訪問介護計画書の記入例と様式無料ダウンロード



新しくサービス提供責任者になった方は、業務で『訪問介護計画書』を作成するにあたって、迷うことや疑問に思うことがあるのではないでしょうか?
この記事では、訪問介護事業所において広く使われている訪問介護計画書の書き方をご紹介しています。様式の無料ダウンロードもできるので、ぜひ最後までお読みください。

目次

1.訪問介護計画書とは?

訪問介護計画書とは、利用者に対して提供するサービスの内容やサービスの提供手順、提供方法を記載する様式です。
誰が何のために作成するのか、また、作成にあたっての注意点などについて説明します。

訪問介護計画書はケアプランに基づいて作成する

訪問サービスや通所サービスなどの介護保険サービスを利用する計画書(ケアプラン)はケアマネジャーが作成します。訪問介護計画書は、このケアプランに基づいて、訪問介護事業所のサービス提供責任者が作成することになります。
まずは、居宅介護支援事業所のケアマネジャーが利用者の自宅等を訪問し、利用者の状態や希望を確認してケアプランの原案を作成します。ケアプランにて訪問介護のおおまかな計画が立案され、その後、サービス担当者会議等を通じて、サービスを提供する事業所の担当者が、利用者ひとりひとりに合わせた個別の介護計画を立てます。
訪問介護事業所では、個別の介護計画として『訪問介護計画書』を作成し、利用者やその家族に計画の内容を説明し、同意を得たうえでサービスの提供を開始します。
また、サービスの提供を開始した後は、実際の状況や利用者の状態の変化に応じて、適宜計画の見直しを行います。

作成にあたっての注意点

訪問介護計画書を作成するにあたって、いくつか注意しておくべき点がありますので、見ていきましょう。

要点が簡潔にまとまっているか

訪問介護計画書の作成では、「いつ・どこで・誰が・なにを・なぜ・どうするか」といったいわゆる5W1Hを意識して、記入することが望ましいです。
また、短期および長期の目標を設定する際は、ケアプランを参考に、訪問介護サービスを提供する中で達成する目標を簡潔かつ具体的に記入することが重要です。

利用者に合った個別の計画であるか

利用者の身体機能や家庭環境によって援助の方法は異なります。利用者ひとりひとりの状態に合わせた計画を立てるよう心掛けましょう。

誰が見ても理解できる内容であるか

訪問介護計画書には、医療や介護で用いられている専門用語や略語などは極力使用しないように注意しましょう。訪問介護計画書は、事業所と利用者の間で共有するものであり、誰が見てもサービス利用の目的やサービス内容が理解できることが大切です。QOL(生活の質) やADL(日常生活動作)など、業界では共通言語として使用されている略語でも、利用者とその家族が理解できるように記入しましょう。

2.訪問介護計画書の項目

それでは、訪問介護計画書の項目について、記載内容を見ていきましょう。

訪問介護計画書

計画作成者(サービス担当責任者)氏名

訪問介護計画書を作成する職員名を記載します。

作成年月日

訪問介護計画書を作成した日付を記載します。

利用者氏名・性別・住所・生年月日

利用者の氏名、性別、住所、電話番号、生年月日、年齢を記載します。

要介護認定日・要介護度等

要介護認定日の欄は、利用者の要介護認定日を記載します。要介護等の欄には、該当する要介護(支援)度に丸をつけます。

主たる介護者・連絡先

利用者の主たる介護者の氏名と続柄、住所、連絡先を記載します。

居宅介護支援事業所(事業者番号)・担当の介護支援専門員

利用者の居宅介護支援事業所の名称、事業所番号、担当する介護支援専門員の氏名を記載します。

日常生活全般の状況

アセスメントに基づき把握した利用者の日常生活全般の状況を簡潔に記載します。

援助目標(長期目標・短期目標)

長期目標には、6ヵ月~1年ほどの期間で達成する目標について記載します。短期目標には、長期目標を達成するために1ヵ月~3ヵ月ほどで達成する目標について記載します。
援助目標は、実際に訪問するヘルパーが何のために訪問しているのか具体的でわかりやすい内容を記載しましょう。
見直しの時期及び視点の欄には、援助目標の見直しを行う予定日を記載します。援助目標の見直しを行う日は、長期目標・短期目標で定めた期間が終了する前に設定します。

援助目標

本人及び家族の意向・希望(身体介護に関すること・生活援助に関すること・通院等乗降介助に関すること)

利用者や家族が、訪問介護サービスを受けながらどのような生活をしたいと思っているかを確認し、聞き取った意向や希望について、身体介護、生活援助、通院等乗降介助のそれぞれの欄に該当する内容を記載します。

本人及びご家族様へのお願い

利用者本人に行っていただきたいことや、利用者・家族が希望しても介護保険では対応できないことなどを記載します。

具体的援助内容(サービス区分・サービス内容・所要時間・留意事項・サービス提供曜日・サービス提供時間)

具体的援助内容は、曜日・時間によって「サービス1」、「サービス2」と区分して記載します。
サービス区分の欄には、サービスの準備・記録等、排泄、食事、清拭・入浴、移動、整容、掃除、洗濯、調理、買い物などのサービスの種類を記載します。
サービス内容の欄は、サービスの種類ごとの手順や提供方法等を記載します。
所要時間は、「標準的な時間」を目安に、サービスを提供した場合にかかる時間を記載します。
留意事項には、標準的な時間より時間がかかる場合の理由や要因、サービスを提供するにあたっての注意すべき点などを記載します。

