デイサービス(通所介護)の稼働率の計算方法とは?全国平均と稼働率アップの取り組みもご紹介!
SMS CO.,LTD
デイサービスを運営するにあたって、安定した稼働率を維持することに苦慮されている事業者の方は多いでしょう。
そのような状況にある方々は「稼働率の全国平均はどのくらいなのかな?」、「うちの事業所は全国平均より良いのかな?」、「稼働率をアップさせるためにはどうすればいいの?」といった疑問や悩みをお持ちではないでしょうか。
この記事では、デイサービスの稼働率の計算方法や稼働率アップのための取り組み例をご紹介します。
目次
- デイサービス(通所介護)の稼働率・利用率の計算方法
- デイサービス(通所介護)の稼働率の全国平均
- デイサービス(通所介護)の稼働率アップの取り組みとは?
- デイサービス(通所介護)における稼働率アップ以外の収入を増やすための方法とは?
- まとめ
デイサービス(通所介護)の稼働率・利用率の計算方法
デイサービスの稼働率とは、事業所の定員に対する利用割合を指します。
稼働率の計算方法
稼働率 = 1カ月の延べ利用者数 ÷ (営業日数 × 1日の利用定員 )
稼働率の計算例
- 1カ月の営業日数:24日
- 1日の定員:30名
- 1カ月の延べ利用者数:600名
稼働率:600人 ÷ ( 24日 × 30人 )= 83.3%
デイサービス(通所介護)の稼働率の全国平均
それでは、デイサービスの稼働率の全国平均について見ていきましょう。
福祉医療機構が2019年度に実施した「通所介護事業所の経営状況について」の調査結果によると、事業規模区分別の利用率の全国平均は以下のようになっています。
- 地域密着型・・・68.9%
- 通常規模型・・・71.2%
- 大規模型(ⅰ)・・・77.6%
- 大規模型(ⅱ)・・・77.2%
デイサービス(通所介護)の稼働率アップの取り組みとは?
デイサービスの稼働率をアップするためには、目標とする稼働率を設定し、利用者様を獲得するための取り組みを行うことが重要です。
それでは、それぞれ具体的な取り組み内容について見ていきましょう。
目標とする稼働率・利用率の設定
まずは目標とする稼働率を設定して、それを達成するために獲得しなければならない利用者数等を明確にします。
【計算の条件】
- 1カ月の営業日数:24日
- 1日の定員:30名
- 目標の稼働率:85%
- 現在の稼働率:75%
【稼働率85%を達成するために必要な1日あたりの利用者数】
85% × 30人 = 25.5人
【稼働率85%を達成するために必要な1カ月の延べ利用者数】
85% × 30人 × 24日 = 612人
【現在の稼働率75%の1カ月の延べ利用者数】
75% × 30人 × 24日 = 540人
【稼働率85%を達成するために新たに獲得する延べ利用者数】
612人 - 540人 = 72人
【稼働率85%を達成するために新たに獲得する実利用者数】
※1ヵ月4週とします。
72人 ÷ 4週 = 18人
現状の稼働率(75%)から目標の稼働率(85%)を達成するためには、「1週間に1回利用する利用者様を新たに18人獲得しなくてはいけない」ということになります。
このように、目標の稼働率を定めて、それを実現するために必要となる
- 1カ月の延べ利用者数を『〇〇人』増やす
- 『1週間に〇回利用』の実利用者数を『〇〇人』増やす
といった条件を明確にしましょう。
デイサービスの利用者様を獲得するための具体的な取り組み例
それでは、次にデイサービスの利用者様を獲得するための具体的な取り組みをいくつかご紹介します。
- サービス内容・プログラムなどを見直し、アピールするポイントを明確にする。
- 事業所の魅力が伝わるようなパンフレットを作成して営業で使用する。
- 事業所の魅力が伝わるように、詳細でわかりやすい情報をホームページに掲載する。
- 近隣の居宅介護支援事業所や地域包括支援センターに営業に行く回数を増やす。
- デイサービスの受け入れ可能な曜日・時間などを定期的にケアマネジャーに伝える体制を確立する。
- 近隣の居宅介護支援や地域包括支援センター等が実施する研修会や勉強会に積極的に参加して、ケアマネジャーとのつながりを作る。
デイサービス(通所介護)における稼働率アップ以外の収入を増やすための方法とは?
ここでは、稼働率アップ以外の収入を増やすための取り組みについてご紹介していきます。
加算の算定
デイサービスの収入を増やすための方法として、『新たに加算を算定すること』が挙げられます。
【通所介護の加算(一部抜粋)】
- 入浴介助加算
- サービス提供体制強化加算
- 個別機能訓練加算
- 生活機能向上連携加算
- ADL維持等加算
- 口腔・栄養スクリーニング加算
- 栄養アセスメント加算
- 栄養改善加算
- 口腔機能向上加算
- 科学的介護推進体制加算
- 若年性認知症利用者受入加算
- 認知症加算
- 中重度ケア体制加算
各種加算の算定要件をしっかりと把握したうえで、これらの加算のなかから「算定できる加算はないか?」、「上位の区分を算定できないか?」、「加算を算定するためには何が必要なのか?」を確認しましょう。
また、新たに加算を算定することで、その取り組みやサービスが事業所のアピールポイントになりますので、より多くの加算を取得できるような取り組みや体制構築を目指しましょう。
平均要介護度、中重度の利用者様の積極的な受け入れ
収入を増やすための方法として、『平均要介護度を上げること』も挙げられます。
通所介護の報酬体系は、要介護度が重度の方のほうが高く設定されています。そのため、積極的に中重度の方々を受け入れることで、平均要介護度が上がり、収入アップにつながります。
参考までに、福祉医療機構の「通所介護事業所の経営状況について」によると、事業規模区分別の平均要介護度は以下のようになっています。
- 地域密着型・・・2.19
- 通常規模型・・・2.17
- 大規模型(ⅰ)・・・2.17
- 大規模型(ⅱ)・・・2.16
まとめ
ここまで、デイサービスの稼働率の計算方法や稼働率をアップするための取り組みについて述べてきましたが、いかがでしたでしょうか。
デイサービスの収入を増やすためには、
- 稼働率の目標を設定する
- 獲得しなければならない利用者数を明確にする
- 利用者数を増やす具体的な取り組みを実施する
- 稼働率を上げる以外の方法も検討して実施する
- といったことが重要になっています。
もし皆様の事業所で収入アップをお考えの場合、これらの対策の実施を検討してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。