を生成することができます。

3.担当者が確認・修正する

AIが生成した文章は、事実と異なる点や不足している情報が含まれている場合があります。
必ず担当者が確認・修正したうえで、正式な記録として登録しましょう。

まとめ

訪問介護でAIを活用することで、管理者やヘルパーの事務業務の負担を大幅に軽減することができます。
しかし、情報漏えいやハルシネーション(誤情報・不正確な内容)のリスク、運用ルールの整備など注意しなければならない点も多いので、メリットとデメリットの両方をよく理解したうえで導入することが大切です。

AIをうまく活用して業務を効率化し、管理者がマネジメント業務に、ヘルパーがケアに集中できる環境づくりを目指しましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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