具体的援助内容

週間予定表(時間・曜日)

1週間の何曜日の何時からどのような内容のサービスを提供する予定なのかが、一目でわかるように記載します。

サービス提供に関する評価(目標達成度・利用者満足度・計画見直の必要性)

目標達成度には、訪問介護サービスを提供した結果の援助目標の達成状況について記載します。
利用者満足度には、提供したサービスに対して利用者がどの程度満足しているかを聞き取り、簡潔に記載します。
計画見直の必要性には、目標達成の状況や利用者の満足度、新たなニーズの有無などを踏まえて、訪問介護計画書の目標やサービス内容を見直す必要性について記載します。

説明日・説明者

利用者やその家族に説明した日と説明した職員の職種、氏名を記載します。

事業所名称・事業者番号・連絡先

訪問介護事業所の事業所名、事業所番号、連絡先を記載します。

利用者同意署名欄

訪問介護計画書の説明後に、利用者やその家族から署名をいただきます。

3.訪問介護計画書の記入例

ここでは、訪問介護計画書の項目をいくつかピックアップして記入例をご紹介します。

日常生活全般の状況

日常生活全般の状況には、利用者の日常生活全般の状況と解決すべき課題について、アセスメントの結果をもとに、ケアマネジャーが作成した居宅介護サービス計画書(2)の生活全般の解決すべき課題(ニーズ)に沿った内容になっているかという点に注意しながら記入しましょう。
「一人暮らし。足腰の痛みがあり、歩行が不安定なため、ひとりで通院することができない。何かに摑まっていないとふらついてしまうため、部屋の掃除や整理整頓ができていない。」

援助目標

解決すべき課題に対して、援助する内容を具体的に記入します。上記の課題を例に挙げると、以下のような長期目標・短期目標の例が考えられます。
長期目標:「安全に定期的に通院できることで病状の維持・安定を図ることができる。」
長期目標:「居室内が整理され、衛生的な環境で生活することができる。」
短期目標:「移動介助を受けて、安全に通院することができる。」
短期目標:「生活援助(掃除)を受けることで、部屋を衛生的に保つことができる。」

本人・家族の希望

ここには利用者やその家族の意向や希望を記入しますので、利用者から聞き取った言葉をそのまま書くのが良いでしょう。上記の課題を例に挙げると、以下のような本人・家族の希望の例が考えられます。
「子供の手を借りずに生活していきたい」
「きれいな部屋で過ごしたい」
「安心して定期的に通院したい」
「これからも自分でできることは自分で行っていきたい」
「転んだりせず、これからも自宅で生活したい」
計画作成者がフィルターをかけることなく、ありのままの希望を記入するのが良いでしょう。また、利用者と家族の意向に違いがある場合もあるので、利用者本人と家族の言葉は区別して書くと良いでしょう。

本人及びご家族様へのお願い

一般的に介護保険の生活援助の範囲に含まれないものの例として、以下のようなものが挙げられます。

そのため、利用者から上記の項目に該当するような内容の意向・希望があった場合には、対応できない旨を記載することになります。
「部屋の掃除にあたり、家具の移動と粗大ごみの搬出、ガラス磨きもやっていただきたいとの希望がありましたが、介護保険サービスとして対応できないため、他の業者等へ依頼して頂くことで了承して頂きました。」

援助内容

援助内容には、訪問介護のサービス区分、サービスの内容を具体的に記載します。

サービス区分・サービス内容の欄

サービス区分には、「身体介護」・「生活援助」・「通院等乗降介助」から選択して記載します。
上記の課題を例に挙げると、「通院等乗降介助」、「生活援助」の「掃除」となります。

留意事項

留意事項の欄には、利用者の生活状況や病状の変化、その他留意すべき点などを記載します。
上記の課題を例に挙げると、以下のような留意事項の例が考えられます。
「歩行車(シルバーカート)の止め具をかけ忘れずに使えているか確認する。」
「自宅内で腰痛が悪化(変化)しない範囲で家の中を歩けているか確認する。」
「通院時、車からの乗降介助後、腰痛が自制内で歩き出せているか確認する。」
「自宅内で手の届く範囲(ベッド周囲)の片付けができているか確認する。」

4.まとめ

訪問介護計画書の役割や項目、記載例について説明してきました。
訪問介護計画書は、訪問介護事業所の運営において作成が義務付けられている重要な書類です。
ここでご紹介した内容が、皆様の訪問介護計画書の作成のお役に立てば幸いです。
『カイポケ』は、介護経営支援ソフトとして、介護請求に関する機能だけではなく、訪問介護計画書の入力・出力なども行うことができます。
まだ、訪問介護計画書をエクセルなどで管理されている場合は、この機会にぜひカイポケの導入をご検討ください。

5.訪問介護計画書の様式の無料ダウンロード

訪問介護計画書の様式は、こちらから無料ダウンロードできます。
※さらに、詳細な資料をご覧になりたい方は、こちらからお申し込みください

カイポケでは無料体験期間をご用意しております。

万が一事業所とソフトが合わなかった場合でも、
一切お金を頂かずにご退会いただくことも可能です。
まずはお気軽にお試しください。

※無料期間は条件によって異なりますのでお問い合わせください

コールセンター

2025年3月31日までのお申し込みで 最大36ヶ月無料

無料で試してみる

お電話からもお気軽にお問い合わせください

0120-115-611通話無料

上記の番号がつながらない方 03-4579-8131

平日9時〜18時(年末年始・GW除く)

カイポチくん
© SMS Co., Ltd.